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東京地検特捜部の判断は常に正しい、のか(江川昭子ジャーナル)
http://www.asyura2.com/10/senkyo78/msg/125.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2010 年 1 月 19 日 21:12:52: twUjz/PjYItws
 

http://www.egawashoko.com/c006/000315.html

東京地検特捜部の判断は常に正しい、のか
2010年01月19日

 民主党幹事長の現・元秘書3人を逮捕し、それに対して小沢氏は断固戦う旨を宣言した。事態は、検察と小沢氏の面子をかけた戦い、戦力を奪い合う闘争といった様相を呈している。
 このままでは、自民党に愛想をつかした国民の民主党への期待がしぼむだけでなく、結局どこも一緒じゃないかという政治不信に陥りかねない。国会も、景気対策を含めて、国民の生活や国の経済に関わる論議はそっちのけになりそう。「政治と金」の問題での疑惑を積み残し、政治資金団体をそのまま受け継ぎ親の遺産をごっそり無税で相続する、という裏技で”節税”してきた世襲議員をたくさん抱え、そのうえ情報の公開には消極的だった自民党が倫理や透明性を訴えても、「あなたが言う?」となんだか空しく響く。
 そのような事態は、国民の利益を大きく損なう。そのことを考えれば、小沢氏は早くに事情聴取に応じてもらいたかったし、捜査中の事件とはいえ、与党幹事長という公の立場であることを考えて、できる限り国民の疑問にも答え、早期に事態を収束する努力を見せて欲しかった。
 刑事事件の捜査の渦中に置かれている時に、洗いざらい何でもかんでも明らかにするわけにはいかない、という事情も分からないではないが、たとえば金融機関に関する情報を小沢氏サイドから検察側に提供したことなどは、民主党の党大会で明らかにするくらいなら、その前に行った記者会見で述べてもよさそうなものなのに…と思う。

 しかし、それにしても今回の東京地検特捜部の”やる気”は、尋常ではない。ターゲットを定めたら、徹底的にあらを探し、強制捜査の権限を存分に行使し、メディアを抱き込む世論捜査を行う…。その異様なまでの執念には、恐ろしささえ感じる。
 検察当局は、小沢一郎を権力から排除することが正義と信じてやまないようだ。その検察からすれば、昨今の小沢氏の言動は、憤慨に堪えなかっただろう。
 昨年5月、このまま民主党が選挙に勝てば、代表だった小沢氏が首相になる、という時に、大久保秘書が起訴された事件の責任をとって、彼は代表の座から降りた。ところが、この事件が思いの外発展しなかったうえ、総選挙に大勝したことで小沢氏は政権に多大な影響を与える実力者となり、実質的には民主党政権の最大権力者となった。しかも、その民主党政権は、検察など官僚の権限を押さえ込み、捜査過程の全面可視化も行うと公言している。小沢氏が検察の出頭要請を無視し、囲碁なんぞに興じている姿も、検察としては大いにプライドを刺激されただろう。今度こそ、小沢氏を権力の座から放逐してやるという検察当局の意気込みが、メディアを通じて伝わってくる。

 だが、「検察の正義」が常に「社会の正義」とは限らず、検察の判断が常に正しいとも限らない。
 私たちはこのところ、いくつもの冤罪事件を通して、検察の判断の誤りを見て来た。かつては冤罪と言えば、警察の無理な取り調べが最大の原因とされてきたし、最近明らかになた冤罪の数々でも、警察の捜査の問題は大きい。だからこそ、取り調べ課程の全面可視化の必要性が叫ばれているのだが、問題なのは警察ばかりではない。
 たとえば、昨年12月に最高裁で再審開始決定が確定した布川事件では、別件逮捕された2人が警察の強引な取り調べでやむなく「自白」したが、拘置所に移送された後、検察官に対して否認した。すると、なんと検察は2人を警察の留置場に送り返し、再び「自白」に追い込んだのだ。そのうえ、裁判や再審請求の課程でも、検察側は2人に有利な証拠を隠し、真実の発見を遅らせた。

 とはいえ、こんな声もあるだろう。「今回の小沢氏を巡る事件を捜査しているのは、東京地検特捜部だ。東京地検特捜部といえば、エリート検事の集団。ロッキード事件を初めとする数々の難事件を解決してきた東京地検特捜部が自信を持って捜査を行っているのだから、まず間違いはない」
 果たしてそうか。
 もしかして、それは”東京地検特捜部幻想”なのかもしれない。

 経営破綻した旧・日本長期信用銀行の旧経営陣3人が、証券取引法違反と商法違反の罪に問われていた事件で、最高裁は1、2審の有罪判決を覆し、無罪判決を言い渡した。(当然のことながら)その無罪判決はそのまま確定した。3人は、東京地検特捜部の捜査によって粉飾決算を行なっていたと判断され、起訴されていた。
 この判決について、「刑事も民事も経営者が責任を問われなかったのは、ツケを負担した国民としてなんとも釈然としない」(08年7月19日付朝日新聞社説)という不満がある一方で、経済アナリストの森永卓郎氏は、「見識のある素晴らしい判決であり、最高裁が正義を貫いた結果」と絶賛し、次のように書いている。 
<長銀のやったことは、大部分の大手銀行がやったことと同じだったのだ。だが、大手銀行にはおとがめがなかった。これは明らかに法の下の平等に反するのではないか。
 では、なぜ長銀の旧経営陣だけが罪を問われたのか。そこには、世間に対するアピールがあったのだ。なにしろ、長銀には累計で約8兆円の公的資金が注入され、そのうち4兆8000億円がいまだに戻ってきていない。国民一人当たり約4万円、一つの銀行の破たん処理としては空前絶後の税金がドブに捨てられたのだ。だから、どうしても誰かに責任を負わせなければならない空気になっていたのである> 
 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/144/index.html

 読売新聞も社説の中で、こう指摘している。
<東京地検特捜部が摘発した大型経済事件での無罪確定は、過去にほとんど例がない。
 不良債権処理に公的資金が投入された旧住宅金融専門会社(住専)の事件以降、住専の母体だった銀行への批判が強まり、「国策捜査」と言われる摘発が続いた。
 銀行批判という時代の“空気”に流された面はなかったか。検証が必要だろう>(08年7月19日>
 ”空気”に流された検察も検証が必要だが、その”空気”を作ったのは、読売新聞を含めたメディアではなかったか、という観点での「検証」も、必要だったのではないか。
 ちなみに、やはり東京地検特捜部が捜査を行った旧日本債券信用銀行の経営陣が粉飾決算を行ったとして旧証券取引法違反に問われた事件も、最高裁が1、2審の有罪判決を破棄し、高裁に差し戻した。
 それ以外にも、最近の事例では、東京地検特捜部が捜査・起訴したコンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)の元社長が、昨年10月に東京地裁で無罪判決を受けている。

