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ガイトナー米財務長官のウソを誰も指摘しない日本のマスコミ。国債のリスク資産化が狙われている。
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/801.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 1 月 30 日 00:57:17: 9XFNe/BiX575U
 

この投稿には次の三つの報道記事を引用する。

1.ガイトナー米財務長官が日本は「貯蓄率の高い国だ」と言ったと言う記事
2.現在では、日べ地の貯蓄率は逆転していてアメリカのほうが高いことを示す記事
3.日本同様高齢化が進むドイツやフランスは日本ほど貯蓄率が低下していないことを示す記事

 なお、この投稿の先頭に表示されている折れ線グラフは上の3の記事のものだ。

 言いたいことは非常に単純だ。ガイトナー米財務長官は本当のことを言っていない。なぜかと言うことだ。2008年にはほぼ日米の貯蓄率は逆転している。2010年は確実に逆転しているはずであり、それをガイトナーが知らないはずがないし、日本のマスコミも知らないはずがない。明確にウソなのだが、それを日本のマスコミは誰も指摘しない。まあ、これも日本が植民地化している一つの証拠だ。

 では、なぜ、ガイトナーはウソを言ったのか?それは、ずばり、国債のリスク資産化が狙われているのだ。イギリスがかなり強引に財政再建しているのはそういった背景があるからだ。どの国の銀行も自国や外国の国債をかなり多く抱えている。現在のところ、銀行の自己資本比率規制(別名ビス規制)の計算の時、国債はリスク資産にみなされないように決まっている。だからこそ、日本の銀行はほぼ無制限に日本国債を買い入れている。しかし、現実的に言って、日本政府が日本国債をきちんと償還できる見込みはない。だから、そのうち必ず日本国債の暴落が起こる。ただ、投資、投機をするためには、その暴落がいつ起こるか、時期をコントロールできないと投資、投機はやりにくい。まずは、投機、投資の準備をする期間を確保する必要があり、日本の市民が貯金の取り崩し、又は銀行からの取り付けをやらないように、ウソを言って安心感を日本市民へ与えようとしたのだ。

 国債のリスク資産化は多分2段階で行われる。まず、アメリカのFRBが保有する米国債などの公債比率が急激に高まり、これを憂慮すると言う理屈でビス規制の内容が変わり、国債などの公債をリスク資産化する条件を決める。現在は無条件で安全資産としてカウントするので、大きな変化だ。

 その条件は多分、時価評価と額面価格の差がどの程度になったらリスク資産化し、そのリスク係数をその差によって決めるというものだ。例えば、額面100万円の日本国債が評価額60万円になったらリスク資産として評価し、リスク係数は時価÷額面で求めて、0.6となるというようなものだ。このこと自体は至極論理的で、特に反論はできないはずだ。しかし、61万円まではリスク係数は1でいいことになり、安全資産として計算できるのだから、一定程度以上時価が落ちるのは大きな影響を与えることになる。

 その次に、第二弾として、オペレーショナルリスクの評価を厳しくするのだ。オペレーショナルリスクは例えばテロや地震などによって、事業が継続不可能になることも含まれる。たとえ継続不可能にならなくてもある程度の影響があるものなら、それをリスクととらえて、事前に評価しそれをリスク係数化しなければいけない。

 これだけ準備すれば、あとはいつでも投機ができる。北朝鮮にちょっとしたテロをやらせれば、日本のリスクは簡単に高くなり、国債の評価額はがたんと落ちる。ましてや、大きな地震や原発震災の可能性のある日本国債は、とても大きな投機対象になるだろう。


(1)ガイトナー米財務長官のウソの発言を乗せている報道記事:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110129/t10013714001000.html
米財務長官 国債格下げに言及
1月29日 8時34分
日本の国債の格付けが引き下げられたことについて、アメリカのガイトナー財務長官は「日本の主要な課題は、将来の成長をどう確かにするかだ」と述べ、少子高齢化に伴って予想される今後の税収の落ち込みなどへの対策が重要だという認識を示しました。
アメリカのガイトナー財務長官は28日、スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」に出席しました。この中で、ガイトナー長官は、大手格付け会社が27日、日本の国債の格付けを8年9か月ぶりに引き下げたことについて、「公的債務が多いのは確かだが、一方で日本は貯蓄率も高い」と述べ、高い貯蓄率を背景に、主に国内の金融機関によって国債が購入されている日本の現状に一定の理解を示しました。そのうえで、「日本の主要な課題は、高齢化のなかで将来の成長をどのように確かにしていくかだ」と述べ、日本にとって、少子高齢化に伴って予想される今後の税収の落ち込みなどに対応した成長戦略が欠かせないという認識を示しました。一方、アメリカの財政赤字については、長期的に維持できる水準ではないという認識が広がっているして、経済成長を妨げないよう赤字削減に取り組む姿勢を強調しました。

(2)現在では日米の貯蓄率は逆転していてアメリカのほうが高いとする報道記事:
http://www.nli-research.co.jp/report/econo_eye/2009/nn090708.html
日米家計貯蓄率の逆転
2009/07/08号
エコノミストの眼
1.昔の話となった日本の高貯蓄率

