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健康増進のためポテチやハンバーガーへの課税を検討  
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投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 03 日 02:34:11: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110801/221815/?ST=print 日本と韓国の交差点
健康増進のためポテチやハンバーガーへの課税を検討 肥満、高血圧、糖尿を予防して健康寿命延長を目指す

2011年8月3日 水曜日
趙 章恩


 日本人が考える韓国人のイメージは「とにかく酒が強い」「辛い物が好き」のようだ。韓国に出張した経験を持つ日本人男性は、必ずと言っていいほど、「韓国人に酒で殺されかけた」話をする。

 「日本からお客さんが来た」ということで、ビールにウィスキーを混ぜた「爆弾酒」や、緑色の瓶に入った焼酎を延々と飲むのだという。さらに「本場の味をみてほしい」とマッコリに移る。「それなのに翌日、韓国人はみんな何ともない顔で朝8時の会議に参加していた。自分は死ぬかと思った」といった話を、何十人もの人が楽しそうに筆者に告白してくれた。

 言われてみれば、韓国人は酒を飲むのも、勧めるのも大好きかもしれない。それに、唐辛子がたくさん入った辛くて刺激的な料理を、酒と一緒に食べる。そのせいか、高血圧の人が多い。

 国民健康保険を担当している健康保険審査評価院の調査によると、韓国の高血圧患者は、2008年から2009年の1年間に、590万人から620万人へと5%ほど増えた。人口は約5000万人なので、国民の12%が高血圧で病院に通っていることになる。高血圧患者が支払う診療費も、2008年には2兆4000億ウォン(約1930億円)だったものが、2009年には2兆6000億ウォン(約2150億円)へと8%ほど増加した。

 健康保険審査評価院は、高血圧にならないための健康的な生活を国民に呼びかけている。2009年に高血圧で入院した人が、OECD平均の2倍以上――15歳以上人口の10万人当たり191件――に達したからだ。呼びかけの内容は、例えば酒・たばこをやめる、肉食を減らす、野菜と果物をたくさん食べるといったものである。

 高血圧患者は、心筋梗塞や脳卒中といった合併症によって死亡することが多いため、血圧を下げる薬をずっと服用しないといけない。これには当然、コストがかかる。健康保険審査評価院は、国民健康保険の財政を建て直すためにも高血圧患者を減らす必要があるとしている。

健康増進のためポテトチップスやハンバーガーに課税

 そんな中、国民の健康のためにポテトチップスやハンバーガーに課税する話が持ち上がっている。

 保健福祉部の傘下にある保健医療未来委員会は7月6日、「酒、炭酸飲料、スナック菓子などカロリーが高いにもかかわらず栄養はないジャンクフードに健康増進負担金を賦課することを検討している」と発表した。さらに、清涼飲料水の自動販売機の小学校への設置を禁止する、ファーストフードの広告をテレビで放映する時間帯を規制する、という方案も検討しているという。

 韓国は1995年、健康増進法を制定し、たばこに対して健康増進負担金を課した。同法は、国民の栄養状態を把握し、国民が健康な生活を実践できるよう支援することが目的。同負担金は、たばこ1箱あたり354ウォン(約29円、たばこの価格は1箱約250〜270円ほど)だ。

 この負担金を財源にして、自治体ごとに置かれている健康生活実践委員会国民健康増進基金を運用している。同委員会の主な役割は慢性疾患を予防すること。基金を使って肥満、高血圧、糖尿を予防するための教育や健康相談、禁煙教室などを運営している。また農漁村の高齢者、低所得層を対象にした無料健康診療や1対1の健康管理サービも実施している。保健医療未来委員会は、こうした健康サービスを拡大するために、たばこだけでなく、酒やスナック菓子、炭酸飲料にも健康増進負担金を課すべきだとして検討し始めたわけである。

 もともと保健医療未来委員会は、持続可能な医療保障をテーマに、保健医療体制の課題を議論するために発足した諮問委員会だ。2011年4月から8月まで月1回会議を行っている。大学教授、担当公務員、医師会、薬師会、市民団体がメンバーとして参加している。政府が運営する国民健康保険と民間保険の役割分担、医療人材の養成方案、医療保険の効率化方案、医療機器や医療資源の効率化などを議論してきた。

 保健医療未来委員会は以下の目標を設定している――2020年までに韓国人の健康寿命(病気をしないで健康な状態でいられる寿命)を75歳にし、人口に占める肥満の割合を男性は35%未満、女性は26%未満にする。国民の医療費増加や健康保険財政の悪化は高血圧・糖尿といった慢性疾患が原因であるため、これらの原因となるたばこ、酒類、ジャンクフードの消費を減らすことを目指している。これらの品目以外にも、負担金を課すべき品目――高カロリーで健康に良くない食品――があればどんどん追加していくという。増税によってこれらの品目の値段が上がれば消費が減ると期待している。

 保健医療未来委員会は、健康増進負担金を国民に課す論拠として、米ニューヨーク州とデンマークの事例を挙げている。ニューヨーク州では炭酸飲料と果汁70%以下の砂糖添加飲料に18%の税金を課している、デンマークはアイスクリーム、チョコレート、炭酸飲料に25%の税金を課したところ肥満が減少した。またハンガリーでも、国民の肥満を防止するために、2011年9月から「ポテトチップス税」――カロリーの高いお菓子、炭酸飲料にかける税金――を導入するという。

