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世論が最大の敵になりかねないFRBの金融政策(KlugView)
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投稿者 そのまんま西 日時 2010 年 2 月 23 日 00:16:12: sypgvaaYz82Hc
 

世論が最大の敵になりかねないFRBの金融政策(KlugView)
2010/02/22 (月) 17:07

2月18日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、公定歩合を0.50%から0.75%に引き上げることを決めました。2008年後半の金融危機で導入した異例ともいえる金融緩和策の正常化(いわゆる出口戦略)に向けた対応とみていいでしょう。

FRBは、公定歩合の引き上げの声明文にて、「経済見通しの変更や金融引き締めを示すものではない」と記し、今回の対応が「利上げ」ではないことを強調しています。しかし、公定歩合は、金融政策を運営するツールの一つですから、公定歩合の引き上げは、広い意味での「利上げ」と考えるのが一般的です。

実際、公定歩合引き上げが発表されてから、金融市場は「利上げ」の反応を示しています。金融政策に敏感に反応するといわれる米国債(2年もの)の利回りは0.90%を超える水準に上昇し、ドル円レートは、一時92.10円と約1カ月ぶりの高値をつけました。公定歩合の引き上げが、政策金利(FF金利)の引き上げ(いわゆる利上げ)にすぐさまつながるかは定かではありませんが、公定歩合の引き上げが、利上げの地ならしである、と金融市場が先読みするのは自然のことと思われます。

公定歩合の引き上げについて、市場関係者の評価は、あまりよくないようです。FRBは公定歩合の引き上げを「利上げではない」と否定しましたが、米国債利回りは上昇してしまいました。米国債利回りが上昇してしまうと、銀行の貸出金利や住宅ローン金利も上昇することになるので、せっかく回復し始めた(と思われている)米国景気が再び悪化する可能性が高まります。

公定歩合の引き上げが、金利の上昇につながる可能性があることは、FRB自身も予想できたことと思われます。それでも、FRBが「あえて」公定歩合を引き上げたのは、現在の金融緩和が長期間続く、と予想(期待)されることを避けようとしたほか、すでに予兆が生じつつある過剰流動性を防ぐ意図があったためと思われます。

FRBの考えは理解できなくはありませんが、今回の公定歩合の引き上げは、ややタイミングが悪かったようです。公定歩合引き上げを発表した翌日(19日)、1月の米消費者物価指数が発表され、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前月比0.1%の低下と、1982年12月以来(約27年ぶり)の落ち込みを示しました。

一般に、デフレ懸念が残っているうちは、(公定歩合であっても)金利を引き上げることは良くない、といわれています。現在の米国は、失業率が10%近くで高止まりしているなど、決していい状態とはいえません。こうした中、消費者物価が27年ぶりの落ち込みを示しているのにFRBは公定歩合を引き上げるとは何事だ!、といった批判の声は米国内で高まるでしょう。

この状況は、2000年に日本銀行がゼロ金利政策を解除した時と似ているように思えます。当時は、日本景気が後退局面に入ったこともあり、日本銀行は再びゼロ金利政策(実際には量的緩和政策)を選択した経緯があります。そして、その際に、日本銀行がゼロ金利を解除したことが景気後退のきっかけを作ったと非難されています。

今回のFRBの決断が、後世でどのような評価を受けるかは分かりませんが、このまま米金利が上昇を続けるようだと、FRBの立場は苦しくなり、以前の日本銀行と同じように世論で行動が縛られるリスクが高まるような気がします。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

2010年1月の米消費者物価の落ち込み幅は何年ぶりの大きさ?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

1982年12月以来(約27年ぶり)


http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/02/22/008488.php  

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コメント
 
01. 2010年2月23日 23:17:13
すでに予兆が生じつつある過剰流動性を防ぐ意図…

何だか、今回の金融緩和までは過剰流動性が問題でなかったような言い方ですが、どう控えめに言っても、2005年の時点で世界的な過剰流動性が発生していました。
勿論、日本のゼロ金利政策がそれに大きく加担しています。

そもそも、今回の金融緩和で実体を伴った形で米国経済は「回復」しているのでしょうか?
確かに有力企業の増益が立て続けに報じられていますが、"jobless recovery"の字の如く、単にリストラ(生産設備の処分、人員削減)して生産性を上げただけでしょ??

失業率改善しましたか?
一時的にチビッと上向いて主要メディアが大騒ぎしただけでしょ?

住宅の差し押さえは減ったのでしょうか?
商業不動産の市況はどうなのでしょうか?

金融緩和で過剰流動性がさらにウォール街に流れ込んで、ここの住民だけが大儲けしたようにしか見えないのですが…

村田さん大丈夫でしょうか???


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