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崩れたアリとキリギリスの相互依存 ドイツとギリシャ
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/401.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 01 日 13:18:29: xbuVR8gI6Txyk
 

http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201005290370.html

税金をきちんと払わない人に恩恵を与えてきたギリシャ。たくさんモノをつくって貿易黒字をためこんできたドイツ。ユーロ危機の物語はまるで、アリとキリギリスの寓話(ぐうわ)のようだ。ただ、なまけていたキリギリスは滅びて当然という結論にはならない。両者はお互いに依存する関係にあるのだ。

 庭にプールがある家はどこか。高級車に乗っているのは誰か。そして授業料の高い私立学校に通っているのは、どの家の子どもか。ギリシャの国税庁にあたる特別調査庁の係官らは、そんな調査を進めている。プールは人工衛星からの写真を見られるグーグル・アースで調べ、私立学校には生徒名簿を出させている。

 ギリシャはいま、徴税力の強化に必死だ。国内経済の3割が税金逃れをしているとされ、財政危機の一因になっているからだ。個人や企業に対する1〜4月の脱税摘発は昨年の3倍のペース。イワンス・カパレリス長官はそれでも「まだまだ満足できる水準ではない」と言う。5月中旬には、配偶者の歌手が脱税していたとして、女性閣僚が更迭される事件もあった。

 労働人口の4分の1ともいわれる公務員の厚遇にも、メスが入ろうとしている。大手銀行ユーロバンクEFGのチーフエコノミスト、ギカス・ハードゥベリス氏は「公務員が何人いるのか財務省ですら分からない。何とかしないと」と話す。

 ふつうなら国が大盤振る舞いすれば、お金の価値が下がり、インフレに苦しむ。しかし、2001年に単一通貨ユーロの傘に入り、その心配はなくなった。経済大国ドイツ並みの金利で国債を発行して資金を集められるようにもなった。

 ユーロのもとでの低金利の恩恵は、消費者も受けた。アテネの商店街で紳士服店を営むクリストス・トゥリアンタフィリスさん(94)は「みんながどんどんクレジットカードを使い始めた」と振り返る。

 なだれ込んできたのは、ものづくりの盛んなドイツからの製品だ。アテネにある家電量販店。テレビは日本や韓国製が目立つが、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電は、ドイツ製の独壇場だ。街ではドイツ車が幅をきかす。ここ数年は小売店の進出も目立つ。

 09年のドイツからギリシャへの輸出額は、輸入額の3.5倍にのぼる。ギリシャほどではないが、傾向はスペイン、ポルトガルなど南欧の国々に共通する。

 一方、そのドイツでは、欧州経済統合は全く別の効果を生んでいた。西部の工業地帯エッセンの電子機器メーカー「ifm」のミヒャエル・マーホーファー会長によれば、起きたのは給料の抑制だという。人件費の安い旧東欧に工場が移ることが懸念され、労働組合も賃上げを最小限にすることを認めたからだ。

 欧州中央銀行によると、1999年から06年にかけてドイツは生産性は良くなったのに賃金は低下。それが国際競争力の強化につながり、貿易の一人勝ちをもたらした。

 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会の財務相役にあたるレーン委員は「経常黒字の国が国内需要を促す改革をすべきかどうか、分析が必要だ」と語る。ドイツが給料を上げたり税金を下げたりして、キリギリスのように消費すれば、ほかの国が輸出でうるおうという理屈だ。

 借金をしてでも消費するキリギリスの経済と、消費をがまんしてものづくりに励むアリの経済。景気がいいときは、両者の相互依存がうまくいっていた。しかし、いまは無理な借金をいつまでも続けられない。では、それに代わる関係をどう築くのか。欧州大陸で苦闘が続いている。(有田哲文)
 

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