 では、政治家を巡る事件はどうか。
 ダム建設を巡る談合を背景にした汚職事件で知事が賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部が元福島県知事・佐藤栄佐久氏を逮捕したのは2006年10月。ダム工事を準大手ゼネコンに受注させた見返りに、弟が経営し、佐藤氏も役員に名前を連ねていた会社の土地を、下請けの建設会社に実勢価格を上回る高額で買わせとされ、その差額が賄賂と判断された。
 クリーンさを強調してきた県知事が汚職に手を染めていたということで、メディアはこぞって大々的に報道。弟を隠れ蓑に、清廉の仮面をかぶってきたと、佐藤氏の人格も含めて激しく非難した。
 ところが、1審、2審と判決を受けるたびに事件は小さくなっていった。
 検察側は、土地の売却代金約8億7000万円とその後に追加で1億円、計9億7000万円が佐藤氏の弟に支払われたとし、土地の実勢価格は約8億円と判断。その差額1億7372万円を兄弟が共謀して賄賂として受け取った、として佐藤氏を起訴した。
 1審判決では、追加で支払われた1億円に関しては佐藤氏の関与を否定。賄賂性なしとした。そして、残り7372万円について賄賂と認め、有罪とした。
 ところが2審は、土地の売却代金と時価に差があるという検察側の主張を退けた。となると差額の利益はなく、佐藤氏側が受けたのは「換金の利益にとどまる」とした。しかも、土地を金に換えた主たる動機は、弟が経営難に陥っていた会社の再建資金調達とされた。そうなると、何がいったい賄賂なのか分からなくなってくる。限りなく無罪判決に近く、弁護人の宗像紀夫弁護士(元東京地検特捜部長)は有罪判決に不満を示しながらも、「検察側の主張の中核が飛び、中身のない収賄事件ということが示された」と語った。
 この事件は現在、最高裁で審理が行われている。
 佐藤氏が有罪とされたのは、本人などの自白調書があることが、裁判所に大きな影響を与えていると思われる。部下が検察の厳しい取り調べを受ける中で自殺を図ったまま意識を回復せず、逮捕後の取り調べで自身の言い分は聞き入れてもらえず、やはり逮捕された弟が精神的に不安定になっていると知らされ、次第に精神的に追い込まれた末に、不本意な「自白」に追い込まれていく経緯については、佐藤氏自身が著書『知事抹殺』(平凡社)の中で生々しく書いている。
 この事件でも、佐藤氏が「天の声」を発したと強調され、弟の会社の土地を買い取った(つまり賄賂を提供したとされる)のが水谷建設であり、小沢氏を巡る事件でも頻繁に見聞きする用語や固有名詞が出てくる。それだけではなく、佐藤氏の事件の捜査を東京地検特捜部副部長として指揮した佐久間達哉氏は、現在、小沢氏を巡る事件の捜査を行っている特捜部長だ。
 ちなみに、被告人全員が無罪となった長銀事件も、佐久間氏が担当していた。
 こうした大きな事件は1人の判断だけで動くものではないし、佐久間氏の能力にケチをつけるつもりはサラサラないが、このように東京地検特捜部が鳴り物入りで捜査を行い、それをメディアが大々的に報じたからといって、その時点での検察の判断が正しいとは限らないのだ。

 日本歯科医師連盟が自民党の橋本派にヤミ献金を行っていた問題も、東京地検特捜部が捜査を行った。ところが、1億円の小切手を受け取った者橋本龍太郎、野中広務元自民党幹事長、青木幹雄自民党参院幹事長の3人はいずれもおとがめなしで、その場にいなかった、村岡兼造橋本派会長代理が起訴された。収支報告書に記載しないことを決めたとされる派閥の幹部会には、村岡氏の他に、野中氏や青木氏も出席していたのだが…。
 政治的判断が働いて核心に踏み込むことはせず、かといって、大々的に報じられ国民の関心も高いこの事件を立件しないわけにもいかず、村岡氏一人をいわば人身御供にする形になったのではないか、という疑念はぬぐいきれない。なお、青木氏はその後も参院の「ドン」として権勢をふるい、次の参院選挙にも出馬するとのことだ。青木氏は、十分に「説明責任」を果たされたのだろうか……

 このように、東京地検特捜部といえども、その判断に疑問を抱かざるをえない事例はいくつもある。なのに、今回もマスコミ、とりわけ新聞などの活字メディアでは、「東京地検は正しい」という前提の報道ばかりがセンセーショナルに行われている。マスコミの中でも、まだテレビは検察側の主張を鵜呑みにすることには慎重なコメンテーターが出る番組もあるし、多様な見方を伝えたいと考えているプロデュサーもいる。ところが、新聞は朝日、毎日から読売、産経に至るまで、まるで検察の広報紙になったような記事ばかり。逮捕した石川議員の供述の一部が、小出しにされて報じられている。各紙とも小沢氏の幹事長辞職を求め、説明責任を果たしていないと糾弾。小沢氏があたかも暴君であるような人格批判やら、事実上の収賄に関与しているかのような報道まである。
 私は、小沢氏の人となりを直接知らないし、格別支持・支援する立場でもないので、彼を擁護したいとは思わない。彼の権限のふるい方にも、違和感を感じてきた。彼に、単に形式的なミスではすまされない問題があるならば、彼の権限の大きさからして、厳しく処断されて当然だと思う。しかし、刑事責任を問う一連の報道の仕方には、「メディアの過去の教訓や反省はどこにいったのだろうか」と嘆かわしく思わざるをえない。
 報道機関の役割の一つは権力を監視することなので、政権与党の最大実力者の小沢氏の言動を厳しくチェックすることは当然といえる。だが、検察も権力機関だ。なのにその検察のやることについては無批判に受け入れるだけでいいのだろうか。
 私も、小沢氏は国民に対してできるだけ詳細な説明をした方がいいと思う。しかし、捜査の対象となっている小沢氏にだけ「説明責任」を求める、というのは、フェアではない。一方の東京地検特捜部は、顔と名前を伏せて、自分たちに都合のいい情報ばかりをメディア(とりわけ新聞)に流している。しかも、こうした情報が間違っていても、これでは誰も責任をとることはない。
 流していい情報ならば、発言者が隠れていないで、佐久間部長自らが堂々と顔と名前を出して国民に「説明責任」を果たしてもらいたい。一連の捜査にかかっている経費も、国民の税金からまかなわれているのだ。万が一、流してはいけない捜査情報を、検察庁の誰かが流しているのであれば、そういう輩は特定し、守秘義務違反できっちり処分するべきだろう。 その辺のもしっかり説明してもらいたい。
 捜査対象となっている小沢氏の「説明責任」を求めるなら、捜査中にも関わらず情報をリークして世論操作を行っている検察当局の「説明責任」も追求していかなければならない。小沢氏の記者会見はフリーランスのジャーナリストにも開かれているのに対し、検察の記者会見がフリーランスの記者にもオープンになったとは聞かない。なので、検察の「説明責任」を追求していくのは、もっぱら新聞社を初めとする記者クラブの役割のはずだ。その役割を、新聞社はきちんと果たしているだろうか。

