http://www.cyzo.com/2011/04/post_7025.html

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話＆提言。

　福島第一原発事故以降、メディアの現場でもそのスタンスが問われかねない"事件"が起こっている。その最たるものが「週刊新潮」（新潮社／4月7日号）で報じられた共同通信福島支局の現場放棄事件だ。爆発事故をテレビで見た東京の社会部幹部が、福島支局員たちの県外退避を指示、一時、福島市にある共同の福島支局が不在になる異常事態となったというもの。「新潮」も「ニュースの担い手が真っ先に逃げたら、パニックを増長する」と苦言を呈した。

　だが、これにはさらなるトンデモ後日談があった。

「退避後、共同上層部が『すぐに戻れ』と指示を撤回し、支局長以下支局員たちは福島に戻りました。この職場放棄事件はもちろん、福島の他テレビ・新聞社にも知れわたっていた。そのため、福島支局長は仕方なく記者クラブで関係者に謝って回ったんです。その際、支局長は首にガイガーカウンター（放射線量測定器）をぶら下げていて、さらなるひんしゅくを買ったんです」（大手紙社会部関係者）

　市民にさえも避難勧告が出されていない中、日本を代表する通信社の"放射能パニック"は大ひんしゅくモノだ。中には「あんたら（共同通信）は原発を推進してきた張本人だろう」と言い放つ関係者もいたという。というのも、数年前、共同は電通と組んで「原発は安全」というPR広告を共同加盟社に流した"前科"があるからだ。

　その後、この支局長には自宅待機の処分が言い渡された。だが、この処分も支局長にとってはラッキーなことだったという。

「支局長の自宅は東京ですからね（笑）。福島から離れて放射能の恐怖から逃れられたと思ったのか、なんだかうれしそうにも見えました。その後、支局長は校閲部に左遷されましたが、直後に銀座で行われた脱原発デモに参加し、写真を自分のTwitterにアップまでしていた」（同大手紙関係者）

　なんともはや、である。だがこの事態を招いたA級戦犯は「独断でパニックになり現場を混乱させた社会部幹部A氏」（某大手通信関係者）だ。

「支局長が更迭されたのに、Aさんがなぜ処分できないのかと、社内でも不満を漏らす記者は多い。Aさんは爆発直後からパニック状態になり、避難指示の前も『一人の被爆者も出すな！』『水は絶対飲むな』『支局から出るな』と、とんでもない指示を出しまくっていた。社内でも『Aさんがメルトダウンした』と嘲笑されていました」（前同）

　しかし、共同の体たらくを報じた「新潮」も、彼らを批判する資格などない。原発事故以降の「新潮」を見ると、東電批判が一切ないという異常事態が続いているからだ。いや、批判しないどころか、東電社員の美談を掲載する始末。その理由はもちろん「広告」だ。

「これまでテレビはもちろん新聞・雑誌など多くのメディアは、東電、そして各電気会社の連合会である電事連から莫大な広告出稿という恩恵にあずかってきました。東電だけで年間220億円以上もの広告費が垂れ流されていた。ゆえにめったなことで東電批判はしない、タブーとなっていた」（メディア事情に詳しい関係者）

　そのため原発事故当初、多くのメディアはあからさまな東電批判を控える傾向にあった。しかし事態は長期化し、放射能汚染が続くと、そんな平時の論理は通用しなくなった。さらに「東電という企業が今のまま存続しないのではないか」（前同関係者）という、何ともご都合主義的な判断から、雑誌メディアを中心に東電批判も展開されるようになる。そんな中、「新潮」だけが一貫して東電批判を控えているのだ。

「逆に言えば、手のひら返しをするメディアに比べ一貫しているのかもしれません。もちろん皮肉ですが（笑）。『新潮』はかつて批判していた阿含宗の広告をいつの間にか掲載していたり、パチンコメーカーに擦り寄るなど、広告に関しては商業主義丸出しでしたからね。しかも、今回の地震では千葉にある倉庫でスプリンクラーが誤作動し、出荷直前の書籍が水浸しになる大損害を被ったと言われています。事態が収束した後、また東電から広告をもらおうとする意図がミエミエ」（前同）

　今回の大震災・原発事故が硬派ジャーナリズムを気取る「新潮」、そして日本を代表する共同通信といったメディアに内在する問題を、見事にあぶり出したと言える。

「しかし、メディアとはいえ企業です。社員（記者）を守り、利益を出すという義務がある。一方で、情報を発信し報道を続けるというメディアとしての使命もある。今回の原発事故は、こうしたバランス・メディアや記者個人のスタンス・存在意義を究極的に試されている事態なのです」（メディア事情に詳しいジャーナリスト）

