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日銀月報：景気は緩やかに回復しつつある−判断を据え置き(Update1) ６月16日
（ブルームバーグ）：
日本銀行は16日午後、６月の金融経済月報を公表し、景気は「海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある」として、情勢判断を据え置いた。先行きも「緩やかに回復していく」との見通しを維持した。
輸出や生産は「増加を続けている」、設備投資は「持ち直しに転じつつある」との判断は据え置き。雇用・所得環境は「引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる」との一文を新たに追加した。個人消費は「各種対策の効果もあって、耐久消費財を中心に持ち直している」、住宅投資は「下げ止まっている」、公共投資は「減少している」として、いずれも判断を据え置いた。
白川方明総裁は15日の定例記者会見で「このところ輸出や生産の増加が国内民間需要に波及する動きが見られ始めている」と述べた。日銀は同日の金融政策決定会合で、成長基盤強化を支援するための新貸出制度について、環境・エネルギーなど18分野を対象とし、総額３兆円、貸出期間は最長４年とすることを決定した。
金融経済月報は先行きについては、輸出や生産は「増加ペースが次第に緩やかになっていくとみられるが、海外経済の改善が続く下で増加基調を続ける」との見通しを維持。設備投資や個人消費など国内民間需要も「持ち直しを続けるものの、設備・雇用の過剰感が強いことなどから、当面緩やかな持ち直しにとどまる可能性が高い」との見通しを据え置いた。公共投資も「減少を続ける」との見方を維持した。
物価の見通しも据え置き
物価の先行きについては、国内企業物価は「当面、緩やかな上昇傾向を続けるとみられる」と指摘。国際商品市況がこのところ弱含んでいることを受けて「傾向」を加えた。消費者物価（除く生鮮食品）の前年比は「マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、基調的にみれば下落幅が縮小していく」との見通しを据え置いた。
金融環境については「厳しさを残しつつも、緩和方向の動きが続いている」との判断を維持。「企業の資金調達コストは低下傾向が続いている。実体経済活動や企業収益との対比でみると、低金利の緩和効果はなお減殺されている面があるものの、その度合いは、企業収益の改善などを映じて低下している」との判断も据え置いた。
金融環境の判断は現状維持
企業からみた金融機関の貸出態度は「なお厳しいとする先が多いものの、改善している」との判断を維持。コマーシャル・ペーパー（ＣＰ）・社債市場については「総じて良好な発行環境が続いている」と指摘。ギリシャの財政危機の余波を受けて、一部低格付社債の利回りが小幅上昇していることを受け、前月の「低格付社債の発行環境にも改善の動きがみられている」を削除し、「総じて」を加えた。
資金需要面については「企業の運転資金需要、設備資金需要とも後退しているほか、一部にこれまで積み上げてきた手元資金取り崩しの動きもみられている」との判断を据え置いた。
企業の資金調達動向も「銀行貸出は前年における著増の反動もあって減少している。社債の残高は前年を上回っている一方、ＣＰの残高は減少している」との判断を維持。企業の資金繰りも「中小企業ではなお厳しいとする先が多いものの、これらも含め全体として緩和方向の動きが続いている」との判断を据え置いた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=a3o5XHvepi8A
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