2007年度の日本の家計貯蓄率は2.2%に低下しており、日本の家計貯蓄率が高いというのは、今や昔ばなしになってしまった。一方、家計貯蓄率が低いことで有名だった米国の方は2005年には0.4%にまで低下していたが、5月は6.9%にまで上昇している。日本の家計貯蓄率がその後急上昇しているとは考え難いので、日米の家計貯蓄率では米国の方が日本よりも高いという、これまで見られなかった逆転現象が起こっていることになる。
おなじような日米の経済統計の逆転現象は、かつて失業率でも見られたことがある。日米の失業率は日本の方が米国よりも低いというのが長年続いた姿だった。バブル崩壊による長期の低迷に加えて97年の消費税率引き上げなどによって景気が悪化したことから日本の失業率が上昇し、米国経済がITバブルに沸いていた1999年から2001年頃にかけ米国の失業率の方が日本より低いという逆転現象が見られた。こちらの方は、ITバブルが崩壊して米国の失業率が上昇すると、再び米国の失業率が日本を上回るという昔からの姿に戻った。果たして貯蓄率の方はどうなるのだろうか。


2.誤解が多い日本人特殊論

日本の家計貯蓄率が高いのは日本人が貯蓄好きだから、と言われたこともあるが、人々の行動について日本人特殊論的な解釈をすると、後に間違っていたということになることが多い。そういう意味では、日本人は勤勉だとか手先が器用だとかいう話もかなり怪しい。一口に日本人とひとまとめで語る方が無理であり、まじめな人もそうでない人も、器用な人も不器用な人もいる。人種や国籍による違いよりも、個人差の方がはるかに大きいからだ。
日本の家計貯蓄率の高さは、老後生活のために貯蓄に励んでいる現役世代の割合が高かったという人口構造に由来するところが大きかった。高齢化が進んだことによって65歳以上人口の割合が22.1%に上昇し、老年人口割合が最も高い国のひとつとなったことで、日本の家計貯蓄率は大きく低下している。一見、日本人の特殊性に起因するように見えることも、多くの場合には制度やそのときの経済・社会構造によって説明できることが多い。

3.日米逆転の意味するもの

貯蓄率の日米逆転は、どのような意味があるだろうか。サブプライム・ローンに代表される借入れ拡大に依存した消費を続けたことによって、米国家計のバランスシートは大きく傷ついており、問題を改善するためには消費を抑えて貯蓄に励み債務を削減する必要がある。米国の貯蓄率は、2000年代半ばのほぼゼロという状況が異常だったと考えられるので、それ以前の2%程度に戻るはずだ。一時的にはそれよりかなり高い水準となるだろう。米国の消費が住宅バブルの頃のように活発になることは難しく、貯蓄投資バランスの考え方からは、貿易収支の赤字幅が縮小すると予想される。
一方日本の貯蓄率の方は、景気が回復して家計所得が増加したり金利が上昇したりすれば多少上昇することが期待できるものの、老年人口割合が2023年には30%に達するなど、高齢化によってさらに低下していくと考えられる。日本の貿易収支の黒字が縮小し、近いうちに赤字が定着するということになるだろう。

櫨 浩一


(3)日本と同じく高齢化が進展しているドイツ・フランスは日本のようには貯蓄率が低下していないことを示す記事

 
この部分にこのページの先頭に表示されている折れ線グラフがある。主要国の家計貯蓄率の折れ線グラフ。

   
 OECD Economic Outlookの付属統計表から、主要国の家計貯蓄率の推移をグラフ化した。

 家計の可処分所得は、一方で、消費に回され、他方で、貯蓄される。消費に回される分の比率を消費性向と呼び、貯蓄に回される比率を貯蓄率と呼ぶ。消費性向と貯蓄率は足して1となる性格のものである。貯蓄に回された部分は、銀行預金を通じて、あるいは直接的な社債や株式の購入によって、企業の投資原資となるので、産業の発展を国内で支える基盤となるものとして重要視される。

 ここで算出のベースとなっているSNA(国民経済計算)では、家計の所有する持ち家について、自分で自分に家賃を払っている形となっており(いわゆる帰属家賃)、所得にも消費にもこれが含まれている(賃貸住宅であると消費のみ)。貯蓄率は貯蓄を所得で割った値なので、帰属家賃が大きく評価されると、貯蓄率自体は低くなる。また純貯蓄率の純は家計資産の減価償却を差し引いているという意味である。また年金基金に対する持ち分(equity)の純増も貯蓄に含まれている。

 貯蓄率を左右する要因として以下のような要素が指摘される。

(1)高齢化

 退職者が増えれば貯金を取り崩し貯蓄より消費が上回る者が多くなる筈であるので、高齢化は貯蓄率の低下を招くとされる。近年の日本の家計貯蓄率の低下は高齢化によるものとされるのが一般的である。ところが、日本と同様、高齢化が進んでいるドイツ、フランスでは貯蓄率が必ずしも減っていない(イタリアは日本と同様貯蓄率低下傾向)し、それほど高齢化が進んでいない韓国で貯蓄率が低下しているのも理解できない。また家計に対する調査からは年齢別の貯蓄率を計算しても必ずしも高齢者の貯蓄率が低いと言いきれないという研究結果も出ている。

