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安倍政権が集団的自衛権行使 に執念を燃やす理由は ?
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投稿者 青木吉太郎 日時 2015 年 5 月 19 日 14:44:15: jobfXtD4sqUBk
 


安倍政権が集団的自衛権行使に執念を燃やす理由は ?

戦後の平和主義を根本的に転換し本気で軍事大国めざす !

親分・アメリカの要請:「共に血を流せ」に応えたいから


井上伸 | 国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者


(bylines.news.yahoo.co.jp/:2014年7月1日 より抜粋・転載)

渡辺治一橋大学名誉教授:

渡辺治一橋大学名誉教授に3時間を超えるインタビューを行いました。ごく一部ですが集団的自衛権の問題を深めることができますので紹介します。


★安倍政権が集団的自衛権行使に執念を燃やす理由

90年代初頭のアメリカは「世界の警察官」として名乗りをあげました。
しかしアメリカ一国だけでやるのは嫌だ。アメリカの青年が血を流して、アメリカ企業の権益や自由な市場の秩序を守るのは結構だけれども、その秩序のおかげで日本やドイツの企業が暴れ回るのは許すわけにはいかない。

同じように企業がグローバルな市場の下で大儲けをしたいのであれば、それにふさわしい分担をしろと言うわけです。

「カネだけでなく汗も血も流せ」という強い声がアメリカから起こってきました。

アメリカは当時、ソ連に代わる最大の敵は日本だと思っていました。
日本の多国籍企業の成長がアメリカ企業を脅かしていると感じていたのです。

だから、アメリカ企業を脅かす日本企業のために、アメリカの青年
が血を流すのは許せないということで、「共に血を流せ」という
要求が一層強く、アメリカの企業サイドからも出され、日本の財界もそれに同意しました。

それまで財界は憲法の問題や自衛隊の海外派兵にはあまり関心がありませんでした。
財政を出動して公共事業をやってもらって、日本の企業の市場を確保してくれることが政治に対する一番強い要求でしたし、それをかなえる自民党政権の安定が財界にとっての大きな要請だったわけです。


しかしその要請の中に、自衛隊の海外派兵とアメリカとの協力が出てくることになってきたのです。

その背景にあるのは、80年代中頃から日本企業が怒濤のように海外に進出を始めたことです。
それまでの日本企業は、優秀な労働力を過労死するほどまで自由に使える国内の方が、生産に有利だということで海外進出しませんでした。

しかし80年代の円高と経済摩擦の結果、日本企業の怒濤のような海外進出が始まった。

さらに冷戦の終焉でそれが一気に爆発的に拡大する中で、日本の財界も「アメリカの言う通りだ」と同調していく。

財界は、自衛隊に自分達を守ってもらいたいとは思っていません。
自衛隊にそんな力があるとは思っていない。

だけどアメリカに守ってもらうには、自衛隊が海外派兵してくれないとアメリカも日本の企業を守ってくれないということで、「国際貢献」という名の下に自衛隊の海外派兵や日米共同作戦を求めるようになりました。

そこで問題になったのが、憲法が自衛隊の海外派兵や
日米共同軍事行動に対して大きな障害物として
立ちはだかっていることです。

憲法を変えなければ、アメリカが求める「共に血を流す」
という体制はできない、そうすると、自分達をアメリカに
守ってもらえない、という問題に日本の財界も立ち至ったわけです。


★憲法と野党の運動の力が海外派兵を許さなかった

では、なぜ憲法が自衛隊の海外派兵にとっての大きな障害物になったのか?
 もともと憲法9条があると自前の軍隊を持てませんし、自衛権を発動して戦争することもできません。

それで保守勢力は、明文改憲で9条を取っ払うのが一番手っ取り早い、
スッキリした形だということで明文改憲を望んでいました。

しかし60年安保闘争によって明文改憲は挫折させられてしまった。
仕方なく自衛隊を9条の下で維持し、存続しなければいけないという路線に転じざるをえなかったわけです。

