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Jobless recovery
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/310.html
投稿者 tea 日時 2010 年 12 月 05 日 01:00:49: 1W1IXELjjF6i2
 

米11月雇用、は3.9万人増に減速し、アナリストらの予想以上のjobless recoveryとなっている
民間部門も鈍化して失業率9.8%に悪化し
ただ波もあるので、次回上ぶれる可能性も否定はできないが、
米の金利上昇が先延ばしになったことは間違いなさそうだ


XXXXXXXXXXXXXXXXXX引用XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

http://www.gci-klug.jp/masutani/2010/12/04/011329.php

【2010年12月4(土)】 − 米労働省が3日発表した11月の新規雇用者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)は、前月比3万9000人の純増と、2カ月連続の増加となったものの、前月(10月)の同17万2000人増から伸びが急減速した。

 また、市場予想(前月比13万人増)の約3分の1以下という弱さで、失業率も10月の9.6%から9.8%に悪化し、米国経済の成長率が伸び悩む中で、雇用情勢の改善はあまり進んでいないことを露呈した。

 米国の経済成長率は、先月23日に発表された第3四半期(7-9月)実質GDP伸び率(季節調整済み、前期比年率換算)の第1次改定値が+2.5%と、速報値+2.0%から大幅に上方改定されたが、景気回復ペースは依然として脆弱だ。

 エコノミストは、第4四半期(10-12月)GDP伸び率も+2.3%程度になると予想しているほどで、今回の+2.5%のGDP伸び率でも、景気回復の最大の障害となっている高失業率(現在9.6%)を引き下げるには不十分と見ている。

 仮に+3%程度の経済成長ができても人口の自然増を吸収して失業率の上昇を食い止めるのが精一杯で、失業率を1%ポイント引き下げるには+5%の成長率が必要といわれる。

 失業率は少なくとも年内まで10%に近い水準が続くと予想されており、また、政府の景気刺激策による減税や公共投資が今年後半にかけて細り、第3 四半期GDP成長率を下支えした個人消費も鈍化する見通しから、エコノミストは今年下期(7‐12月)のGDP成長率は平均2%で推移し、20011年と 2012年も2%程度の低成長が続くと見ている。

■11月雇用統計の悪化、一過性の見方も

 ただ、一部のエコノミストは、今回の11月の新規雇用の大幅鈍化は、これまで増勢が続いていることを見ると、統計上のアヤで、一過性に終わり、来月の雇用統計で大幅に上方改定される可能性が高い、と楽観的に見ている。人材派遣業が前月比4万人増と、3月以来8カ月ぶりの大幅増となったことも明るい材料だとしている。

 他方、人材派遣業と政府助成を受けているヘルスケア・社会福祉サービス業を除いた民間部門の新規雇用者数は前月比2万4000人減となり、実質的には民間では雇用が創出されていないも同然という見方もある。

 また、こうした雇用回復の遅れは、FRB(米連邦準備制度理事会)が景気刺激とディスインフレ(物価上昇率の低下)からの脱却を目指して、先月3 日に打ち出した6000億ドル(約49兆6000億円)の追加国債買い取り策に対する議会からの風当たりを弱めるのに十分との見方もある。

 長期国債の買い取り効果については、ニューヨーク連銀のウィリアム・ダドリー総裁が10月初めの講演で、当時は5000億ドル(約41兆4000 億円)規模の追加買い取りを主張していたが、それでも政策金利を0.5‐0.75%ポイント引き下げたのと同じ効果を生じさせると指摘。その結果、住宅ローン金利が低下し、企業の資本調達コストも低下し、住宅や株式などの資産価値を支えることになる、と述べている。

 ただ、エコノミストはFRBの政策目標である雇用の最大化で失業率を引き下げられるかについては懐疑的だ。米投資分析大手ムーディーズ・アナリティクスの主席エコノミストのマーク・ザンディ氏は、今回の追加金融緩和措置がなければ2011年末の失業率は9.9%に上昇するが、それでも現在と同じ 9.6%の維持がやっとだ、と冷ややかな見方だ。

