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原発の“メリット”をあらためて考えてみる<核開発のための原発>核武装賛成派・反対派もみんな集まれ!
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/1894.html
投稿者 エテ公 日時 2011 年 7 月 15 日 20:24:25: .XQ.mNI0RTQBI
 

原発は、数十年におよぶ廃炉と数千年・数万年におよぶ核廃棄物の処分を考えたとき、その「高コスト性」は明らかです。また、それに投じられ続ける化石燃料(=CO2排出量)まで含めると「発電時にCO2を出しません^^」がいかに欺瞞的な説明かわかります。

もはや原発のメリットと呼べそうなものは“核武装”しかないでしょう。

阿修羅でもある方が「“脱原発”で“核武装賛成”です」といった発言をなさっていたが、そんなこと可能なん? と疑問に思い、自分なりに調べてみました。
ちょっと長いですけど、以下は「核開発反対」を掲げる槌田敦氏という物理学者の講演(2003年)からの抜粋です。
ポイントは、「核開発のための必要な技術・施設」です。

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【原爆用プルトニウムを製造する特殊原子炉】

 ここで「東海原発で作る」としていることに注目していただきたいのです。「どのような原発で得られるプルトニウムでも原爆はできる」というようなとんでもないことを主張する人達がいます。日本の多くの原発は軽水炉とよばれる形式でして、福島の原発も福井の原発も、そこで作られるプルトニウムでは核兵器などできないのです。核兵器ができないということを知っているにもかかわらず、できると主張し続ける人達には、「日本の核武装計画を隠そうとする」魂胆があるのです。先程の核の傘と同じ話です。

 このようなことを言う人達すべてがそういう目的を持っていると言っているのではありません。多くの人達は指導者のいうことを「信じて」言っているのですが、脱原発の指導者たちは、軽水炉で作られるプルトニウムをそのまま使ったのでは原爆ができないことを知っています。その人達の書いた本にもその意味のことが書いてあります。

 軽水炉は、世界でもっとも数の多い原発です。東電や関電の原発も軽水炉です。しかし、この軽水炉で作ったプルトニウムを利用して原爆を作った国はひとつもありません。それなのに、どの原発で作ったプルトニウムでも、原爆はできると脱原発の指導者たちは宣伝したのです。

 軍用のプルトニウムを作る原子炉は、黒鉛炉、重水炉、そして高速炉の3種類です。その中でも軍用プルトニウムをたくさん作ったのは黒鉛炉です。黒鉛は、石墨ともグラファイトとも言いますが、たとえば、チェルノブイリ原発は黒鉛炉で、軍用プルトニウムを生産すると同時に、電力も生産していました。

 東海原発も黒鉛炉です。これはイギリスの原子炉で、ソ連の原子炉と同じように軍用プルトニウムと同時に電力も作って、両方を売っていました。防衛庁の資料によれば、東海原発を軍用として使えば、年間240キロの軍用プルトニウムが得られるのですが、電力も売ることにしても軍用プルトニウムを年間10キロ生産できます。それで毎年少しづつ原爆が作れるのです。

 ところで、敗戦国日本が軍用プルトニウムを日本国内で使うことは許されません。そこで、この東海原発の使用済み燃料はすべてイギリスで再処理し、イギリスに売っていました。東海原発は電力を国内で売り、プルトニウムをイギリスに売っていたのです。イギリスはこの東海原発で得られた軍用プルトニウムで、原爆を作っていたのです。

 このことは、推進側、反対側にかかわらず原子力関係者の常識でした。しかし、どちらも仲間内でこっそり語し合う以外ではその話を公式にはしませんでした。たまたま、私は放射線問題で私の職場の労働組合の一員として、電力労連と一緒に東海原発を見学したことがありました。その時、東海原発の所長は参加者が電力労連だけと安心して講演し、最近イギリスはプルトニウムを買ってくれなくなったと嘆いたのです。脱原発の集会では、外国の研究者が「イギリスは東海原発のプルトニウムで原爆を作っている」と指摘しましたが、日本の脱原発の指導者たちは、これをやっきになって否定し、その後もこれを話題にすることはありませんでした。

 軍用プルトニウムを作れるもう1つの原子炉は重水炉です。その代表はキャンドゥ炉で、これはカナダの原子炉でして日本では電源開発が大間に作ろうとした原子炉です。ですが、日本がキャンドウ炉を持つ事に当時のカーター政権は反対します。そしてこの話をぶっ潰してしまいました。キャンドゥ炉で核兵器を作ったのはインドでして、インドがこのキャンドゥ炉で作った核兵器で核実験をしました。

