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「35歳を救え あすの日本 未来からの提言」 なぜ10年前の35歳より年収が200万円も低いのか
http://www.asyura2.com/10/senkyo78/msg/572.html
投稿者 月読 日時 2010 年 1 月 24 日 22:53:00: ydTjEPNqYTX5.
 

現在の政治経済および日本社会を考る際、大きなポイントになるのが、
中産階級の没落と大衆化にあると小生は思う。
やっぱり、国民多くが生活に余裕がなくなっていく中では、その総体の視野は狭窄的になり、
掛けた梯子を直ぐに外したり、質の悪いポピュリズムが横行し易くなるんじゃないだろうか。
そして、これと同質のレベルで対峙するのは、
事態をますます悪化させる方向に作用することになると思う。
例えば右翼的(あるいは左翼的)な品の無い主義主張に対しては、
それら人々の置かれた立場も理解し前向きに改善することを意図しなければ、
現状がデフレスパイラルのように悪循環に陥っていく気がしてならない。


以下、反響続きの NHK「35歳を救え あすの日本 未来からの提言」について、
うまくまとめられてるブログより転載

ttp://nikonikositaine.blog49.fc2.com/blog-entry-1115.html
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NHK「“35歳”を救え あすの日本 未来からの提言」メモ&感想

NHKスペシャル「“35歳”を救え あすの日本 未来からの提言」
5月6日(水) 午後7時30分〜8時43分

強烈な危機感を感じながら見ました。
他人事じゃないです。
35歳世代の人もそうでない人も必見です。


(以下、メモ)

シミュレーションドラマ 20年後の日本

2029年。
20年後の日本。
経済は落ち込み、税金や社会保障の負担が大きくなっている。

「ニュース番組」
日本の人口は20年前に比べ1割減少、GDPは20年前と同じ水準にまで落ち込みました。
一方、消費税率は今月から18%に引き上げられます。

袴田吉彦さん(55歳)
「高齢者の自己負担、20年前に比べて2倍か。まさかこんな日本にになるなんて。20年前の35歳には思いもしなかった」

私たちが袴田さんに出演をお願いしたのは、今35歳だからです。

35歳前後の人たちは、今後20年に渡って社会の一線で働き続け、その間、この世代が安定した収入を得て税金を納め、医療費や年金などをしっかり負担できれば、日本社会の基盤を維持できます。逆に、それができなければ日本は衰退していくことになります。35歳の未来を見れば日本の未来が見えてくるのではないか。私たちは民間のシンクタンク(三菱総合研究所)と共同で経済指標や雇用、所得などさまざまなデータを分析、20年後の日本をシミュレーションしました。

35歳世代の所得がこのまま増えず、正社員と非正社員の格差が放置され、有効な対策も打たれない最悪の場合、政府のサービスが著しく低下し、個人に負担が重くのしかかる超コスト負担社会になるというのです。

シミュレーションドラマ 20年後の日本
・国の教育予算 18%削減
・50歳を過ぎても親と同居している友人も多い
・失業率 13%
・年金受給額 28%削減

この最悪のシミュレーションを避けるために私たちはもうひとつのシミュレーションを行いました。今、若い世代に重点的に雇用対策を行うと、正社員の数が増え、所得も上がり、経済が上向くという結果が出たのです。私たちはこのシミュレーションのように力を入れている現場を取材しました。イギリスでは若い世代の再就職を積極的に推し進め、“安定して仕事を得られる社会”を実現しようとしています。岡山県の小さな村では住宅と子育てへの支援を行い、“安心して子供を育てられる社会”を作ろうとしています。若い世代が安心して暮らせる日本を作るためにはどうしたらよいのか、そのための提言を今日は行います。

柳澤秀夫(55歳・昭和28年生まれ)
「私が35歳の頃、一生懸命頑張れば明日はよくなる、そう思えた時代のように思います。仕事に就いて一生懸命働けば給料が上がる、そして家庭を持って、ゆくゆくはマイホーム、そんなことを願えば実現できるような時代だったように思いますけど、島津さんはどうですか」

島津有理子(35歳・昭和49年生まれ)
「私は今ちょうど35歳なんですけど、とてもそんなに楽観的にはなれないですね。そもそも、私たちの世代は柳澤さんのようないい思いをしてこなかったという気持ちが強いんですね。私たちは団塊ジュニアと呼ばれる世代です。昭和48年、オイルショックの年に生まれました。なにしろ人口が多いので、高校、大学受験とずっと競争、競争で育ってきました。やっと自由な大人になれると思った社会に出る頃、バブル経済が崩壊、企業が新卒の採用を抑える就職氷河期を体験したんです。4人に1人は今でも正社員ではないんです」