■FRB、失業率の見通しを下方修正

 FRBは、先月23日に公開したFOMC(公開市場委員会)の議事録で、2010‐2013年のGDP伸び率と失業率の見通しをそれぞれ悪化方向に下方修正している。

 失業率(中央値)の見通しについては、2010年は9.5-9.7%(前回6月予想9.2-9.5%)、2011年は8.9-9.1%(8.3-8.7%)、2012年は7.7‐8.2%(7.1-7.5%)と、緩やかに低下すると予想しているものの、いずれも前回予想よりも悪化方向に下方修正している。

 ちなみに、2013年は前回との比較はないが、6.9-7.4%で、また、長期見通しの潜在的な伸び率は5.0‐6.0%となっている。

 また、中央値ではなく単純な予想レンジで見ると、レンジの上限は2010年が9.8%、2011年も9.3%、2012年は8.7%と、やや低下するものの、失業率は9‐10%近い高水準の状況が続くと見られている。

■政府部門、1万1000人減

 新規雇用の伸びが大幅に鈍化したのは、政府部門が学期終了に伴う地方自治体の教員のレイオフで減少に転じた一方で、民間部門の増勢が急激に鈍化したのが要因だ。

 政府部門は前月比1万1000人減と、10月の同1万2000人増から減少に転じた。政府部門の雇用は、5月から始まった国勢調査の影響で、特に、連邦政府部門で一時的に急増したが、その後の調査終了に伴い、減少してきている。

 連邦政府は5月に、2010年国勢調査のために、一時的に41万人を雇用した結果、同月の新規雇用者数は前月比43万2000人増と、急増した。しかし、6月から国勢調査も徐々に終わり始め、国勢調査要員は5月のピーク時の56万4000人から10月にはようやく1000人にまで減少した。

 国勢調査要員は6月に前月比22万5000人減となったあと、7月と8月もそれぞれ同14万3000人減、同11万4000人減となり、9月も同7万7000人減、そして、10月は同5000人減と、次第に減少幅が縮小している。

 それに伴い、政府部門全体の減少幅も6月の同23万6000人減から、7月は同18万3000人減、8月は同14万4000人減、9月も同13万 6000人減(改定前14万8000人減)と、4カ月連続の減少となったが減少幅は縮小している。10月も前回発表時は同8000人減だったが、今回の発表では同1万2000人増に上方改定されている。

■民間部門、5万人増に伸び減速

 一方、民間部門は前月比5万人増と、昨年12月以来11カ月連続の増加となったものの、前月の同16万人増(改定前15万9000人増)の約3分の1までに伸びが減速。また、上方改定された9月の同11万2000人増(改定前10万7000人増)も下回り、市場予想の同14万人増も大幅に下回った。

 市場では、景気が2番底に向かわないためには、民間部門だけで月平均10万人増、さらに、景気回復が持続安定的に進むためには、15万人増が必要と見られている。この点で、9月と10月は強い伸びとなり、景気の先行きに明るい兆しが見え始めたが、11月はそうした楽観的な見方に冷水を浴びせた格好だ。

 ちなみに、人口の自然増を吸収して失業率の上昇を食い止めるために必要な全体の新規雇用者数の月平均増加数は12万5000人だが、失業率をかなり低下させるには20万人増、失業率が2013年末までに6%の水準に戻るには月平均40万人増が必要になるといわれる。

 これまでの民間部門の雇用の動きを見ると、4月の前月比24万1000人増のあと、5月の同5万1000人増と6月の同6万1000人増と、減速したが、7月は同11万7000人増に急回復、8‐10月も順調に推移していた。

 また、民間部門の1‐11月の雇用増加数は117万1000人で、月平均では10万7000人となるが、これは2‐4月の月平均15万4000人を30.5%下回っており、本格的な回復までには至っていない。

■9-10月雇用者数、計3.8万人の上方改定

 明るい材料は、9月と10月の直近2カ月の雇用全体の数値が上方改定されたことだ。9月は前回発表時の前月比4万1000人減から同2万4000 人減に、また、10月も同15万1000人増から同17万2000人増へと、この2カ月だけで計3万8000人上方改定されている。

 民間部門だけを見ると、9月は前回発表時の同10万7000人増から同11万2000人増に、10月も同15万9000人増から今回は同16万人増へと、この2カ月間で計6000人上方改定された。

