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FRBの危うい冒険
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/138.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 11 月 05 日 00:28:48: xbuVR8gI6Txyk
 

http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Heard-on-the-Street/node_144013

米国の中央銀行は、日を追うごとに地図にない領域へと突き進んでいる。

 連邦準備理事会(FRB)は3日、長期国債6000億ドル(約48兆8000億円)を追加購入すると発表した。バランスシート縮小を防ぐための既存の購入計画分と合わせると、国債購入額は6月末までに合計で約8500億〜9000億ドルに達する。1カ月あたり約1100億ドルの計算になり、財政赤字を補填するための毎月の国債純増額と大差ない。

奇妙なことに、FRBが大胆な決断が下したのは、米景気指標が改善の兆しをみせ始めてからだった。製造業は10月に回復をみせ、小売売上高は驚異的な伸びを示し、民間部門の雇用すら徐々に勢いを増している。また、FRBの決定が景気と市場にゆがみを生じさせるリスクがあることは明白だ。

 だがFRBの声明文にそのような認識は見当たらない。FRBは、9.7%で高止まりする失業率と、低すぎるコアインフレ率、当面改善しそうにない、さえない国内総生産(GDP)を大義名分にして、今回の措置に踏み切った。

 FRBとしては、量的緩和の拡大を市場に広く織り込ませておいて、今さら見送ることはできない、ということだったのかもしれない。2日の中間選挙の結果、政府が追加の景気対策を実施する可能性はさらに低くなり、FRBは緩和拡大に動ける唯一の機関であるようにみえる。

 投資家にとっての朗報は、当面、量的緩和の継続が期待できることだ。今回の措置が明確な効果をもたらしたり(その可能性はある)、意図せぬ悪影響がでれば、緩和打ち切りになるかもしれないが、そうならない限り、緩和が続くと考えられるからだ。結局、バーナンキ議長を含む多くの経済学者は、1990年代の日銀の政策について、デフレ対策が十分ではなかったとして、批判している。

 FRBが慎重になるのはそれなりの理由がある。初回の資産購入プログラムが今年3月に終了すると、米国経済は「ソフトパッチ(一時的鈍化)」の局面に入った。それまで好調だった株価がその後、下落に転じたのも偶然ではないだろう。

 とはいえ、これほどの規模の緩和策が実施されても、米国経済が6月までに目に見える形で回復する保証はない。それどころかFRBの緩和策はドル安を加速させる一方、株価ばかりか商品価格を押し上げる結果になっている。さらに米消費者の購買力を損なうリスクがある。特にコストの増加を賃金の上昇でまかなうことができず、資産効果の恩恵にあずかることのできない低所得世帯の買い控え傾向は顕著になるだろう。

 FRBが緩和を続け、資産価値を押し上げようとすると考えられる根拠は多いが、量的緩和が安定した自律回復につながった過去の事例はほとんど見当たらない。浮かれ気分の投資家も、未踏の領域を進み続けるFRBのやり方に、一考の余地ありと感じるようになるかもしれない。

[ハード・オン・ザ・ストリート(Heard on the Street)は1960年代から続く全米のビジネス・リーダー必読のWSJ定番コラム。2008年のリニューアルでアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国に駐在する10人以上の記者が加わり、グローバルな取材力をさらに強化。刻々と変わる世界市場の動きをWSJ日本版でもスピーディーに紹介していく]

 

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コメント
 
01. 2010年11月05日 16:30:00: cqRnZH2CUM
DOL特別レポート【第101回】 2010年11月4日米FRBが追加の金融緩和策を発表一時的な円高・ドル安の修正はあり得るが、歴史的な円高局面の到来は不可避―みずほ証券金融市場調査部長 高田創氏―4