柳澤秀夫
「そうは言いましても、この35歳の世代が明日の日本の行方を大きく左右することになるわけです。それでは、どうしたら35歳の世代が希望を持って生きていけるのか。それを知るために私たちはまず、今の35歳の世代が置かれている状況を徹底的に調べました。そして、実態をもとに20年後の未来をシミュレーションをすることにしました」

島津有理子
「私たちは民間のシンクタンクと共同で全国の35歳の男女1万人にアンケート調査を行いました。これまでにない大規模な実態調査です。質問は仕事や暮らしについてなど、およそ60問。その中で将来について聞いた質問、このまま働いていけば将来生活が良くなると思うか、という質問に対して、良くなる思うと答えた人はわずか15%でした」

35歳 1万人アンケート

私たちが行った35歳1万人アンケート。年を追うごとに収入が上がるというこれまでの常識が崩れ、35歳の多くが先行きの見えない不安を抱えていることが浮き彫りになりました。

・将来生活が良くなる 15%
・正社員、収入はもう伸びない 69%
・(1年前と比べて)給料が減った 42%
・(1年前と比べて)貯蓄を取り崩した 56%

伊東さん(35歳)
・大手航空会社のグループ企業に勤める正社員
・世界的な不況で今年度の給料は10%削減
・年収400万円台から300万円台に(本年度年俸355万円・住宅手当て36万円)
・就職氷河期に法政大学卒業、2年間のアルバイトを経てようやく今の会社に就職
・その後結婚、専業主婦の妻と幼稚園の息子、去年生まれた娘と4人で暮らしている
・給料が上がり続けると信じていた
・今1番気がかりなのは一昨年購入したマンションのローン
・ローン残高は2000万円、毎月11万円の出費が続く
・「2042年まで。68歳でやっとローンが終わります」
・もう1人子供を持ちたいという夢は諦めようと考え始めている
・伊東さんは週末の休みを返上してアルバイトを始めた

35歳 1万人アンケート

・子供を理想の人数持てない 54%
・そのうち74% 「経済的負担が大きいから」

・働きたい主婦 93%
・理由は「生活の維持」 74%

五十嵐法子さん(35歳)
・3人の子供を育てる主婦
・去年、夫が勤めていた会社が倒産、再就職したが月収が半分以下の19万円に激減
・週に5日、コンビニで深夜のアルバイトをしている
・「起きるのがつらいですね、仮眠だけで出て行くので。今日も2時間半の仮眠で行ったんですけど」
・朝、疲れて帰ってくると、主婦の仕事が待っている
・小学校と幼稚園に通う子供たちは食べ盛り。一家の食費は月3万円に切り詰めている
・「量を食べるんで、国内産とかこだわらないで業務用スーパーで買っているんですけど」
・給料日まで2週間、生活費として使えるお金は底を尽きかけている(通帳残高9286円)
・何とか家計を支えたいと仮眠に充てていた昼間にも働くことにした
・「多分ずっと働いていくんでしょうね。働かないと食べていけないですし、働くことは生きることだし」

35歳 1万人アンケート

転職経験者 66%

年収と転職経験
・500万円台 転職経験あり 54%
・200万円未満 転職経験あり 82%
・転職をしても低い年収に留まっている厳しい現実がある

田中貴之さん(35歳)
・埼玉県の職業訓練校に通う
・これまで正社員として運送会社やビル管理会社など3回転職
・今はコンピュータ関連の仕事に就こうと訓練を受けている
・独身の田中さんはアパートで1人暮らし
・「間違いなく結婚して子供がいて普通の家庭を築いているんだろうと思ってました」
・キャリアアップのためにボイラー技士、消防設備士など15以上の資格を取り続けてきた
・資格のおかげで転職することができた
・しかし、会社の業績不振などで給料が下がり、月16万円まで落ち込んだ
・当時、田中さんには結婚を前提に付き合っている恋人がいた
・その女性の両親に今の収入で養えるのかと言われ、結婚を諦めざるを得なかった
・「一般的な月並みな生活を実現するのに、自分がどれだけ仕事をしても追いつけないのがはっきり分かったということですかね。私はもう所帯は持てないんだなというのがはっきりしましたね」
・今年3月、田中さんは優秀な正式で訓練校を卒業した
・35歳という年齢が壁となって仕事はまだ見つかっていない
・「私はまだ心までは折れていないので、就職意欲もありますので、今後困難があると思いますが就職活動を頑張っていきたいと思います」