【日本はすでに約100キロの軍用プルトニウムを持っている】
 
 第三番目の軍用プルトニウムを製造できる原子炉が高速炉です。日本には、高速増殖炉『もんじゅ』と高速実験炉『常陽』があります。これは『増殖』とか『実験』とか口実を並べていますが、どちらも軍用プルトニウムを作るための原子炉なのです。『もんじゅ』は年間62キロの軍用プルトニウムを生産できます。『もんじゅ』は事故まで約1年4ヵ月運転しましたので、約80キロの軍用プルトニウムを生産したはずです。『常陽』は今は作っていませんが、その倉庫にすでに作った軍用プルトニウムを30キロ保管しています。したがって、日本は合計して100キロ以上の軍用プルトニウムを所有していることになります。現代では2キロで核兵器が1発できますから、この使用済み燃料を再処理しさえすればいつでも50発の原爆を作ることができるのです。

 日本の反核運動は、これまでまったくその事を議論させなかったのです。私は、原水禁の助言者のひとりでしたが、原水禁大会で『もんじゅ』や『常陽』の話をして追放されてしまいました。会場から暴力で追い出されたのです。先程、講師紹介で司会者から、私が国の機関から追い出された話をして頂きましたけれども、実は原水禁大会の会場ロビーで日本の核開発反対の署名を集めたというので、腕力で会場から追い出されました。そして私のいないところで、私のことを議論し、「狼少年」と罵倒したそうです。

 軍用プルトニウムを作ることのできる3種類の原子炉の中で、この高速増殖炉が最も濃縮度が高く、軍用に向いたプルトニウムを生産できます。これを用いてフランスは核実験をしました。このムルロア実験は皆さんも覚えていらっしゃると思います。なぜフランスが核実験をしたのかというと、これがアメリカの核兵器とは用いるプルトニウムの濃縮度が違うのです、

 アメリカの核兵器は先程の黒鉛炉でこしらえたプルトニウムを使います。この原子炉は東海原発またはチェルノブイリ原発と良く似た原発ですが、そこから得られるプルトニウムは濃縮度が低いのです。それに比べて高速増殖炉で得たプルトニウムは濃縮度の高いのです。したがって、この高速炉で得たプルトニウムで作る原爆は、非常に性能の良いのです。しかし、アメリカは高速炉の建設を議会が否定しました。そこでフランスの核実験を認める代わりに、アメリカとドイツとイギリスは核実験のデータを全部フランスから貰うことにしました。そしてアメリカはエネルギー省の役人を核実験に立ち会わせました。アメリカ,ドイツ,イギリスの監視の中でフランスが原爆実験をしたのです。つまりフランスの核実験は白人たちの共同の核実験だったのです。

【日本の核兵器製造能力】

 ところで核兵器は2種類あります、ひとつは広島型の原爆、これはリトルボーイ(小さな男の子)と呼ばれています。これは長さ5メートル程度の大砲をそのまま用います。大砲の底に爆薬を詰め、その上に高濃縮ウランの円柱の弾を置きます。大砲の先端は分厚い鋼鉄で覆い、その中に高濃縮ウランの円筒を置きます。そこで、この爆薬に点火するとウランの円柱は弾となって飛び、ウランの円筒の中にはめ込まれます。そうすると核分裂反応が臨界になり、核爆発するのです。単純な爆弾です。

 この広島型原爆はあまりに簡単な構造ですから、不発弾になることはありません。したがって核実験は必要ありません。簡単で爆発は確実という爆弾です。しかし、ウラン235の濃縮度60%を超える軍用ウランを数10キロも濃縮するには大量の電力が必要です。だからアメリカはこの爆弾を終戦直前に一発しか用意できなかったのです。それも最後のウランのひとかけらが届いたのは広島に投下する2日前で、テニアン基地でこの原爆を現地組み立てしたといいます。

 蛇足ですが、北朝鮮にはこのウラン原爆を作る能力はないと思います。電力が不足しているからです。そこで日本と韓国が重油や電力供給すれば、それでウラン原爆を作ることになるでしょう。

 それからもう一つの軍用プルトニウムを使うファットマン(太った男)という長崎型爆弾、は構造が複雑です。この原爆も最初はウラン原爆と同じ大砲形で設計されました。しかし、軍用プルトニウムに含まれる不純物プルトニウムのため、プルトニウムの円筒の中にプルトニウムの円柱の弾をはめ込む前に核分裂反応が始まり、円柱の弾が柔らかくなって円筒の穴にはめ込むことができないのです。