(2)社会保障への政府の関与

 老後の備え(老齢年金)、あるいは失業、病気への備えに対して政府の財政支出の占める部分が多ければ、個人は貯蓄する必要がないため貯蓄率は低くなるはずである。確かに変動が大きいもののスウェーデンの貯蓄率は以前から低水準である(社会主義的な国柄で国民自らは余り貯金などしていないので国の財政危機には敏感であるそうだ−図録4740参照。変動の激しさもこのためかもしれない)。従来、日本の貯蓄率の高さは、安定を望む国民性や社会保障への期待薄から説明されてきた。そうであるとすれば、近年の貯蓄率の低下は、日本における社会保障への財政関与の拡大で説明しても良さそうであるが、そうした見解は余りきかない。本来不安定雇用である派遣労働者が派遣切りにあってパニックに陥ったのは、個人的な貯蓄を行っていなかったからだろうと考えられる。社会保障制度が充実して一般的に貯蓄する気風が衰えたのに伴って、保障制度に守られていない派遣労働者までその気風に染まってしまったのが悲劇の原因とは言えないであろうか。

(3)消費性向

 貯蓄率は消費性向と裏表の関係にあるので、消費性向が上がれば貯蓄率は下がる。米国における貯蓄率の低水準及び近年の0へと近づく貯蓄率の低下傾向は、クレジットカードや自動車ローン、住宅ローン(サブプライムローンなど)で借金してでも消費する家計行動によるものとされる。

(4)景気要因

 景気が悪くなると将来不安から消費を手控え貯蓄率が上昇する。アジア金融危機で大きなダメージをうけた韓国では1998年に貯蓄率が跳ね上がっている。1997年秋の三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券と立て続けの大型金融破綻事件、また1998年末の日本長期信用銀行と日本債券信用銀行の国有化といった金融危機に見舞われた日本では、1998年に貯蓄率が上昇している。こうした変化は一時的であり、韓国でも日本でも2〜3年ほどすると、一般的な貯蓄率低下傾向に立ち戻っている点が印象的である。

(2009年4月30日収録、9月28日更新)

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4400 経済成長率の推移(日本)
4500 経済成長率の推移(各国比較)
4690 年齢別の資産額と収入額
4692 年齢別有価証券保有率
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コメント
 
01. taked4700 2011年1月30日 01:09:02: 9XFNe/BiX575U : JI2gw5KzGc
http://www.heri.or.jp/hyokei/hyokei91/91chochiku.htm

人口減少と貯蓄率ゼロ社会への警告


株式会社 ニッセイ基礎研究所
チーフエコノミスト 櫨   浩 一

(減少に転じた人口)
 2005年の日本の人口はついに減少に転じた。人口の減少は日本の規模が縮小することを意味しているので、その意味では大きな問題である。しかし、個人の単位で考えれば、人口減少がなぜそれほど大きな問題であるのかは、実は自明のことではない。例えば人口が減少して日本の実質GDPが減少したとしても、それが人口の減少幅よりも小さいのであれば、一人当たりの実質GDPは増加する。日本経済は縮小してしまっても、日本に住んでいる人々の所得は増加し、生活水準も上昇するということは可能である。このため人口減少に対する楽観的な見方も一方には存在する。
 人口減少が日本経済に与える経路についても識者によってかなり異なっているが、大きく二つに分けて考えられるだろう。ひとつは日本の人口減少を需要の減少や伸びの低下として捕らえる立場であり、もうひとつは労働力人口の減少から供給力の伸びが鈍化することを問題とする立場である。いずれにせよ日本の経済成長率が低下していくという結論になるのだが、供給力の低下と需要の低下では将来の日本経済の姿は大きく違うし、企業や政府に求められる対応も全く違ってくる。
 供給力を15歳から64歳までの生産年齢人口で捕らえれば、2005年から2015年までの10年間で730万人、8.6%の減少となる。一方総人口の減少幅は、2015年までで約150万人の1.1%だ。2000年を起点に長期的な総人口と生産年齢人口の動きを見ても生産年齢人口の減少速度が総人口よりもはるかに速く、経済成長という観点から考えれば、需要よりは供給力の方が大きな問題になるだろう。
 現在の男女年齢別の労働力率が将来も変わらないとすれば、2005年に6650万人であった労働力人口は2015年度までの10年間で約350万人減少すると予想される。現在日本にいる失業者の数は、300万人弱だからこれだけの労働力人口の減少は失業者を全て雇用しても補うことができない。失業者対策が問題だった時代から、労働力不足にいかに対応するかが問題になる時代へと、日本経済の構造は大きく変わろうとしている。

供給力の伸びが低下するとはいうものの、多くの予想では技術の進歩や設備の増加によって一人当たりのGDPは伸び続けると考えられている。問題は、計算上はうまく分配すれば皆がより豊かになれるはずであっても、実際の分配がうまくできないのではないかということだ。公的年金制度や医療、介護保険制度の財政問題が、世代間の受益と負担という観点から議論されることが多いのは、分配の問題が大きな要素を占めているからである。またそれぞれの個人を見れば今までと同じようなライフスタイルを続けていても、人口減少によって日本の人口構造が変わってしまうことが日本経済に大きな影響を及ぼす可能性が高いことも考慮しなければならない問題である。

