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アウトサイダー頼みの経済政策 (高橋清隆 )
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投稿者 大自然 日時 2011 年 1 月 21 日 14:07:28: RYYyLwdLyL10c
 

2011.1.17

アウトサイダー頼みの経済政策

高橋清隆
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/YU82.HTML
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 マスメディアは情報による支配装置であるというのがわたしの確信である。賢明な読者なら、とうにご承知のことだろう。経済政策をめぐる新聞の論調は、そのことを如実に表す。
 わが国経済の優位性は風前のともしびにある。1997年度に約514兆円あったGDP(国内総生産)は2009年度に474兆円台まで縮小。地方経済は破壊され、商店街はシャッター通りと化した。仕事があっても、失業に脅えながら低賃金労働に甘んじる国民がもはや多数派だ。
 このような非常事態にありながら、日本新聞協会に加盟する新聞社やテレビ局は緊縮財政と増税を訴え続ける。「国の借金」がその理由にされている。「国債及び借入金現在高」は2010年9月末時点で909兆円弱。しかし、日銀に国債を引き受けさせれば、いくらでも予算を組むことはできる。
 しかも、政府が問題にしているのは、GDPに比べての国債や借入金の残高である。内閣府はそのことを答弁書で何度も示している。つまり、政府支出が増えればその分だけ分母であるGDPが大きくなるので、「借金」の比率は小さくなる。だから、緊縮予算や事業仕分けで政府支出を減らすのは逆効果である。地道に返そうとするなら、なおさら財政出動によって景気をよくし、税収を増やすしかない。
 「財政危機」の脅迫キャンペーンは、29年前の鈴木善幸内閣のときから行われてきた。これによって、国を富ませ、国民所得を引き上げる財政出動をくじいてきた。そもそも、日本国債は94%が国内で消化されている。「国の借金」は正確には政府の借金のことで、国民は債権者である。財務省はありもしないことを問題にし、自国の経済を衰退させてきた。危機はバランスシートではなく、生活そのものだ。
 このようなことを言うと、「そんなばかな」という人もいるだろう。正論を述べる論客はマスメディアから排除されているからである。
 積極財政を提言する「日本経済復活の会」(小野盛司会長)が2010年12月、京都大学工学部の藤井聡(ふじい・さとし)教授を講師に招き、建設国債による徹底的な公共投資を訴えた。同年11月3日付の本ホームページ「森田実の言わねばならぬ【1054】」にも著書『公共事業が日本を救う』(文春新書)が紹介されているから、ご存知の方も多いはずだ。
 講演で藤井氏は、「公共事業不要論」をまん延させる元になった統計数字が誤っていることを指摘。公共事業費の縮小は活力どころか安全も損なうことを説明した。その上で、1990年代に財政出動によるデフレ対策を講じなかったことで逸した富は、およそ4000兆円との試算を示した。
 藤井氏は最後に興味深いことを漏らした。同氏の論考やインタビューが掲載された媒体は、一部ローカル紙のほか、幸福実現党の機関誌や公明党の政党紙『公明新聞』くらいだとのこと。
 積極財政を訴えている新聞としては、ほかに『世界日報』がある。これまで亀井静香国民新党代表の積極財政発言を好意的に紹介してきた。2011年元旦号では「提言 2011年日本経済再建への処方箋」と題し、元経済企画庁研究員で筑波大学名誉教授の宍戸駿太郎(ししど・しゅんたろう)氏や日本金融財政研究所長の菊池英博(きくち・ひでひろ)氏、元日銀理事で鈴木政経フォーラムの鈴木淑夫(すずき・よしお)代表らの意見を紹介している。いずれも積極財政こそが100兆円ともいわれるデフレギャップを埋める唯一の方法だとの主張だ。
 特定郵便局を主な購読層にした業界紙『通信文化新報』も積極財政に理解がある。菊池英博氏の筆による「日本再考 社会に正義と光を」と銘打つ経済解説コラムを連載。1月10日号で53回目を数えた。一貫して自由放任主義の経済政策を批判し、政府の一定の関与が豊かな国民経済をつくると主張する。郵政民営化を冷ややかに見るのもそのためだ。
 こうした当たり前の主張が一般紙に載らないのはなぜだろう。マスメディアが言論統制されている証ではないか。藤井教授のような正常な論客が経済学部に見当たらないのも、その結果ではないか。「アウトサイダー」と見なされる新聞でしか、まっとうな経済政策が論じられないのは皮肉だ。
 理想からすれば、『公明新聞』や『世界日報』などが韓国や米国を差し置いて日本国の繁栄を主張するのは妙なことだ。仏教を基調とする創価学会は「韓日友好」をうたい、世界的なオルグ活動を展開する。公明党は郵政米営化と緊縮財政を支持してきた。『世界日報』の経営母体である統一教会は、朝鮮半島生まれの文鮮明氏を教祖とし、世界政府の誕生を追求しているはずである。まともな経済政策が展開されるのは、経済政策が組織目標の主眼でないからではないか。
 『しんぶん赤旗』1月4日付は胸のすく評論の載せた。元旦の全国紙の社説が、どれも同じ主張であることを批判している。すなわち、『読売』、『朝日』、『毎日』、『日経』、『産経』とも日米同盟の強化、消費税の増税、太平洋連携協定(TPP)参加を説くとの指摘だ。「それぞれ数百万部規模で発行される全国紙が、これで独立した言論機関の役割を果たしているといえるのでしょうか」と問い掛けている。
 説得力あるマスメディア評だが、『赤旗』が強大な力から自由だとは思わない。同紙が日米同盟に批判的なのは共産主義を唱える立場として当然。消費税増税に反対するのは積極財政を旨とするからでなく、軍事ブロックの切り崩しや大企業の内部留保の活用を想定してのはず。TPPは世界共産主義が実現すれば反対する理由も消えると理解する。理論的には革命過程の段階的な措置、政治的にはそれまでの集票策と勘繰る。
 いずれにしても、万人に信用されているとは言い難い新聞だけが正しい経済論を載せる現状はいびつだ。すべての国民がこの倒錯した事態に気づかない限り、日本経済に未来はない。