 そこで、設計を変えて球形の爆弾にしました。穴の空いたプルトニウムの球の外側を爆薬で包みます。これを点火するとプルトニウムが中心に圧縮されて臨界になり、核爆発することになります。しかし、構造が複雑なので、アメリカはこのプルトニウム爆弾が不発弾になることを恐れました。爆薬の球形が上手に作れないと、爆発させた時ひしゃげて、プルトニウムを十分に圧縮することができないのです。そこで、核実験して爆発するかどうかをネバダで核実験して確かめました。しかし、それでも実際の場面で核爆発するかどうか不安なので、この爆弾と同じ大きさの核抜きの爆弾を50発こしらえてパンプキン(かぼちゃ)爆弾と名付け日本の各地にばらまきました。プルトニウム原爆が不発弾になった時ごまかそうとしたのです。

 この長崎型爆弾でも軍用プルトニウムを原子炉で得ることはやはり困難ですが、濃縮ウランよりは電力消費量が少なく安上がりで、アメリカ、ロシア、フランス、イギリスなどは、その後の核開発をもっぱらこのプルトニウム爆弾の製造に向けました。しかし、中国、イスラエル、南アフリカ、パキスタンなど技術力のない国は簡単な構造のウラン爆弾に頼りました。そのためには巨大発電所が必要になります。中国は黄河をせき止めて発電所を作りましたが、現在は、やはりプルトニウム爆弾を主体にしています。

 しかし、軍用プルトニウムは原子炉で作るといっても、いわゆる軽水炉から得られるプルトニウムでは、プルトニウム239が濃縮度60%程度でしかなく、これでは到底核兵器を作ることはできません。その理由はいくつもありますが、たとえば不純物プルトニウムをたくさん含むので原爆はすぐに劣化してしまうのです。また爆弾が大きくなり過ぎて運ぶことができないのです。さらに不純物プルトニウムの放射能のため発熱量が大きいので、まわりを包む爆薬が自然爆発する心配もあります。アメリカの最初のプルトニウム原爆は濃縮度が94%程度というのですが、重量は5トンもあってB29という大型の飛行機が必要でした。そして発熱量が大きくて、この爆弾を触った人が後で証言しています。「何か、生きたウサギを触っているようで温かかった」と。

 ところでこのプルトニウム爆弾は、技術のある国では簡単に作れます。まず、濃縮度の高いプルトニウムを使えばよいのです。軍用プルトニウムの濃縮度は94%以上ですが、高速炉で作ったプルトニウムは、『もんじゅ』の場合濃縮度は97.6%で、『常陽』では99.4%です。高速炉を持っているフランスと日本は簡単に核兵器が作れる国なのです。だから先程フランスの核実験が、白人国家の連合としておこなわれたのです。

 この高速炉で発電もすると、熱を媒介する物質としてナトリウムのほかに水も使うことになるので、『もんじゅ』のように事故多発が悩みの種です。しかし、発電しないというのであれば、水を使う必要がなく、『常陽』のようにほとんど事故を起こさず、軍用プルトニウムを生産できます。さきほども述べましたが、『常陽』は今は軍用プルトニウムは作っていませんが、いつでも復元改造すれば軍用プルトニウムを作ることができます。しかし、そろそろ『常陽』も寿命がきていることが問題です。

 ところで、軽水炉から作るプルトニウムが、まったく原爆に使えないという訳ではありません。軽水炉で得られるプルトニウムの濃縮度は60%ですが、これをレーザー濃縮で94%以上に高めればよいのです。しかし、どうやらこれは失敗したらしいのです。アメリカはこのレーザー濃縮でウランを濃縮するといっていましたが、中止してしまいました。日本もウランのレーザー濃縮については研究さえ中止しました。ウランも濃縮できないような方法がプルトニウム濃縮に使える筈もありません。結局、軽水炉から得られるプルトニウムは利用価値がないことになったのです。発電用として使うには費用がかかり過ぎ、軍用にも使えないので、日本以外の国では、使用済み核燃料は再処理せず、すべて廃棄する方針です。