(高齢化による貯蓄率の低下)
 経済学の教科書に必ず出てくる標準的な消費者行動の理論であるライフサイクル仮説によれば、若いときに働いて老後資金を貯蓄し、高齢になって働けなくなるとそれを取り崩して生活するというのが標準的な生涯の生活パターンとなる。
 単純化して15歳〜64歳までの人が貯蓄をする世代で65歳以上の人が貯蓄を取り崩す世代とすれば、1950年の時点では日本の人口構造は年齢の若い層ほど人口が多いピラミッドの様な三角形になっており、貯蓄をする世代と取り崩す世代の人口比は12対1で、圧倒的に貯蓄をする世代の人口が多かった。しかし国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(中位推計)によれば、高齢化によって2050年には日本の人口構造は、下の方にいくほど人口が少なく細いという、ピラミッドをさかさまにした逆三角形に近い形になってしまい、貯蓄世代と取り崩し世代の比は1.5対1になると予想される。貯蓄をする世代に対して取り崩す世代の人口の割合が上昇していくのだから、人口減少の過程で高齢化が急速に進む結果貯蓄率は低下していき、日本経済は大きな変化を遂げることになるだろう。

 内閣府が発表している国民経済計算によれば、2004年度の日本の家計貯蓄率は、2.7%にまで低下している。かつては、日本は世界の中でも高貯蓄率を誇り、また貯蓄率が高いがゆえの問題にも直面してきた。1980年頃には家計貯蓄率は20%近くもあり、大幅な経常収支黒字による厳しい貿易摩擦の原因にもなった。しかし、2004年度の2.7%というレベルは既に欧州各国をかなり下回っており、貯蓄率が低い国の代表である米国の2004年の貯蓄率1.8%と比較しても高いとは言えない水準だ。日本は既に世界的に見ても貯蓄率が低い国となっている。

 日本は高齢化率が2005年には20%となり、先進諸国の中でも最も高齢化が進んだ国になっている。かつては北欧諸国が世界の中で高齢化先進国であったわけだが、同年のスウェーデンの高齢化率は17.7%だから日本は既にこれらの国々を追い越してしまった。日本の貯蓄率が他の先進諸国に比べても低いものとなっているのは、不思議なことではない。

(貯蓄率の誤解)
 GDP統計では貯蓄率については日本の家計全体の数字があるだけで、年齢別の貯蓄率を知ることはできない。このため高齢者の貯蓄率を知るためには家計調査や全国消費実態調査の貯蓄率が利用されてきた。これらの調査から、高齢者が貯蓄を取り崩しているという姿を見つけ出すことができなかったために、日本では欧米諸国とは違って年金生活を送っているような高齢者も貯蓄を続けているという認識が広く見られる。しかしこれは、家計調査や全国消費実態調査の年齢別の貯蓄率の数字が、勤労者世帯だけを対象にしたデータから作られたものだからであった。
 1986年からは家計調査では60歳以上の無職世帯の貯蓄率が調査されるようになった。 これを使って見ると、実際に無職となった高齢者は貯蓄を取り崩していることが確認できる。2005年の家計調査の結果を見ると、世帯主が60歳以上で無職の世帯では、貯蓄率は、マイナス26.1%で大幅な貯蓄の取り崩しが行われている。世帯主の年齢が60歳以上で無職であるという「高齢無職世帯」が全世帯(農林漁家世帯を除く)に占める割合は、1985年には8.5%に過ぎなかったが2005年には24.6%に上っている。1985年には定年年齢が55歳である企業も多かったことを考慮して、1985年の世帯主年齢が55歳以上の無職世帯の割合をとっても、9.9%に過ぎないから、引退して無職になった高齢者が世帯主であるという世帯の割合はこの20年間で大きく上昇している。この急速な人口構造の高齢化が、日本の家計貯蓄率低下の主な要因なのである。

 もっとも日本の高齢化が進んだとはいうものの、2000年以降の家計貯蓄率の低下は急激で、人口構造の高齢化だけでは説明ができない。厚生年金の支給開始年齢の引上げの影響や、超低金利も家計の貯蓄率を押し下げる要因となっていると考えられる。2000年以降に急速に家計貯蓄率を低下させた各要因は、今後数年間は逆に貯蓄率を押し上げる方向に働く可能性が高い。しかしその後も高齢化は続くので、貯蓄率はいずれゼロになり、さらにはマイナスとなる可能性もあるだろう。

