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ギャンブルを試みて成功すれば、彼らは利益を懐に収めて立ち去る。失敗すれば、納税者が負担することになる。スティグリッツ
http://www.asyura2.com/10/senkyo76/msg/1188.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 1 月 05 日 16:24:16: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu207.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ギャンブルを試みて成功すれば、彼らは利益を懐に収めて立ち去る。
失敗すれば、納税者が負担することになる。ジョセフ・E・スティグリッツ

2010年1月5日 火曜日

◆「もう同じ過ちは繰り返すな! 2009年に得た厳しい教訓」 1月5日 ジョセフ・スティグリッツ
http://diamond.jp/series/dol_syndicate/10001/

第一の教訓は、市場は自己修正がきかないということである。

 まったくのところ、適切な規制がなければ市場は暴走してしまいがちなのだ。2009年、われわれは再び、なぜ(アダム・スミスの言う)「見えざる手」が実際に「見えざる」ことが多いのか、その理由を思い知らされた。なぜなら、そんな「手」は存在しないからだ。

 銀行が私利を追求しても(=貪欲)、それは社会の幸福にはつながらない。いや、銀行の株主や社債保有者にさえ幸福をもたらさない。もちろん、家を失いつつある住宅所有者、職を失いつつある労働者、老後の蓄えが消滅してしまった年金生活者についても同様だし、銀行救済のために数千億ドルを払わされる納税者にとっても得るところはない。

 「システム全体が崩壊する」という脅迫を受けて、本来は人生の緊急事態に遭遇した不運な個人を救うためのものであるセーフティネットが、市中銀行に対して、さらには投資銀行、保険会社、自動車会社、さらには自動車ローン会社にまで寛大に差し伸べられた。こんなにも巨額のカネが、これほど多くの人びとから、かくも少数の者の手へと渡った例は過去にない。

銀行救済は盗人に追い銭
 われわれは普通、政府は富裕層から貧困層へと富を移転させるものだと考えている。だがここでは、金持ちにカネを譲り渡しているのは、貧しい人びと・平均的な人びとなのである。ただでさえ重い負担を課せられている納税者は、本来は経済の再生を目指して銀行の貸し出しを支援するために自分たちが払った税金が、巨額のボーナスや配当に化けるのを目にした。配当とは、利益の分け前であるはずだ。しかしこの場合は、単に政府からのプレゼントを分配しているだけなのだ。

 「銀行の救済は、どれほど理不尽であろうと融資の回復につながる」というのが口実だった。しかし、融資の回復など実際には起きなかった。起きたのは、平均的な納税者が、多年にわたり自分たちから(略奪的融資や暴利のクレジットカード金利、不透明な手数料を通じて)カネをだまし取ってきた金融機関に、救済資金を与えたという状況なのだ。

 救済は根深い偽善を白日の下にさらした。貧困層のための小規模な福祉制度に対しては財政の緊縮を説く者が、いまや世界最大規模の「福祉」制度を声高に要求する。自由市場の長所はその「透明性」にあると主張していた者が、結局は、非常に不透明な金融システムをつくり上げ、銀行が自行のバランスシートさえ理解できないようにしてしまう。そして政府も、銀行に与えるプレゼントを隠蔽するために、ますます透明性の低い救済方式に手を染めるよう誘われている。「アカウンタビリティ」だの「責任」だのと論じていた者が、今では金融部門での債務免除を求めている。

 第二の重要な教訓は、なぜ市場は、所期の意図どおりに機能しないことが多いのかを理解する、という点である。

 市場の失敗には多くの理由がある。今回の場合は、「破綻させるには大き過ぎる」金融機関が歪んだ動機を与えられていたことである。ギャンブルを試みて成功すれば、彼らは利益を懐に収めて立ち去る。失敗すれば、納税者が負担することになる。さらに、情報が不完全な場合、市場はうまく機能しないことが多い。

 そして、情報の不完全性は金融の世界にはつきものなのである。外部性は至るところに見られる。ある銀行の破綻によりコストが他の者に転嫁され、金融システムの破綻は世界中の納税者・労働者にそのコストを負担させる。

歪んだイノベーション
 第三の教訓は、ケインズ派の政策は機能するということである。

 オーストラリアなど、大規模で巧みに構想された景気刺激策を早期に実施した諸国は、今回の危機からいち早く回復した。だがそれ以外の国は、今回の混乱の張本人である金融専門家が押し付ける従来の正論に屈してしまった。

 経済が後退期に入ると、必ず財政赤字が発生する。税収が歳出よりも速いペースで減っていくからだ。従来の正論では、増税か歳出削減により赤字を削減しなければならないと説く。「信頼回復」のためである。

しかしこうした政策はほぼ必ずといっていいほど総需要を低下させ、経済をさらに深刻なスランプへと押しやってしまい、さらに信頼を低下させる。最新の例では、1990年代の東アジアにおいて、IMF(国際通貨基金)がこのような政策を主張していた。

