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小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐる事件は、２０１０年度予算案の早期成立を図り夏の参院選に弾みを付けたい鳩山由紀夫首相にとって、頭の痛い問題だ。参院選を勝ち抜くには、小沢氏の「力」に頼らざるを得ないが、世論は幹事長続投に批判的で、野党側は徹底追及の構え。検察批判と受け取られた自らの「闘って」発言をめぐり後始末にも追われ、厳しい政権運営を迫られそうだ。
「極めて厳しい国会になろうかと思う。鳩山自身にも大きな試練が与えられると思う」。首相は１８日の民主党代議士会でこうあいさつ。野党側の厳しい追及にさらされることを覚悟するかのように表情を引き締めた。
実際、事件は早くも国会運営に影を落とし始めた。政府・与党は０９年度第２次補正予算案の２９日成立を目指しているが、野党側は政治とカネの問題で集中審議を要求。国会は冒頭から与野党対決の様相で、捜査の進展によっては今後、大荒れとなることもあり得る。
また、検察批判を展開し幹事長続投の意思を示した小沢氏に「闘ってください」と伝えた首相の発言が、事態を一段と悪化させた。首相は１８日、「（捜査に）介入するつもりは一切ない」と改めて釈明した。野党側の「首相の立場から逸脱している」（谷垣禎一自民党総裁）との批判を受け、火消しに追われているのが実態だ。
党幹事長当時、西松建設をめぐる事件で検察を「国策捜査」と断じ、その後撤回した首相。今回の発言は、首相の検察観が基本的に変わっていないことを想起させたといえ、民主党内からも首相の発言の「軽さ」を懸念する声が上がっている。
ある中堅は「首相は立場をわきまえない発言で自らの首を絞めた。答弁機会の多い通常国会は相当危ない」と危機感を示した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010011800887
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