それが1960年代以降の、日本の基本的な安保軍事政策になっていくわけです。

そこで、そのまま放っておけば憲法の下で自衛隊はもっと大きくなり、活動の自由を得たと思うのですが、安保闘争に立ち上がった日本国民の運動はそれを許さなかった。

3つの力が立ちはだかりました。

1つは、安保闘争以来活発化した平和運動の力です。

これが、ベトナム侵略戦争に反対し、日本がアメリカの要請にしたがって侵略戦争に加担することに強く反対しました。

2つめは、そうした力を背景に増加した革新政党の国会での追及でした。

国会の中で力を発揮するようになった共産党や結党したての公明党が、社会党と一緒になって、政府が、憲法9条の下で自衛隊を拡充したり、日米共同行動を追求しようという試みに反対の論陣をはり、自衛隊の違憲性を追及したのです。

自衛隊が憲法の下でいかにそれに反する様々な日米共同の演習をしているか、また違憲と問われるような編成や武器を持っているかを国会で追及したのです。


★「自衛のための必要最小限度の実力」に制約

第3の力は、憲法裁判運動です。

当時、自衛隊のミサイル基地建設などに反対して、自衛隊の違憲を争う憲法裁判が起こされました。

ここでも、自衛隊がいかに憲法9条に違反する軍隊であるかが、さまざまな角度から明らかにされました。

そこで政府は、これら運動の声に対して、自衛隊は9条に違反しないと言うために、自衛隊の活動にさまざまな制約を設けざるをえなくなったのです。

政府は、自衛隊が9条の下で合憲だというために、次のような解釈をとったわけです。
「確かに9条は戦争を放棄し、戦力を持たないといっている。

しかし憲法に書いてあろうとなかろうと、国が外敵によって侵略され、国土が蹂躙されることに対しては、実力をもってそれを撃退する権利がある。

それはどこの国でも持っている。それを固有の自衛権という」「しかし実際に侵略された時に相手を撃退するには、それなりの実力がなければ実現できない。

ただし日本は9条で戦力の保持を禁止しているので、それが大きくなって、軍隊として戦力となるようなものは持ってはならない」「けれども、自衛のための必要最小限度の実力は持てる」と。

つまり「自衛のための最小限度の実力は、9条が禁止している戦力ではない」と言ったのです。

そして、自衛隊はこの「自衛のための必要最小限度の実力」だから自衛隊は9条に違反しないとしたのです。


★親分・アメリカの要請:「共に血を流せ」に応えられない

     「自衛隊は海外派兵しない」とする憲法に基づく解釈なら

それに対して、国会での野党や憲法裁判では、実際の自衛隊は最小限度の実力を超えているじゃないかという追及がなされた。

そこで、政府は自衛隊を維持するために、様々な形で自衛隊の諸活動に制約を加えざるを得ませんでした。
その制限のうち最も大きなものの一つが、「自衛隊は海外派兵をしない」というものです。

なぜなら、自衛のための最小限度の実力は、敵に攻撃された、急迫不正の攻撃を受けた時にそれを撃退できるものであり、自ら国益を守るために、攻められてもいないのに他国に進出することは許されないからです。

また、自国が攻められた時には反撃する権利は持っているけれど、自国が攻められてもいないのに、自国と同盟を結んだ国が攻められたということをもって戦争に突入する、武力行使を行う、いわゆる集団的自衛権行使は認められないという制約も言明されました。

さらに、たとえ武力行使をしないで後方支援で輸送や食糧調達だけをやる場合も、すべて9条に違反しないとは言えない。

たとえ武力行使をしなくても戦場で自衛隊が後方支援をすることもあってはならない。
「他国の武力行使と一体となったような活動は一切やってはいけない」という制約も設けられました。

このように、がんじがらめの規制が行われたのです。

これは、憲法9条のもとで、激しい追及を受けた政府が自衛隊を維持するための不可避の手段でした。

こうした、憲法9条とその解釈の体系の下では、アメリカから言われた「共に血を流せ」という要請に応えることはできません。

そこで90年代に入って、改憲の第2の大波、つまり憲法と、憲法に基づく解釈の体系を壊して、自衛隊を海外で米軍と共に血を流せる軍隊にするという課題が浮かび上がったのです。

ですから第2の改憲の大波の焦点は、明らかに9条の改憲だったのです。

―この続きは次回投稿します―

 

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