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ジャスミン革命が拡散中
http://www.asyura2.com/10/kokusai5/msg/307.html
投稿者 まりお 日時 2011 年 1 月 27 日 09:26:28: igp8wnzHgZSDs
 

[記事転載元:Groove Japan http://groovejapan.jp/videos/02/]

第2回の「Groove Japan」ドキュメンタリーは「Groove」の本質に迫ります。ノリのいいビートのサンプルをコンピューターで解析すると、拍子が時間の中で均等に割り振られていないことが確認できます。時間軸上におけるローカルな「ずれ」と、全体の統一感が絶妙にバランスされた時に「Groove」が生み出されます。

そして今週も国際ニュースの現場から速報をお届けいたします。

ジャスミン革命が拡散中

みなさま、リビアが今、すごいことになっています。でもその前にチュニジアで革命が過去1週間の間に起きてしまいました。あまりにも目まぐるしい現在進行形のニュースを英語で追い続け、場合によってはフランス語をGoogle翻訳して読み続けた過去数日間。さすがにアラビア語の情報源は「野菜」という言葉が頻繁に出てくる以外には、よくわかりませんでした。

「野菜」がキーワードの1つです。1ヶ月前、北アフリカの地中海に面した小国チュニジアの地方にある「Sidi Bouzid」という町で、野菜と果物を売る大学卒のMohamed Bouaziziという青年が抗議の焼身自殺を図りました。即死ではありませんでしたが、数日後に亡くなっています。この青年は大学を卒業したものの、チュニジアの低迷する経済の中で職に就くことが出来ず、野菜と果物を屋台で売っていました。ところが許認可を得られていないと警察に屋台を没収され、弁明しようと役所を訪れた際、役人に平手打ちを受けたそうです。希望を失った青年は地方政府の前で灯油を被って鉄塔に上り、高圧線に触れて自身に火を付けました。

この青年の焼身行為が「Sidi Bouzid」の群衆を集め、そのまま暴動へと発展。警察が出動して催涙弾を発射しました。このローカルで国際ニュースに載らない規模の暴動がその後チュニジアの全土に飛び火し、首都チュニスでも大規模な抗議行動と騒乱に発展。武装警察も出動して一部で実弾を発砲、最低60人以上(人権団体調べ)の死者がすでに確認されています。

この騒乱はまたたく間にツィッターや「Facebook」の中で広がり、フランス在住のチュニジア人をはじめ数多くの人たちが継続的に情報を拡散し始めました。
チュニジアではYouTubeが遮断されているにもかかわらず、現場から動画も数多くアップロードされ、こうしたソーシャル・メディアの情報共有と市民の捨て身の決意が相まって、独裁的なベン・アリ同国大統領への抗議デモが拡大していきました。匿名のハッカー集団「Anonymous」もこの動きを大いに手伝ったとされています。

あまりの急ピッチな抗議と騒乱の広がりにうろたえたベン・アリ大統領はテレビで釈明し、「国民の気持ちが私もよくわかった。終身大統領をもう目指さない。食料の値段を下げ、警察の発砲を停止し、言論・表現の自由も今後拡大する」と演説したものの、時すでに遅し。1987年の無血クーデター以来、23年間チュニジアに君臨してきた独裁者が弱みを見せてしまった以上、市民はどんどんと勢いづいていきました。拷問が日常的に行われている内務省の本部前に数万人規模の群衆が詰めかけ、「Game Over」などと書かれたプラカードをかざして、大統領の退陣を迫ります。翌日にはベン・アリ大統領が内閣を総辞職させ、非常事態を発令。その数時間後、ベン・アリ大統領夫妻はサルデーニャ島へと飛行機で脱出、そこからサウジアラビア王室の招きで身を寄せます。

同じ頃、ゴージャスなライフスタイルで知られる大統領の娘2人はフランスに脱出し、パリ郊外にあるディズニー・リゾートホテルのVIPルームにチェック・イン。召使いとボディーガードの一行を従え、財宝をまとった状態で身を隠しているそうです。フランス政府は「独裁者ベン・アリ大統領の親族をフランスは歓迎しない」と、近々国外退去を命じる見込み。