 マスコミが検察の監視役ではなく、露払いや煽り役を果たしてしまった前例は少なくない。先に挙げた長銀事件もそうだろう。多額の税金を投入しなければならなくなった責任を誰もとらないというのは釈然としないという国民感情を背景に、誰かを「犯人」にしなければ気が済まない雰囲気が醸成された。それにメディアは大きな役割を果たしている。
 リクルート事件にも、そういう面があった、と思う。未公開株の政治家への譲渡が明らかになった1988〜9年のメディアの報道は、競って”新事実”を報じ合い、世論を巻き込んで検察を煽るような熱気を帯びていた。そうした時代の雰囲気は、今になって思えば、異様ですらあった。与野党問わず汚れきった政界の浄化を検察に託そうという世論の風潮に押されるように、東京地検特捜部が捜査を進め、江副浩正・リクルート会長や藤波孝生元官房長官らを逮捕、起訴した。
 その当事者である江副氏が、昨年になって著書『リクルート事件・江副浩正の真実』(中央公論新社)を出版。自分の意図や記憶とまったく異なる報道が嵐のように激しく飛び交い、逮捕後は何を言っても検察側には受け入れられない無力感、リクルート社の今後を託した後任者まで逮捕されるのではないかという不安に加え、硬軟交えた取り調べに心を揺さぶられ、不本意な自白調書が作られていく課程が、詳しく書かれている。保釈後も孤独感にさいなまれ、精神状態が不安定な状態が続いた、という。この本を読むと、私たちがそれまで「真実」だと思っていたのは、「検察の真実」にすぎなかったのではないか、と考えさせられる。

 国の最高権力者であっても、罪を犯しているのであれば、捜査機関は粛々と捜査を進めてもらいたい。小沢氏だけが、除外されるべきとは思わないし、それどころか、権力を持つ者は、それ以外の人たち以上に、厳しい監視の目にさらされると覚悟しておくべきだろう。検察側の狙い通り、小沢氏に問題があると分かれば、当然責任を取るべきだ。その時に「なんで僕ばっかり」とグチられても、同情はされないだろう。
 しかし、捜査機関の判断は必ずしも「常に正しい」とは限らないことは、報道機関はもちろん、その報道に接する一人ひとりが忘れてはなるまい。だから、なるべく冷静に、極力慎重に、そして複眼的に捜査の進展を見守りたい。
 ……そういうことを述べると、「小沢を擁護するのか」「検察批判をするな」と頭に血が上って、じっとしていられなくなる方々がいる。私もそうした方々からのメールを受け取ったし、中には意見というより、罵詈雑言と呼びたくなるものもあった。そうした”東京地検特捜部幻想”にとらわれている方々には、佐藤栄佐久氏と江副浩正氏の前掲書、それに元検事で名城大学教授の郷原信郎氏の『検察の正義』(ちくま新書)をお読みになるよう、お勧めしたい。


 過去の事例から学べば、取り調べの課程をすべて可視化する必要があるのは、警察に限らない。今回の事件も、石川議員らの捜査段階での「自白」が裁判になってから問題になってくることもありうる。供述の任意性や信用性が問題になれば、裁判に長い時間を要することになり、真相の解明にも悪影響を及ぼすことを考えれば、これを機に、検察の捜査も含め、任意段階からの全面可視化を急いでもらいたい。


 

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コメント
 
01. 2010年1月19日 21:19:13
そんなこと書いたら江川さんもタイホされますよ

02. 2010年1月19日 21:33:38
テレビ番組出演の際に、上記のような論旨の一部でもいいから述べてくださいよ、、、と言いたいところだが、現実には難しいか

03. 2010年1月19日 21:36:51
<愚民党さんの大久保秘書、水谷建設元役員からの接待認める【朝日新聞】>
に投稿しましたが、こちらの方が内容的に適切ですので、一部改変してレスします。

江川さんの疑問に、最近の特捜部に元特捜の副部長も疑問を持っていました。

今日の朝日新聞、朝刊の15面、「私の視点」の元東京地検特捜部副部長・永野義一弁護士の「誰もが納得できる捜査こそ」はいい記事だった。

<以下要約・引用>
 東京地検特捜部が、石川知裕議員を政治資金規正法違反容疑で逮挿した、というニ−スを見て、私は「特捜部も変わったなあ」と思った。

 1970年代から90年代にかけて通算8年特捜部に在籍した。当時の特捜部では、「国会議員を逮捕するなら贈収賄で」と言うのが当然と見られていた。

 与党の有力政治家を巡る捜査に関して、上司に「数百万円の収賄で逮捕したい」と相談したら、「仮にも国民から選ばれた人間を刑事罰に問う以上誰が見ても『それなら止む終えない』と納得する罪状でなければダメだ。数千万円のわいろがなければ無理だ」と一蹴され立件を断念した。

 世論の評価が分かれる罪で国会議員を逮捕すれば、政界から「検察ファッショ」という批判が集中することは火を見るより明らかで、そうした事態は避けなければならなかったのだ。

 それに比して、今回の事件はどうか。何を最終目的に捜査しているのだろうか。
 ゼネコンからの裏資金の情報が一部で報道されてはいるものの、小沢一郎氏の当時の立場から考えて職務権限がないので、収賄には問えない。

 もし、金丸信自民党元副総裁のように脱税などで立件できず、政治資金規正法違反の共犯程度で終わったとしたら、検察は大きなダメージを受けることになるだろう。

 もう一つ、今回の逮捕劇で違和感を感じたのは、テレビのニュースで「石川議員に出頭要請」「石川議員出頭」「逮捕状請求」といった途中経過が逐一速報されたことだ。かつては、社会的立場のある人を聴取したり、出頭要請をしたりするときは、その人の名著に配慮して、秘匿を心がけたものだ。速報どころか、出頭や聴取そのものが報道されないよう注意した。そのあたりの情報管理はどうなっているのだろうか。

