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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010030202000102.html
【社説】
北教組事件 先生までが違法献金か
2010年3月2日
北海道教職員組合の幹部らが、政治資金規正法違反の疑いで逮捕された。民主党の衆院議員側に不正な資金提供をした疑いだ。学校の先生の団体自身が、進んで事実を説明してほしい。
またも「政治とカネ」の問題が噴出した。今度は北海道の教員でつくる労働組合が舞台だ。北教組の幹部ら四人が、札幌地検に逮捕された。
昨年の衆院選で、北海道５区から出馬・当選した民主党の小林千代美議員の陣営に計千六百万円の不正な資金提供をした疑いだ。政治資金規正法は企業や団体から政治家個人への献金を禁じており、これに抵触するというわけだ。
これまで陣営の経理担当者は「事務所の維持費が足りなくなった」と資金を受けたことは認めたが、政治家個人への献金という見方は否定していた。北教組側も「違法な資金提供の事実はないと認識している」と主張してきた。
説明は虚偽だったのか。資金提供が事実なら、どのような背景や趣旨を伴ったものなのか。まずその解明が求められる。教員への「主任手当」が北教組にプールされ、利息が原資になったとも報道されるが、その実態も明らかにされねばならない。
さらに陣営の経理担当者の口座に入金されたのは、二〇〇八年暮れから〇九年七月にかけてである。逮捕された北教組の委員長代理は、小林陣営の選対委員長もつとめていた。「選挙とカネ」が、結び付いていたのか。そこが最大の捜査の焦点といえる。
学校の先生は、むろん生徒にルールを守ることを教える立場だ。「子どもたちへの背信だ」との声も聞かれるだけに、北教組には十分な説明を求めたい。
小林氏の選挙では、陣営の幹部だった元連合札幌会長が公選法違反の罪に問われ、札幌地裁で有罪判決を受けた。「労組依存」ともいえる選挙のありようも、問い直されるときではないか。
今回の事件は、六年前に山梨県教組の幹部が、民主党の輿石東議員を支援するために起こした規正法違反事件を想起させる。日本教職員組合が支持母体の輿石氏は、参院議員会長を務める。
鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長に続く事件は、夏の参院選に向け、同党のダメージだ。北教組幹部の逮捕まで至った捜査に政治的意図はないか。国民に誤解されぬよう、検察にも厳正中立な捜査を望みたい。
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