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日銀が緊急の２兆円供給を実施、ギリシャ不安連鎖を警戒(Update3) ５月７日
（ブルームバーグ）：
日本銀行は７日午前、緊急の資金供給を約５カ月ぶりに実施した。ギリシャ財政問題を背景とした信用不安の高まりを受けて欧米の金融市場が不安定化していることに対応した。金融調節の目標である無担保コール翌日物は誘導目標0.1％を下回る水準で推移している。
日銀は定例調節時刻よりも15分早い午前９時５分に、５月７日から10日までを期限とする全店共通担保オペ２兆円を実施した。即日の供給オペは、ドバイの信用不安が強まって円高・株安が進んでいた2009年12月２日以来およそ５カ月ぶり。２兆円の供給規模は08年12月19日の利下げ時以来のこと。
日銀政策広報担当企画役の足立祐一氏は、「潤沢に資金供給することで市場の安心感を高めることが目的である」と説明した。６日の米国市場ではダウ工業株30種平均が一時1000ドル近く下落したほか、ユーロは2008年の世界的な信用市場崩壊後で最大の下げを記録するなど、市場で不安定さが増していた。
セントラル短資の金武審祐執行役員は、「市場で資金調達圧力が強まっているわけではないが、株価が大幅に下落しており、不安心理を起こさせないための措置だろう。国内の短期金融市場への影響は見られない」という。
供給オペ２兆円の入札結果は、応札額が１兆6637億円にとどまる札割れとなり、金融機関の資金需要の落ち着きを示した。落札金利は日銀が定める下限0.10％。0.09％以下の応札は不採用となり、落札額は１兆5637億円になった。この結果、当座預金は16.5兆円程度、準備預金（除くゆうちょ銀）は13.8兆円程度になる見込み。
ＬＩＢＯＲの上昇
ロンドン銀行間貸出金利（ＬＩＢＯＲ）では，ドルやユーロの３カ月物金利が急速に上昇している。ギリシャは国債が格下げされるなど財政問題を巡る不透明感が根強く、ギリシャ向けの債権が多い欧州系金融機関への影響も懸念され、信用不安の高まりが指摘されている。
東短リサーチの寺田寿明研究員は、「資金の調達のしづらさがＬＩＢＯＲに反映されており、今後も上昇が続く可能性がある。今のところ円の取引に不安はないが、資金が抱え込まれて巡りづらくなることへの警戒感はある」という。
ドルやユーロに比べて、円のＬＩＢＯＲは引き続き低位安定している。東京銀行間貸出金利（ＴＩＢＯＲ）の３カ月物金利も低下基調となっている。
ただ、日銀の当座預金口座では、金融機関が必要以上に資金を抱え込んだ場合に生じる超過準備額が膨らんでおり、市場では予備的資金の需要を指摘する声もある。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aZkBt4kJF0LA
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