反対意見がネット上に蔓延、保健福祉部長官が釈明

 韓国は、「健康寿命を75歳にする」「肥満の割合を男性35%未満、女性26%未満にする」以外にも、慢性疾患を予防するために以下の目標を設定している。

2020年までに、成人男性の喫煙率を29%未満に、女性の喫煙率6%未満にする
公共施設の95%を完全禁煙施設に指定する
たばこを値上げする
1人当たりアルコール消費量を2020年までに7リットルに減少させる(2009年の実績は8.5リットルから)
酒の広告を規制する
BMI40以上の高度肥満者の胃を小さくする手術に健康保険を適用できるようにする
地元医院を中心にした慢性疾患管理システムを構築する
医薬品の適正基準価格制度を導入する
新薬認可手続きを先進化させる

 しかし炭酸飲料とスナック菓子、ハンバーガーに税金を課すことだけが大々的に報道された。これに反応して、インターネットの掲示板や新聞記事のコメント投稿欄には、「子供のお菓子にまで税金を課すことに反対する」という書き込みが増えた。アルバイトでその日暮らしをしている人の中には安いハンバーガーで食事を済ませるしかない人もいる。国民の健康のためとはいえ、低所得層の生活が苦しくなるだけではないだろうか。

 市民団体の一つ、経済正義実践連合は、健康増進負担金の導入に反対している。「政府は、罪悪税(酒、たばこ、ギャンブル、競馬など社会にマイナスの影響を与えるとみられることに課す税金)の適用を拡大して税収を増やそうとしている。これは財政赤字の責任を国民に転嫁することにほかならない。庶民の負担を重くするだけ」「物価が高騰し庶民の暮らしは苦しくなっている。健康保険の財政悪化を根本的に解決することなく、税金で補てんしようとするのは納得し難い」。

 健康増進負担金に反対する書き込みがネットで急増すると、保健福祉部長官は保健福祉部の記者室(日本の記者クラブに相当する)を訪問して「健康増進負担金は保健医療未来委員会が議論する議題の一つにすぎない」「健康増進負担金の導入を決めたわけではない」「企画財政部や他の省庁との調整も必要。すぐ賦課できるものではない」「物価を安定させようと全省庁が努力しているなか、国民の健康のためとはいえ、負担金を賦課するのは難しい」と釈明した。

小学校の周辺ではジャンクフードの販売を禁止

 肥満や高血圧を減らすため、政府は、健康増進負担金の導入以外の施策にも取り組んでいる。
 例えば、知識経済部と保健福祉部は、スマートフォンとセンサーを使ったヘルスケア実証実験を全国規模で行っている。センサーを体とスマートフォンにつなぎ、心臓や血圧をチェックしてデータを病院に送信する。異常がある場合は病院から被験者に連絡する、という健康管理サービスだ。知識経済部と保健福祉部は、農漁村に住んでいる慢性疾患の患者を対象に遠隔診療を実施している。また保健福祉部は単独で、全国の保健所で禁煙サポートなどを実施している。

 さらに保険福祉部は、小学校の周辺半径200メートル以内を食品保護安全区域(Green Food Zone)に指定して、低栄養・高カロリーのジャンクフードと原産地が明記されていない食品の販売を禁止している。加えて、販売する食品に使用する食材に対する検査や衛生検査を厳しくしている。

 保健福祉部は2011年7月から、果物摂取と小児肥満の関係を研究するため、以下の実証実験を行っている。対象は、お金がなくて、果物を食べる機会があまりない低所得層の子供600人。彼らに、果物を1人1日100グラム無料で提供し、成長がどう変わるのかを調べる。

 ソウル市は2010年10月から「放課後身体活動プログラム」を始めた。肥満防止のために子供たちが体を動かす時間を作ろうという取り組みだ。韓国は、小学校でも入試教育を重視しており、体育の授業をあまりしない。これを改善することが狙いだ。学校がスポーツの種目を選定してソウル市に申し込むと、専門の講師が学校に来て子供たちに教えてくれる。スポーツといってもボールを蹴ったり、自転車に乗ったりするだけのもの。日本の子供なら教わらなくてもできるぞ!というぐらいの活動だ。しかし「勉強が何よりも大事」とされる韓国の子供たちにとってはとても楽しい課外活動になっている。

 健康増進負担金の効果は不透明だ。税金が増えて物価が上がるだけで、実際にはジャンクフードの消費が減らないことも考えられる。それでも、これをきっかけに、ジャンクフードが体にどんなマイナスの影響を与えているのかを知った人は多いはず。筆者もその一人だ。長生きしたいというより健康な状態を長く保ちたい。自分のためにも「手軽な食事」ではなく「健康な食事」を意識しようと思った。

 ということで、明日からダイエットしよう。今日までは韓国人らしく肉食で。
このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?

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著者プロフィール

趙 章恩(チョウ・チャンウン)

 研究者、ジャーナリスト。ソウルで生まれ小学校から高校卒業まで東京で育つ。韓国ソウルの梨花女子大学卒業。現在は東京大学社会情報学修士。ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどにコラムを連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)がある。
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送っています。日韓両国で生活した経験を生かし、日韓の社会事情を比較解説する講師として、また韓国のさまざまな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです」。
 「韓国はいつも活気に溢れ、競争が激しい社会。なので変化も速く、2〜3カ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をすると『なんだかきつそうな国〜』と思われがちですが、世話好きな人が多い。電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多いのです。マンションに住んでいても、おいしいものが手に入れば『おすそ分けするのが当たり前』の人情の国です。みなさん、遊びに来てください!」。
 

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