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何をやってもチグハグ民主党再検討:菅直人首相「第三の道」政策では経済成長も円安もムリ 「増税すると景気がよくなる」を検証
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/494.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 07 日 10:00:41: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 中国から見た「中国人の日本買いに対する日本人の反応」 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 07 日 09:54:58)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100607-00000001-gendaibiz-pol

菅直人新政権の経済運営がどうなるか。

 さっそく証券会社から「菅政権で成長する。円安にもなる。だから日本株か外債投資がおすすめです」との商売熱心な勧誘がきた。

 たしかに、今年1月初めの財務大臣に就任した当初は、財務省事務方の意向を無視して、円安発言をするなど威勢が良かった。ところが、財務省によって直ちにその発言は打ち消され、すぐに雲行きはあやしくなる。

 その後、菅財務相は1月下旬に国会で子ども手当の乗数効果(子ども手当の何倍のマクロ経済効果があるか)が答弁できず立ち往生。さらに2月上旬、G7会合で財務官僚の手厚いアテンドを受けた。

 そのあたりから、事務方との関係がずいぶん変わり、「菅財務相はよく勉強している」との意見が霞ヶ関に出回った。

 そして、案の定、2月中旬、菅財務相はテレビ番組で消費税引き上げを含む税制抜本改革を議論すると言い切った。それまでは消費税引き上げを議論するとしても来年以降と言っていた。それを変更して大幅に前倒ししたのである。

 これは菅財務相が財務官僚の手にうちに完全に落ちたこと、「菅落ち」を意味している。

 はたして菅新政権で、日本経済がどうなるのか。円安になるのだろうか。

 それを読み解くカギは、「脱小沢」と「脱・脱官僚(=官僚主導)」だ。脱小沢は組閣と党人事をみれば明らかである。

 一方、脱・脱官僚も、副長官に松井孝治氏(留任)と古川元久氏という、ともに経産OBと財務省OBを充てている人事をみれば明白だろう。菅首相は財務省の手に落ちているのである。

 そもそも「菅落ち」だったので、最初は脱官僚を大きくぶちあげていた鳩山政権とは大きくことなる。今月の新成長戦略や中期財政フレームをみれば、経産省と財務省が作っているのがみえみえのはずだ。(4月19日付け「参院選挙で問われる「増税か」「経済成長か」の政策競争 ダブル辞任、ダブル選挙まで何でもありの混迷政局」を参照)

 脱小沢と脱・脱官僚は、経済政策から見ると、増税路線で一致する。

 小沢氏は選挙優先の考えから増税に消極的である。政治的に脱小沢の立場なら、逆に増税を言い出せばいい。表向きとしては、財政再建のために増税から逃げてはいけないとかもっともらしい理由を立てるだろう。

 本来、財政再建のためならば、増税の前にやるべき手順がある。名目成長率を高め増収を図り、巨額な政府資産を圧縮し、公務員総人件費をカットしなければいけない。

 ところが、名目成長率を高めることはインフレ目標の話につながり、日銀の官僚組織とぶつかる。また政府資産の多くが霞ヶ関官僚の天下り先である特殊法人や独立行政法人への貸付金や出資金である。

その圧縮は天下り先の廃止・民営化や業務縮小になるので、霞ヶ関官僚の抵抗にあう。公務員総人件費のカットは全公務員の反発が必至だ。となると、脱・脱官僚でいくと、増税の前の手順を省いて一気に増税という話になるだろう。

 ちなみに、4日の民主党代表選以降、菅氏から脱官僚という言葉がさっぱり聞かれない。脱官僚は、小沢氏が参加する以前のオリジナル民主党の党是とも言うべき言葉であるにもかかわらずだ。

 その一方、最近、菅首相は増税すると景気が良くなるという話をしている。増税して雇用にカネを使って新しい需要を生み出す「第三の道」であるという。第一の道は自民党時代の公共投資、第二の道は小泉・竹中時代の供給サイドの強化でいずれも失敗だったという主張だ。


*** ブレーンは「ケイジアン」 ***
 この第三の道こそが、菅政権のキーワードである。そして、その発言の知恵袋とされているのが、2月26日付けで内閣府参与に就任した小野善康大阪大学教授だ。

 小野教授の経済理論は、精緻な数学モデルもあり、その内容がなかなか論争的なこともあって、経済学者の間では一部にファンもいる。しかし、テクニカルな細部を除くと、金融政策を使わずに、財政一本槍のオーソドックスなケインズ・タイプとさほどかわらない。

 菅氏のいう「増税しても使い方を間違わなければ景気は良くなる」という話は、ケインズ・タイプの「均衡乗数」(増税して公共投資をしても経済効果がある)が背景だ。

 ところが、これには、政府が国民より賢いという前提がある。その点を菅総理は「おカネの使い方を間違わなければ」という条件をつけている。これが言うは易く行うは難しの典型だ。

 しかも政府が賢いという前提は、霞ヶ関主導の統治と整合的であるので、官僚は小野教授の話を理論としては受け入れやすい。

 もっとも現実はそんなに甘くない。

 菅氏は昨年12月に乗数効果が11のものがあるはずと内閣府の会議で発言している。今年1月の国会では乗数効果も答弁できなかったくらいだから怪しいものだが、そうした実例を見せてもらえれば、誰でも政府が賢いと認めるだろう。

 しかし、これまで民主党が脱官僚を主張してきたのは、政府によるムダ使いを知っているからであろう。とても政府の使い方が賢いとはいえない。

では賢くない政府が増税でおカネを集めて使うとどうなるだろうか。

 民間のほうでおカネが足りなくなって、上手く設備投資ができなくなる。実質的な金利も高くなる。となると、民間が主体である日本経済の成長はあやうくなる。円安にもなりにくい。

 また、小野教授の経済理論では、デフレは貨幣を国民がこよなく愛する結果である(貨幣愛)として、拡張的な金融政策の効果を認めない。

 これは、最近のリーマンショックでの世界各国の対応からみれば、小野教授の誤解であると思う(1月8日付け「なぜ日本経済だけが一人負けなのか 鳩山政権は日銀に『デフレターゲット』を捨てさせろ」を参照)。

 菅首相は、これまでデフレ克服に意欲を見せていたが、小野教授の「貨幣愛」や脱・脱官僚へ動きから見て、名目成長率を高めるような金融政策を否定するだろう。すると、デフレが継続する。この点からも、日本経済は成長せず、円安にはなりにくいのだ。

 もちろん、かつて菅氏が円安発言を行ったのは事実である。その連想から一時円安に振れることはあっても、背後になる経済理論(これを菅首相は理解していないだろう! )から見ると、日本経済の成長をそこない、円安もなかなか考えにくい。

 もし円安になるとすれば、長期的な生産性向上に役立たない増税・ばらまきによって、本当に日本が没落するようになってからの円暴落だろう。


(著者:高橋洋一)
 

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