■NY株式市場、雇用統計を嫌気=それでもドル安で続伸

 3日のニューヨーク株式市場では、11月の弱い雇用統計の結果を受けて、米経済は今後数カ月、低迷が続くとの悲観的な見方が強まり、値を下げていたものの、引けにかけて、石油や金などの資源銘柄がドル安の追い風を受けて売り上げが伸びるとの思惑から相場が押し上げられた。結局、ダウ平均株価指数は、前日比19.68ドル(0.2%)高の1万1382.09ドルで引けている。

 一方、ニューヨーク債券市場では、雇用統計の発表直後は弱い内容に落胆して安全資産の国債が活発に買われたが、その後、米議会は何らかの追加の景気刺激策が必要になるとの思惑から売りが優勢となったため、結局、債券価格と反対方向に動く利回りは上昇して引けている。10年国債の利回りは前日比 0.01%ポイント上昇の3.013%だった。

■政府、議会に緊急失業給付の再延長を要請

 ジョゼフ・バイデン副大統領は3日、雇用統計の結果について、失望感を示した上で、議会に、11月末で期限切れとなった緊急失業保険給付(EUC:最高99週間)の延長プログラムを1年間再延長するよう求めている。

 EUCは通常の最長26週間の失業保険給付が終わったあと、さらに最長53週間の給付延長が利用できる制度で、その後も各州で、延長給付(Extended Benefits)で最長20週間受けられる。これにより、給付期間は合計で最長99週間となり、約200万人が対象になると見られている。

 議会では、共和党はブッシュ前大統領が2001年と2003年に実施した1.35兆ドル(約112兆円)の大規模減税の大半が2010年末に期限切れとなるため、期限延長・恒久化を考えているが、民主・共和両党は1‐3年の延長をめぐって交渉を進める見通しとなっている。

■失業率、9.8%に悪化=長期失業者数は631万人に拡大

 11月の失業率は9.8%と、4月以来7カ月ぶりの高水準に悪化した。失業率が9%台となるのはこれで19カ月連続となり、1982‐1983年のリセッションの19カ月連続の過去最長記録と並んだ。来年に入っても9%台が続く見通しで、この記録を破るのは必至の情勢だ。

 また、失業状態の深刻さを示す6カ月以上(27週間)の長期失業者数は前月の620万6000人から631万3000人に拡大、前年比も7.0%増と、依然、高水準だ。

 この結果、長期失業者の全体の失業者数に占める比率は前月の41.8%から41.9%にやや上昇した。これは前年同月の38.7%を約3.2%ポイント上回る。

 失業率が上昇したのは、分母にあたる労働力人口は前月比10万3000人(0.7%)増の1億5400万人となったものの、分子にあたる失業者数が1512万人と、前月比27万6000人(1.9%)増と、大幅に増加したからだ。

 また、11月の労働市場への参加の程度を示す労働力人口比率は64.5%と、前月と同じになっている。全体的には、依然、景気回復のペースが緩慢で民間企業の雇用意欲が低調なため、就職探しをあきらめて雇用市場に参加しない労働者は、依然高水準であることには変わりはない。

■広義の失業率、17.0%=依然高水準

 一方、広義の失業率(狭義の失業者数に仕事を探すことをあきらめた労働者数とパート労働に変わった労働者数を加えた、いわゆる、"underemployed workers"の失業率)は17.0%と、10月と変わらずとなった。5カ月ぶりの高水準となった9月の17.1%をやや下回っているものの、依然、高水準だ。

 また、正規雇用をあきらめてやむを得ずパート労働者(involuntary part-time workers)となった数も10月の915万人から897万人へと、2カ月連続で減少したものの、依然、高水準だ。

 こうしたパート労働者数は、昨年12月の920万人から1月は830万人に減少したが、2月は880万人、3月は905万人、4月は915万人と、3カ月連続して増加。その後、5‐7月は3カ月連続で改善したものの、8-9月は2カ月連続の増加となっている。

 2007年12月のリセッション入り以降、雇用者数は2008年と2009年に計840万人が減少したのに対し、今年1-11月期だけで計95万 1000人の純増が見られただけ。まだ、約745万人も失われたままになっていることには変わりはない。今年は月平均8万6000人の増加ペースなので、このペースだと元に戻すにはあと7年後の2017年になる計算だ。