 第四の教訓は、金融政策とは単なるインフレ対策だけではないという点である。

 インフレに過大な関心を注ぐあまり、一部の国の中央銀行は、金融市場で起きている状況に無頓着になってしまった。資産バブルが無制約にふくらんでいくのを中央銀行が放置することにより経済が負担するコストに比べれば、緩やかなインフレによるコストなど微々たるものにすぎない。

 第五の教訓は、すべてのイノベーションがより効率的で生産性の高い経済に結び付くわけではない、いわんやよりよい社会にもつながらない、という点である。

 民間のインセンティブは重要であり、それが社会的な利益とうまく整合していない場合には、結果的に、過剰なリスク志向、過度に近視眼的な行動、歪んだイノベーションをもたらしてしまう可能性がある。

 たとえば、近年の金融工学上のイノベーションの多くについては、そのメリットは実証困難であり、もちろん数量化もできない一方で、それらに伴うコストは、経済的にも社会的にも明白かつ巨大である。

 事実、金融工学は、普通の市民が家を保有することに伴う単純なリスクを管理するうえで役に立つ商品を生み出しはしなかった。こうして、数百万もの人びとが家を失い、さらに数百万の人びとがその可能性にさらされる結果となったのである。むしろイノベーションは、低学歴の人びとに対する搾取を完璧なものにし、市場をより効率的で安定したものにすることを意図した規制や会計基準を逃れることを志向していたのである。その結果、本来はリスクを管理し資本を効率的に配分するはずだった金融市場は、リスクを生み出し、でたらめに配分してしまったのである。

 われわれは過去の危機からも同じ教訓を学んだはずだが、さて、今回の危機ではこれらの教訓を以前よりもしっかりと学んだのだろうか──その答えは近いうちに出るだろう。

 2010年、米国をはじめとする先進工業諸国において金融部門の改革が大幅に進展しない限り、残念ながらわれわれはまた同じ教訓を学ぶ機会に直面することになるかもしれない。

財務省税収内訳グラフ 消費税が増えれば所得法人税が減るだけ


(私のコメント)
経済学はノーベル賞級の頭脳の持ち主でないと理解できないものである。日本でも財政再建と称してサラリーマンの恒久減税が廃止されて増税して、福祉予算や公共事業が毎年削減されていった。このような政策を打ち出したのは東大を優秀な成績で出た財務官僚たちだ。そんな事をするから国民はあきれ果てて政権交代が起きた。

90年代から景気が回復しかけては増税して景気回復を潰してきた。一番典型的なのは橋本内閣の時に消費税を3%から5%に引き上げた時であり、全体で6兆円の増収を見込んでいたのに逆に所得税や法人税が9兆円も落ち込んで全体の税収は落ち込んでしまった。つまり消費税を増やしてもそれだけ所得税や法人税が落ち込んでしまう。

つまり消費税を上げればそれだけ個人や法人の利益が減って所得税や法人税が減るのだ。景気がいい頃なら消費税を上げても販売価格に上乗せができるが、現状では上乗せができずに増税分だけ値下げして販売価格は変えないようにしなければ売れなくなる。ビル賃貸料でも10%に消費税を上げたら100万円から110万円になってテナントはより安い所に引っ越してしまうだろう。

バブルの頃は60兆円も税収があったのに今では40兆円を割っている。消費税が上がった結果、個人消費が減り企業利益も減って全体の税収は伸びない。名目のGDPが伸びなければ結果的にそうなる。つまり財政再建のため全体の税収が伸びるには名目GDPが増えなければならない。このような関連が財務官僚たちには理解できないのだろう。

所得税や法人税が減ると言う事は、高額所得者や法人の税金が減って、一般庶民の納税負担が増える事だ。所得が増えないのに消費税を上げればそれだけ消費が減るのは財務省の役人でなくとも分かる理屈だ。利益がほとんど無い物を売っても消費税が上がれば売るに売れなくなり廃業に追い込まれる店が増える。

中小企業が経営破綻すれば倒産しますが、銀行や日本航空が経営破綻しても税金で公的資金が投入されて救済される。セーフティーネットは本来は個人に対する救済手段ですが、銀行や日本航空などにセーフティネットが使われている。倒産させるとシステム破綻が起きるということで税金が使われて、中小企業の倒産には市場原理主義が適用される。

銀行は不動産投機や株式投機などで利益を増大させてきた。日本航空も世界各地にホテルを建設して高額な給料を社員に支払ってきた。投機で儲かっている時は高額な給料を手にして、経営が破綻すれば公的資金で救済される。これほど美味い商売はないだろう。

ジョセフ・E・スティグリッツ教授は「政府は富裕層から貧困層へと富を移転させるものだと考えている。だがここでは、金持ちにカネを譲り渡しているのは、貧しい人びと・平均的な人びとなのである」と指摘しているが、消費税で一般庶民から吸い上げた税金を大企業救済に使っている。福祉予算カットや大企業への減税には積極的でも中小企業や個人には政府は冷たい。

ウォール街は様々な金融商品を売り出したが、単純なリスクを管理するうえで役に立つ商品を生み出しはしなかった。市場原理主義で市場に任せれば、資本を効率的に配分するはずだった金融市場は、リスクを生み出し、でたらめに配分してしまったのである。昔は累進課税で高額所得者や大企業が税金を納めて貧乏人の税金は消費税も無くて少なくて済んだ。今ではそれが逆になっている。

