マスコミの敗北

尖閣ビデオの流出事件はメディアの主役がマスコミからネットへと変わった転換点として歴史に残るだろう。

マスコミがネットに敗北した。

記者クラブで発表される内容をひたすら垂れ流し、親米派や市場原理主義者の顔色をうかがい、「言いなり発表メディア」に成り下がった報いだ。

今この時点でもそうだ。

メディアにとって大事なのは、尖閣であの日あの時、何が起きたのか、真実を追求することだ。

流出元探しなど政府や一部の御用週刊誌にに任せておけばいい。

ネットは感情的だとか、日中関係に悪影響が及ぶなどという官僚的意見の垂れ流しに終始しているようでは、マスコミの明日はない。

改ざん編集された７分のビデオを、特別に許された議員だけが試聴できるなどという民主主義国家とも思えぬ密室の特権を認めるというやり口がそそもそも問題だった。

そのことを批判したマスコミがあったか。

独裁国家でもあるまい。

その非民主制がしっかり批判され、あるべき議論がなされておれば、今回の流出もなかったろう。

すべてはマスコミが権力の犬に成り下がった結果だ。

これだけ見てもマスコミがどちらを向いているか明らかだ。

小沢一郎の検察審査会問題もそうだ。

大事なことが何かさっぱりわかっていないか、わかっているから敢えて見ないようにしている。

司法の歴史の中でもあれほど策略的でいかがわしい事件は三鷹事件や松川事件までさかのぼるだろう。

どこの社が、この問題に正面から取り組んでいるか。

審査会事務局に取材をしたか、議事録の開示は求めたか。

補助員を務めた吉田弁護士に何日に何時から何時まで会議をしたか、補助員にいつ選任され、議決までに何時間費やしたか、取材をしたか。

日弁連の補助員向けのアンケートにある事項だ。

評議の秘密などでは断じてない。

そんなことすら取材していないに違いない。

事務局が回答を渋るようなら間違いなく裏がある。そう疑うのが健全なジャーナリズムだろう。

くらいつけ。検察審査会の審査員や補助員には旅費・日当が払われている。

本件でいついくら支払われているのか支払調書の提示を求めろ。ことは税金の使い道に関わるのだから、強気で攻めればいい。

今回のビデオ流出事件を受けて取材力と総合的な分析力でネットに対抗するなどと主張しているが、ちゃんちゃらおかしい。

残念ながら取材力も分析力もとっくにネットの方が上回っている。

マスコミは恥を知れ。

批判精神の原点に返るという当たり前の言葉がマスコミからは全く出てこない。

うっかりキャスターが口を滑らせると、遮る。

それ以上、言うと、もう出演の機会はありませんよ、という訳だ。

批判精神こそ再生の鍵だという至極当たり前の主張が見当たらないのはなぜだ。

批判精神を忘れたところにニュースメディアとしてのマスコミの絶望的状況を見る。

総合的批判分析精神という点では、ニュースを除いたＮＨＫだけは賞賛に値する。一番わかりやすい例を言えば、ニートと呼ばれ、蔑まれ自己責任言説に苦しめられていた若年不安定雇用層を、その実態を突き詰めることで、彼らを救い出したのはＮＨＫだ。

