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知識の欠如を露呈した民主党デフレ議連による為替に関する要望案(KlugView)
http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/626.html
投稿者 そのまんま西 日時 2010 年 4 月 14 日 22:16:09: sypgvaaYz82Hc
 

知識の欠如を露呈した民主党デフレ議連による為替に関する要望案(KlugView)2010/04/14 (水) 11:37

民主党の有志議員による「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(以下、デフレ議連)は、4月13日、今年夏の参院選のマニフェスト(政権公約)に反映させる要望案を議論しました。4月14日には、最終とりまとめ案を党の国会対策委員会などに提出する予定となっています。

報道によると、デフレ議連の要望案には、デフレからの完全脱却のために、金融政策と財政政策のあらゆる手段を一体的に駆使した総合デフレ対策が盛り込まれているようです。具体例として、政府が消費者物価指数の前年比2%超など物価水準目標を設定し、それに基づいて日本銀行が数値目標の達成に努めることや、金融政策の目標として「雇用の最大化(失業の最小化)」の明記することを要請しているようです。

政府が物価水準について目標を定めることなどは、政府と日本銀行の関係を再考を促すという点で、興味深い投げかけと思われます。ただ、残念なのは、デフレ議連の要望案の中には、経済学に関する知識が欠如した方が作成したと思われる内容も盛り込まれていることです。それは、為替政策に関する記述です。

報道によると、デフレ議連の要望案には、為替政策について、「貿易・金融に過度の歪みが生じないよう、購買力平価を参考として、1ドル=120円前後を目安に、相場が適切な水準を保つよう最大限の努力を行う」と盛り込まれているようです。

購買力平価とは、財やサービスが同じであれば、価格も同じとする「一物一価の法則」を前提とした考え方です。たとえば、米国と日本で全く同じ品質のリンゴが存在するとし、このリンゴは、米国で1個1ドル、日本で1個100円で販売されているとすると、一物一価が成立するのであれば、為替レート(ドル円レート)は、1ドル=1個=100円→1ドル=100円、となります。

購買力平価を用いて為替レートを推定する場合、ある特定の時期の為替レートを基点とし、その後の二国の物価それぞれの変化を基点に当てはめます。たとえば、基点とするドル円レートが100円だったとし、米国の物価は変わらず、日本の物価だけ2%低下したとすると、購買力平価説によって推定される為替レートは98円(100円から2%円高)となります。

ただ、購買力平価を用いて為替レートの水準を推定することは問題が多いことが知られています。問題の一つは、基点として使用する為替レートが、適切なものであるとは限らないことです。

書籍などでは、購買力平価からドル円レートを推定する場合、基点として1973年4-6月期のレート(1ドル265円)を用いることが多いようです。これは、1973年4-6月期の日米の経常収支がほぼ均衡し、貿易に関する政治的圧力も少ない時期とされているためといわれています。この方法でドル円レートを推定すると、(どの物価指標を使ったとしても)現在の為替レートよりも1割から3割程度、円安の結果となります。

しかし、たとえ経常収支が均衡していたとはいえ、今から40年近く前の為替レートを基点とし、物価変動だけで為替レートを推定するのは無理があります。たとえば、基点を1973年4-6月期ではなく、プラザ合意後の1985年以降にして、購買力平価を用いると、推定される為替レートは、現在の為替レートより円高水準となります。つまり、購買力平価で為替レートを推定しても、設定した基準しだいで、結果が大きく変わることになります。

購買力平価は「一物一価の法則」という直感的に理解しやすい理論をベースとしているだけに「正しそうだ」というイメージがあると思われます。しかし、購買力平価の本質を理解していれば、政策目標の設定方法として、購買力平価を利用することが不適切であるのは自明です。

おそらく、デフレ議連が購買力平価という言葉を用いたのは、この内容を提案した方が、購買力平価の問題点を理解していないためでしょう。仮に、理解したうえで購買力平価とい言葉を用いたとすれば悪質です。この場合、現在のドル円レートよりも円安(1ドル=120円)にすべき、という主張をもっともらしくするために、もっともらしいイメージがある購買力平価を用いたと思われるからです。恣意的に結果を左右することができる方法(購買力平価)を用いて政策目標を提示するのであれば、目標の意味は全くなくなります。


村田雅志(むらた・まさし)

●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●

購買力平価って何?

●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●

財やサービスが同じであれば、価格も同じとする
「一物一価の法則」を前提とした考え方


http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/04/14/009126.php  

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コメント
 
01. 2010年4月17日 12:10:51: CD4w5wtBYY
私は、為替レート(ドル/円 チャート)をよく見ています。
民主党有志である「デフレ議連」の発した情報が、流れた時、ドル/円レートが突然・瞬時に激しく動きました。

この発表を、ほんの少しでも、早くキャッチ出来た場合、沢山の利益を出せたはずです。

「デフレ議連」を、すぐにネット検索・アメリカ系といわれている情報機関が肯定的な情報を出していました。「デフレ議連」のメンバーは、100人程度との事です。 この人達は、どのような人達なのかと思っていました、注視する事にしています。


02. 2010年10月10日 13:48:32: ExPjfxWDAE
「1973年4-6月期の日米の経常収支がほぼ均衡し、貿易に関する政治的圧力も少ない時期とされているため」という前提があるから、「プラザ合意後の1985年以降にして、購買力平価を用いる」のはおかしいんじゃないのか?
「設定した基準しだいで、結果が大きく変わることになります。」のは当たり前で他の経済指標でも言えること。
「しかし、購買力平価の本質を理解していれば、政策目標の設定方法として、購買力平価を利用することが不適切であるのは自明です。」とは必ずしも言えず、不完全だからもう少し研究して使いましょう、というのが「自明w」なんじゃないだろうか。

逆に言えば、この筆者は何を物差しにして円が高いか安いかを決めればいいのか書かず全否定している以上、単なる無責任で印象操作としか言えないと思う。少なくともこういう内容では政策としては使えない。批判のための批判と言える。

仮に80円が85年以降の購買力平価での均衡値だとしても、前述の理由から120円と80円の中間値を考えると、現状の円は高すぎると言えないだろうか?

政府要人や日銀関係者の発言で為替が変わるのはよくあること。

それで陰謀論を考えるよりもマクロ経済学をもう少し勉強したほうがいい。
中央銀行のバランスシートの増加率が先進国中一番少ないのは日本だけで、先進国中デフレになっているのは日本ただ一国。人口減少している国も先進国にはあるがデフレになっているのは日本のみ。この現実をよく考えよう。


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