<以上要約・引用終わり>

要約です。全文ではありません。正確には、紙媒体で読んで下さい。


04. 2010年1月19日 21:42:42
事実をわかりやすく整理し、積み上げておられ、とても説得力があります。
正義イメージが強いジャーナリストで、
冷静な語り口調のの江川さんがTVで視聴者に話せば、
マスメディア報道を鵜呑みにしている人も耳を傾けるかも。

05. 2010年1月19日 21:44:37
今や良識ある国民の多くは検察や地検が公正で正義だなんて誰も思ってはいません。むしろ意にそわぬ政治家や政権を難癖付けてつぶそうとするヤクザやテロリストと変わらないとすら感じています。ただ、政治に関心のない人々は未だにお上意識からマスコミも正しいことだけを報道していると思ってるかもしれない。
啓蒙には時間がかかりそう。

06. 2010年1月19日 21:46:01
全くそのとおり。江川さんのようなジャーナリストが一斉蜂起する事を望む。

07. 2010年1月19日 21:46:15
特捜検事「長いこと聴取したけど何も無かったわ、帰してあげるわ」
庶民A 「だから、何も悪いことしてないって最初から言ってる
     でしょ。逮捕されて2週間の間に、母はショック受けて
     亡くなったんですよ。それに、私の逮捕っていうことで
     注文のキャンセル多発で、私の会社は倒産の危機で、」
特捜検事「うるさい。ガタガタゆうと、再捜査するぞ、いいのか?」
庶民A 「・・・」
特捜検事「だったら、とっとと帰れ」

長々すみません。いいたかったことは、検察側は何の苦痛もなく
無実で逮捕された者は致命的打撃を受ける。これでいいのでしょうか。


08. 2010年1月19日 21:54:47
あほか、村木のオバサン筆頭に女が真実を追究し、権力が立ちはだかると俄然強くなるのをご存じない御仁がいらっしゃるようだ。01山河その典型。70年安保の時に大量の逮捕者がでたが、女性の完全黙秘率が高かった。
パクルぞ、ぐらいじゃ駄目なんだね。
この人は小沢の胡散臭さより、地検特捜部の胡散臭さのほうが気に食わないのだ。
「検察ー権力」の筋書きが全て正しいとするのが「地検特捜部の幻想」だ。
しかし、それが裁判によって崩されているということ、此処が問題なのだ。誰かを犯人に仕立て上げなければ、政権が揺さぶられる、というこの一点に地検特捜部の存在価値があったが、政権交代によって、権力の交代によって、失政-腐敗を重ねてきた自民党を擁護するために、否、自分の存在−存立基盤の防衛の為に「とにかく、なんでもよかった」の細川政権つぶしの二番煎じをやらかして足掻きまわっている醜悪さに異義を唱えているのだ。
アレだけ、権力に泳がされ続けたオーム真理教に対する激烈な批判をみよ。
供述と証する、いわゆる「自白」としょうするものがいかに権力によって筋書きを作られたものであるかは、菅谷さん事件の事例を待つまでもない。
検察はあせっている、胆沢ダム関連と称して中小ゼネコン二社のガサいれにはいった。要するに、世田谷の土地問題はデッドロックに陥っていることを示したのだ。だから、目先を変えて、今度は胆沢ダムだ。鹿島あたりの談合当事者の「供述にもとずく」というヤツだろう。東北地区の鹿島の談合とりしきり人の「供述」で一番ビクビクしているのは、自民党-大島理森だろうが。またもや、それには触れずか。
とにかく、自民党時代の政権維持機関−地検特捜部をぶち壊さなければ「世の中よくならない」のだ。

09. 2010年1月19日 22:07:50
江川昭子も甘いよな。

日本はすでに内戦に突入しているんだよ。覚悟がなければ生存できないのだよ。

幕末期の混乱と内戦を日本は反復しているのだよ。


10. 2010年1月19日 22:33:25
ジャーナリズム業界で生きる人としては,ここらへんがぎりぎり言える限界かな。

でも,この程度でも言わないよりよほどまし。
ネットなどに縁のない人でも,江川さんが言えば,少しはおかしいと思ってくれるだろう。


11. 2010年1月19日 23:14:51
素晴らしい!!

TVに出ているコメンテーターはカスばかりと思っていたが...

とにかく俺は今日飲むぞ!!


12. 2010年1月19日 23:42:00
検察が図に乗った要因は、オウム真理教事件の時に微罪でパクられた信者を見て見ぬ振りをしてしまったことにある。
我々一人一人にもこの責任はあるが、関係者であり、発言の場があったのにもかかわらず警鐘を鳴らさなかった江川昭子が今更どの口で言う。

13. 2010年1月20日 00:36:23
 江川さんなら、違った目線で、書いて欲しいですね。
 例えば、強制捜査にあたり、なぜ、場所が特定できるアングルでTVカメラが待ちかまえて、大久保さんの自宅や実家を映すのか、また、昨年3月の西松事件では、事情聴取、即、逮捕したが、先日の第2回公判では、検察の容疑は否定されていますよ。安易に、前原のように「事情聴取」に応じて欲しいなどと言って欲しくありません。事情聴取とは名ばかりで、実態は、「取調べ」であり、5年以上の前のことを聞かれて、他の逮捕された3人と全く整合が取れて、回答できますか。全ての資料は押収されているのですよ。現実に、3人は、話が合わないとして、逮捕されているのですよ。当然、応ずる場合は、可視化などの条件を出して、限定的にしなければ、相手の思う壺になります。また、容疑内容がはっきりしていないことも極めて問題です。不記載ですか、虚偽記載ですか、過少申告ですか、裏金献金ですか。
 本件は、明らかに政治的にダメージを与えようとしていることは、明々白々です。
 また、蛇足ですが、ロッキード事件は、解決しておりません。係争中の案件で、上告中に、田中元総理が亡くなったのです。今現在、あの容疑は、怪しいという話もあり、情報公開が進めば、判明すると思う。