(家計貯蓄率の低下で経常収支は赤字化)
 国内の家計、企業、政府の貯蓄投資バランスを合計すると、経常収支になるというよく知られた関係からは、家計貯蓄率の低下によって家計の貯蓄投資バランスの黒字が縮小していけば、日本の経常収支の黒字は縮小し、いずれ赤字化することが予想される。
 1970年代半ばには名目GDPで10%程度もあった家計部門の純貸出(貯蓄超過)幅は、2004年度ではわずか1.8%に過ぎない。代わって企業部門が大幅な貯蓄超過となっており、企業部門の純貸出は名目GDP比で7.1%という高水準に達している。先進工業国から新興国に対する直接投資が増加していることなどから、近年は米国を始めとして欧州各国でも企業部門の純貸出がプラスとなる傾向が見られる。しかし、わが国の企業部門の貯蓄超過は、非金融法人企業が債務削減を行ったり、金融機関が不良債権処理を行ってきたりしたことによるものである。バブル崩壊後の処理が一段落すれば、現在のような規模での純貸出の規模が続くことはないと考えられる。
 足元では景気回復に伴う税収の伸びも期待できるとはいえ、高齢化の進展による年金、医療、介護などの社会保障支出の増加も予想されるために、財政収支を大幅に改善することは容易ではない。財政赤字が続く中で企業部門の大幅な黒字が縮小し、さらに家計貯蓄率がゼロという状況になれば、国内の貯蓄と投資のバランスからは経常収支が赤字化するということが予想されるのである。
 経常収支の赤字化は、長く続いた円高のトレンドが終わり、円安になることを意味している。為替レートはニクソンショックによって 1 ドル360円の固定相場制度が崩れた後は、長期的に円高基調で推移してきた。この背景には、日本経済が経常収支黒字を続けてきたことがある。経常収支の黒字幅が縮小しいずれ赤字化すれば、円高の流れが止まり円安になるのは必然である。
 しかし今後の円安のイメージは単純な円安・ドル高という構図ではないだろう。為替レートはこれまでドルに対して考えられてきたが、今後はこうした単純な見方はできなくなると考えられる。米ドルは基軸通貨であり、これまで日本の貿易相手としても米国の地位は圧倒的であった。このため円の様々な通貨に対する為替レート変化が日本経済に与える影響では、米ドルに対しての交換レートの影響が圧倒的に大きかったのである。しかし1999年にはユーロが誕生し状況は大きく変わっている。さらに中国経済が急速に成長するのに伴って、日本の貿易相手として中国の重要性が急速に高まっており、円高・円安は対ドルだけでなく多くの通貨との関係を考える必要がある。
 今後円安となっていくということの意味は、ドルに対して円が安くなるというよりは、中国元などアジア通貨に対して円安になるということではないだろうか。日本円が 1 ドル360円の時代から100円近くにまで円高となってきたように、おそらく中国元をはじめとしてインドのルピーや他のアジア通貨が経済発展とともに先進工業国の通貨に対して強くなるという形で、円安は進む可能性が高いと考えられる。

(財政赤字が金利上昇を招く)
 一般に主要先進国では、財政赤字が大きいほど長期金利が高くなるという関係が見られるが、日本では大幅な財政赤字があっても、そのために長期金利が上昇するということはなかった。バブル崩壊後には財政赤字が大幅となり、政府債務残高の名目GDP比も先進工業国中でも最悪という状況になったが、物価が下落気味であったこともあり、長期国債の金利はむしろ低水準であった。海外の格付け機関は日本国債の格付けを発展途上国並みのレベルに格下げしたが、それによって国債価格が暴落して長期金利が上昇するということも起こらなかった。これは基本的に国内の貯蓄が豊富で海外からの資金に依存しなくても十分国債の消化ができたからである。
 国内に貯蓄余剰があって経常収支が黒字という状況では、財政赤字が長期金利に影響を与えるとしても小幅と考えられるが、高齢化により家計貯蓄率が大きく低下していけば、影響が大きくなる可能性が高い。財政破綻を懸念した長期金利の上昇は、企業収益の改善以上に金利を上昇させることになり、株価や地価が圧迫される恐れが大きいと考えられる。
 現時点でも家計貯蓄率は大きく低下しており、財政赤字の大きさは家計の資金余剰幅を大きく上回っている。財政赤字を賄っているのは、過剰債務削減のための企業の資金余剰である。これが縮小してしまえば、海外からの資金流入なしには新規国債の資金調達ができない状況にある。家計貯蓄が減少してゼロになった段階で、なお大幅な財政赤字が残っているようであれば、海外からの大量の資金流入がなければ国債の消化もできなくなる恐れが大きいだろう。

(効率化が人口減少経済の課題)
 日本経済は、労働力人口が増加し、生産に使う工場や機械設備などの資本ストックも増加してきた上に、欧米先進工業国の進んだ技術を取り入れることで急速な発展を遂げた。しかし1970年代後半には先進諸国への技術的なキャッチアップはほぼ終了し、1990年代後半からは労働力人口も減少し始めた。今後は貯蓄率の低下によって資本ストックの増加も難しくなってくる。今後の日本経済は、これまでと同じ成長戦略では発展を続けることは困難になっていくだろう。
 しかし、将来を悲観することはない。第一には、技術の進歩が止まるということはないからだ。欧米の技術を簡単に取り入れて成長することはできないが、自力で技術の開発をしていくことは可能である。さらに、経済成長に貢献する技術とは科学技術だけではなく、社会の効率を良くする法律や制度の改善なども含まれ、改善のタネが尽きることはあり得ない。
 第二の理由は、高齢化によって貯蓄率が低下しても資本の蓄積が少ない発展途上国が貯蓄不足に陥るというのとは訳が違うからだ。貯蓄率がゼロになって日本にある資本ストックの総量の増加が止まったとしても、既に蓄積が進んだ既存の資本ストックを維持していくことはできる。日本全体の資本ストックが増えなくても、人口が減少していくので一人当たりの資本ストックはむしろ増加していく。不要になった資本をうまく利用したり、更新する際に工夫したりすれば、投資を増やし続けなくても経済活動を拡大していくことが可能だ。
 これまで蓄積してきたストックが多いので、効率化できるムダも少なくない。既存設備の効率化によって生産性を向上させたり、生産を拡大したりする余地が大きい。こうしたムダの排除や更新の際の効率化を図っていけば、経済成長を続けることが可能なのである。
 さらに、企業は採算性の悪い部門の設備更新をあきらめれば成長部門に思い切った設備投資が可能であり、日本全体では産業部門間の人や資本の移動を加速することによる構造転換によって成長を続けることが可能である。
 人口減少によって労働力人口が減り、貯蓄率ゼロ経済が到来して新規の投資ができなくなることは、我々の生活や経済活動が進歩しなくなってしまうことを意味するのではない。今の状態のままで新しい分野に労働力や資本を追加していくことはできないが、今あるものをより成長力の高い分野に移していくことはできる。これまでの投資が非効率であったということであれば、今後行う投資を効率的なものにすれば、投資を拡大しなくても日本経済は成長していく余地が大きいことを意味しているのである。人口減少経済で我々が目指すべき方向は、量の拡大ではなく、質の改善、持っている人材や資本ストックの効率的利用という方向なのである。


