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続発する施工トラブル、「太陽光」普及に冷や水
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/640.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 15 日 23:20:16: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: iPad大人気の裏側で始まるか コンテンツ制作者のアップル離れ 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 15 日 23:19:13)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100615-00000000-toyo-bus_all

政府の普及支援策もあり、2009年度の太陽光発電設置件数は前年度比3倍に拡大した。その一方で、急成長による“負”の部分が、深刻な問題として急浮上している。

 負の部分とは、販売・施工にまつわるトラブルのことだ。国民生活センターに寄せられた太陽光発電の施工に関する09年度の苦情件数は、08年度から1.5倍に増えた。住宅リフォーム・紛争処理支援センターの担当者も「トラブルが表面化しつつあるのは事実」と懸念する。「取り付けた際にネジ杭がはみ出ていた」「キーンという高周波の音が出る」など、消費者からの苦情が増加傾向にあるという。

 特に多いのが雨漏りのケースだ。島根県で農業を営む50歳代の田中厚(仮名)さんも被害者の一人。ある時、屋根の上から雪解けの雫がポトリ、ポトリと、そのまま2階の寝室に落下してきたという。

 「100年前からある家だが、どんな大雪の日でも雨漏りなんてしなかった」と田中さんは憤る。すぐにその前年に取り付けた太陽光パネルのせいだと直感。急いで販売施工業者を呼び寄せたところ、太陽光パネルの上に積もった雪が下の日本瓦を押し潰したことが原因とわかった。これは、太陽光パネルの下の架台の耐荷重設計に際し、予想される降雪量を十分反映させなかったことから生じた施工ミスだった。

 それでもこのケースはいい方だったかもしれない。業者がすぐに対応できたためだ。実は、「これまで有象無象の業者が参入と退出を繰り返したため、消費者によっては問い合わせ先すらわからないことも多い」と、太陽光発電の仲介サイト「太陽光発電システム見積り工場」運営人の菱田剛志さんは指摘する。

 業者数は、主に補助金政策によって大きく変動してきた。最初の政府設置補助が効力を発していた1994〜05年には、一時2000社超の施工業者がいたが、補助の打ち切りで約半数が撤退。補助金が復活した現在、業者が再び押し寄せている。

【関連図】 国内太陽光発電の設置件数と補助金予算の推移

■低い参入障壁に潜む“手抜き工事”の温床

 ある販売施工業者は「3年前と比べると3〜4倍の数になっている」と話す。参入しているのは、電気工事店や屋根工事店など、事業に比較的親和性のある業者だけではない。なんと地場のスーパーや先物業者などまったく異業種からの参入もあるという。

 施行トラブルの続発は、その参入の容易さが大きく関連している。

 「ID神話」――。関係者の間でこんな言葉がささやかれている。IDとは、太陽電池メーカーが発行するもので、いわば太陽光パネルを仕入れて設置するための許可証のことだ。端的に言えば、各太陽電池メーカーが主催する研修に合格してIDさえ入手できれば、太陽光発電の販売施工は誰でも始められる。

 太陽光パネルの設置には、電気工事の知識に加えて屋根の形状や経年劣化への対応など、高い専門知識が求められるが、研修合格のハードルはおおむね低い。

 研修受講者を電気工事士・建築士の有資格者に限定しているメーカーは少数で、大半の企業は研修受講に際し資格制限を設けていない。研修期間も座学と実技合わせて数日程度、企業によっては1泊2日で修了することもある。

 参入が増えることはまた、販売競争の激化を招き、手抜き工事の温床にもなる。過去10年以上、太陽光発電を取り扱ってきた関東の販売施工業者は、「今のブームの前と後では利益率が7〜8%落ちた」と嘆く。

 販路は地域の家電量販店やホームセンターにまで広がる一方で、太陽光パネルの卸価格はメーカー側が強い主導権を握っており、値下げもままならない。競争激化の逆風は、販売施工業者側にのみ押し寄せる構図となっている。こうなると収益確保のため、施工に必要な材料を手抜きする動機もおのずと強まる。

 メーカー側は防止策としてビスなどの細かい部材に至るまで梱包して販売店に供給するが、それでもシール材など一部の材料は販売施工業者側の自己調達に頼る。「施工で手を抜こうと思えばどうとでもなる」と関西拠点のある業者は打ち明ける。

 消費者が工事の正確性を検証するのは困難。だからこそ、施工業者の質は厳しく選別されるべきだが、その仕組みが不十分であることを、相次ぐトラブルが示唆している。

 行政や業界団体は、すでに対策に乗り出してはいる。経済産業省・新エネルギー対策課は「安全で簡易な施工を目指してガイドラインを設置する方向」という。太陽電池のサイズや部品の強度、施工方法や手順など複数の項目にわたって、標準化を検討中だ。また一定の施工技術を満たす個人を「PV(photovoltaic)施工士」として認証制度化することも視野に入れている。

 太陽電池メーカーなどの業界団体・太陽光発電協会でも09年11月から検討委員会を設置した。経済産業省とは別の形で施工手順や電気系設計の規格化、業界独自の認証制度などを検討しているという。

 とはいえ、いずれも具体的な制度の中身や運用開始時期などいまだ固まっておらず、対策の遅れがさらなるトラブル増加を招くことが懸念される。手をこまぬけば消費者の離反にもつながり、需要拡大に思わぬ冷や水を浴びせかねない。企業、行政の枠を超えて“施工”の質確保の制度づくりを優先すべきだ。

(西澤佑介、梅咲恵司 =週刊東洋経済2010年5月22日号)
 

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