14. 2010年1月20日 00:58:02
何かオカシイですね。
 検察は日本で最大の権力者に見えます(総理大臣など、子供みたいに見えます)。政治家でも、法律に少しでも抵触すれば、関係者は徹底的に捜索され、出頭を求められます。
 殆どの国民は少しは法律違反をしていると思います。どの国民を、どの程度の違反で、取り調べるかは、国民は判りません。検事の一存だと思います。
 国民は検事を選べません。政治家なら選べます。本当は国民に選ばれた政治家が、日本の最高権力者の検事を選任できたら良いと思います。悩みます。

15. 2010年1月20日 01:50:31
>14
頭の良い優秀で真面目で性格がいい人が、自然と気遣いが出ちゃいながら、言うべきことを言ったという感じで、全く!仰る通りです。

16. 2010年1月20日 02:45:06
こんな国になってしまった日本…

http://www.youtube.com/user/todajimusho


17. 2010年1月20日 03:09:15
いい視点で貫かれています。よく書いてくださいました。

18. 2010年1月20日 03:28:19
まあ、普通のジャーナリストが書けるぎりぎりの線ってところかな。
これ以上は、立場を鮮明にする必要に迫られる。

どの道、今となっては国会が始まる前に小沢を逮捕できなかった検察の負けだろうな。いくら世論調査(世論操作)で支持率を下げようと、選挙になれば民主党が勝つ。
何だかんだ言って、郡部・農村部の支持は自民から完全に離れた。

あとは人事と法改正で、ゆっくりと検察・特捜の首根っこを締め上げていくだけだ。ここまで状況が進展してしまえば、民主党も強行採決をいとわないだろう。

マスコミの反発が予想されるが、既にマスコミ自身の信用が地に落ちているので、影響は限定されるだろう。


19. 2010年1月20日 05:27:13
江川様
ちょっとぬるいですね。本当にこれが本心ですか。
立場上の限界ですか。検察の横暴をもっとご存知なのでは?
まさしく革命の真っ最中ですので、中途半端な物言いはなんとなく
意気を減じさせます。残念です。

20. 2010年1月20日 07:11:52
江川さん 今 ひとつ ぱっとしないですね。テレビでは結構検察よりなのかと思えるような発言してるくせに 中途はんぱ!
なんていうか テレビではネチネチ度高いですよ。
いつも 民主と小沢氏の足を引っ張ってますよね。

吉永みちこさんも同様。


21. 2010年1月20日 07:16:46
江川さん

TVから消える、消える、消える、消える

恐ろしい


22. こーるてん 2010年1月20日 07:38:07: hndh7vd2.ZV/2
>地検特捜部の胡散臭さのほうが
>>8さん、江川昭子さんがお嫌いなんですね。

23. こーるてん 2010年1月20日 07:44:30: hndh7vd2.ZV/2
江川さんは素晴らしい人ですよ。
残念な女性も多い現代社会においてオアシス的存在だと思います。

24. 2010年1月20日 08:07:40
 最近、テレビを見ないようにしているので、あなたがどう発言したか
知らないが、多分、過去の発言傾向からして、新聞と同様の小沢パッシ
ング発言をしていたのではないですか。原稿通り言わされていたのかも
しれないが。
 いまさら、何を言ってるの。あなたは国民の敵を演じさせられてきた
んですよ。検察リーク対策班の対象になるのを恐れての演出ですか。
そうでないなら、テレビで同じことを発言してください。

25. 2010年1月20日 09:05:06
この様な方々から報道されている小沢問題も「ネット&ブロガー」等々で発せられている論調とかが間逆である、と、、、

26. 2010年1月20日 09:14:02
小沢バッシングのひとだからこそこの発言の意味がある

27. 2010年1月20日 09:55:13
歴史的観点から見た検察特捜部。東京地方検察庁特別捜査部誕生の歴史は、敗戦後不正に隠匿された軍部の蓄財を、解明没収するためにGHQの主導で作られ、CIA監視
・指導のもと運営されてきた。政治家による戦後の疑獄事件を精査すると、その事件が、米国の利益を著しく損するものが中心になっている。この事実は、阿修羅内投稿者(レントゲニウム)氏の投稿に見る事ができる。特捜部とは、アメリカの利益誘導機関なのだ。小沢氏問題は、政治と金がテーマのようになっているが、55年体制を支えた自民党の政権が崩壊し、その屋台骨であった官僚機構にメスが入り始めた事による、既得権益者集団(自民・官僚・メディア)の狼狽が作りだした、
一種の内乱と見るのが正しいだろう。今、この悪しき仕組みが表面化しているのだ。小沢氏が、アメリカの頭越しに中国を訪問した事実は、アメリカの中国政策上不都合な事案だ。自民が政権でない以上、当然のように地検特捜部が機能するのは、目に見えている。過去の事例からすれば、CIAの暗黙の命令であろうが、昨今のメディアの狼狽振りを見ると、金融危機・イラク・アフガン戦争・イエメン、これらを抜きに考察するのは、事実を隠蔽する恐れを危惧せざるをえない。未曾有の経済危機で、アメリカの糸が細まっていたり、或いは一部切れている可能性に言及できるからである。詳しくは、阿修羅投稿内に多数発見できる。戦後の占領支配の形が露呈し、その、崩壊過程が現出しているのである。静かに観察し、多数の有益な投稿の中から、戦後の政治・経済の再興過程を調べれば、真相が見えてくるのではないだろうか。決して判断を誤ってはならない。今、歴史が動き始めているのだ。爺さん


28. 2010年1月20日 10:41:31
江川紹子(昭ではなく紹です)さんがんばってね、といいたいところではあるが。

あっちではこういい、こっちではこういう。

電波ではさしさわりのない保守中道を装う、紙メディアではまたちょい細工して味付けする。ネットではまた状況にあわせた人気取りをする‥

残念ながら、どう贔屓目に見ても芸者さんですね、いまのあなた。

こういう人々が「ジャーナリスト」には多すぎます。

どうか、
生き方を変えてください。


風林火山


29. 2010年1月20日 10:42:33
江川さん
まだ検察が今まで社会正義のために動いていたと信じていたのですか?