 

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コメント
 
01. taked4700 2011年1月21日 14:40:03: 9XFNe/BiX575U : 4gernJDDZQ
>日銀に国債を引き受けさせれば、いくらでも予算を組むことはできる。

 本気でそう思っているのなら、税金は一切取らず、日銀による国債引き受けだけで財政運営をしてほしい。年金掛け金も健康保険料も一切民間から集めないでやれるはずだ。

 日銀による国債引き受けは基本的に可能ではあるが禁止手でしかない。なぜなら、労働の裏付けのない金が市中にでることによって、本来の貨幣が価値を棄損されるからだ。非常に簡単に言うならインフレが起こる。しかも、そのインフレは、市民生活の活性化に基礎を置くものではなくて、行政側のモラル欠如による財政規律の崩壊によるものだ。単に日銀引き受けで価値の創造ができるのなら、だれも額に汗して働くことをしなくなる。現実に多くの官僚は財政政策や金融政策に頼り切ってしまい、実際に価値を創造する労働の創造を怠るようになっている。

 確かに、日銀による国債引き受けで資金を政府部門が得ることができるが、すでに一定程度、それは行われている。そして、これ以上やれば、ほぼ確実に、ハイパーインフレになる。

 日銀による大量国債引き受けは机上の夢物語であることを理解するべきだ。


02. 2011年1月21日 15:02:32: cqRnZH2CUM
実体経済として国力維持のために重要なのは、
まず国内の比較優位の生産力(儲かる産業)を高め、
次に、食料など安全保障上必要な、生産力を確保しておくこと

それさえできていれば、
国債発行も増税も、トータルの国民経済としては等価だから大した問題ではなく
ハイパーインフレはもちろん、年率数十%程度の高インフレにもならない。
せいぜい資源制約から最終商品が数%上昇する程度

ただやり方によって分配と負担の歪みの問題(世代格差、徴収手段ごとの格差など)、また徴収コストの効率性や平等性の問題も発生し、
それによって、最適資源配分が妨げられる可能性があるから注意が必要。
(例えば高関税の維持で、自由貿易から排除され国民利益を既得権層と海外に奪われてしまうし
所得税偏重では富裕資産家から課税できない
国債の日銀マネタイズでは、円預金者だけが資産課税されて損をするなど)



03. 2011年1月21日 15:06:33: EJKxpWErSM
>日銀に国債を引き受けさせれば、いくらでも予算を組むことはできる。

この理屈だと、輪転機で金を刷ればいくらでも金はできると主張しているの
とおなじ。国債の引受手である政府系金融機関も民間銀行もとっくに限界
だろ。だいたい国債償還の借換債だけでここ10年で毎年100を超えて発行
してるのにこれ書いた高橋なんとかは馬鹿か?公務員給与をEUなみに引き下げ、
無駄な特殊法人と傘下のグループ会社つぶすだけで、年間30兆円程度の財源
が確保できるわけで、そっちの方をやるのが先だだろ。馬鹿すぎてはなしに
ならんよ。


04. 2011年1月21日 19:52:24: ibwFfuuFfU
すなわち、『読売』、『朝日』、『毎日』、『日経』、『産経』とも日米同盟の強化、消費税の増税、太平洋連携協定(TPP)参加を説くとの指摘だ。「それぞれ数百万部規模で発行される全国紙が、これで独立した言論機関の役割を果たしているといえるのでしょうか」と問い掛けている。
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国民の財布は空き缶のためにすっからかんになりつつあるので、もう新聞を購読する余裕はなくなりました。最低限の衣食住が最優先です。あしからず、で新聞を一切買わないこと。発行部数が今の3分の1になれば広告を出す企業もなくなって自滅する。給与水準も今の半分になって、てにおはも分からない記者ばかりとなって国民から完全に見放される。肝臓ガンと同じで栄養補給を断てば自然に消滅するのである。そうなればパルプの需要も減って森林伐採の問題もなくなる。いいことづくめだ。それからテレビもくだらないから見るなよ。


05. 健奘 2011年1月23日 23:01:40: xbDm84QDmOFmc : rYd4I1Qido

01 さん

古代ギリシャの市民は、どうやって経済社会をやっていたのでしょう?市民は、兵役、奴隷の管理、そして、劇、哲学、数学、・・・。

21世紀現代、ロボットを奴隷と類似させることは可能ですね。


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