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英ソイル・アソシエーションのメルチェット氏:農地の肥沃化を支えていた石油、ガスへの依存を立ち切らなけばならない ロンドン
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/250.html
投稿者 hou 日時 2010 年 7 月 20 日 07:06:27: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.londonpressservice.org.uk/trade_industry/food_drink/jp_is_organic_farming_mainstream_agriculture_in_waiting

有機栽培は大きな潜在性を秘め、「これからの主流」となることさえも可能と考えられているという独立機関の報告書を英国で持続可能な有機農法および健康的食品を推進している大手環境慈善団体であるソイル・アソシエーションが歓迎しています。

ソイル・アソシエーションの政策ディレクターであるピーター・メルチェット氏は「有機農法は気候変動問題や食習慣により引き起こされる疾病に対する全ての解決策にはならず、また有機栽培システムを改善するためにまだ多くの仕事が残されています。しかし、この報告書は有機栽培が及ぼし得るプラスの影響を示しています」と語っています。

報告書の主な内容は、有機農法への転換の効果として68%の牛肉生産量の増加や55%の羊肉生産の増加、95%の科学肥料使用量や98%の農薬散布量の削減などエネルギー集約型製品使用量の減少、農業従事者雇用数の73%増加等に触れています。

今回の調査では有機栽培は従来の農法に対して多くの利点を有している点を指摘しています。例えば、水質汚染や温室効果ガス排出が抑制され、農薬散布量が98%、化学肥料の使用も95%カットされるだろうと言うものです。いくらかの軌道修正により有機農法の収穫量は従来農法に劣らない程の収穫が見込めます。

「イングランドおよびウェールズが有機農法に転換すれば−どれ程の農作物生産が見込めるか?」報告書はこの問に対して有機農法が大きなプラスの影響を与えることができるでしょうと述べています。レディング大学のフィリップ・ジョーンズ氏とリチャード・クレーン氏がHCDメモリアル・ファンドという独立基金およびソイル・アソシエーションの資金を得て調査を行いました。

この調査では有機農法の目標を高生産システムではなく最適生産システムに設定しているとした上で、私たち消費者が将来どのような作物を摂取するかと言うこと、そして従来とは異なった環境において農業がどういう様相を呈することになるのかを考える必要があると示唆しています。

メルチェット氏曰く「システムへ投入される主な化石燃料および鉱物の価格高騰や減少、そして温室効果ガス排出量を2050年までに80%削減する必要性を真っ向から受けて、食料・農法システムは向こう数十年間で革命的とも言える変革を迫られています」と。

さらに続けて「大気中の窒素を化石燃料から生産された合成肥料という形で利用して農作物を育て、いわば石油やガスを食物に変える非有機農法か、太陽光と空中窒素固定能を自然にもつ植物の力を利用した方法で大気中の窒素を取り入れ農作物を育てる有機農法かという選択を迫られています」と述べています。

有機農法への動きは60年前に始まり、報告書に拠ると今後、食料および農業部門に大幅な変革が起こるとされています。

メルチェット氏は「今後20年のうちに私達は食料および農業で産業革命以来の最も抜本的な変革を経験することになるでしょう。食習慣に関連した疾病が引き起こす世界的な危機は肉、砂糖、脂肪、乳製品に対する需要を減らし、反対に穀物、ジャガイモ、他の根菜類、果物・野菜に対する需要を増やし、いわゆる世界保健機関が提唱するような変革へと駆り立てることでしょう。また、私達は食料を育てるための農地の肥沃化を支えていた石油およびガスへの半世紀もの間の依存を立ち切らなければなりません」と語っています。

英国は、紅茶、コーヒー、香辛料や、英国での生育に適さない果物、野菜等、全体の食料供給の40%を輸入に頼っています。この数値の中には家畜用飼料のための大量の穀物類や蛋白質も含まれます。

メルチェット氏は「この国で生産できる農作物の25%、そして非有機作物に必要な窒素質肥料のほぼ半分を輸入しています。窒素質肥料の輸入を前面廃止する他に、有機農法に変換しても、私達の食習慣を大幅に変えない限り食料自給率は改善されません」と述べています。

英国の農法が完全に有機農法へ変換するにはまだ多くの年月を要するでしょう。仮に、このような変革が起きるには、他にも多くの点、特に国民の食習慣が変化しなければなりません。

報告書によれば、英国が全面的な有機農法になれば消費者はほとんどの食料を旬に応じ地元で調達するだろうし、量は少ないが質の良い卵や乳製品を食し、牧草で育てられた牛・羊の肉やより多くの果物・野菜の生産が増え、そしてエネルギー集約型の穀物飼育による工業的養鶏や養豚がかなり減少するだろうとしています。

ピーター・メルチェット氏はまとめとして「ソイル・アソシエーションはこの報告書がどのようにすれば国民皆が地球を破壊することなしに健康で質の高い美味しい食物を摂取することができるかについての論議の有用なスタートポイントとなることを願っています。」と結論付けています。  

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