チュニジア本国ではいったんベン・アリ大統領の右腕だった首相が臨時大統領に就任しますが民衆の反発にあい、かわって憲法の手順に沿って下院の議長が暫定大統領へと就任します。この結果、チュニジアには24時間以内に3人の大統領がいたことになります。政府は2ヶ月後に選挙を約束していますが、街中の暴動と略奪、そして武装警察や軍人の発砲は続いており混乱は収まっていません。ベン・アリ大統領の側近であった治安機関や警察の高官が略奪と放火の自作自演を指揮している疑いが持たれています。軍はすでにベン・アリ大統領の側近だった治安機関の高官を拘束ましたが、それをきっかけに治安部隊と軍の間で銃撃戦が起こり、今なお(1月17日現在)散発的に継続しています。またツィッターを駆けめぐっている写真には顔を隠した特殊部隊のメンバーが写っており、「リビアから派遣された特殊人員ではないか」との憶測を呼んでいます。

数時間刻みで進行しているこの事態は、見方によってはまだ「着火」したばかりの状態です。すでに隣国リビアでもカダフィ大佐の41年間に及ぶ独裁体制に抗議して小規模な暴動が起こったことがアルジャジーラで報道されました。国内からアップロードしたと思われる暴動の様子もYouTubeで見つかっています。物価の高騰と失業率の高さ、過酷な言論統制、そして支配者一族の桁違いの富の集積が限界に達し、平均年齢の若い国民に火を付けました。そしてこのパターンはチュニジアの両隣にあるアルジェリア、リビア、その隣のエジプト、スーダン、そしてヨルダンにも及ぶだろうと言われています。

先週、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官がアラブ諸国の指導者を集めた会議で「このまま改革を進めず、問題を放置すれば、地域の基盤が砂の中へと沈むでしょう」と異例の強い語調で警告を発したそのタイミングで起こったチュニジア革命ですが、すでに独裁的な大統領や国王が長期政権を維持しているアラブ諸国には激震が走っています。

これらの危険な要因がカクテルのように混ぜ合わさった、さらにその上にトッピングとなるのがソーシャル・メディアの浸透と、あの「Wikileaks」です。アサンジ氏のロンドンでの逮捕と拘束、そして保釈までのごたごたの間にドメイン名を剥奪された「Wikileaks」は現在ミラーサイトでしか見ることがきませんが、情報は健在です。この中で2008年に駐チュニジア米大使が本国に送った公電が暴露されていますが、そこには大使自身の言葉でいかにベン・アリ大統領の独裁が恣意的で悪辣なものかが詳述されていました。大統領夫人は「チュニジアのイメルダ・マルコス」と呼ばれほどのショッピング性癖を持ち、大統領の親族がチュニジアの政治と経済をことごとく牛耳り、時には暴力的な方法で国の資産や国民の富を私物化している、とあります。2006年にはベン・アリ大統領の2人の甥がフランス人ビジネスマン所有の豪華ヨットを盗んで塗装を変えていたことが発覚し、その後フランス政府からの圧力を受けて返却したことなど、21世紀とは思えないマフィア国家の姿が露呈しています。

チュニジア大統領一族の内情を漏洩した公電は「チュニリークス」と呼ばれています。顔を見せられない活動家たちが国外のウェブサイトにこれらの情報を集積し、公用語のフランス語で翻訳や注釈をつけています。また、チュニジア国内に住む有名ブロガーの「Slim Amamou」氏も顔出しで政府を批判していましたが、秘密警察によるハラスメントをたびたび受けた後、拘束されています。
拷問で有名な内務省の本部ビルに入った自分の位置情報を「Google Latitude」というサービスを使ってSNSへと公開したのを最後に消息を絶っていました。これらの情報が、1ヶ月前に野菜売りの青年が焼身自殺を図った直後から情報ハイウェイに乗り、ツィッターやFacebookでまたたく間に拡散していきました。

もともとベン・アリ大統領は欧米のお気に入りの独裁者で居続けるため、スカーフ(ヒジャブ)の着用義務を廃止して女性の人権を持ち上げ、大学教育にも力を入れていました。アメリカ政府からは友好国として数百億円分の軍事援助を受け、イスラム原理主義の浸透を鉄拳で食い止めています。また、アラブ世界の数少ない安定した国家として欧米から有望視され、魅力的な投資先としての顔も誇っていました。しかしそれらのグローバライズ政策はあくまで「お化粧」であり、実態は大統領の一族による徹底した収奪と富の国外持ち出しだったのです。

