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世界経済の3つのシナリオ
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/696.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 9 月 17 日 09:22:40: xbuVR8gI6Txyk
 

http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_102941

世界的な景気回復は依然継続しているものの、多くの先進国にとっては、この先もまだ長い道のりが続く可能性が高まっている。

 景気回復が始まってわずか1年余り、当初の勢いは突如衰え、世界は再び先行きの見えない状況に陥っている。


米国主導による景気回復への期待は、米個人消費の伸び悩みと伴に薄れつつある。日本とドイツの経済成長の急速な伸びも勢いを失いつつあるか、あるいはそうなることが予想されている。中国をはじめとする主要新興国は依然、力強い成長を見せているが、以前よりもそのペースは落ちている。

 こうした先行きの不透明さを反映して、大半の国の株価水準は春のピークを大幅に下回っている。世界の優良企業200社の株価パフォーマンスを追跡する「グローバル・ダウ」指数は10日、4月の最高値の2087.12から10.3%安の1871.81で引けた。

 こうしたなか、来年の世界的な経済見通しについて3つのシナリオが浮上している。

弱々しい景気回復
 ここ最近公表された世界の経済指標は、成長の鈍化をあらわにしている。一時はこぞって在庫の積み増しを再開していた企業も、現在は既存需要を満たすのに必要な数量しか発注せず、世界のサプライチェーン全体に影響を及ぼしている。

 米大手銀行JPモルガン・チェースがまとめている企業活動の指標、世界製造業景気指数は8月、53.9に低下した。成長の分かれ目となる50は上回ったものの、4月のピーク時の57.7は下回っている。

 今年上期の世界的な輸出は年率7.4%増となり、昨年下期の年率47.5%増という驚異的な成長率からはペースが大幅に鈍化した。

 こうした経済成長の失速の背景には、一部の国での景気対策費の抑制や、中国をはじめとするアジア諸国での景気過熱回避に向けた信用抑制の動きがある。

 米大手投資銀行ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米国では財政出動規模の縮小によって、向こう3四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で約0.5%ポイント押し下げられ、それ以降についてはさらに下押しされると予測する。

 欧州では、ギリシャから英国まで各国政府がこぞって財政赤字の削減に向けて歳出削減と増税に踏み切っている。財務基盤が磐石なドイツでさえも、来年は歳出の削減を計画している。

 こうした緊縮財政策は、強力な内需と好調なドイツの輸出に支えられ、4-6月期(第2四半期)のGDPが年率3.9%増と好調を記録したユーロ圏16カ国の成長を減速させる公算が大きい。

 「緊縮財政の問題は、誰もが認識していながら、あえて無視しようとしている」と、英証券大手バークレイズ・キャピタルのジュリアン・キャロウ氏は述べる。

 米国の景気は欧州に先行することが多いため、いずれ欧州の景気はさらに弱まる可能性がある。7月のドイツの輸出と製造業新規受注は減少し、世界貿易のペースダウンが欧州最大の経済国であるドイツにも影響を及ぼしつつある最初の兆しを見せている。

 米国では、一般消費者が支出を抑制している。米小売売上高は、2-4月期は年率7.5%増となったが、5-7月期はわずか1.1%増にとどまった。

 比較的需要の堅調な新興国でさえ、同期間の小売売上高はそれぞれ年率10.1%増と8.2%増で、伸びは鈍化している。

 消費需要の伸びの鈍化や政府による景気刺激策の打ち切り、輸出のペースダウンによって、アジアの発展途上国の成長率は、いずれさらに抑制される、と英銀大手ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)のシンガポール在勤エコノミスト、サンジェイ・マトゥール氏は言う。だが、中国とインドの成長率は、来年も8%前後と依然高い水準で推移するとサンジェイ氏はみている。

 JPモルガン・チェースのチーフ・エコノミスト、ブルース・カスマン氏は、今年下期と来年の世界のインフレ調整済みGDPについて、4月時点ではそれぞれ年率3.5%増と3.4%増と予測していたが、現在は2.5%増と3.0%増に下方修正している。

 カスマン氏は、成長は主に新興国市場を中心としたものになるとし、新興国市場の11年のGDP予測値は年率約6%増であるのに対して、先進国では2%増前後と、失業率を減少させる水準にまでは至らないとしている。

 米国や英国など消費者が債務削減に苦しむ国では、標準を下回る成長がさらに長引く可能性がある。

 「V字回復を期待していたウォール街のエコノミストは、米国における最近の幾つかのリセッション(景気後退)に目を向けるばかりで、過去の金融危機には十分注意を払っていなかった」と、米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は述べる。ロゴフ教授は、米メリーランド大学のカルメン・ラインハート教授と共同で8世紀に及ぶ金融危機の歴史を研究している。

 ロゴフ教授は、現在9.6%の米失業率は、11年末まで9%前後でとどまり、その後下がるものの、そのペースは遅々たるものになると予想する。また、ラインハート教授は最近、先進国の経済成長率は、深刻な金融危機の後は10年間、1%ポイント低下していることが多いとする論文を共同で記している。

