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ゲッコーの卵たちをマドフに育てる指南書「強欲の歴史」
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/762.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 9 月 30 日 01:02:11: xbuVR8gI6Txyk
 

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a0_SVUuZkYFY

9月29日(ブルームバーグ):デービッド・サーナ氏の「Historyof Greed(仮訳:強欲の歴史)」は金融の後ろ暗い部分を描く。米映画「ウォール街」のゴードン・ゲッコーのように、感受性の強い若者たちを悪にあこがれさせるだろうか。

  そんなことを考えるだけでも著者はぞっとするだろう。元ハイテク企業幹部で今は経営コンサルタントの同氏は、市場の有用性とその悪用について、今も強い考えを持っている。

  「資本主義とは盗んだりだましたり、弱者から取り上げたりすることではない」と、この便利な「詐欺と悪徳商法図鑑」の著書は説く。資本主義とは「個人が他人の生活を良くするような価値あるものをつくり出すことによって自身の状況を改善することだ」という。

  この教科書が著者の意図しない結果をもたらさないことを祈るばかりだ。オリバー・ストーン監督の「ウォール街」の第1作は、多くの経営大学院生たちをトレーダーやインベストメントバンカーの道に進ませた。

  サーナ氏の著書はその題に反して歴史書ではない。ミシシッピ会社事件や南海泡沫事件など過去の有名な金融スキャンダルは簡潔にまとめられているにすぎない。著者が提供するのは年代記ではなく、さまざまな形の詐欺の事例研究だ。

  著者は裁判所資料や報道、自身がだまされた苦い経験などを基に、市場というものの汚い裏通りへと読者を導いていく。幽霊会社を操ったり、株価をつり上げてから売ったりという良心のかけらもない連中が登場する。巨額詐欺で有名になったバーナード・マドフを目指すなら、本書に描かれる強欲の姿は金融の大量破壊兵器を造るための正真正銘の指南書となるだろう。

            ピンクの豚

  本書には語り尽くされた話も多く出てくるが、悪徳商法の多様さにはやはり驚かされる。所得税の申告が間違っていたから還付金があると偽って巨額の金をだまし取る手口。あるいは、株を売り込む人間と空売りする人間、デートレーダーと資金洗浄係を、まるで複雑なスイス製の時計にように正確に動かすたくらみ。

  表紙の図柄は詐欺師の顔をしたピンクの豚だ。クライマックスはねずみ講の話。ねずみ講の規模や期間は住宅バブルの時代に幾何学級数的に大きくなった。その多くは自分たちの宗教グループのメンバーを標的とし、例えば正統派ユダヤ教徒らに見られる強い信頼感に乗じるものだ。

  ねずみ講はそれぞれに、市場よりも高いリターンを上げる秘密の方法があると言って誘う。マドフ受刑囚もそうだった。

           グリーンスパン氏

ねずみ講は、投資家が償還を求めることが少ない好況期に大繁殖し、景気悪化で償還が新規投資を上回ると崩壊する。最近の金融危機時もそうだった。もし、アラン・グリーンスパン氏が米連邦準備制度理事会(FRB)議長だった間にインターネットバブルと住宅バブルに針を突き刺してつぶしていたら、どれほど大勢の投資家が救われていたことだろう。

  著者はベンチャーキャピタリスト(新興企業への投資家)を「バルチャーキャピタリスト(ハゲタカ投資家)」と呼び換える。空売り筋のことはペテン師と同一視しがちだ。空売りは「合法的な投資手法」であると認めるものの、空売りの先駆者であるイサック・ルメールのことは良く書かない。

  東インド会社の設立者の1人だったルメールは1609年に同社の株を空売りしたことで有名だ。自身が保有している以上の株を売ったことから「ネーキッド(現物の裏付けがない)空売り」の創始者だと著者は説明する。

             株主価値の破壊

  取締役たちが投資家をあざむいてきた現実も暴き出す。役員たちはその立場を利用して私利を満たし、株主に配当を支払わず、財務や業績についての情報を隠す。今の言葉で言うところの、株主価値の破壊だ。

  紹介されている汚いやり口を試してみたいと読者が思わないように、著者は警告を付け加えている。本書の1つの章は丸々、金融犯罪で有罪となった人々への刑罰に割かれている。

  マドフ受刑囚の150年よりもはるかに長い845年の禁固刑もある。この詐欺師ショーラム・ワイスの釈放の日付は2754年11月23日。これに対し「殺人の刑罰がたった10年の所もある」と著者は書いている。(ジェームズ・プレスリー)

(プレスリー氏はブルームバーグ・ニュースの書評家です。この書評 の内容は同氏自身の見解です)
 

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