http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~the0374/STUDENTS/W09/0129/graduate/part2.htm
第2章　電子マネーと金融政策

　電子マネーの普及は社会にどのような影響を与えるのであろうか。決済手段が新しくなるのみであって全く何も変化がない、という事も一つの意見である。しかし、電子マネーは現金を代替するものであると考えられるから、経済取引全体における現金需要を低下させる可能性がある。

　中央銀行は民間の経済取引における日々の資金需要にあわせてハイパワードマネーを供給すると共に、経済安定化のために、ハイパワードマネーの供給を通じて、マネーサプライの量を変化させ、実体経済に影響を与えることが可能である。民間銀行が発行する電子マネーの普及により、実際の現金需要が低下すると、以前よりも少ないハイパワードマネーの供給でマネーサプライを変動させることが可能になることが考えられる。この結果は金融政策に対してどのような影響を与えるのだろうか。

　以下の章では、現在の金融政策におけるハイパワードマネーとマネーサプライの関係を考察し、電子マネーが普及する過程において金融政策がどのような影響を受けるのかを考える。

2.1　現在の金融政策におけるマネーサプライのコントロール 　

コメント
01. 2011年1月06日 05:53:02: 8ZXG5AAQQ6 電子マネーやポイント・マイレージなんてものは通貨の裏づけがあるとは言うものの、実際にそれ以上の信用が創造され供与されているものと思います。 つまり形を変えた（民間の）通貨発行と言えるのではないでしょうか。 現状では日銀券に比べると発行比率は低いのでしょうか？それともそれなりの規模になっているのでしょうか？ 政府債務の償還に政府紙幣の発行が言われていますが、実際には国内に流通させるのではなく日銀に振り込んで国債償還に当てるのだ、とも聞きます。 それでは財政健全化にはなってもデフレ対策にはならない気がします。 いっそ、財務省辺りが胴元になって電子マネー（スイカでもイコカでもよいでしょう）を大量に発行して、経産省が各企業に採用を促せば、デフレ対策・円高対策になるのではないかと思うんですが、どうでしょう？ 日銀のケツを叩くだけが能ではないと思いますが。
02. 2011年1月06日 14:28:25: QXVaulDOhs 通貨で一番多いのは、預金通貨である。預金通貨とは普通預金や当座預金のような要求払い預金である。定期預金などは準通貨と呼ばれ、更に投資信託などを含めて広義流動性と呼ばれ、通貨総量（マネーストック）の統計として日銀から発表されている。 一番多いものは『預金通貨』や『準通貨』であって、現金の２０倍位になる。 預金通貨もパソコンや携帯で振り込むことが出来るからある意味で電子マネーの一種だろう。逆に言えばスイカとかイコカも預金通貨の一種と考えることが出来る。利便性は高まるが、大金を扱わないから普通の預金と比較して量的には知れている。 扱い者が銀行であれば信用創造はいままでの預金と同様であるが、銀行以外が扱う場合は、支払い準備に当てる割合が銀行などに比較して非常に高く設定されるようなので、信用創造機能も大きくない。 信用創造といえばなんといってもプラスティックマネーと呼ばれるクレジットカードである。あれはクレジットカードを使った瞬間に信用が供与されることによってどこかの預金口座に預金通貨という数値が創造されることになる。実際に米国では住宅ローンとともに通貨危機の大きな原因になっている。
03. 2011年1月07日 06:45:17: 8ZXG5AAQQ6 02さん、ありがとうございます。 まだまだ日銀券に比べて比重は低いのですね。

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