世界的な不況に襲われ、大学卒業者の失業率が極端に高くなった状態でもベン・アリ政権は何ら有効な経済政策を打てませんでした。貧困が増大する中、不都合な情報をメディアから遮断し、ひたすら暴力と監視による支配の手を強め、その一方で大統領の親族は金ピカのセレブ生活をひけらかすありさま。すでに国民が声を潜めて噂していた内容を、当時の米大使は公電でアメリカ本国へと報告。その文面がそっくり「チュニリークス」されてしまい、ベン・アリ大統領自身が作りだした知識人層の決起をうながしたのです。
政権が崩壊して間もなく、拘束されていたブロガーの「Slim Amamou」氏は釈放されました。また同じタイミングで、かつてヨットを盗んだ疑惑が持たれていた大統領の甥は群衆に取り囲まれ、刺殺されました。

チュニジアで起きた政権崩壊と大統領の国外逃亡は、チュニジアを代表する花にちなんで「ジャスミン革命」と命名されています。あまりにも早く起こったこの革命がはたして「ツィッター革命」あるいは「Facebook革命」と呼べるかどうかは、コンセンサスに達していません。しかしソーシャル・メディアがリアルタイムで張り付いて抵抗運動を助長・継続させた痕跡は間違いなくサーバーに残っています。そして1月16日の夜には、リビア、エジプト、サウジアラビア、ヨルダンのTwitterユーザーの間で革命が起きた町の名前「#sidibouzid」がトレンドになっていたのです。
参照文献・ソースのリスト

The Atlantic Wire (2010年12月27日)
Protesters and Police Clash in Tunisia Following Self-Immolation
http://www.theatlanticwire.com/opinions/view/opinion/Protesters-and-Police-Clash-in-Tunisia-Following-Self-Immolation-6338

Al Arabiya (2011年1月15日)
Watchers dubbed it as 'First Wikileaks Revolution'
Wikileaks might have triggered Tunis' revolution
http://www.alarabiya.net/articles/2011/01/15/133592.html

UK Guardian (2011年1月14日)
Tunisian president says he will not seek re-election in 2014
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/13/tunisian-president-will-not-seek-re-election

毎日(2011年1月15日):チュニジア:ベンアリ大統領が内閣総辞職へ 暴動に対応
http://mainichi.jp/select/world/news/20110115k0000m030130000c.html

CNN(2011年1月15日):混乱のチュニジア、大統領国外脱出でガンヌーシ首相が兼務
http://www.cnn.co.jp/world/30001507.html

ロイター(2011年1月16日):チュニジア下院議長が暫定大統領に、政権崩壊で混乱広がる
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-19034620110116

Tunileaks
https://tunileaks.appspot.com/

Forbes (2011年1月15日)
Ben Ali's Rhetorical Alchemy, or How the West was Duped
http://blogs.forbes.com/mahaatal/2011/01/15/ben-alis-rhetorical-alchemy-or-how-the-west-was-duped/?boxes=financechannelforbes

産経(2011年1月16日):【チュニジア政権崩壊】政変は「ジャスミン革命」 ネットで命名
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/110116/mds1101161131002-n1.htm

毎日(2011年1月16日):チュニジア:政権崩壊 アラブ諸国、波及懸念 強権体制、貧富の差共通
http://mainichi.jp/select/world/news/20110116ddm007030091000c.html

UK Telegraph(2011年1月17日)
Tunisian army fight running street battles with gunmen loyal to the
ousted president
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/africaandindianocean/tunisia/8263035/Tunisian-army-fight-running-street-battles-with-gunmen-loyal-to-the-ousted-president.html

AFP(2011年月17日)
Battles in Tunis as new government takes shape
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iDPXshAyKx3Hf2KYwHW8-QEzXWiA?docId=CNG.9964072691a62252d0a98b0308fb8063.551

ABS-CNB News (2011年1月16日)
Tunisia: close relative of Ben Ali slain
http://www.abs-cbnnews.com/global-filipino/world/01/16/11/tunisia-close-relative-ben-ali-slain

BBC (2011年1月16日)
Tunis gun battles erupt after Ben Ali aide arrested
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12202283

※Twitterでチュニジア情勢に関連する有力なハッシュタグの例
#sidibouzid #tunisia #benali  

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コメント
 
01. 2011年1月28日 11:48:30: FxkrT833rk
アメリカは本心、サウジ等、新米アラブ国家への飛び火を懸念しているが、情勢の展開を見て親革命に急遽切り替えた。

でも民衆はお見通しだ。

これで新米アラブ独裁政権は軒並み崩壊。これがイスラム急進派とどう絡むかわからんが、その次はアラブからのアメリカ退去運動につながるだろう。

面白くなってきた。


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