国債買い取り「現在の水準が最適」　日銀総裁が講演（日本経済新聞）

　日銀の白川方明総裁は29日に東京都内で講演し、国債の買い取りについて「潤沢に資金を供給するうえで、現在の金額が最適だと思っている」と述べ、現時点では月１兆８千億円からの増額に慎重な姿勢を示した。物価が1980年代以降、長期にわたって低水準で推移していることに対しては、少子高齢化などを背景に「将来の成長期待が低下している」と強調し、官民を挙げた対応が必要だと訴えた。

　総裁は国債の買い取りに関し、長期金利の操作や財政赤字の穴埋めを目的にすると、「中央銀行の原理原則である物価安定の下での経済成長という目的から離れる」と懸念を表明。「いま安定している長期金利にも国債のファイナンス（政府の資金調達）にも悪影響が出てくる」と強調した。

　講演ではデフレ問題にも時間を割いて言及した。デフレ克服へのカギとなる成長期待を高めるうえで、「新興国・途上国の需要を積極的に取り込んでいくこと」と「潜在需要に対応し、生産性の上昇を図っていくこと」が重要だと述べた。 (22:16)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100129ATGC2902Z29012010.html 　

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