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双分組織      知られざる人類婚姻史と共同体社会
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投稿者 愚民党 日時 2010 年 8 月 21 日 01:35:04: ogcGl0q1DMbpk
 

http://bbs.jinruisi.net/blog/2010/08/000862.html

双分組織

双分組織は、敵対関係から濃厚な親密性にいたる複雑な関係を取り結ぶ二つの区分に、共同体(部族または村落)の成員が振り分けられている体系を言い、ふつうそこには、さまざまなかたちの競争と協働とがより合わされている。多くの場合、これら半族は外婚をおこなう。

出自はたいがい母系をたどり、長男と次男または双子の文化的英雄が神話で重要な役を演じる。しばしば森羅万象の二分につながり、半族はもろもろの典型的対立に結び付られる。<赤>と<黒>、<明>と<暗>、<昼>と<夜>、<冬>と<夏>、<北>と<南>、<天>と<地>、<良>と<悪>、<強>と<弱>、<年長>と<年少>などである。ときには双分組織に権力の二分法が伴い、世俗の首長と宗教上の首長、民間の首長と軍事上の首長が見られることもある。
半族同士は女の交換によってばかりでなく、経済的・社会的・儀式的性格を併せ持つ、給付・反対給付の相互応酬によっても結びついている。

この双分組織は、広く世界中に、未開な文化水準に結びついて見出される。
なお双分組織は、二つの村落、それどころか同じ言語を話さない二つの部族のあいだに有機的なつながりが確立されて生まれてくることもある。
双分組織とは互酬性を基盤にしてその上に成立つ組織化原理なのである。

双分組織と交叉イトコ婚

双分組織では、出自様式が母系であるか父系であるかを問わず、父の兄弟の子供たちと母の姉妹の子供たちは、主体(つまり父と母の子供)と同じ半族のもとに置かれ、逆に父の姉妹の子供たちと母の兄弟の子供たちは、つねにもう一方の半族に属す。ゆえに後者の子供たちが主体にとって結婚可能な最初の傍系親族である。

このことは親族名称に反映され、前者のイトコたちは兄弟姉妹と同じ名称によって指示され、後者のイトコたちは特別な名称か、「夫」または「妻」を文字通り意味する名称によって指示される。

この二分法的名称体系は、きわめて多数の未開社会が共通してもつ別の制度、交叉イトコ婚とも一致する。交叉イトコ婚も双分体系もほぼ全世界の各地に広がっているが、頻度的には交叉イトコ婚のほうが外婚半族よりもはるかに高い。外婚半族体系が必然的に交叉イトコ婚を可能にするが、半族に分割されていない数多くの集団にも交叉イトコ婚が見られるのである。

交叉イトコ婚のとりわけ興味深い点は、この婚姻によって立てられる規定配偶者と禁忌配偶者との区別がさらに親族の一カテゴリー〔イトコ〕を、生物学的近親度から見て厳密に互換可能であるにもかかわらず、〔平行と交叉とに〕二分することにある。この点は婚姻禁忌がいかなる生物学的根拠ももたないことの傍証として、いままでしばしば持ち出されてきた。

出自と居住

母系出自と母方居住の体制は確かに存在するが(たとえば夫が「借りてきた男」と呼ばれるスマトラ島のミナンカバウがこれに当たる。1、2、3参照)、実権の掌握と行使は女の兄弟か長男が成し、そのうえに実例は極端にまれである。

それ以外のすべての実例では、母系出自は、比較的短い猶予期間の後に父方居住を伴う。夫はよそ者、外の人間、ときには敵ですらあるのに、妻は夫の村に移って夫の家で生活し、けっして夫のものとならない子を産む。婚姻家族は引き裂かれてはまた引き裂かれる。こんな状況がいかにして案出され、確立されたのか。

女を譲る集団と女を獲得する集団との絶えざる軋轢の結果をそこに見ないでは理解されないだろう。女そのものは結局、彼女の属すリネージの象徴でしかなく、母系出自とは、妻の父や妻の兄弟が義理の兄弟の村にまで広げていく支配力のことなのである。

政治的権力が他の組織化形式に優越する社会では、政治的権威の男性的性格と出自の母系的性格とに由来する二元性を残し続けておくことはできず、父権を社会全般に広げようとする方向へ傾く。

父系体制に匹敵する数の(おそらくそれ以上の)母系体制が存在するが、しかし母方居住を同時にとる母系体制の数は極端に少ない。出自様式がゆらぎを示すその裏に父方居住が恒常的に見られることは、人間社会を特徴づける基礎的関係、性のあいだの非対称性を物語る。

母系出自と父方居住の対立は、ドブ島やトロブリアンド諸島のキリウィナのように(トロブリアンドは1、2を参照)、双分組織の社会単位を地理的に接近させることで解消されている。これにより夫婦共同体〔婚姻家族〕が不断に引き裂かれることがなくなり、<男子集会所>は儀礼や政治での協力を通して夫と義理の兄弟とを団結させ、「持ち主」と「よそ者」のあいだの軋轢を解消する。

***************************************************
次回は、純粋な限定交換が残るオーストラリアの四セクション体系(カリエラ型)、八下位セクション体系(アランダ型)を、引き続いて全面交換の本場アジア大陸へと行きますが、実際はかなり複雑な体系が存在します。

本稿の最後に、このような複雑な親族体系は構造論的に捉えられなければ実践できないが、それだけの能力が未開の思考に備わっていることを紹介します。
下図は、現在確認されているもっとも複雑な体系の一つであるアンブリン島の六クラス体系の図式だが、これは原住民が地面に石を置き線を引いて示したもので、一点の曇りもない明晰さをもって説明したという。


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コメント
 
01. 2010年8月22日 01:51:44: 1kaalj8E9g
平和的な母系社会に回帰せよ、ってか?www

母系社会は消滅するべくして消滅したのです。
それは必然であって偶然ではない。

現代の文明が何らかの事情で崩壊して、一時的に母系社会に戻っても
人類の性質が変わらない限り、再び父系社会(男社会)が出現するでしょう。
双六が振り出しに戻るだけの話ですよ。


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