★阿修羅♪ > 経世済民70 > 706.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
最悪の行政指導(為替デリバティブの損失)
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/706.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 20 日 01:58:38: 1W1IXELjjF6i2
 

銀行が優越的な地位を利用して不当な契約を押し付けたのか
それとも、中小企業自体が目先の利益に目がくらんで行ったのかが問題になるだろうが
いずれにせよ、銀行の利益を下押しし、最悪、倒産に追い込まれる銀行もでてくる可能性はある
日本での中小企業融資は、ますますリスクが大きく、銀行にとってやりにくくなるというわけだ。


http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2011/01/19/011702.php
« 前の記事 | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
最悪の行政指導(為替デリバティブの損失)
2011/01/19 (水) 14:26

 「為替商品で多額の損失 中小企業に特例融資」なんて文言が、本日、日経の1面に出ています。

 一体何のことなのかと記事を読んでいくと、3メガバンクが為替デリバティブで多額の損失を抱えた中小企業の資金繰り融資に乗り出すのだ、とか。

 まあ、それだけの話であれば、何も反応を示すことはないでしょう。銀行が顧客に対しどんなサービスを提供するかは、彼らが判断すればいいからです。

 しかし、次の文言をみて唖然とするわけなのです。ガーン!

 「金融庁の行政指導を受けた措置で、毎期計上する損失の穴埋め資金や、取引の途中解約の違約金に充てる資金を融資する」

 
行政指導?

 確か、10年以上も前の大蔵バッシングを得て、大蔵省から金融庁(当初は金融監督庁)が分離独立させられ、その時以来、行政指導などは金輪際行わないと誓ったはずではなかったのでしょうか。

 私自身は、行政指導というのは、ケースバイケースで、必ずしも100%悪だとは思っていなかったのですが、マスコミなどの批判を恐れた当時の金融監督庁は、これからは事後指摘型に移行すると世間に公言したのでした。

 繰り返しますが、行政指導が100%いけないというわけではありません。しかし、こういうものには融資しろとか、ああいうものには融資をするな、などと役所が銀行を指導するのは如何なものでしょう。

 案の定、日経も「金融規律ゆがめる恐れ」と大きな字で指摘しており、また、「異例の行政指導だ」とも言っているわけです。

 ただ、いずれにしても、そんなことが行われるなんて想像もしていなかったものですから少し驚いた訳なのですが‥、よーく考えたら、少し前に気になる記事が掲載されていたことを思い出しました。それは、地方公共団体のなかで、通貨デリバティブに手を出して損をしているところが発生している、と。

 ただ、今回問題になっているのは、飽くまでも銀行の取引先である民間企業が被った損失であり、地方公共団体の損失ではないわけです。

 調べてみると、昨年の11月、西田実仁という議員(公明党)が参議院予算委員会質問をしているのです。年間売上高20億円、従業員100人程度の企業が、大手銀行から勧められたデリバティブ(派生商品)である「通貨オプション取引」で大損してしまい、倒産の危機にひんしており、こうした金融機関によるデリバティブ営業の実態をどこまで金融庁は把握しているのか、自見庄三郎金融相に迫った、と。

 もうこうなると何となく想像がつく訳です。亀井氏と行動を共にする自見氏の意見が反映されているということではないのでしょうか。つまり、銀行は、そんな危険な商品を売り付け、中小企業に損失を被らせるのは怪しからん、というのでしょう。

 まあ、顧客保護というのも分からないではありません。リスクの高い商品については、金融機関が分かりやすくリスクを説明する必要がある、と。

 しかし、ここで問題になっているのは、金融の知識の乏しい高齢者などではないわけです。中小とはいえども、年間の売上高は20億円もあり、100 人も雇っているような企業であるのです。為替が絡んだ取引に為替変動のリスクが伴うことなど百も承知なはずなのです。それなのに、そうした取引先を助けてやれ、と役所が言っていいものなのでしょうか?

 これが、銀行からの強い勧誘のためにどうしても断ることができなかった、というような特別の事情があるのであれば、それならば話はまた別であるのですが。

 もし、役所の指導を受けそうした中小企業に融資し、それが焦げ付いたら、一体誰が責任を取るというのでしょうか?

 もちろん、銀行の独自の判断で、デリバティブ取引で損失を被った企業を助けようというのであれば、それはご自由にということなのです。


 なお、地方公共団体のケースとしては、次のような情報が得られました。

<資金運用の一環として外国為替仕組み債を購入したケース>
 ドルに対して円安になれば利息が大きくなる一方、円高が進むと利率が低く抑えられる。
 福岡県苅田町は、同仕組み債17億円分を購入したが、時価が12億円に下落し約5億円の含み損が発生している。

<資金調達のために為替デリバティブを組み合わせた地方債を発行したケース>
 円高で調達金利が跳ね上がり、高利での資金調達を余儀なくされている。
 岩手県ではこうした仕組み債の発行で、調達金利が6%を超えている。


 以上
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民70掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民70掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