■製造業、減少幅が拡大=建設業は減少に転じる

 雇用統計の内訳は、建設業は減少に転じ、小売りと製造業も大幅減少となった。

 製造業は前月比1万3000人減と、10月の同1万1000人減から減少幅が拡大した。これは食品や印刷、化学などの非耐久財部門が同8000人減となった一方で、耐久財部門も同5000人減となったため。

 耐久財のうち、コンピューターなどの電子製品は増加したが、自動車・同部品製造は同1500人減となったほか、家電や家具も減少した。

 製造業は、昨年12月は同1万8000人減だったが、2009年上期(1-6月)の月平均17万1000人減、同年下期の月平均4万1000人減から急速に回復を見せ、今年1-5月の5カ月間で13万4000人増加した。しかし、5月以降は1170万人近辺であまり変わらずに推移している。

 一方、建設業は前月比5000人減と、10月の同3000人増から2カ月ぶりに減少に転じた。

 これは、4月末の住宅取得減税の期限切れによる住宅市場の低迷が続く中で、建物の建築業は居住用が同5000人増となったが、「specialty trade contractors」と呼ばれる、整地などの基礎工事や電気・配管などの専門工事業者のうち、非居住用が同7000人減となって全体を押し下げている。

 建設業は7月の同4000人減、6月の同9000人減、5月の同2万9000人減のあと、8月は同3万4000人増と、4カ月ぶりに増加していた。

■小売業、減少に転じる=2.8万人減

 サービス産業は前月比6万5000人増と、10月の同15万7000人増に続いて11カ月連続の増加となった。

 このうち、小売業は同2万8000人減と、10月の同1万3000人増から減少に転じた。小売りのうち、家具が同4800人減、建材・園芸店も同 3200人減となった一方で、自動車・自動車部品販売は同4600人増となった。このうち、自動車ディーラーは同4000人増だった。

 また、これまでサービス産業を支えてきた専門・ビジネスサービス業も同5万3000人増と、10月の同5万人増に続いて、4カ月連続の増加となった。

 特に、このうち、将来の雇用の先行指標となる人材派遣業は同3万9500人増となり、10月の同3万4700人増に続いて4カ月連続で増加し、明るい材料となっている。

 金融サービス業(不動産販売も含む)は同9000人減となった。ただ、2009年の月平均2万9000人減からは大幅に鈍化している。このうち、クレジット仲介業は同1400人減と、減少に転じた。

 また、政府部門は同1万1000人減となり、10月の同1万2000人増から減少に転じた。内訳は、連邦政府部門は同2000人増となったが、州政府や地方自治体は合計で同1万3000人減となった。特に、地方自治体は、教員が同4200人減となったが、教員以外も同1万人減と、大幅減少となっている。

■1時間当たり賃金と労働時間、横ばい

 週平均労働時間(1月から全従業員のデータが導入)は前月比横ばいの34.3時間となった一方で、1時間当たり平均賃金(全従業員のデータ)も同0.04%(1セント)上昇の22.75ドルと、ほぼ横ばい   

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コメント
 
01. 2010年12月05日 01:12:05: mHY843J0vA
第一生命による米雇用統計の分析
製造業主体の場合、景気回復はJoblessRecoveryになり易く
労働は基本、遅行指数だから本来影響は低いはずだが
中銀の意思決定への影響を考えると、結構重要であるとの読みは
一般的に成立するか。
いずれにせよ、年内までは、ドル円&クロスの頭は重そうな予感


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毎月第一金曜日(原則)に前月分が発表される米国の雇用状況を示す統計で、雇用者数や失業率などを調査する家計調査と、業種別の就業者数を調査する事業所調査の二構成となっている。米雇用統計が世界中のマーケットから最も注目されるのは、@戦後世界経済は米国の個人消費を牽引車として拡大してきたが、米消費動向を見極めるうえで雇用環境が最も重要視されたこと、A世界の金融市場に最も強く影響を及ぼす中央銀行であるFRBの金融政策を見極めるうえで、失業率や賃金動向は重要な手掛かりとなること――などの背景が挙げられる。
雇用統計で最も注目されるのは非農業部門就業者の前月対比増減数で、所謂ヘッドラインとなる。同様に失業率も注目度が高いが、失業率の変動は雇用実態と異なる方向に動くこともあり、市場の注目度という点では非農業就業者数の増減に劣る。このほか、特に景気が好調さを保つ中では先々のインフレ圧力を計る指標として時間あたり賃金の動向に注目が集まる時期もある。
なお、家計調査、事業所調査とも毎月12日を含む週についての調査となるため、関連統計である当該週の失業保険申請件数は、雇用統計を予測するうえで参考指標となる。同時に、たまたま調査週に雇用を大きく変動させるような要因があれば(例えばハリケーンや吹雪など)、発表数字が歪められる可能性がある点には注意が必要となる。