【中性子爆弾と水爆】

 中性子爆弾や水爆はこのプルトニウム原爆で得られる1億度という高温を利用して核融合させる爆弾です。中性子爆弾は原爆を爆発させて中性子と高温を得、これによりトリチウムと重水素を核融合させ、大量の中性子を発生させる爆弾です。大きさは直径16センチ、長さ40センチ程度で、兵隊が持ち運ぶこともできて大砲で使えるきわめて小さい核兵器です。これに用いるプルトニウムは2キロ、トリチウムは数10グラムです。

 通常の水爆の核弾頭は、円錐形で高さが1メートル、底辺の直径が30センチ程度、その最下部に球形のプルトニウム爆弾が入っています。これを爆発させて、中性子と高温を得て、その上にある重水素化リチウムを核融合させます。そこで得られる大量の中性子を最頂部にある濃縮ウランに当てて、核分裂反応させるというものです。つまり、原爆一水爆一原爆という3重の爆弾です。トリチウムも必要ですが、その量は3グラム程度とごく少量です。

 日本は、軍用プルトニウムを生産できる『もんじゅ』と『常陽』を所有しています。軍用ウランは六ヶ所の濃縮工場で生産できます。しかし、日本にはトリチウムを作る装置がありません。トリチウムを大量に持とうとすると世界中から疑惑の目で見られます。そこで、トリチウムを作る口実が必要です。そのため、日本は核融合実験炉ITER(イータ)を誘致しようとしているのです。

 ITERの建設が認められれば、トリチウムを1.5キロ所有することができます。水爆に必要な量3グラムの500倍という巨大な量です。そして、トリチウムを製造するのに、原発を改造して、トリチウム生産炉にすることもできます。だから何としてでもITERが欲しいという事になります。ITERさえあればトリチウムをいっぱい作ってもよいのです。トリチウムを作る原子炉としては、六ヶ所村の隣にある東通原発が利用できます。この原発は消費地の東京から遠いため、遠方に送電することになるので、電力の損失があり送電費用がかさみ、経済的ではなく、ITERのために国が買い上げてくれればよいと電力会社は思っています。このようにして、六ヶ所に建設予定のITERとともに下北半島は核兵器工場地帯となるのです。

 中性子爆弾は1発の値段は3億円です。同じ大きさの小型原爆(戦術核)は1発1500万円ですから20倍もします。その違いは、トリチウムの扱いが困難で費用がかさむからです。それほどトリチウム技術は大変なのですが、これがITERの開発で取得できることになります。核融合研究は核武装の準備そのものなのです。

 多くの日本人は、日本の核武装はアメリカが許さないと考えています。しかし、アメリカはすでに方針を変更しています。日本がアメリカの管理のもとに核兵器を作ることを許しています。そのことは、高速炉『常陽』と『もんじゅ』の使用済み燃料を再処理する技術をアメリカは日本に売ったことで明らかです。これは、大きさが10センチ程度の小さい遠心分離機ですが、使用済み燃料の硝酸溶液から軍用プルトニウムを抽出するために必要な技術です。軍用プルトニウムを現存の再処理工場で抽出することは、臨界の危険があるのです。そこで、このように小さい抽出装置が必要なのです。この軍用プルトニウムの再処理工場RETFが現在東海村の再処理工場の隣に建設中です。

http://www.env01.net/ss03/ss03041.htm

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http://www.env01.net/index02.htm
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核兵器開発には、原爆に限っていえば
『ウラン濃縮工場』『原子炉(軽水炉)』『高速炉(もんじゅ、常陽)』『特殊再処理施設(RETF)』
の四つがあれば可能とのことです。

しかし今回の原発事故でも明らかになったように、どれも過大な事故リスクを伴うものですし、核兵器保有によるメリットと天びんにかけることになります。(他国から攻められない代わりに、事故リスクを我慢するといった)

わずかでもリスクを軽減するために『もんじゅ』のような危険極まりない原発を“発電所”として稼働させないという政策もあります。その場合は“発電所”というゴマカシもきかないので、『常陽』のような実験炉形態でごまかすか、国民的合意を得て「核兵器を造るための原子炉だ!」と割り切って稼働させることになるでしょう。
どのみち国際社会からつまはじきにされる覚悟と用意がいります。

しかし核兵器の製造にだって被ばく労働を伴います。(米国では原爆製造工場の労働者の健康被害が問題となりました)
いったい誰がリスクを引き受け、どこまで我慢を強いればいいのか、そもそも「核兵器開発のための原発」は、メリット>リスクなのか?

ぜひ核武装論者のみなさんから意見を聞いてみたいな……。
 

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