「次に意識があったのは、潰れた車体の中にいた時でした。……息がとても苦しくて、吸っても、吸っても満足に呼吸することはできませんでした。頭上から少し太陽の光が見えるだけで、他は真っ暗だったため、私は自分が今夢の中にいるのかそれとも現実にいるのか、死んでいるのか生きているのか、それさえすぐに理解することはできませんでした。
　……救急車に乗ってからも息が苦しく、酸素マスクを着けてもらっていましたが、苦しさが和らぐことはありませんでした。他の事を考える余裕はあまりありませんでしたが、頭の片隅でずっと大切な人たちのことを考えていました。救急車が現場を離れていくにつれ、家族にきっともうすぐ会えるという安心感を少し感じることができました」（『ＪＲ福知山線脱線事故―２００５年４月２５日の記憶』）。
　救急車で、酸素マスクを装着しても、なお息が苦しかったことの原因は一体、何だろうか。 　

コメント
01. 2010年2月12日 14:00:57 ショック症状では？ 私も交通事故ですが、体の自由がきかなくなって、呼吸が苦しかったことがあります。外傷なしで、です。 あとで、調べたら、それがショック症状の一つなのかな、と思いました。

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