要するに原発による繁栄というのは、いつ爆発するのかわからない爆発物の上で栄華を極めるという事だ。それは、一見すると、華やかで、無敵であり、何の心配もないかのようだが、いざ何かが起きると大変な事になる。すべてを失うだけでなく、そこに住めなくなる。ひどい状態に置かれるのは、原発近くの住民だけではない。その周辺地域も大被害だ。しかも原発から離れると、いかなる交付金も、補助金もなく、いかなる見返りも恩恵もない。それでいて、被害だけは相当に深刻になる。恐るべきことに、すべてを風評被害のせいにして、当事者は被害者顔をしていることだ。それまでにさんざん安全であると宣言してきていたのに、いざ事故が起きると、真っ先に誰よりも早く逃げる。そして増税をしなければならないとする。たとえ原発エネルギーによりいかなる繁栄があろうとも、それは虚構のものであり、危険性に満ちたもので、あまりにも不安定だ。少なくとも、原発近くの人は、いつでも即座に逃げられるようにしないといけない。逃げるときには何も持ち出せないということをあらかじめ覚悟する必要がある。それで原発から遠く離れた場所に別荘などを確保しておく事が必要だ。しかし、そういう余裕がある人は少ないだろう。日本の恐ろしいところは、完全なる情報統制、情報管理、報道規制が実行可能であるということだ。インターネットは別だが、それでもすべての人がインターネットを利用できるわけではない。特に、自然災害とか、原発事故直後は、そういう余裕もない。情報端末もないし、関連設備もないし、そもそも光ケーブルも失われているだろう。放射能被害は、事故直後には何も露呈しない。表面化するのはかなり後になってからだ。それにガンによる死亡が多いだろうが、ガンはありふれた死因である。つまり原発事故による放射能漏れによるものと特定は困難だ。原発周辺住民である事の証明ができれば別だが。遠距離でも安全ではない。そして被害を訴えると、風評被害として、非国民扱いをする。こういう陰険ないじめ、村八分、五人組制度は日本では古くから発達している。これは日本の最大の欠点である。日本には民主主義はなく、官僚がすべてを支配している。日本は、北朝鮮や中国とそれほど変わらないのである。発言の自由とか、報道に自由は日本にはない。日本は世界から取り残されていくだろう。日本は、封鎖され、閉鎖され、孤立化するだろう。全体的に縮小し、あらゆる活動が鈍るだろう。だが、それが必ずしも特別な事ではない。どこの国でも、そういうサイクルをたどるものだ。いつかは復活の機会もあるかもしれない。ただ、日本の原発天下り汚職制度はあまりにもひどすぎるし、不気味な報道規制の徹底振りがある。原発は危険であるという科学的事実を述べることは、身の危険を感じるほどだ。 　

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