市会議員レベルで自民党が隠れてしまい、無所属議員がほとんどになったのは、正にバブルとその崩壊の時期と重なっているはず。

日本の戦後システムは、露骨に言えばアメリカによって作られていたといって間違えではない。大土地所有システムが壊され、自作農がほぼ１００％になったのも戦後のGHQの政策によるもの。日本の昭和３０年代から４０年代の高度成長は日本の力と言うよりもアメリカによって成長の機会がもたらされ、日本がそれにうまく応えられたから実現したものだ。その典型がパナソニックであり、ソニーだ。ソ連が存在していて日本が資本主義のショウケースとして機能できたときは日本の政治とアメリカの意向が一致していたので、地方政治家の高報酬も特に問題になることがなかった。

今は、アメリカによる日本の植民地化が露骨に、または、隠されて巧みに進みつつあるので、その先兵になる地方議会議員の報酬は色々な意味で注目されるものになりつつある。その基本的な戦略は、キチンと動かないと報酬を減らすぞというものだ。都議会民主党が新銀行東京の問題を結局追求しきれなかったのは、そういった構造があるからだ。

ただ、問題は、植民地化の結果、日本社会はどんどん疲弊することだ。フィリピンとは社会の構造やアメリカとの関係、歴史が異なるので、フィリピン型の植民地化ではなくて、正に廃墟にされてしまう可能性が高い。アジアからは孤立し、世界７位の規模の実質的な軍隊を持ってはいても米軍にその中核を握られしまっている。

日本は米国債を２００兆円以上持っているはずだ。まずはこの踏み倒しが狙われいる。そして、米国債を中国も持っている。ここが問題だ。多分、日本はアメリカによって中国への贈り物、袖の下的な存在にされていくのではないだろうか？

日本社会に対する工作というか、アメリカによる世界戦略は１０年とか２０年という単位で策定されている様子なので、そのことをキチンと意識して現在の日本の政治状況を理解しないといけない。

１．昭和２０年代から３０年代：米ソ冷戦の黎明期。ある意味、素朴な対立の時期。単に資本主義の豊かさを見せつけようとして、猛烈な労働とそれなりの対価が実現された時期。

２．昭和４０年代から昭和５０年代：米ソ冷戦が最も激しかった時代。石炭から石油へのエネルギー切替が進み、資本主義が最も豊かさを謳歌した時期。

３．昭和６０年代から平成一桁年代：アメリカが意図的にソ連に軍備競争を仕掛け、ゴルバチョフによる共産主義廃止を仕込んだ時期。

４．平成１０年代から２０年代：ソ連崩壊が実現し、日本の国際的な地位低下が決定的になり、日本を切って中国へアメリカが触手を伸ばしている時期。

日本の教育制度や財政の状況、景気の変動などを見れば、正に日本社会はアメリカの意向に従って変化して来たのが分かるはずだ。もちろん、これは、韓国やフィリピンでも同じであり、これらの国々もアメリカの影響を強く受けている。ただ、日本の問題は、昭和の時代の甘い成功体験を今でも引きずっていて、これから起こるだろう社会の劣化や崩壊、富の搾取に対する準備がほとんど進んでいないことだ。それどころか、喜んでアメリカ軍産複合体の手先になり、日本社会の奴隷化に突き進んでいる連中が多い。その結果自分たち自身の将来がどうなるか、多くの人々は全く分かっていない。

フィリピンだって１９４０年代からゴミの山があったわけではない。大昔から農地の５割以上を１０家族程度の人々が所有していたわけではない。アメリカが植民地化のために今のような体制を意図的に作り上げてきたのだ。

日本がこの狭い国土に５０基以上の原発を抱えている意味をよく考えてみるべきだ。