二番底への突入
 金融または政治にかかわる悪材料が発生すれば、ぜい弱な景気回復が新たなリセッションに変貌する可能性がある。

 モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は、「ぜい弱な景気回復とは、強力な循環的成長を取り戻すまでには至っておらず、想定外の衝撃的出来事に持ちこたえられる緩衝余地のない状態を意味する。経済が緩やかであっても着実に成長するには、大規模な衝撃的出来事が発生しないことが前提となる。だが、その確率はあまり高くない。衝撃的出来事は世界中で常に発生している」

 最も可能性が高いのが、ユーロ圏のソブリン債危機の再発だ。欧州連合(EU)は財政難に陥っているユーロ導入国を支援するため7500億ユーロ(約80兆円)の救済基金を創設したが、アイルランドやギリシャ、ポルトガルの国債利回りは足元で急上昇しており、市場参加者の危機に対する警戒感がいまだに払しょくされていないことを示唆している。

 最悪の場合、国債市場の混乱の再燃により、金融機関に対する信頼感が悪化し、米国や日本など多額の債務を抱える他の国にまで投資家の懸念が飛び火する可能性がある。

 たとえ各国政府が債務問題を収拾したとしても、低成長は、とりわけ米国では、持続しない可能性がある。景気低迷が長引けば、失業率の上昇、消費の冷え込み、企業のさらなる人員削減という悪循環へと発展しかねない。

 悲観的な予想で知られるエコノミストのヌリエル・ルービニ氏は、米国経済は、失業率の一段の上昇と住宅価格の一段の下落をもはや阻止できないほどのスピードにまで「失速」しつつあると主張する。

 その結果、銀行によるさらなる損失の積み上げと貸し渋りが発生し、これを受けて家計と企業の消費が一段と冷え込む「負のフィードバック・ループ」が生まれ、米国は再びリセッションに突入しかねないという。この確率について、エコノミストの大半は20%としているのに対して、ルービニ氏は40%としている。

 このほか、米国の政治的環境も信頼感を悪化させかねない状況にある。米民主党と共和党は、限定的な景気刺激策の実施やブッシュ政権時代に導入した所得税減税の延期をめぐって対立を深めている(関連記事)。エコノミストは、政策がいずれの方向に傾いても、大した影響はないとみている。ただし、措置を怠れば、米国の巨額の財政赤字が減少するどころか、センチメントにマイナスの影響を与えかねない。

 「すべてが悪い方向に進む可能性がある。あらゆる経済活動の後退に対する警戒感が高まる一方で、財政赤字は解消されていない」と、米金融大手バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの先進国経済調査部門の責任者、イーサン・ハリス氏は言う。

予想外の景気の急拡大
 エコノミストが想定する最もあり得ないシナリオが、予想外の景気の急拡大だ。経済が急成長に転じる場合のシナリオには、米国主導によるものと米国以外の国主導によるものの2つが主に考えられるが、より望ましいのは後者の方だ。

 米国には、世界的な景気回復を再び喚起できるだけの十分なリソースがある。米国企業の現金留保は現在約1兆8000億ドルにも上り、総資産に占める割合は1963年以来の高水準に達している。

 所得税減税の延期や医療保険制度改革、その他政府政策をめぐる不確実性が解消されれば、企業の景況感は回復し、退蔵しているキャッシュを再び雇用や設備投資に向け始める可能性がある。そうなれば、個人消費も再び上向きに転じる可能性がある。

 ゴールドマン・サックスの世界経済調査部門の責任者、ジム・オニール氏は、「米国企業は驚異的な額の現金を留保している。企業がそれらを雇用に振り向ければ、景気はたちまち上向く」と述べる。

 ただし、個人消費主導の回復は、米国の貿易赤字を拡大させる可能性があり、そうなれば外国からの借り入れが増大することになる。多くのエコノミストは、そうした財政の不均衡が世界的な金融危機に一役買ったと考えている。消費が低迷していた5-7月期でさえ、米国の貿易赤字は年率27%増加した。

 米景気がぜい弱なことが、かえって世界経済に利するという説もある。連邦準備理事会(FRB)は景気下支えの一環として低金利政策を維持しており、それによって世界中の中央銀行が同様の政策を取るよう暗黙のプレッシャーをかけられている。これは、とりわけ対ドル交換レートを一定水準に維持する政策を取っている発展途上国に当てはまる。

 ある試算によると、世界的な経済成長には、米景気の大幅な回復よりも、米金利を低く維持する方が効果的だ。ゴールドマンのオニール氏の試算によると、米金利の1%ポイントの引き下げと同等の金融状態の変化は、世界のGDPを年率換算で0.6%ポイント押し上げる。これは、米国の景気回復による直接的な影響の2倍以上にも相当する。

 金融緩和政策によって、ドイツや中国などの貯蓄率の高い国の消費者が借り入れと消費を増やすようになれば、米消費だけが拡大することはなくなり、世界経済の均衡が健全に保たれるようになる。

 発展途上国では、たとえわずかな経済成長でも大きな影響がある。現在、発展途上国は、世界需要の約3分の1、通貨購買力平価調整後では約2分の1を占めている。

 だが、大半のエコノミストは、景気が予想外の拡大に転じる確率は、わずか10分の1程度にすぎないとみている。

 「来年、好景気に転じるとは想像しがたい。だが、この不確実な時期を切り抜けることができれば、その先には光が見えてくるはずだ」と、ハリス氏は述べる。
 

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