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「デフレ脱却」はパンドラの箱(日本の論点PLUS)
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投稿者 そのまんま西 日時 2010 年 5 月 04 日 00:11:14: sypgvaaYz82Hc
 

「デフレ脱却」はパンドラの箱(日本の論点PLUS)
2010.05.01 更新

 昨年末の政府による「デフレ宣言」以降、メディア等で「デフレ脱却」の言葉を聞かない日はない。まるで日本経済の現状を打開する唯一の処方箋であるかのような喧伝のされ方である。この3月には、民主党内に総勢130人を擁する「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟(デフレ脱却議連)」が発足した。今夏の参院選マニフェストに盛り込むべく、金融・財政両面から政策提言を行うという。また菅副総理兼財務・経済財政相も、ことあるごとに「デフレ脱却への努力が必要」と述べている。

 そのお手並みにはおおいに期待したいところだが、それで本当に万事解決するかといえば、じつはそうは言い切れないのが悩ましいところなのだ。かりに首尾よくデフレから脱却し、理想的とされる1〜2%のインフレ率を達成したとしても、今度はそれによって財政の逼迫懸念が台頭するからだ。「デフレ脱却」は、さながらパンドラの箱、あるいは浦島太郎の玉手箱のようなものかもしれない。開けたとたん、封印されていたさまざまな難題が噴出し、茨の道が始まるのである。

 戦後、日本政府はほぼ一貫して借金を積み上げ、その償還と同時に毎年の利払い費を増加させてきた。ところが90年代以降は様相が一変。債務が加速度的に上積みされたにもかかわらず、利払い費は頭打ちとなり、さらに2000年以降は下落傾向を見せるようになった。いうまでもなく、名目金利がずっと低位で推移したためだ。なぜかといえば、ひとえにデフレだったからである。

 しかし、条件が変われば金利も上昇し、したがって利払い費も増加する。かりに来年以降に1%のインフレが予想されるとすれば、名目金利も1%程度の上昇が見込まれることになる。試みに今年度予算の新規国債発行額44兆円に当てはめれば、4400億円の利払い費増ということになる。さらに財投債や借換債も加えた国債発行額162兆円を前提にすれば、なんと利払い費は1兆6200億円も膨らむことになる。

 ただ、インフレ率1%ということは、名目経済成長率を1%押し上げるということでもある。そして名目経済成長率が上向けば、それ以上の率で税収も増えるとされている。その割合、つまり「税収の増加率÷名目経済成長率」を税収弾性値といい、政府がしばしば将来の税収を予測する際には「1.1」を想定している。名目経済成長率が1%増なら、税収は1.1%増えるわけである。これを同様に今年度予算の税収37兆円に当てはめれば、見込める増額分は4000億円程度。しかし利払い費と比較すると、ざっと1兆円以上も負担が増えることになる。

 これらを前提に考えると、「デフレ脱却」によって余計な負担を増やさないためには、名目ではなく実質の経済成長率を押し上げればよいということになる。かりにインフレ率1%、実質成長率3%とすると、名目成長率は4%。これに先の数字を当てはめると、税収の増額分は約1兆6300億円となって利払い費にほぼ匹敵する。だが、これこそまさに机上の空論であり、日本経済の現状を考えれば実現はきわめて困難だ。ではどう手当てするのか。「デフレ脱却」を目指すなら、こうした点をワンセットで議論する必要があろう。

(島田栄昭 しまだ・よしあき=『日本の論点』スタッフライター)


http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/enquete/100429.html  

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コメント
 
01. 2010年5月04日 03:57:01: MXayJ95Edg
■食事も医者も我慢…困窮する男性非正社員 連合総研調査
家計は赤字で、税金を払えず、医者にもかかれず、失業の不安がある――。
男性非正社員の生活環境が、正社員だけでなく女性非正社員と比べても厳しいことが、
連合総合生活開発研究所(連合総研)が発表した「勤労者短観」でわかった。
民間企業の900人に調査。4月12日までに573人が回答した。
男性非正社員は主に家計を支えている人でも収入が低く、配偶者が共働きでも非正社員のことが多く、
世帯収支も赤字が62.9%と全体平均の38.7%を上回った。
男性非正社員の「生活苦の経験」は、「税金や社会保険料を支払えなかった」が31.4%、
「食事の回数を減らした」が20.0%、「医者にかかれなかった」が17.1%。
これらの経験は、男性正社員や家計を支える人の割合が少ない女性の正社員・非正社員では数%程度しかなかった。
また、今後1年間の失業不安を感じている男性非正社員は45.7%にのぼり、女性非正社員(25.6%)の倍近くとなった。
http://www.asahi.com/job/news/TKY201005010264.html
こりゃ、マジで、負の所得税やベーシックインカムのような最低限所得保障制度を導入しないと、日本の未来は暗い。

02. 2010年5月04日 08:54:56: nTJBgJbqe2
>食事も医者も我慢

これまでの日本が恵まれすぎていただけ。
厳しい経済競争に勝てなければ日本は資源の無いただのアジアの1国に過ぎない
今後は、これが庶民生活のデフォルトだろう


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