02. 2011年1月30日 01:09:37: ibwFfuuFfU
この種の連中にとってウソをつくことは呼吸するのと同じくらい自然なことなのである。口から出ることはことごとくウソだと思って間違いはない。

03. taked4700 2011年1月30日 01:11:18: 9XFNe/BiX575U : JI2gw5KzGc
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=178

貯蓄率急落の先にある悲劇
伊藤元重(NIRA理事長、東京大学教授)

日本の家計部門の貯蓄率が急速に低くなっていることを知っているだろうか。OECDのエコノミック・アウトルックの付属統計表の数字で見ると、1990年代の初めには15%もあった日本の家計部門の貯蓄率は、2007年には3%前後まで下がっている。大変な下がりようである。米国の家計部門の貯蓄率が低いということがよく話題になるが、場合によっては日本の貯蓄率のほうが米国よりも低くなる可能性もありうる、と指摘するエコノミストもいる。

 日本の貯蓄率は国際的に見ても高いほうであると考えている人が意外と多いようだが、家計部門で見るかぎり、日本の水準は世界的に見ても非常に低い水準となっている。こうした動きは将来の日本経済の姿を考えるうえでも非常に重要なポイントとなるのだ。

 そもそも、なぜ日本の貯蓄率はこんなにも急速に下がってきたのだろうか。その要因はいろいろあるだろうが、もっとも説得的な理由は少子高齢化の進行である。人口のなかに占める高齢者の割合が増えるほど、経済全体の家計部門の貯蓄率は低くなる傾向になる。一般的に、人びとは現役時代に貯蓄して老後の生活資金を蓄え、引退してからはそれを切り崩して生活資金に充てていく。その結果、現役世代の貯蓄率は高くなるが、高齢世帯の多くは貯蓄率がマイナスとなるのだ。

 以上で述べたことは、いまの日本経済の一般的な認識とはかなり異なる。よく知られているように、日本国民が保有している金融資産の額はきわめて大きい。年間可処分所得との比で見ると、国民1人当たり約4倍の金融資産を保有している。ドイツやフランスの2倍、米国や英国の3倍に比べて群を抜いている。

 金額で見ても、約1400兆円あるといわれる個人金融資産の70%前後が60歳以上の人によって保有されている。大金持ちは少ないが、小金を貯めている高齢者が多くいるのだ。

 いま日本でいわれているのは、多くの高齢者が貯蓄に励みすぎ、消費が少ないことが日本の内需不振を招いているということだ。国民がもっと積極的に消費を行なえば、日本経済もこれだけ輸出に頼る必要がない、という思いをもっている人は多いはずだ。

 こうした経済の見方は、これまでの日本経済の姿、あるいは現在の状況を理解するうえでは基本的に正しいだろう。しかし、足下で家計の貯蓄率が急速に下がっていることは、「過剰貯蓄国日本」の姿が急変していることを示唆している。日本も特殊な国ではない。ほかの多くの先進国と同じように、高齢化が進んでいけば貯蓄力は急速に衰えていくのだ。若いときにはたくさん稼いで貯蓄に回し、年をとったらその貯蓄を崩して消費に回していく。これは1人ひとりの個人についていえることだが、同時に国についてもいえることだろう。そうした意味では、日本の貯蓄率が下がっていくことに過剰に反応する必要はない。

 ただ、この現象を、過度に積み上がった政府の債務とダブらせてみたとき、非常に厳しい将来の姿が浮かび上がってくる。いったい誰が日本政府の債務をファイナンスするのかという問題だ。

 日本政府は国・地方合わせてGDPの150%前後という膨大な債務を負っている。その一方で財政赤字は縮小するどころか、この不況のなかでさらに拡大する傾向にある。税収が大幅に下がる一方で、経済対策で大胆な歳出拡大が行なわれているからだ。赤字が増えれば、政府の債務はさらに増えていくことになる。

