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宮澤賢治の短編集『注文の多い料理店』は、関東大震災の翌年1924年に自費出版同様に出版された。
ウィキペディアによると、この短編集の収録作品は1921年から翌年の前半にかけて完成しているそうだ。
主なあらすじは以下のようなものである。
注文の多い料理店
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A8%E6%96%87%E3%81%AE%E5%A4%9A%E3%81%84%E6%96%99%E7%90%86%E5%BA%97より抜粋(転載開始)
イギリス風の身なりで猟銃を構えた2人の青年紳士が山奥に狩猟にやってきたが、獲物を一つも得られないでいた。やがて山の空気はおどろおどろしさを増し、山の案内人が途中で姿を消し、連れていた猟犬が2匹とも恐ろしさに泡を吹いて死んでしまっても、彼らは「2千4百円の損害だ」、「2千8百円の損害だ」と、表向き金銭的な損失だけを気にする。しかし、山の異様な雰囲気には気付いたらしく、宿へ戻ろうとするが、山には一層強い風が吹き、木々がざわめいて、帰り道を見つけることができない。途方に暮れたとき、青年たちは西洋風の一軒家を発見する。そこには「西洋料理店 山猫軒」と記されており、2人は安堵して店内へと入っていく。 入ってみると、「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはごしょうちください。」という注意書きがあるのに気付く。これを2人は「はやっている料理店で、注文が多いために支度が手間取る」という風に解釈して扉を開けると、そこには「髪をとかして、履き物の泥を落とすこと」という旨の注意書きがあるだけだった。以後、扉を開けるごとに2人の前には注意書きが現れる。中には「金属製のものを全て外すこと」といった少し首をかしげる注意書きもあったが、「料理の中に電気を使用するものがあって危ないからだ」というように、2人はことごとく好意的に解釈して注意書きに従い、次々と扉を開けていく。
いろいろ注文が多くてうるさかつたでせう。お気の毒でした。
もうこれだけです。 どうかからだ中に、壷の中の塩をたくさん
よくもみ込んでください。
という注意書きが現れ、二人は顔を見合わせ、これまでの注意書きの意図を察する。これまで、衣服を脱がせ、金属製のものを外させ、頭からかけさせられた香水に酢のようなにおいがしたのは、全て2人を料理の素材として食べるための下準備であったのだ。「西洋料理店」とは、「来た客に西洋料理を食べさせる店」ではなく、「来た客を西洋料理として食ってしまう店」を意味していた。気付くと、戻る扉は開かず、前の扉からは目玉が二つ、鍵穴からこちらを見つめている。
(以下略 転載終了)
短編集の作品が書かれた1921年から1922年にかけてというのは、イギリスとフランスがドイツに過大な要求を突きつけて敗戦国民に途端の苦しみを与えた時代である。
同時に連合国の暴挙に怒り狂ったドイツ国民が共産党とナチスに流れていく時代であった。
【ハイパーインフレ】ドイツの悲劇(塩漬け姉さん)
http://kabu.user-infomation.com/keizai_infre/infre_06.htm
ルール占領
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%8D%A0%E9%A0%98
東京大学の図書館
http://www.ut-life.net/guide/research/library.phpより抜粋(転載開始)
1923年の関東大震災で、東京帝国大学の図書館は、その蔵書80万冊のほとんど全部と共に焼失してしまいましたが、石油王として有名なジョン・ロックフェラー氏のロックフェラー財団から援助を受け、1928年に総合図書館が建てられ、現在の東京大学の図書館の礎となりました。現在でも、東京大学の図書館には、ロックフェラーの印が押された本が所蔵されており、歴史を感じさせてくれます。(転載終了)
1919年から1928年までの主な出来事
1919 朝鮮万歳事件 五四運動 ベルサイユ講和条約で連合国ドイツに巨額賠償請求
第三インターナショナル結成
1920 国際連盟結成 米カリフォルニアで排日移民法成立 日本最初のメーデー
第一回国勢調査
1921 友愛会、日本労働総同盟と改称 原首相暗殺 ワシントン会議 中国共産党結成
連合国、ロンドン最終通告でルール地方占領を通告 独ナチス党結成
1922 海軍軍縮条約調印 日本共産党結成 伊ファシスト政権成立
1923 仏軍ルール地方占領 関東大震災 虎ノ門事件 独マルク大暴落で物価一兆倍
ミュンヘン一揆
1924 護憲三派内閣成立
1925 普通選挙法および治安維持法公布
1927 金融恐慌で中小銀行倒産 第一次山東出兵
1928 普選による最初の総選挙 治安維持法改正で最高刑死刑 済南事件
第二次山東出兵 中国排日運動激化 張作霖爆殺
私は「注文の多い料理店」というのは、時代背景からファシズムを予言した作品であるとも考えています。
「イギリス風の身なりをした二人の青年紳士」とはイギリスとフランス、
つまりドイツに過大な賠償金を請求するがめつい奴の事ではないか?
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