30. 2010年1月20日 11:01:57
江川は、ただのガス抜き要員だよ

日頃のテレビ、ラジオでの言動を聞けば明らかだ。

チャラチャラして、ヨーロッパにオペラを見にいったり、お金が有り余っていて、この世を謳歌している成金者だ。


31. 2010年1月20日 12:17:17
>>30
違うと思います。

32. 2010年1月20日 13:37:27
正体、見たな〜 30よ。

33. 2010年1月20日 14:16:47
現下の戦いは、小沢氏勝利のカタルシスを得る程度のものではありませんから、使えるものは何でも使います。

江川さんにも生活者としての立場とジャーナリズムとしての立場があるわけですから、正義とそうでないものが葛藤しているのです。江川さんばかりではなく、霞が関やメディアの最前線で動いている人間の中にも、そういう人たちは必ずいるはずです。それをこちら側の怒りにまかせて、無理やり黒白つけてしまうのは得策とは思えません。たとえば江川さんの場合、TVの露出機会を失うか、御用コメントを口にするだけのことにしかなりません。ならば、1分でも30秒でも、彼女に正義を語ってもらったほうがベターじゃないですか?みのもんた氏や小倉なんとか氏、古館一郎氏のように、旧体制べったりで、大衆受けのいいMCが跋扈しているんですから。

さすがに清和会の人の中には一片の良心さえあるとは思っていませんが、その向こうにいる米国のパワーエリートたちはさらに強靭です。いま私たちが被っているようなソフトパワーを50年がかりで日本の中に構築し、気に入らないとなれば自国の若き大統領でさえ暗殺してしまう集団なのですから。

それでも小沢一郎さんをはじめ、この国の将来を憂慮し、本気で戦おうとしてくれる方々がいます。わたしも憤怒に捕らわれず、悪しき因襲に針の穴を開けていきたいと思います。


34. 2010年1月20日 16:42:16
真実を見つめ、冷静で正しい判断をされている江川詔子さんのようなジャーナリストがいらっしゃることを心強く思います。

この事件については、自民党政権下で築き上げてきた一部の者たちの既得権を温存するために、特捜部が、またもや恣意的な捜査をしていると、私は、比較的冷めた目で見ている。
このように考える背景には、司法のデタラメ振りを痛感させられた国家賠償訴訟の経験がある。
いくら客観的な証拠に基づいて主張を展開しても、裁判官の描いたストーリーにそぐわない原告の主張は、証拠として採用しない。
一方、どんなに二転三転する矛盾した主張を繰り返していても、そのストーリーに合う被告(国)の主張は採用する。
また、被控訴人である国を勝訴させる理由を見出せなかったなかった二審の裁判官は、虚偽のことを判決理由として記載した。
そのことを上告の際に指摘したが、最高裁は、上告受理申立理由書をろくに読まずに、違法性のある二審判決を確定させた。
それら裁判官らを刑事告訴したところ、検察は、立件はしたものの、根拠もなく不起訴処分とした。

同じようなことをしても、一方では、逮捕・起訴され、もう一方では、捜査もされず握り潰されてしまう。
司法の公平性、公正性が保証されておらず、恣意的な捜査や判断がまかりとっているというのが、司法の現状なのだ。

だから、小沢氏の秘書の容疑を検証する前に、まずは、司法当局の公平性・正当性を検証すべきである。

マスコミは、偏向報道を繰り返し、情報源をテレビや新聞にばかり頼っている人や、状況分析力に欠ける人たちは、その報道に踊らされている。

高裁、最高裁の裁判官が立件されたにもかかわらず、新聞報道すらされないのだから、まさにマスゴミである。
このようなタイミングであるからこそ、私は、司法の恣意的な判断を象徴している一枚の文書を、敢えて公開した。
http://trial17.blog40.fc2.com/


35. 2010年1月20日 16:52:18
たしかにこの記事だけ読めばまっとうだけんど、テレビんときのコメントとの乖離が大きすぎ。
言論人はどんな状況でも持論変えちゃならんよ、新聞とラジオとテレビの使い分けなんて許されない。
ましてやプロデューサーの顔色みてコメントするなんて、日和見主義お抱えコメンテーターじゃないんだからさ。
江川昭子女史は反省されたし、そして改心されたし。

頑張って。


36. 2010年1月20日 17:26:20
過去の事例でいけば、政界とマスコミに媚びをうったホリエモンは検察に嫌われて、財界に執心したミキタニは検察に重宝がられたってことになるんですかね。

37. 2010年1月20日 17:30:17
33さんの見解は妥当だと思う
選挙と同じで多数が全てなんだから、なんとかこちら側を増やすしか有効手段はないのだから

38. 2010年1月20日 19:26:38
検察に捜査権があるのがいけません。 日本では、起訴権を独占する検察が捜査権も持っているので、検察が暴走したら誰も止められません。 捜査は警察に一任するべきです、警察庁を廃止して自治体警察を完全自立させ、広域犯罪には日本版FBIを作りましょう。 ちなみにアメリカの検察には捜査権はありません。

39. 2010年1月20日 22:08:56
>>36
ホリエモンは禁断のメディアを手中に入れようとして失墜させられたんよ、言論統制できなくなるでよ。

40. 2010年1月20日 23:52:21
前の前の人が言ってるように、特捜を解体して、検察は起訴と公判に専念させるべきだ。

もう、特捜が政治の腐敗を追及する時代ではない。なぜなら、政権交代が現実になったのだから、これからの政権交代により政権が腐敗すれば政権交代をさせればよいのであり、それが憲政の常道だと思う。


41. 2010年1月21日 00:45:17
チャイナマネーに汚染されとる固有名詞ばっかりやで

42. 2010年1月21日 01:24:02
検察は虚偽記載だけで小沢氏を逮捕監禁するらしいぞ、基地外集団だよ。
この国のマスコミは狂ってる。
検察とマスコミは、すみやかに「正常化」を〜郷原信郎弁護士緊急取材1
2010-01-21 (Thu) 00:43 政治  Twitterをご覧になっていただいている方々は、事情を御存じだと思いますが、今日、夕方に流れた「石川知裕容疑者、4億円の虚偽記載について、事前に小沢一郎民主党幹事長に了承を得ていた」という速報が流れました。

 このケースの「異様さ」は、機会あるたびに指摘してきましたが、見込み捜査、別件捜査を重ねる、検察の強引な捜査手法も万代ながら、検察からのリーク情報を無批判に垂れ流す新聞・テレビなどの主要マスコミの一方的な報道ぶりにも、大きな問題があります。

 検察は、小沢氏について、何の被疑事実で捜査しているのか、公式の会見も発表も説明も、一度も行っていないにもかかわらず、連日、主要メディアが足並みを揃えて、微に入り細にわたり、小沢氏に関する「疑惑」が報じられている状況は、常軌を逸していると言わざるをえません。

 小沢氏を、政治家として支持するか、否か、あるいは、人間として好きか、嫌いか、などということには一切関係なく、これは「推定無罪」の原則も、冤罪可能性も考慮に入れない、メディアスクラムであると考えます。