 これだけ厳しい財政状況であるにもかかわらず、国民も企業も政府債務膨張の歪みを直接感じることはない。通常は政府の財政状況が悪ければ、長期金利の急騰(国債の価格の暴落)が起こるか、悪性のインフレとなることが少なくない。日本の場合にそうしたことが起きていないのは、潤沢な国民の貯蓄資金が国債をファイナンスしているからだ。国民の多くが銀行などの金融機関に預けた貯蓄の相当部分は、政府の国債購入に回っているのだ。

 問題はこうした政府債務のファイナンスがいつまで持続可能であるのか、ということだ。家計部門の貯蓄率が下がっているということは、個人の保有する金融資産が頭打ちになっていくということでもある。場合によっては、将来は貯蓄資金の切り崩しも起こるかもしれない。一方では、政府の借金は増えつづけている。増えつづける国公債を誰が所有してくれるのか。

 不況の時代には、皆が安心して国公債を保有する。それがいちばん安心だからだ。株や不動産や資源へ回る投資も少ない。しかし景気が回復してくれば、資金も国公債から、よりリターンの高い株や不動産などへシフトしていくだろう。こうした動きが、国公債市場に大きな打撃を与える可能性も否定できない。経済が不況であるあいだはそうした厄介な動きが起きにくい、という意味で、いまはおかしな安定状況にあるともいえる。

 いずれにしろ、経済の大きなトレンドは財政問題深刻化の方向に着実に針を進めている。家計部門の貯蓄率の低下、垂れ流されつづける財政赤字で膨れ上がる政府債務、こうした動きの先には何があるのだろうか。軽度な財政破綻による金利高騰なのか、より深刻な財政破綻としてのインフレなのか、それとも日本経済を見限った円の暴落なのか、悲観的な想像をしたらきりがない。

 日本の家計部門の貯蓄が大量に国公債購入に回っているということは、日本国民が日本の将来に資金を出しているということである。財政問題が顕在化すれば、日本国民の多くの資産が毀損することになる。国債価格下落による資産価値低下か、インフレによる資産の購買力の低下か、それとも円安による円の購買力の弱体化か、その具体的な姿についてはわからないが、いずれにしてもあまり明るい未来像ではない。

 こうした事態に陥らないためにも、一刻も早く、財政健全化に着手しなくてはならない。


04. 健奘 2011年1月30日 12:34:25: xbDm84QDmOFmc : MzhDojGvZo

> 日本の家計部門の貯蓄が大量に国公債購入に回っているということは、日本国民
> が日本の将来に資金を出しているということである。

昔は、その通りでした。合衆国を見ても、日本を見ても、もう、成り立っていないでしょう。金融機関は、他に投資先がないから公債を買っているわけで、昔の意味で投資として買っているわけではないのです。

古い感性の持ち主たちが語ることは、これからを生きようとする若者を惑わすだけになるのですね。

この20年、彼らが語ってきたことは、外れていますね。経済理論も金融理論も役立っていないこと、つまり成り立たないことを、再確認したいと思います。


05. 2011年1月30日 17:49:15: mHY843J0vA
これのことでしょうか
high savings rate ではなくhigh savings economyですね

単に、日本は米国と違って、国内で国債をファインスできるくらい
貯蓄があると言いたいだけでしょう

勿論、Geithner が ”日本に疎い”可能性も否定はできませんね


'Japan has a very high savings economy, it's true they have a very high level of debt. Japan's main challenge is how they are going to grow in future, how they are going to achieve a level of growth as the population ages.'

http://www.xe.com/news/2011/01/28/1666733.htm?c=1&t=

2011-01-28 11:24 (UTC)

DAVOS, Switzerland, Jan 28 (Reuters) - Following are highlight quotes from U.S. Treasury Secretary Timothy Geithner at the World Economic Forum in Davos.

ON MOOD IN DAVOS:

'There's more confidence now that the most acute part of the crisis is over, absolutely in the U.S. but that is even true globally.'

ON U.S. RECOVERY:

'There is much more confidence now that we've got a sustained expansion. It's not a boom. It's not going to offer the prospect of a rapid decline in the unemployment rate.

'Economists think we're going to be growing at a rate of about 3-4 percent. What matters is what is the average distribution of forecasters... and the people who have been most concerned about low trend growth or slipping back in to recession seem to be more confident.'

ON U.S. FISCAL POSITION:

'There is a much greater recognition across the U.S. political system that our fiscal position is unsustainable in the long-run. It's going to require a substantial effort to bring that under control.

'What business and individuals need is the ability to understand over time how we're going to solve it. We know we're going to solve it, but the idea ... is to lay out a path to allow people to plan and adjust.

'These are within our capacity to solve. Our challenges on the fiscal side are much more modest.

'Political will is not fully manifest at the moment but it's coming, there's no alternative to it. We can't grow our way out of it.

'As you do this, you have got to make sure that you don't hurt the recovery and I know there are people who would like to make very deep cuts that would undermine the recovery.'

ON CHALLENGES FACING EUROPE AND AMERICA:

'We are in a relatively better position to confront them, we are still a younger country. Our growth rates are more rapid, productivity growth was very strong through the crisis. We have a much more open economy, we are still more open to immigration and in a better position to benefit from talent around world.

'The American political system has always risen to the challenge ... The underlying concern (was) whether Washington would move soon enough. Washington, even with a divided government, did do exceptional things in the last two years, not just financial reform and healthcare reform but also starting education reform. We are beginning to see a very substantial increase in investment in basic science and research.'