「ネット難民」という造語とともに若年雇用の問題を一気に社会問題化した貢献は大きい。ニュース部門も頑張れ。

2010年11月 6日 (土) 15時48分

http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2010/11/post-cbf6.html 　

コメント
01. 2010年11月08日 18:21:40: axhmzZsveE こんな事で敗北を宣言してはならない。 二の句も出ない状況を作って、謝罪と刑罰を受けてもらう事なのだ！ 国民の全てが知る場面で「恥」をさらけ出さなくては、また誤魔化すだろう！ 麻痺した人間は、常人の想像を遥かに超える。麻薬中毒と同質の状態ではないのだろうか？ 正常な価値観を持つ国民から「隔離」しなくては更生は不可能だろう！ 悪に手を染めた人は悪の組織から脱出は困難である。 古来、生きるという事は「食べる」ことであって、米と野菜と魚があれば生きられる。それは「土」からの生産であるという事だ。
02. 2010年11月08日 23:51:06: 0ge0sJktGA 檄文です。今のNHKにもの申せば・・・。 オロオロトップと中間以上幇間（・・ペンタゴン）と現場の実務者。 たぶん、現場は一番肌で感じていると思います。 ”何を本当に伝えなければいけないかと” 夜明けは必ず来ます。 心に沁みました。　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｋ・Ｔ拝
03. 2010年11月09日 08:44:47: MoJp1THWBI ジャーナリストとは、真実を正確に伝える職業である。 適当なニュースを流し、意味のない意見を言うのは単なるコメンテーターに過ぎない。 今日のテレビはワイドショー化した番組をあたかもニュース番組として放送しているから、「良識のある人」から嫌われる。真実を伝えない放送、新聞などに付加価値はない。 私にとって、インターネットのプロバイダ料が最も価値ある投資だと思う。
04. 2010年11月09日 09:49:30: AxXWhPt1gM と、言うか、今度はテレビに変わりネットが世論形成に都合よく使われているんじゃないかと疑念をもって考えるべきでしょ。真実を知ったを思わされてるだけで、大局からみればうまく扇動されてるだけかもしれない。
05. 2010年11月09日 10:52:30: 5PlxumyLXz ”メディア崩壊は始まった！2010”　何年か先にこのことが証明されることでしょう。偏向捏造報道ばかりの政治姿勢！　民意の名を借りた捏造報道機関！ 電波利権！数え上げればきりがありません。　国民世論ではなくメディア世論！ 小沢前幹事長を政治の世界から追放することが国民のためなのか？？？ 小学生でもわかる時事問題。　答え　国民のためではありません。メディアのためです。
06. 2010年11月09日 12:14:21: sG3STloHOQ これまでは　そうはいっても一次取材は自分達でがちがち に固めたマスコミだけが行い、その情報を貼り付けた後、その信憑性や内容 を吟味し合う性質だったのがネットであった。 つまり、ネットの情報は所詮マスコミの取材情報が無ければ無意味なものだった。 しかし、吟味することによって明らかにそのマスコミ報道自体が利権者側にとって 有利な情報しか流していないことに皆が気づく。 そして、とうとう内部情報が流出し、そのリークさせることを専門とするサイト まで登場した。（日本でも有料サイトにはそういう性格のものがある。） つまり、マスコミは論評姿勢そのものを否定されているだけでなく、一次取材源 としての立場まで失いそうになっているのだ、 流出そのものの善悪が言われているが、新聞だって基本は読者からの告発情報 を元に記者が取材するという全く同じ様式であることを忘れてはいけない。 つまり信用されなくなった新聞社には、そういった一次情報すら流れなくなる。 ”マスコミの敗北”という表現は別に誇張では無いと思う。
07. 2010年11月09日 12:22:30: mH3VuLYNvg 　 　二時間近くの映像を七分足らずに「編集して」、国民の代表である国会議員に示す。これこそ真実のねつ造ではないか。マスコミがまともな仕事をしないから、正義感ある「まともな」海上公安庁職員が国民のために正しいことをしたのだ。恥を知らないマスコミは、自分の足元に地面がないことに気付いていない。 　取材力などはじめからないのに、なにが「総合的分析力」か。国民誰もが抱いている検察審査会への疑問をちゃんと「取材」し、それを報道してみろ！
08. 2010年11月09日 12:29:34: f8mLlBQEWM NHKニュースは真実を淡々と流せ。評論、日曜討論、意識調査も要らない。 其れが嫌なら民営化だ。補助金貰っているなら　其の前に高給を庶民感覚までさげろ。
09. 2010年11月09日 12:48:43: CexlTZFZjA ＞ビデオの公開に躊躇しただろうと思った部分！ 「中国漁船がぶつかってきた」というより、延々と残る白波の形状やカメラアングルから見ると、漁船を止めようとしてぶつけさせたと言う感じにも見えたのだが？少なくとも漁船の白波が小さかった事と、衝突を回避する気配がなかった事は事実だが・・・。(小沢氏の議員活動が制約されている事に怒りを覚えるが、中国側を擁護する気はなく、見たままの見解ですのでご容赦下さい)。 何より問題なのが、那覇地検の判断で船長を釈放させ、その行為を容認すると言う形式を執ってしまった、菅･仙谷内閣の無責任な対応にある。 今日、雑誌プレーボーイに、菅直人を総理大臣に選んだ事を後悔しているという大見出しを発見。立ち読みで少し見たが、小沢氏を正当化する記事をバンバン載せていた週間ポストを買った。
10. 2010年11月09日 14:12:32: GRQgOpHQ3A マスメディアの報道が今のスタンスでいる限りもう勝負は見えたでしょう。ネットでは誰もが発信することができる自由さがあります。>>06 さんが書いているように、「吟味することによって明らかにそのマスコミ報道自体が利権者側にとって有利な情報しか流していないことに皆が気づく。」結果、おかしなことはおかしいじゃないかとネット上で発信する人が増える。今回の小沢氏の一件では本当にそういう人達が増えたと思います。