　骨のないメディアにとっては、頭の痛い日々が続きそうだ。
（文＝神林広恵）

コメント
01. 2011年4月11日 07:48:55: LGyVI0HSjQ メディアの偏向よりも、メディアを信じる大衆が問題だろうな。 あと、赤かぶな。
02. 2011年4月11日 09:10:54: lztuK5UFyA ３月１５日、山形県南陽市と新潟県関川村の道の駅間の国道１１３号線で、テレビ朝日の中継車と前後して走行しました。震災被害の取材を終えて帰京すると言うことであれば、福島県の国道４号線を南下すれば最短距離です。１４日には３号機の水素爆発が起きていて、彼らも怖かったのだろうと推測しています。マスコミは報道していることと実際行っていることが違うと言うのが教訓です。
03. 2011年4月11日 12:53:45: dzqRyfwCmo 自宅が福島県以外にあって逃げられる者はまだいいほうです。危険と分かったら誰でも逃げたいですよね。 福島県民は逃げたくても逃げられません。そりゃ一時避難は出来るでしょうが、長期にわたってはできませんね。 今の生活を捨てて、余所では生活が成り立ちません。医者とかは出来るでしょうが。因みに福島県立医大では11人の医師が退職したとのこと。 県立会津大学は外人の教師が多いので授業が成り立つのでしょうか。
04. 2011年4月12日 07:13:34: 78IL90wTo6 ＞０１ 　座布団３枚！
05. 2011年4月12日 18:01:28: BIgfJMRMNE ＴＢＳのボケ放送局はレベル７になっても、「チェルノブイリのような事にはなりにくい」と必死に抑え込んでるよ。 福島が６３万テラベクレル、チェルノが５２０万テラベクレルという表を出して必死に御用学者が解説しているが、すぐにチェルノ並みかそれ以上になる。 福島の場合はチェルノのように一基のみではないのだぞ。４基同時進行なのだ。
06. 2011年4月12日 22:12:07: RkqVoA6qJQ TBS＋毎日新聞＝連合赤軍(仙石）官邸機密費
07. 2011年4月13日 04:08:05: hxowf6Yleo 上杉　ニュースの真相　「マスメディアに絶望感」と昨日（ＶＴＲでアルので２，３日前に）発言 ★マスコミはかつての批判精神を離れ権力者側の立場へ　　 かつての批判精神を持つのは、ネットメディアと 再放送あり　朝日ニュースターＴＶ しかし「レベル７発表」以来　マスコミが　東電と官邸に批判的になった。別に批判精神が思い出されたのではなく、次の指示が政界奥の院か・海の向こうから届いたのでしょ。 明日の電波芸者　朝くズバ！で みの糞問題がどう言うかで分かるから、みんな見てね。 後　東電に抗議の電話しといた。
08. 2011年4月13日 10:52:06: FhHcQ6PSSL 20103010　相変わらず地上波は放射性物質というと、ヨウ素とセシウム。他のものが出ていることは無視だね。
09. 2011年4月13日 14:07:41: a61CluU7Ws 白虎隊の気持ちになってる人多いと思う 東電はどう思う？ 全然深刻に思ってないようだけど 東電の人って日本人じゃーないようなきがする 他国の人が日本を沈没させるためにきた人達ではないのか ありえない事故だ ぞくぞく原子力 もくもく原子力 全く安全ではないのに、安全だ　安全だという人達 もし自分が東電社員だったら自決するしかない事態だ 他国から物も買ってもらえないと思う どうする日本 東電はどう責任をとるのか
10. 2011年4月14日 19:13:35: MEn5PxD5aA 東電も保安院も日本の組織です。 その利権を擁護するマスゴミ連中も日本の組織です。 このままでは連中に殺される。福島の人は逃げて。

11. 2011年4月14日 19:38:25: qTWuxQlOdv 東電の社長の記者会見にて、語気を強めて感情的に詰問していた記者がいたが、日本のマスコミは立場の弱い人物（組織）に対しては強い態度で接して、反論されると後が怖い相手には借りてきた猫のようになる。 東電・原子力安全委員会・保安院・政府の公式発表がバラバラなので一つにまとめてほしい。 広島・長崎への原爆投下と第五福竜丸(ビキニ環礁の水爆実験での被爆）そして、福島第一原発の原子炉損傷？？？による放射能漏れ、と原子力関連の災いを被ることが多いと思うのは被害妄想かな。
12. 2011年4月15日 09:43:08: tBqNZ3ijRA 今朝の読売　読者との会話4/15　9：11 「朝刊2面に燃料棒中にあるって載ってますが、ＮＹタイムスのＨＰに外にあるって書いてありますが、どっちがデマですか？」 「ＮＹタイムスのことは知りません。」読者センター山根氏 「今伝えましたよ」 http://www.nytimes.com/2011/04/08/world/asia/08japan.html?ref=asia 読売新聞（代）03-3242-1111 読者より電事連がだいじでしょうね。
13. 2011年4月19日 11:29:28: EVRcxl81C2 読売、渡辺モウロク爺さん、巨人軍、中曽根康弘　←死刑が相当の国賊 罪名：あめリカのスバイ　日本に原子力発電を持ち込んだ張本人　中曽根死刑の事
14. 2011年4月19日 21:30:59: 78IL90wTo6 　日本の新聞は戦前の大本営発表で情報操作で国民を騙し続けて来た。当時、もっとも活躍したのが朝日新聞である。その戦犯・ゾンビの新聞が戦後復活して、アメリカの日本植民地化に貢献して来た。多くの国民は、朝日新聞はジャーナリズムをわきまえた本物の民主主義擁護の新聞であると思わされて来たが、実態は、アメリカの命令どうりに動き国民を洗脳するための情報操作を常にやって来た売国・糞新聞であった。おぞましい事に、日本の全国紙を始め、地方紙のほとんどが同様の状態である。日本に「言論」は存在しない。
15. 斬る 2011年4月20日 22:27:43: 9XEI2Tj7miMFo : Wk9yQ5FPmI マスコミが、東電・政府・原子力関係者のトップ達を批判できないことにはわけがある。すべてお金と利権がからんでるから。 中曽根は原発関連で相当もうけた。東電、政府・原子力関係者も同じく。 国民が何か行動を移さないと、日本は終わる。いえ、ある部分終わっている。 金さえもらえれば、人の命はどうでもいいと思う人間がいるのが残念だ。だが、何かの形でその人たちには天罰が下る。うまくできているものだ。 心配なのは、近い将来、チェルノブイリ原発事故の被害者と同じ運命（癌や白血病の発症・奇形児が生まれる等）をたどる人が沢山出てくるということ。その時に騒いでも、後悔しても誰も助けてくれないということ。その災難は、マスコミの人間や家族にもふりかかる。

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