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ＴＢ落札利回りが一段低下、海外需要を期待−日銀も潤沢供給見通し ５月19日
（ブルームバーグ）：
財務省がこの日実施した国庫短期証券（ＴＢ）３カ月物入札は、落札利回りが一段と低下した。欧州を中心に金融市場が混乱する中、安全資産とされる円に対する海外投資家の需要を期待して応札が積極化した。市場安定化に向けて日本銀行が潤沢な資金供給を継続するとの見通しも買い安心感につながっている。
ＴＢ109債の最高落札利回りは前回比0.002％低い0.1123％、平均利回りも0.002％低下の0.1119％と、約４年ぶりの低水準を記録した１月27日の入札（最高0.1125％、平均0.1112％）にほぼ並んだ。入札後の業者間取引は0.11％に低下し、買い注文が残る堅調な展開。
市場関係者によると、各証券会社の落札額は比較的に分散しており、目立った偏りはないという。国内証券のディーラーによると、0.11％の買い注文に対して売りが出てこないところを見ると、投資家への販売を期待して在庫を温存している雰囲気だと言う。
欧州の財政問題や信用不安、ドイツの金融規制に伴うリスク回避の動きから、外国為替市場では円に対してユーロ安が加速。投資家がユーロから円に資産配分をシフトしているとの見方があり、円への逃避資金が一時的にＴＢに流れている可能性がある。３カ月物では海外投資家のまとまった買いが指摘されている。
東短リサーチの寺田寿明研究員は、「入札後の取引は静かでも、次の入札までの間に大きな買いが入るというのが最近のパターンだ」という。14日午前の市場では、３カ月物107回債に数千億円規模のまとまった買い注文が入ったが、在庫不足の証券会社が多かった。
３カ月物はメガバンクなど国内銀行からも一定の需要があり、需給が締まりやすい。国内証券のディーラーは、コール市場での調達コストが0.1％を下回っているメガバンクなら現在の利回り水準でも何とか購入できるのではないかとみていた。
潤沢供給の方針
ギリシャ危機が広がった７日以降、日銀は潤沢な資金供給を続けており、足元資金の余剰感が強いこともＴＢ利回りの低下につながっている。レポ（現金担保付債券貸借）は0.10−0.105％と、当座預金の付利金利0.1％に比べて実質的な下限で、運用難になっている。
国内証券のディーラーは、円高・株安が進行する中で、日銀の金融調節は必要以上に潤沢な資金を供給して金利上昇を抑える方針になっているのではないかとみていた。７日以降の日銀当座預金残高は16兆−17兆円台の高水準が続いている。
午前の国債買い現先オペ（５月21日−28日）の最低金利は２日連続で下限0.10％。午後の本店共通担保オペ（５月20日−６月３日）は月末や税揚げ日をまたぐため５倍超の応札が集まったが、平均金利は0.103％の低水準だった。期間が長い全店オペ（５月21日−７月５日）の平均金利は0.113％。
東短リサーチの寺田氏は、「日銀の金融調節に対する安心感がオペの落札金利に表れている」と指摘した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aR6xZur3Zrpo
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