'Even with unemployment still high, I'd prefer ours (challenges).'

'We've tried to shift the thrust of policy to focus more on investment and recovery.'

ON EMERGING ECONOMIES:

'I think we are at the beginning ... of what's going to be a long period of exceptional growth in emerging markets around the world. The United States is in a good position to benefit from that.

'U.S. exports are growing really quite rapidly. Exports to China are growing at twice the rate of exports to the rest of the world.

ON EUROPEAN DEBT CRISIS RESPONSE:

'It's very important to see Europe, and ... I have no doubt they will do this, make sure they put in place a framework to let those countries that have such fiscal and reform challenges to do that.

'It is up to European countries to deliver on those unequivocal commitments.

'I don't think any of them would say they've done enough (structural reform).'

ON JAPAN RATINGS DOWNGRADE:

'Japan has a very high savings economy, it's true they have a very high level of debt. Japan's main challenge is how they are going to grow in future, how they are going to achieve a level of growth as the population ages.'

(reporting by Paul Taylor and Paul Carrel, editing by Mike Peacock) Keywords: DAVOS GEITHNER/HIGHLIGHTS

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http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0EAE2E7E68DE0EAE2E3E0E2E3E39494E0E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
米財務長官「日本は貯蓄率も高い」 日本国債格下げ

2011/1/28 22:20
 
 
 【ダボス=藤田剛】ガイトナー米財務長官は28日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、日本国債の格下げについて「確かに日本の債務比率は高いが貯蓄率も高い」と述べ、国債の大半が国内で消化されていることに理解を示した。ただ、少子高齢化で経済が停滞し税収が減る懸念があるため「高齢化に対応し、いかに成長を確保するのかを考えるべきだ」と指摘した。

 米国の財政再建に関しては「歳出の削減で景気回復を妨げてはならず、一定の時間を要する」と語り、漸進的に進める方針を示した。確実に再建に取り組むため、「複数年度の国家予算をつくることが必要」と訴えた。今後は公共事業を抑制する一方、「成長力を高める教育や技術革新に力を入れる」と強調した。

 景気については「最悪期は過ぎ、再び後退期に入る危険もない」と楽観視。ただ、失業率が10%近くで高止まりしていることに懸念を示し「金融危機後の大規模な人員削減のトラウマで、企業が正社員を雇用することに慎重になっている」と分析した。


06. taked4700 2011年1月31日 00:27:57: 9XFNe/BiX575U : tZolgGLkMt
05さん、

>少子高齢化で経済が停滞し税収が減る懸念があるため「高齢化に対応し、いかに成長を確保するのかを考えるべきだ

こちらの発言についてはどう考えるのでしょうか?
税収が減る可能性ではなくて、既に税収は減っています。また、少子高齢化の影響がないとは言いませんが、少子高齢化があるから経済が停滞するわけでもありません。このことはこちらの投稿記事の引用にも書かれています。つまり、ドイツ・フランスは少子高齢化でも貯蓄率は落ちていない、つまり、貯金をする余裕がまだちゃんとあるのです。

ガイトナーは二重、三重の意味でうそを言っています。

まあ、05さんが、日本の政治家をはじめとした多くの政治家や著名人を基準にしているのなら、ガイトナーがただの無知である可能性もありますが。


07. 2011年1月31日 13:22:41: mHY843J0vA
>ガイトナーは二重、三重の意味でうそを言っています。

一般投資家にとって、日本の貯蓄率の低下などは常識ですから
単にガイトナーが無知か言い間違えたとしか思わないでしょう

ただ邦銀等の資産の多様化は進んでいますから、今後の日本国債の償却は
徐々に難しくなり、海外投資家や小口の個人の割合が増えてくると、
今後、空売りで個人が損をする可能性は高まってくるでしょうが
満期まで持ち続けるのであれば、あまり関係ないでしょうね

いずれにしても政府の財政が持続不可能であることはIMFやS&Pに
指摘されるまでもなく明らかですから。
このまま政府が無策であれば国債バブルが弾けるのは、ほとんど確実でしょう。

あと欧米の貯蓄率の上昇は、バブル崩壊後の借金返済のためが大きいので
それほどポジティブに評価されてはいないようです


08. 2011年1月31日 13:24:37: mHY843J0vA
>ガイトナーは二重、三重の意味でうそを言っています。

あと日経の翻訳記事は間違いが多いし
社説も経済を理解してないとしか思えないものも多いです
他の新聞よりは、マシな程度ですね


09. taked4700 2011年2月02日 13:11:33: 9XFNe/BiX575U : E5p3AOO9mg
07さん、

>一般投資家にとって、日本の貯蓄率の低下などは常識

とは思いません。少なくとも、一般市民はほとんど知らない。だから、今後、テレビ宣伝や銀行窓口での対応次第では、一般市民が大挙して国債買いに向かう可能性があると思います。

多分、ガイトナーはこれを意識しているのだと思います。そうでなければ、日本の新聞が大きく取り上げるはずがありません。

金融機関の財務内容が多少でも傷まないように個人へ損害を付け回すと言うことでしょう。

そして、その上で、究極的な意味でカラ売りに出て、日本の金融機関を痛めつけると言う段取りのはず。


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