11. 2010年11月09日 14:42:08: 5gUOArsSvI 何時間分もあるとされるビデオが全部公開されても、本当にこれだけなのか？　 別アングルから取ったものもあるのではないか？　わざと映してない部分もあるのでは？ とかのつまらない懐疑論水掛け論と、これはどうだこうだ映像の解釈論がダラダラ続いていくだろうことにうんざりする。 映像として見れるものはインパクトがあるけど、事実の一部分でしかないことも確か。 あの件の一部始終が何から何まで知りたいぞ、というなら、海上保安庁でその現場に居合わせた人を呼んで語ってもらう等の方法も考えた方が良いね。 それの追求に突出した意味があるとは思えないが。 領海侵犯した外国船を拿捕した、なんて今回に限った特別珍しい事例でもないし。
12. 2010年11月09日 15:29:58: GAd6GCuSps 検察審査会の残忍な自称市民１１人を借り集めて洗脳と巧妙で邪悪な誘導での審査で「起訴相当」を議決させて「小澤の息の根を止めて「殺処分」にする」各週刊誌参照。計画は仙谷、野中らが関係していたと伝えています。村木厚子さんと同じく小澤さんも政敵などに嵌められたのです。
13. 2010年11月09日 15:37:54: fymVQnT97k アングルが問題だね。船のかじの聞き具合なんか知らない素人には判断がつかないよ．航跡を見て分析すればわかるといっていたが部分的でわからないよ。 同じものでも見る位置によってまったく違ったように見えるのがこれまでの経験だ。 上空から俯瞰的にみた映像もなくよくけいけいに断定的にものが言えるものだ
14. 2010年11月09日 18:06:59: wjem63atP6 まさに論者の仰るとおりです。 ＞総合的批判分析精神という点では、ニュースを除いたＮＨＫだけは賞賛に値する。 確かに私もそう感じます。しかし逆にこのことがまさに大衆を騙す、狡猾な所作とも言えませんか？　いつも嘘ばかりついていれば人は誰もその人を信用しなくなります。本当の嘘つきは嘘と本当を自分の都合に合わせて使い分ける人物です。 ＮＨＫはそれをやっていませんか？　今日の政治に直接影響しないものでは批判精神を喧伝しておき、その傍らでニュースでは真実を流さない。 これぞ正真正銘の嘘つき、悪質な洗脳メディアではありませんか。
15. 2010年11月09日 20:28:03: 9gidvFB1Qk ﾈｯﾄ言論の完敗ですね 米国と既得権益層の高笑い 情報拡散の役割は果たしたが 結果が全てだとすれば 不幸な現在を直視することが 重要ですね、予測される未来も
16. 2010年11月09日 20:58:54: FddWizHh4M 　一刻も早い『阿修羅放送局』の開始を願う。
17. 2010年11月09日 22:04:25: VYcyFLbvgU NHKの番組に見るべきものが全くないとは言いません。 しかし、電波利権の旗手、捏造番組制作の王者、超高額給与体系、戦後スキームそのままの受信料制度、NHKコンツェルンによる集金システムなど最悪の官僚組織であることは誰しも感じていることです。 またネット対抗策ともいえるB-CASの筆頭株主でもあり、国民に対して支配的な立場を維持しようとしているばかりか、ネット配信の実施に伴い受信料制度の拡大まで画策しています。 NHKは自分が正しいと思うことを勝手に放送するニュース専門チャンネルのひとつとして存在すれば十分ではないかと思います。
18. 2010年11月09日 22:07:16: KX9PL56buc >>16 私も、阿修羅放送局の実現を強く願う。 草の根運動方式で、阿修羅放送局の実現を全国に感染運動をしよう。
19. 2010年11月09日 22:27:24: KWjY0728pw >改ざん編集された７分のビデオを、特別に許された議員だけが試聴できるなどとい >う民主主義国家とも思えぬ密室の特権を認めるというやり口がそそもそも問題だっ >た。 >そのことを批判したマスコミがあったか。 少なくとも産経は批判してますが？
20. 2010年11月10日 02:12:37: B5offegeiY 阿修羅さんへ 今回の映像を流出した者と、マスゴミは方向が同一。 ネットが勝ったなんて考えているのは、あまりに浅薄。 あれは所詮出来レースのマッチポンプ。