 検察の権力と一体化したメディアの権力の「暴走」は、大げさではなく、法治国家の基盤を破壊する暴挙だと言わなくてはなりません。

 一部では、これは単なる司法の暴走ではなくて、誰がこの国の権力者なのかを思い知らせるための、むきだしの権力闘争なのだ、という観測も広がっています。仮にそうであるとすれば、実に愚かしい、国民不在の身勝手な争いと言うしかありません。

 この問題について、かねてより、検察の強硬な捜査手法を批判している、元検事の郷原信郎弁護士に緊急取材をしました。

 今のメディア状況では、バランスのとれた報道や論評は期待できないことから、できるだけ多くの方々に、検察リーク情報に染まった主要マスコミの報道とは一線を画す、別の視点からの分析にも耳を傾けていただきたいと考え、郷原弁護士の了解を得て、テキストのコピー・転載自由といたします。できるだけ多くの方々に、読んでいただきたいと思います。

TEXT1の「石川議員の釈放要求を国会で決議せよ〜民主党政権VS検察・マスコミ連合軍の最終対決」と題したテキストは、今日、私が直接取材し、まとめたテキストに郷原弁護士が推敲を入れ、まとめたものです。

TEXT2の「検察主義の国会議員逮捕」は、昨日(1月19日)の毎日新聞夕刊に寄稿した元の原稿です。掲載原稿とやや異なりますが、こちらがオリジナルのテキストです。

 そして、もっとも長文のTEXT3「『小沢VS検察』ではなく、『石川議員逮捕』こそが最大の問題」は、まだ未発表の未定稿です。

 3本とも、コピー・転載自由です。

 以下、多忙を極める激務の傍ら、緊急取材に応じてくれた郷原弁護士からのメールの内容を、転載しておきます。


岩上さま

直しを入れた取材原稿をお送りします。この内容で掲載してもらって、かまいません。先にお送りした毎日新聞の夕刊の元原稿と、未発表の未定稿も含めて、できるだけ多くの人に読んでもらえれば幸いです。

郷原

 最後に。

 検察とマスコミに対する反感や不信を高めることが、批判の目的ではありません。検察には検察本来のあり方、使命があります。捜査が適正な手続きで行われるなら、何も文句はありません。あらかじめ、「小沢無罪論」を掲げているのではないのです。

 マスコミにも、同様に本来のあり方と役割があります。国民全体の利益のためにも、両者が、すみやかに「正常化」されることを心から祈っています。

「石川議員の釈放要求を国会で決議せよ〜民主党政権VS検察・マスコミ連合軍の最終対決」


 今日の夕方、15日に逮捕された石川知裕議員が、政治資金収支報告書に4億円の記載を年度をずらして記載した虚偽記載について、事前に小沢一郎民主党幹事長に了承を得ていた、という内容の供述を行ったと、一部で報じられました。これをもって、検察が、小沢氏への逮捕に踏み切るかどうかですが、私は、検察が小沢氏逮捕まで考えている可能性は十分あると思います。もうここまできたら、いくしかないと、検察幹部は腹を決めているのかもしれません。

 昨日(1月19日)の、毎日新聞の夕刊にも談話形式で原稿を出しましたが、そこでも述べたことですけど、水谷建設から5000万円の裏金が支払われたという、水谷建設元幹部の証言には信用性に疑問があり、それで公判を維持してゆくのは、まず無理です。公判には耐えられません。

 この元幹部の贈賄容疑で立件された佐藤栄佐久前福島県知事の汚職事件の控訴審判決で、「賄賂性はゼロ」と断定され、無罪に近い司法判断が下されています。また、この幹部は実刑判決を受けて受刑中であることを考えると、仮釈放欲しさに検察に迎合する可能性があり、この証言を持って、あっせん収賄の核心の証拠とするのは、危険すぎます。

 もともとのシナリオは、4億円というお金がやましいお金であり、それを隠すために虚偽記載が行われた、というものだったはずです。そのシナリオがあるからこそ、マスコミ各社も、ここまで検察に引っ張られてきたはずです。小沢足が、ゼネコンなどから裏金をもらったというなら、強硬な捜査を行うのもやむをえないという考え方ですが、それも、あっせん収賄も、談合も、脱税も立件が難しいとなると、このまま無批判に検察に従っていって、いいのでしょうか。

 おそらく検察は、悪質性が高い容疑で小沢氏を立件することはできず、結局、4億円の不記載(記載すべき年度に記載しなかったこと)で、立件するしかない。しかしそれは無謀な話です。形式犯にすぎません。たしかに虚偽記載は、最高刑は禁錮5年ですが、その中にはきわめて軽微な、処罰しづらいささいな金額のものも含まれます。たとえば1万円、2万円程度の金額の「虚偽記載」でも、法定刑としては「最高禁錮5年」なのです。その中で、どの程度の重さに該当するかは、また別の問題です。

 今回は、4億円と、額面の金額は大きくても、不動産を買うためのお金を建て替えであったら、極めて軽微である、と言えます。

 軽い罪でも、禁固5年程度の罰が設けられているものは他にも少なくないのであり、法定刑をそのまま額面通りに適応するべきものではありません。量刑というのは、法的な常識というものが働くものであり、ここまで強硬な捜査を行って、重い量刑を課すほどの悪質性の高い犯罪とはいえません。

 そもそも、現職の国会議員である石川議員の身柄を、国会の開会直前に、この程度の軽微な罪状で、拘束すること自体が不当です。検察は、どうかしている。身柄を拘束されて検察の取り調べを受ければ、石川議員でも誰でも、「小沢氏の承諾を得て記載した」と言わされますよ。わけもないことです。取調室の中で、そう言わされている石川さんは、それがどういう意味をもつか、よく理解できていないでしょう。

 こんな無茶な捜査で、国会議員を逮捕し、さらには与党の幹事長という要職にある人物まで逮捕しようとするなど、本当なら考えられません。「狂気」としか言いようがない。

 国会議員は、国会の会期中は不逮捕特権があります。逮捕するには、国会の許諾が必要になります。石川議員は、国会の会期前だったので、不逮捕特権がなく、逮捕されてしまいましたが、衆議院において釈放要求が議決されれば、検察は石川議員の身柄を釈放しなくてはなりません。そのうえで、石川議員自身は説明責任を果たすと同時に、国会で身柄拘束相当の罪なのかどうか、衆院で議論すればいいのです。

