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バッケの語源について考える  神州の泉
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投稿者 愚民党 日時 2011 年 5 月 11 日 21:48:56: ogcGl0q1DMbpk
 

バッケの語源について考える  神州の泉

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2006/05/post_9a45.html


 今日は「バッケ」のことを少し書く。カサが開いていない、まだつぼみ
状フキノトウを味噌と合えたものを、秋田県ではバッケ味噌、あるいは
バッキャ味噌と言う。あ、そうそう、バッケとは東北地方で言うフキノトウ
のことである。

 これを食すと、ほんのりとした苦味を伴い、春の香りを凝縮したような
味わい深い料理である。フキノトウ特有の苦味が大人の嗜好を満足さ
せてくれる。

 バッケ味噌についてはネットでもたくさんの記述があるから、今では
特段珍しいものではないが、「バッケ」の語源となると、これはまったく
諸説紛々で、これぞという定説がないというところが本当だろう。バッケ
の語源を知っても知らなくても別にどうってことはないのだが、バッケと
いう言葉自体が面白いので、やっぱりどんな言葉の発生をたどったの
か私自身は昔から興味があった。バッケとはいったいなぜそういう名
前になったのだろうか。

 比較的に有名なところは、『みちのく 南部の方言』(田一二三 著)と
いう本に書かれているものらしい。それによれば、ばっけの語源は、
 
  ○ 花のようで つぼみのようでもあり 半開の意

  ○ 早春にポックリ 芽を出し開花するので ポックリの転化
   ポックリ → ポッケリ → ボッケ → バッケ 

  ○ 花が盤状に開くことから、盤開が促音化 

  ○ アイヌ語 makayo の転

 ネットで調べると、上の内容が多く出る。花のようでつぼみのようで
もあり半開の意と言われても、それがなぜ「ばっけ」なのかよくわから
ない。ポックリの転は信憑性はまるでないと思う。盤開(バンカイ)が
バッケに移行することも、なんだかなあである。それなら「バンケ」と
言うほうが自然である。確かめてはいないが、このバンケは山形庄
内地方の呼び方となっているようである。とすると、盤開語源説も有
力なのであろうか。

 そこで不肖、私の説なのであるが、私は以前からバッケという言葉
が仏教説話から出てきたものだと考えている。バッケの語源は優曇
鉢華(うどんばつげ)という言葉から来ているのではないだろうか。法
華経というお経があり、その中の「妙法蓮華経方便品第二」というお
経の中に次の箇所がある。

仏舎利弗に告げたまわく、是の如き妙法は、諸仏如来、時に乃し
之を説きたもう。優曇鉢華の時に一たび現ずるが如きのみ。

ここで言われている優曇鉢華は、一般には優曇華(うどんげ)として
知られていて、仏または転輪聖王がこの世に生まれる時、一度だけ
咲く聖なる花のことである。想像上の花である。優曇鉢華をなぜ覚え
ていたかであるが、昔、母が読んでいた法華経の中に、偶然その言
葉を見つけ、へんてこな言葉だなあと記憶に残っていたからである。
「うどんげ」という神秘の華がロマンティックだなあと思っていた。ただ
し、その時の記憶では優曇法華(うどんばっけ)という文字で、ふりが
なまで書いていたように思う。確かその時、「ああ、バッケの名の由
来はここから来たんだな」と一人合点したことを覚えている。従って、
この優曇法華(うどんばっけ)に記憶の誤りがあれば、この自説はい
たってあやしいものとなる。優曇鉢華のほうは最近知ったものである。

 さて重要なことは、「優曇鉢華」をどう読んできたのかということであ
るが、これは「うどんはつげ」とか「うどんばつげ)とか言われていたら
しい。この「うどん」の最後尾に付いている「ばつげ」が「ばっけ」となっ
たのではないだろうか。フキノトウは多分、かなり昔から食べられてい
て、それを食すことは、春の風物詩というよりも、当初は有難い薬と
して用いられた可能性がある。実際に、蕗(フキ)やフキノトウは健胃
剤として用いられた形跡がある。

 山菜類、薬草類では、一般に苦味のあるものは胃に良いとされてい
るからである。ここからフキノトウはありがたい薬草として古代の人々
には重宝されていたのかもしれない。ありがたいと言えばお経である。
そのお経に、フキノトウをイメージさせるありがたい言葉として、三千年
に一度咲く神秘の花、優曇鉢華(うどんばつげ)をどこかの和尚さんが
見つけ、鉢華(ばつげ)という言葉をフキノトウに名づけたのが、いわゆ
る「バッケ」の語源だと私は考えている。フキノトウが開き始めた、つま
り、半開状態の姿が、三千年に一度咲くという優曇鉢華のイメージと
ぴったり重なったのである。

 バッケという言葉が東北地方に分布していることも、この説を裏付
ける重要な示唆がある。雪深い東北では、厳しい冬から春の訪れを
首を長くして待ちわびている。この春の知らせを雪の間から教えてく
れるのがバッケなのである。これも吉兆というか、ありがたい季節の
到来を象徴する野草である。身体にもよくて春を知らせてくれるあり
がたい野草とくれば、優曇華を連想させたのかもしれない。しかし、
フキノトウをそのままに優曇華と呼んでしまったらあまりにもおそれ
多いので、鉢華(ばつげ)と呼んだのだと思う。それが転じて「バッケ」
になったわけである。・・心もとないが多分そうなのだと思う。

 また、優曇華の正式名称は優曇波羅華(うどんはらげ)、ウドゥ
ンバラ・プシュバと言う説明もあった。これにしたところで、波羅華(は
らげ)の波羅(はら)は、バラゲと読むことはあったかもしれない。ハラ
ゲ → バラゲ → バッケ と転じたかも知れない。まあ、これはかな
りこじつけに近いと自分でも思うのだが、ポックリがバッケに転じたと
いう解釈よりはまだましなのかなと一人合点している。

 優曇華は竹取物語にも出ていて、かぐや姫がくらもちの皇子に命じ
た難題の一つに、私をお嫁に貰いたかったら、優曇華の花を取ってく
るようにということが書かれている。優曇華の意味は、一般に非常に
希少な瑞祥を言うが、雪の中に若草色のつぼみを見つけたとき、古
(いにしえ)の東北人は、きっと、感動を持って春の瑞祥をそれに見た
に違いない。従ってフキノトウはウドンバッケの「バッケ」と呼ばれたの
であろう。

 この解釈は牽強付会の部類に入るのだろうか。

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2006/05/post_9a45.html

 

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コメント
 
01. 2011年5月12日 03:10:04: ImVWmwzHBA
バッケ:化ける、変わる

冬から春への意


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