group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/shima/pdf/s_1012b.pdf

景気には遅行する――と単純なものではない
一般に雇用は景気に遅行するとされる。このことは景気と企業の行動を見ても明らかで、企業は売上が鈍化するなどして業績が悪化した後に雇用を圧縮してコストを切り詰めようとする一方、景気が持ち直して既存雇用者の時間外労働延長による労働投入拡大で対応できなくなると雇用拡大を図る。こうした関係を最も端的に示す経済指標は失業率だ。失業率の推移は実質GDP成長率の動きに遅れて推移する傾向ははっきりとしている。
しかし、景気循環との関係を見ると、景気が拡大に転じた局面では失業率が改善するまでには時間がかかる一方で、景気が後退に転ずる局面では景気の山と失業率のボトムとの間にほとんどタイムラグはないことが分かる。さらに、米雇用統計のヘッドラインである非農業就業者数の動きでみると、四半期ベースで非農業就業者数が減少に転じると景気は山をつけ(後退局面入り)、逆に景気拡大局面に転じる時期(景気の底打ち)にはほぼタイムラグ無く非農業就業者数の減少幅も底打ちする(減少幅縮小に転じる)傾向があることが分かる。

2
雇用統計から示唆される経済指標・市場動向
雇用統計の中身のうち、製造業就業者数の動きは製造業生産の動きと相関が極めて高い。製造業就業者数と製造業の労働時間を掛け合わせて簡便的に製造業の労働投入量を作成すれば一層相関は高くなる。雇用統計は景況感調査などではない実体統計としては発表が最も早いため、1週間から2週間後に発表される同月の鉱工業生産の動きを予測するのに適している

雇用動向は景気の本格的な回復局面への移行のカギを握る消費者マインドへの影響も大きい。消費者信頼感指数については、11 月分が前月より改善したことが株価上昇要因となっているものの、昨年5月来続いているレンジ内での変動に過ぎず、引き続き過去最低レベルにとどまっている。これは失業率が歴史的な高水準にとどまっていることが深く影響している。
このほか、雇用統計の中には雇用に先行する指標も存在する。それは人材派遣業の就業者数の動きで、一般的には非農業就業者数全体の動きに半年程度先行する傾向

雇用は景気に遅行する性質があることからすれば、景気の“先”を読んで動く市場が雇用の動きに影響を受けるとは考えにくい。実際、非農業就業者数と株価のヒストリカルな動きを確認すると、両者の水準自体を比較すれば非農業就業者数の動きは株価から大きく遅行して動いており、雇用動向が(前もって)株価に影響を及ぼすことは考えにくいことが確認される。しかし、現実には雇用統計は市場が最も注目する指標であり、実際に統計発表時には市場に大きな影響を与えることもある。

本シリーズ「Market Watching 経済指標とマーケット1〜ISM製造業景況指数」(10/11/29)で行ったのと同様に、非農業就業者数の発表値と市場の事前予測値との乖離が、当日の株式市場にどの程度影響を及ぼすか見たところ、ISMほど強いインパクトは与えない。この理由としては、@2007年頃から、雇用統計の1〜2営業日前に発表されるADP雇用統計の注目度が高まり、雇用統計については“サプライズ”が発生するリスクが小さくなったこと、AISMはアンケート調査のため市場の予測が難しく、雇用統計のような実体統計に比べて“サプライズ”が発生して市場に強いインパクトをもたらす可能性が高いこと――などが考えられる。しかし、発表値が事前予測値を上回った時には株価は上昇、逆に下回った時には株価は下落するという “素直な関係”においては、ISMよりも安定した傾向があることが伺える。なお、ISM同様に金融政策の方向性によって、雇用統計の結果が市場に及ぼす影響度は全く異なってくることには注意が必要で、雇用統計の場合利上げ時期には統計結果と当日の株価の動きには明確な関係は確認できない。