21. 2010年11月10日 02:52:47: sG3STloHOQ ネットが勝ったなどとは言っておりません。 もう昔のマスコミの威厳など消失してしまって、自滅した といっているのです。 単純な二元論でしか考えられない方のようですね。 敵の敵は味方みたいなそんな世の中でもあるまいに　まるでカメンライダー のショッカーでキーキーいいながら倒されてたのに興奮してた思考回路の方 ですか？
22. 2010年11月10日 03:49:12: mrVIi5PpHc NHKはくだらないニュースばかり垂れ流す公害放送局である。 国民一人一人から税金のように受信料をとりながら偏向放送ばかりする。 小沢一郎についての報道は特にひどい。 パブロフの犬のように「政治とカネ」をまくら言葉にする。 どこが政治とカネなんだ！ 政治部の記者が本社の建物のなかで自殺したが 政治と官房機密費の問題ではなかったのか！ こんな腐りきった放送局は即刻民営化しろ！
23. 2010年11月10日 06:05:37: CAV9FZQWZc ジャーナリストなどと大きな顔をしてテレビでコメントをする輩はよく自己嫌悪に駆られないものと思ってしまいます。彼らにもオヤジを批判する子供がいるのでしょうに・・ もっとも小泉の息子のように親を継ぐあほーに育てられているのかもしれません・ 小沢が審査会に出て政治と金に答えろと言っているアサヒの星は一体何が聞きたいのか、どうして言わないのですか、紙面ならたっぷりスペースがあるのだから具体的に質問をするべきです。疑わしいのなら質問責任があります。 これからは質問責任を追及すべきです 政治と金と壊れたテープのように言うのは質問にもなっていませんよ 全くこんな男が上司という朝日の社員も早期退社を考えるのは当然という事です
24. 2010年11月10日 06:16:14: Kfak82VTWo 民営化なんてしちゃ駄目だって。下らん視聴率競争で、電通の手先になるだけなんだから。 税金で運営するの。スポンサーは、税金払ってる国民。視聴料じゃぁなく、税金。持ってる資料も全部国民のもの。過去に作った番組も国民のもの。開示義務あり。 ダラ官（堕落した官僚）みたいなのも勿論いるけどさぁ、結構アツいディレクター もいるよ、特番担当には。擁護しちゃうけど、国側だからこそ批判精神失いたくない、って思ってんのが。視聴率で、電通やスポンサーの顔色窺ってる民放よりマシ かもね。ニュース集めは、民放より強権的だけど。
25. 2010年11月10日 09:23:27: aokPoQqLuW まさに堕落した全国紙と全国ネットが日本の民主主義の最大の障害だという見本がいまの流出事故報道でしょう。テロ捜査関係の名簿流出はいつの間にか影に隠れた。 大騒ぎしているビデオ流出は、国民のほとんどがむしろ支持している。 権力の犬とは今のマスコミのことだろう。
26. 2010年11月10日 11:44:29: 0DSdpGK7p2 民放は見ない！ ＮＨＫには厳しい監視の目を光らせ矯正する！ これしか無いですよ
27. 2010年11月10日 11:56:23: D8bgcl6FcQ マスコミはネットに負けたんじゃないよ 日本国民に負けたんだ 民主と共にね
28. 2010年11月10日 13:21:23: cNTQxcUeqA ネットに流した奴を捜すのに何の意味があるんだ 大仰に大新聞に載せんなよ。
29. 2010年11月10日 14:32:19: TxY4Lw9DMI 09. 2010年11月09日 12:48:43: CexlTZFZjA　様と同意見です。接触を避けようとした動きが見られないのでは？　そこで、小が大に向かって行くとは、４隻の自衛艦に囲まれた状況では考え難い。
30. 2010年11月11日 07:37:54: i37fD8kRRc 今回の件で、米軍の偵察衛星の記録がハッカーされたて流されたというなら、ぶっ飛びだが、そういう可能性があるのも、やはりネットでしょうね。 マスゴミ報道には必ずバイアスがかかる。 本当のジャーナリストは、今後ネットを武器に活躍すると思います。 マスゴミも、今回は流石に無視できなかったようだ。 問題は、これを機に、ネットの情報統制を仕掛けられることになると厄介だな、と思います。

31. 2010年11月17日 08:22:27: VYcyFLbvgU ＮＨＫ未契約の世帯　訴訟視野に窓口変更 2010年11月17日（水）08:00 産経新聞 　ＮＨＫは１６日、テレビを設置しているのに受信契約を結ばない東京都内の５世帯に対し、担当窓口を地域の営業拠点から、民事訴訟を視野に入れた受信料特別対策センターに変更する通知を送付したことを明らかにした。 ＮＨＫ強制視聴へ向けて着々ですね。受信契約をしないと反動勢力になるんでしょうか。

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