 その次の段階として、検察があくまで強硬に、小沢氏を逮捕しようとするなら、国会に許諾請求することになりますが、民主党が多数を占める国会では、この請求は認められないでしょう。しかし、国会が閉幕すると、会期外になりますので、不逮捕特権がなくなります。もし、会期が終わってから以降に小沢氏を逮捕しようとするなら、最終的には、指揮権の発動も考えらえます。そうなると、民主党中心の政権と、検察・マスコミ連合軍との、最終的な全面対決になるでしょう。

 この問題は、小沢氏や石川氏だけの問題ではすみません。もし、検察・マスコミ連合軍が勝ったとしたら、今後、誰でも軽微な形式犯で逮捕・起訴できることになります。どんな国会議員でも、検察が目をつけたら、必ず逮捕されることになりますし、身分が保障されている国会議員ですら、そうであるなら、一般の国民はいかようにでもなります。そうなったら、本当に民主主義社会の崩壊となります。

 最後は、世論次第だと思います。国民の意志で決まるのです。その点では新聞・テレビなどのマスコミが追随してきている検察が、現状ではかなり有利です。ただ、私は常識的にこんな検察の「暴走」は、さすがにマスコミも支持しないのでは、と思っていますが、こればかりはどうなるか、私にもわかりません。

 世論を形成するのはマスコミの影響が大きいものですが、こういう状況ですから、私のような意見が反映されなくなる可能性はありえます。多くの国民の皆さんに元検事であり、弁護士である私の意見も広く読んでもらって参考にしてもらい、考えてもらいたいと思います


43. 2010年1月21日 02:17:49
江川さん、朝早くから蓑に調子を合わせるのがバカバカしくなったんですね。
わかります。

44. 2010年1月21日 09:00:34
ウィキペディアによると、今の検事総長は、前自民党政権で
任命された検事総長ですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%9C%E4%BA%8B%E7%B7%8F%E9%95%B7
国民は信頼できるのでしょうか。

45. 2010年1月21日 09:42:08
民主党政権で任命した人の方が民主党に肩入れをする可能性が大きくなるでしょう。
敵対するくらいの方がピリッと引き締まっていいんじゃないですか?
すでにツートップが真っ黒ですがw

46. 2010年1月21日 09:57:54
民主党のHPに設置されている検索窓は、民主党のサーバー内だけを
検索できます。
これができるのは、民主党だけです。
これで、検索者はニセの政治情報を検索しないですむことになります。

全政党がこういう検索窓を設置すれば、国民はニセの政治情報に
惑わされなくなります。

そういう意味で民主党は、信じられる政党です。


47. 2010年1月21日 10:51:07
 阿修羅板でもこの手のものには拍手しない。新聞は悪いが自分の出番を確保したいテレビはそうでもないと。いろんな事例を担ぎ出しもともとない頭をフル稼働してもっともらしいシナリオを書き結局自分のためになるように落とし込む。あまり用心深くない閲覧者・投稿者は拍手し賛辞をおくる。でもこんな人にだまされないように留意してくださいね。マスメディアが検察と結託して大騒ぎしているが、この人もいろいろと片棒をかついできた。ジミン党を抜け出てみんなの塔にたてこもっている連中となんら変わらない人種だからね。要するに日和見ってこと。

48. 2010年1月21日 14:54:13
ここには陰謀論がたくさんあって見ていてとてもおもしろいですね

[削除理由]:他のコメント者、投稿者への文句を書いてあるだけの投稿
49. 2010年1月21日 18:58:20
ちらほらと暴露され始めているけど、「関係者の話」「関係者への取材」というのはれっきとした特捜の記者クラブ会見(毎日開かれている)なんだと。
で、その会見には決まり(というか検察の要請)があって
1、会見者を明記しない
2、撮影はダメ
3、録音は勿論、メモもダメ
という見事に責任を問われないものなんだとよ。

50. 2010年1月21日 20:52:16
江川さんは朝のテレビでも検察批判をしてた気がします。
武藤なんとかさんも、八代弁護士も検察が暴走気味と言っていました。

にしても、昔はサンジャポがすきで見ていた自分が信じられない。。


51. 2010年1月22日 23:35:17
まあかなり控え目に書いていますね。

さしたる証拠も無いのに3人もの人を逮捕し、その後から証拠探し・証拠作りをするというような捜査は殆ど憲法違反ではないか?

確かに政府権力を監視する人あるいは機関、組織は必要であるとは思うが、今の検察は既に「制度疲労」を起こしていてその資格は無い。

民主党は小沢氏の一件の如何に拘らず早急にこの国の検察を含む司法の有り方について調査、検討し必要な組織改変のための立法を行うべきであろう。


52. 2010年1月24日 09:55:52
江川さん、よく書いてくれました。
あまり政治を専門的には勉強してはいませんが、小澤問題の異常な騒ぎ方を見る時、「官僚権力と民主政権の死闘」というキーワード見ると、発言者の立場がこれなぜかこれまで以上に鮮明に見えてきました。

53. 2010年1月24日 23:10:39
土曜朝の辛坊治郎司会ウェークアップで、「検察だけが正しいのか?検察に逆らうヤツは許さないというのはおかしい」と江川さんは発言した。その時の辛坊氏以下出演者のこわばった顔。その後TV出演無し。偶然かもしれないけれど、はずされた?と思ってしまう。あまりにタイミングが良すぎて。。。

54. 2010年1月25日 11:59:53
江川氏は、まだメディアでは全く検察批判がされていなかった2〜3週間前のウェークアップで、他のコメンテーター全員が小沢批判をする中、ただ一人、検察の過去の間違った例を上げ、「検察がすべて正しい訳ではないことに注意すべきだ」という趣旨の発言をされました。又その後の他の番組でも同様な発言をしておられました。その勇気に感動します。身辺に気を付けてご健闘ください。

55. 2010年1月30日 13:53:07
今週1週間は、ラジオの電波を使って、江川昭子ショーでしたね。
文化放送「くにまるワイド ごぜんさま〜」(毎日 日替わりで出ていた)
HNKラジオビタミン
お父様は新聞記者で、神奈川新聞に入社した動機の話やら、電子ピアノを衝動買いしたやら、人生でローンをほとんどしたことがない(確か2回)。
君のそれらの発言は、定年退職者が退職記念に自分の過去の栄光を出版するような、また江川昭子が報道の世界から退くような印象をうけた。
今週は、江川昭子が属しているマスゴミと大衆が戦っている大切な時期である。
「東京地検特捜部の判断は常に正しい、のか」と 今週の江川昭子栄光のショーの乖離は、甚だ激しい。
江川昭子は、現役を引退した優雅な只のガス抜き要員と評価されてもいたしかたない。


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