一方、金融市場や債券市場に示唆するところは株式市場よりも大きいと考えられる。FRBは金融政策を執るうえで数多くの経済指標を総合的に判断するが、いくつか代表的な指標への関心は非常に高い。そのうちの一つが失業率で、これはFRBの金融政策の目的が物価の安定と完全雇用の実施と定められていることと関係している。この点に関し市場でよく指摘されているのは“最初の利上げは、失業率が低下に転じてから1年後”というものだ。実際、90年以降の失業率とFF金利の推移を見ると、上記のような関係が成り立っていることを示している2。ただし、今局面においては失業率は09年9月につけた10.1%をピークに低下しているものの、それから1年以上を経過した今年11月のFOMCで量的緩和第2弾を実施、利上げどころか追加の緩和策に踏み切っている3。

そこで、景気に影響を及ぼすのは名目金利よりもむしろ実質金利であるという点に着目し、失業率と実質FF金利の推移について、特に利上げ局面に絞って見ると、@失業率が改善に転じてから1年半後に実質FF金利はゼロを上回るA失業率が完全雇用とされる自然失業率程度にまで改善すると、実質FF金利は景気に対して中立的とされる2〜3%程度5にまで引き上げられる――という傾向が確認される。こうしたことを足元の状況に照らし合わせると、FRBは利上げを行っていないにもかかわらず実質FF金利のマイナス幅は縮小しているが、これは物価上昇率が鈍化しているためで、FRBとしては“意図しない実質金利の上昇”ということになり、景気をコントロールするうえで歓迎されるものではない。こうした状況が追加の緩和策である量的緩和第2弾に繋がったとの見方もできる。同時に、足元の失業率水準は自然失業率水準にはほど遠く、FRBがFF金利を中立的な水準にまで引き上げるにはかなりの猶予があることも明らかだ。

一方、失業率と市場金利との関係を長短金利差(10年債利回りから2年債利回りを差し引いて算出)で見ると、両者は綺麗に連動していることが分かる。失業率が低下する局面は景気が拡大している局面であるため、金利水準は上昇傾向にあるが、特に利上げを織り込む形で短期金利の上昇ペースが長期金利を上回るため、長短金利差は縮小、イールドカーブのフラットニングが進む。ただし、足元では失業率が低下に転じ始めているとはいえそのペースは極めて緩慢なうえ水準も歴史的な高水準にある。FRBはデフレ懸念なども念頭に緩和策を強化しており、長短金利差の縮小テンポは緩慢なものになるばかりでなく、場合によっては連動性が薄らぐ局面が訪れる可能性もある。例えば、失業率は緩やかな低下傾向を辿る一方で、FRBが量的緩和政策を変更しない場合などは、短期金利が低水準にとどまる一方、インフレ懸念などを含む形で長期金利には上昇圧力がかかる可能性がある。

当面の注目点
非農業就業者数については、今年攪乱要因となった国勢調査要員の一時雇用・及び解雇の動きが一巡し、ヘッドラインの数字を素直に解釈できる状態に戻った。先行きを見ると、在庫復元効果の一巡などで生産活動の伸びには一服感があり、製造業の就業者数は当面雇用全体の抑制要因となると見込まれる。一方、非製造業では住宅販売の不振から建設業の停滞が続くと見込まれるほか、サービス業も消費者マインドの低迷を勘案すれば消費者の財布の紐が緩むとは考えにくく、一方的に回復していくとは考えにくい。したがって、米国の雇用環境は最悪期は脱したものの、改善ペースはしばらく緩慢なままにとどまる公算が大きい。
市場では、米国の国内需要の回復が無ければ景気の自律的な回復も見込み難いとして、専ら個人消費の動きに関心が集まっている。足元ではクリスマスセールスの出足が好調だったこともあって、決して良い数字とは言えない消費者信頼感もポジティブに解釈するなど“上げ”基調にある。見方を変えれば、こうした改善に対する期待と現実とのギャップに耐えられないような材料が出てくると、市場の失望も大きくなるリスクがある。その意味で、消費や消費マインドを大きく左右する雇用統計の重要度は高い。先行きの動きについては、非農業就業者数に先行する傾向の強い人材派遣業者の就業者数の動きに特に注目していきたい。


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