11月3日、FRB(米連邦準備制度理事会)が、2011年半ばまでに、6000億ド ルの国債を追加で買い入れる方針を表明し、さらなる金融緩和に踏み出した。短期の政策金利であるFFレートは、実質的にはすでにゼロ。金利に下げる余地が ないため打ち出した量的緩和政策である。
米国の金融緩和による日米金利差の縮小で、この数ヵ月間、急速に進んできた円高は、さらに進 むのか。先ほど『世界国債暴落』(東洋経済新報社)を出版したばかりの、みずほ証券・高田創金融市場調査部長(チーフストラテジスト)が今回の金融緩和政 策の影響を語る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン客員論説委員 原 英次郎)
米欧で依然として続くバランスシート調整
た かた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、 93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08 年6月より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。
 FRBは米国債の追加購入を、毎月750億ドルペースで2011年6月まで続ける量的緩和政策をFOMC(連邦公開市場委員会)で決定したが、おおむね市場の予想範囲、やや低めの水準の結果だった。その結果、30年債の金利は大幅な上昇になった。
 結論から言えば、今回の金融緩和によって、緩和がファクトとして出てきたので、11月中くらいは、これまでの急速なドル安から、一時的な揺り戻しは十分あり得る。だたし、いずれ年末から来年にかけて、歴史的な円高は不可避ではないかと見ている。
 結局、2007年以降、アメリカも欧州も、金融機関、企業、家計のバランスシート調整が続いているということだ。バランスシート調整の前には、バ ブルという資産価格の上昇があって、それが反落して調整に入るが、日本は1990年以降、「失われた10年」と言われたように、調整が済むまでに 10〜15年もかかった。
次のページ>>大恐慌以来のバランスシート調整が続いている
 日本も90年から調整に入って、最初の回復期は93年ころだった。アメリカも08年のリーマンショックで、ストーンと景気が落ち、そこからの回復が09年から始まって2年近く経ち、もうそろそろ天井圏に来ているという状況だ。
 100年に1度かどうかは別として、戦後のアメリカではこれほど大きなバランスシート調整はなかった。その点では、やはり1930年代の大恐慌以 来の調整だと言えるだろう。ここまで大きな調整に入ると、なかなか景気の回復感は出にくい。回復してきたと思っても、裏切られたということの繰り返しにな る。
 われわれも、外国の人には、よくこう言っている。「日本の例を見ても、極端な景気の下落は最初の数年間です。ただ、その後の道のりが長い。再び、 リーマンショックのようなことが起こるとか、日本のように調整終了までに10年かかるとは申し上げないが、今年や来年、回復すると期待していると、裏切ら れますよ。ある程度時間がかかりますよ」と。
 たとえて言えば、ガンに本当の処方箋が見つかっていないのと同じように、デフレに陥った経済に対して、今の経済学では本当の処方箋が見つかっていないのではないか。
金融緩和に形を変えた通貨切り下げ競争が展開
 ただ、大恐慌のころを振り返ってみると、ある程度、病気に効いた処方が二つある。一つが通貨の切り下げだった。当時は、通貨の切り下げ競争が、金 本位制からの離脱という形で行われた(金と紙幣の兌換を停止することで、自国の通貨安を誘導した)。過去の症例で見る限り、離脱の早い国ほど、景気の回復 も早い。
 もう一つが、財政政策である。大規模な財政出動を実行したのが、ヒトラーのドイツとスターリンのソ連だった。今回の世界同時不況では、中国が4兆元という大きな財政出動をして、それなりの効果を上げている。
次のページ>>金融緩和に形を変えた通貨切り下げ競争
 その結果、アメリカの物価連動国債の金利はマイナスになった。簡単に言うと、これは市場が、将来、物価が上昇すると予想していることを意味する が、一方で、実際のモノの値段は上がっていない。つまり、名目金利からインフレ率を引いて求められる実質金利は、インフレ率が低下し続けているとすれば、 反対に上がっているかもしれない。したがって、これからはFRBがインフレ期待を醸成しようとして行っている、過度な金融政策の持続可能性が問われてく る。
 これまでの数ヵ月は、アメリカは景気がまだそれほど悪くなっていない中で、通貨を下げるべく、金融緩和だ、金融緩和だと「前のめり」になってい た。経済の実態を超える形で金融緩和を行い、インフレ期待を誘導していったと言えるだろう。今後は下手をすると、景気が悪くなり景気後退という実態を伴っ てしまうかもしれない。そうなると、インフレ期待もしぼんでしまう。
 アメリカは11月の中間選挙をターゲットに、金融緩和を続けて、過度な通貨の切り下げを行ってきた。ここまでの金融緩和と金利低下で、マネーが金 やコモディティ(商品)に流れ込んで価格が上昇したり、新興国に向かって行って、バブルを起こすのではないかと、副作用も懸念されている。したがって、 10月のG20の財務相・中央銀行総裁会議では、金融緩和競争、通貨の切り下げ競争に完全に歯止めをかけることはできなかったものの、今月ソウルで開かれ るG20の首脳会議をにらんで、為替市場はしばらく小康状態を迎えるだろう。
 ただ、少し長い目で見ると、ドル安の大きな流れは、変わらないと見ている。ドル安の背景にあるアメリカのバランスシート調整が、まだ終わっていな いからだ。ユーロも本質的には大きな問題を抱えている。ユーロもいまは小康状態だが、これが過ぎると大きく下がるということもあり得る。
 アメリカのバランスシート調整が、日本と同じくらい長期間かかるとは言わないが、まだ時間のかかる手ごわい相手だと考えておいた方がよい。となる と、アメリカ経済が07年以降、バランスシート調整に入ってから続いているドル安局面なので、バランスシート調整にメドがつかない限り、為替相場の完全な 転換までにはまだ時間がかかる。(談)
質問1 FRBによる国債の追加買い入れで、米国の景気はよくなると思いますか?
48.9%
思わない
27.3%
政府の財政支出増と一緒ならある
14.2%
わからない
9.6%
思う


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