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【ウォルマート】、ついに数千におよぶロールバックが始まった！競合はどうでるのか？
■ウォール・ストリート・ジャーナル紙は９日、ウォルマートがディカウントストアのリーダーとしての信頼を磐石にするためロールバック（長期ディスカウント）をはじめていることを報じた。ウォルマートは対象となる商品など詳細を明かさないものの、食品や定番品を中心におよそ１万アイテムをロールバックするとしている。
マーケティング最高責任者のステファン・クィン氏は同紙のインタビューで「ウォルマートにはお買い得品でいっぱいだというふうに、お客様にもっとワクワクしてもらう必要があると痛感していました」と述べている。
クィン氏はまた「サプライヤーがウォルマートの棚を得ようと競争に躍起になっている」と語っており、サプライヤーにはディスカウント対象商品として目立たせるかわりに原価を引き下げてもらっているとしている。サプライヤーからの協力を広げ、来月にもロールバック対象商品を拡大する予定という。
同社は店内のポップでロールバック商品を告知し、メディアではトラックで商品を混載にすることで経費削減をおこない顧客に還元していることを伝えていくという。
スーパー最大手のクローガー社ＣＥＯのデビッド・ディロン氏は先月、「我々は低価格以外の３つのキーポイント（クリンリネス、スピーディなチェックアウトなどのカスタマーサービス、品揃え）で際立っています。今後もさらにこれらが際立つと考えています。この３つのキーポイントがウォルマートとの差別化になり、彼らが売上を上げても、我々には勝利する十分なチャンスがあるのです」と語り、低価格以外にも集客できる武器があるとの自信をのぞかせている。
南カリフォルニアを中心に展開するローカルスーパーのステーターブラザースＣＥＯのジャック・ブラウン氏も「お客様はウォルマートのようなディスカウントストアから、近所のスーパーに戻ってきています。お客様は十分に低価格の恩恵を受けていると感じていますから、ウォルマートがさらに価格を下げてもウチは影響を受けないでしょう」と語っている。
10年３月25日 - 【クローガー】、傘下2,500店にスーパーセンターは2,750店！影響を受けないわけがない？
⇒こんにちは！アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。今月５日の月曜日、ラスベガスのアロヨ・マーケットスクエアＳＣにあるウォルマート・スーパーセンター（省エネ店舗『ＨＥ５』）を視察しました。そこでは、すでに数千アイテムにおよぶロールバックをやっていました。店内中に「↓」のマークに「ロールバック（Rollback）」や「さらにお安くなりました（Save even more）」、「絶対低価格（Unbeatable）」のワードが踊っていましたね。ウォルマートで最も売れているバナナも１パウンド（450グラム当たり）44セントで相当安い。一般的に大手スーパーでは、１パウンド当たり50セント前後がバナナのセール価格です。私はキウィ１個25セントの安さに感動し思わず買ってしまいました。中途半端になぜか２個だけの買ったので、ガイドさんに笑われてしまいましたが
「ロールバック（Rollback）」や「さらにお安くなりました（Save even more）」とある。価格の右上に「WAS」と価格があるのは、以前（it was）の価格だ。価格の横にeaとあるのはeachの略で１個いくらということ。lbはパウンドで１パウンド（450グラム当たり）当たりという意味だ。右画像：島陳列も一部だが戻している。
ウォルマートのエンドは、メーカーにとって垂涎の的だ。毎週1.3億人の目に触れる一等地なのだ。メーカーは競ってエンドをとりに行こうとするから、ウォルマートへの協力は惜しまない。ウォルマートの「エンドをあげるから、（原価）安くしなさい」とは神の声だ（笑）。
⇒一部スーパーマーケットのトップは、ウォルマートの激安価格に影響を受けないとしていますが、それはない！絶対に影響を受けます。その証拠にスーパーのチラシは、相変わらずお値打ち品を打ち出した広告内容となっています。さらにウォルマートとの差別化策として、ＦＳＰカードによる販促やストアクーポン販促、時限セールが目白押しなのです。景気がこれ以上悪くならないとしても、失業率は高いままですし、差し押さえ住宅の問題も解決できておらず、脆弱そのものです。一般家庭は厳しい家計状況にさらされていますので、１円でも安いものを求めて激安スーパーに人が集まっています。ウォルマートが激安価格に本気になれば、お客はウォルマートに吸引されます。いままでウォルマートは激安価格の訴求に本気ではなかったのかというと、「世間の目」があって大々的にはできなかったのです。でも今は不況ですから、体力（つまり利幅）さえあれば結構、無理な値引きもできる環境です。
10年２月24日 - 【ウォルマート】、ブードゥー買収！居間のテレビで映画以外もウォルマートでお買い物？
⇒ところでウォルマートは先月、３Ｄテレビの販売を今秋から始めると報じられていました。くしくも直近の広告（4月11日〜17日）では、「また新たにトップブランドを加えました」とＬＧ社の薄型テレビやＢＤプレーヤー、ホームシアターセットを目玉にしています。42インチ液晶（1080p、60Hz）が658ドル、32インチ液晶（720p、60Hz）も418ドル。そして164ドルのＢＤプレーヤーには、最近、ウォルマートが買収したブードゥー（Vudu：オンライン・オンデマンド配信サービス）の20ドルのクレジットもついています。20ドル分の映画をブードゥーからオンラインでダウンロードできるのです。それからＬＥＤテレビでは「ウォルマートで、日本メーカーのＬＥＤテレビは売らせない」という感じでＬＧとサムスンの韓国企業が広告で席巻しています。ちなみに超薄型ＬＥＤテレビの価格ですが、ちょうど１年前にベストバイで販売されていたサムスンのＬＥＤテレビ42インチは、2,300ドルでした。ウォルマートの広告では1,148ドルです。ウォルマートが販売を始める３Ｄテレビの価格もフリーフォール並みの下落速度でしょうねぇ。
ウォルマートがロールバックをするとスーパーも競争に応じざるえません。食品やテレビのデフレ化がまた進みそうです。
ウォルマート今週の広告（4月11日〜17日）。広告には「また新たにトップブランドを加えました」とＬＧ社の薄型テレビやＢＤプレーヤー、ホームシアターセットをプッシュしている。目玉は42インチ液晶（1080p、60Hz）が658ドル、32インチ液晶（720p、60Hz）が418ドルとなっており、164ドルのＢＤプレーヤーには、オンライン・オンデマンド配信サービスの20ドル分のクレジットがついている。
２ページ、３ページ目はサムスンとＬＧの韓国勢で牛耳られている。ウォルマートと商売できるのなら、ＬＥＤテレビでさえいくらでも安くするという姿勢だ。サムスンにはアメリカでＬＥＤテレビという新しいカテゴリーを開拓したという自負もある。サムスンは日本メーカーにＬＥＤテレビのシェアを渡したくないのだ。したがって、サムスンはウォルマートに価格を譲歩し、その分ウォルマートでの露出を増やしているのだ。３Ｄテレビの価格下落も凄まじいものになるだろう。
ウォルマート（同じ店）の薄型テレビ売り場の１年前（左画像）と現在（右画像）。テレビの台数も絞られていることがわかる。メーカーにとっては脅威だ。ウォルマートに扱ってもらえるためには、家電メーカーも血の出るような価格譲歩をしなければならないのだ。
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