景気が低迷している時に増税や歳出の削減をすれば総需要を低下させて経済をさらに深刻なものにしてしまう。政府はこのような事を何度も繰り返して失敗している。市場はますます縮小してきていますが、日銀はデフレとは認定していない。吸い上げられた税金はいったいどこに消えてしまっているのだろう。多くが国家公務員や地方公務員の給料に消えてしまっているのだ。

銀行や日本航空の給料も高かったが、公務員の給料も高い。財政が破綻状態でも職員の給料が引き下げられる事はない。財務省の役人も日銀の職員も日本国株式会社の収入が減っても給与がカットされる事はない。財政赤字は増税や歳出削減よりも公務員給与カットで対処すべきであり、税収が60兆円から40兆円にまで下がったら給与も30%下げて財政を立て直すべきなのだ。


◆橋下知事、政府概算要求を批判「赤字国債ダメ、国家公務員の給与カットを」 2009年10月16日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/091016/lcl0910161200001-n1.htm

鳩山内閣の平成22年度予算の概算要求について、大阪府の橋下徹知事は16日、「国家公務員の給与をカットせずに(民主党が)公約を断念すれば、大ウソつきになる」と述べた。

 橋下知事は「国民は赤字国債の増発は望んでいない。 公約実現のために国家公務員の人件費に踏み込めるかどうか国民は見ている」と強調。

 さらに、「徹底的な行革をしていないのに、赤字国債は認めてはいけない。断固反対」としたうえで、「政権の向かうところが見えなくなってきている。自公政権の末期のようだ」と批判した。

 また、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた公立高校授業料の実質無償化について、「大阪府だけがぽつんと有償ということは認められない」と述べた


(私のコメント)
民主党は事業仕分けなどで歳出を減らそうとしたが無理だったようだ。歳出内容でチェックしても切れないように役人たちは仕事をしている。問題は仕事の内容よりも人件費の問題なのだ。40兆円の二割カットで8兆円の財源ができますが財務省の役人は気が付かないようだ。公務員は固い人が多いから給与を貰ってもみんな貯蓄してしまう。つまり公務員は巨大な銀行や日本航空のようなものだ。


◆公務員人件費に掛かる比較データ 2006年7月10日 ふくおかの自治
http://jichiken.way-nifty.com/fukuoka/2006/07/post_9cb7.html

【国家公務員:種別】 ――人員――  ――経費―(単純平均)―
 @行政機関       33.2万人   3.3兆円(@993万円)           
 A自衛官         25.2万人   1.8兆円(@714万円)
 B国会・裁判所      3.1万人   0.3兆円(@967万円)
 C特定独立行政法人   6.9万人   0.7兆円(@1,014万円)
 D日本郵政公社     26.2万人   2.4兆円(@916万円)
       
   計           94.6万人   8.6兆円(@909万円)  

【地方公務員:種別】 ――人員――  ――経費―(単純平均)―
 @一般行政       66.5万人    5.9兆円(@887万円)
 A公営企業       38.6万人    3.5兆円(@906万円)
 B教育         114.0万人   11.3兆円(@991万円)
 C警察          27.4万人    2.7兆円(@985万円)
 D消防          15.6万人    1.5兆円(@961万円)
 E福祉関係       42.1万人    3.6兆円(@855万円)

   計          304.2万人   28.5兆円(@936万円) 


 

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コメント
 
01. 2010年1月05日 17:16:29
TORAは、これだけ分析できるのに、どうして穴にはまるのだろう。理解に苦しむ。
全国紙を根拠に、論を展開しているのだろうか。是非、根源が戦後占領支配史にあることに、着目して欲しい。日本は、まだ、独立国でないのだが。サンフランシスコ平和条約原文参照。爺さん

02. 2010年1月05日 17:25:31
公務員はまともに働いていない。
しかし、必ずしも怠けていることを意味しないし、本人達にはその自覚は無い。
公務員が無駄に給料とっている原因は、意思決定すべき立場にある者が意思決定できない仕組みになっていることである。
一生懸命に働いているように見える公務員のほんとの仕事は意思決定することであるが、上司の決済を貰わなくては決められない。その上司はもっと上の偉い人の了解を必要とし、更に政治家への根回しが必要となる。
だからと言って公正な意思決定が行われるとは限らない。
生活保護も、政治勢力がバックについている人は簡単に支給され、そうでなければおにぎりが食べたいと日記に書いて餓死しなければならない。
公務員を削減するには公務員を“意思決定”から解放することである。
そのためには意思決定は選挙で選ばれた政治が行うようにすればよい。
もっと小さなことは自動的に行うようにすれば良い。
例えばミニマムインカム制度にして、国民に等しく最低限度生活できる資金を支給し、収入に応じて税金を課すようにすると、生活保護の審査など不要になり行政コストは大幅に減らせるだろう。
子供手当てから進めて、ミニマムインカムを保証することで行政コストは大幅に減らせるでしょう。

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