35歳 1万人アンケート

「収入少なく結婚できない」
・正社員 35%
・非正規 70%

正社員の不安
・会社が倒産するかもしれない 42%
・解雇されるかもしれない 30%

松下明美さん
・務めていた大手メーカーの工場が閉鎖、この春仕事を失った
・子供の頃から不自由な思いをせずに暮らしてきた
・父親が明美さんと同じ工場に定年近くまで勤め上げ、家族に安定した生活を送らせてくれた
・父親の若い頃は給料は右肩上がり、35歳の時に家を建てることができた
・父親の姿を見て育った明美さん、高校卒業後、同じ工場に就職した
・「自分の父親も働いていたし、いい会社かなと思って。20年後こうなっているとは思ってないですよね。思ってたら入社しないですよね」
・2年前に夫を亡くし、2人の子供を育てている
・「子供の時に普通に不自由ない生活をさせてきてもらって。だから自分がしてきてもらったことは子供たちにもさせていきたいし」

以前と同じ暮らしが難しくなっている35歳世代。安定した生活を次の世代に引き継ぐことができるのか、先の見えない不安が広がっています。


「低所得化」
30〜34歳の年間所得(総務省調査より)
・1997 500〜600万円台が最多
・2007 300万円台が最多

「0.86」
・35歳時点での出生率

今回のアンケートに答えていただいた35歳の女性が今の時点で子供を産んだ数を示す出生率です。この数字を政府の統計に当てはめてみますと、1965年生まれの人が35歳だった時の出生率は1.46、70年生まれは1.28、今回のアンケートに答えた35歳の人たちの出生率は0.86です。少子化がさらに加速する可能性があるのです。

私たちの1万人アンケートと取材から見えてきたもの、それは35歳の世代が安定して仕事を得られないという現実。そしてもうひとつ、安心して結婚して家族を持ち子供を育てるというのが大変に難しくなっているという2つの事実です。この2つを乗り越えない限り、日本に明るい未来は見えてきません。

広がる将来への不安 希望を取り戻すには…

@安定して仕事を得られる社会
A安心して子供を育てられる社会

西川記者
「1つ目の安定して仕事を得られる社会を実現するために積極的雇用政策の充実が重要だと考えました。積極的雇用政策とは、失業手当てなどとは異なり、職業訓練や手厚い就職相談、こういったものを通じて職を求める人の能力を高め、やりがいのある仕事に就くことを支援する政策です」


積極的雇用政策への支出(対GDP比・2006年OECDデータ)
・フランス、ドイツは高い
・日本、アメリカは低い
・イギリスはその中間


イギリス政府のシミュレーション

2.5億ポンド(400億円) 積極的雇用政策への予算
      ↓
5.1億ポンド(800億円) 雇用増→税収増、失業手当減少

負担ではなく、将来への投資になる。
シミュレーションの結果を公開することで政策の必要性を国民に説明した。

“10万人が新たな職に”イギリスにヒントは


「地域雇用パートナーシップ」
・政府が民間と連携し、失業者の就職を支援する
・2年間に新たに10万人が仕事を得た

民間の就職支援団体
・政府などから委託を受け職業訓練などを行い報酬を受け取っている
・失業者が就職すればするほど報酬が増える出来高払いが特徴
・就職実績が収入を左右する民間団体、スタッフが自ら就職先を探して回る
・就職を確実にするため、個々の求人に合わせ実践的な訓練を行う

就職支援団体のスタッフ
「実際に企業の現場を訪問することはとても重要です。失業者は私たちの“顧客”です。適した職場を探さねばなりません」

ある女性(36歳)
・務めていたバーが倒産、ホテルへの再就職を目指している
・「30代半ばでの再就職となると何をしたらいいのかわかりません。サポートしてもらえるのは素晴らしいことです」
・採用面接の朝も最後までアドバイスを受けていた
・「落ち着いてできて良かった。結果が待ち遠しい。もし駄目でも、少し自信がついたわ」
・その後、ホテルへの就職が決定した

民間の就職支援団体
・失業者が訓練に参加し、訓練が終了すると、報酬の一部が支払われる
・面接を経て就職すると支払いが追加される
・半年間働き続けて、初めて報酬の全額を受け取れる
・失業者が適した仕事に就くことを促している


日本に先立って深刻な失業問題に直面したイギリス。政府の雇用政策に深く関わってきたアンソニー・ギデンスさんは、社会の急激な変化に対応するには、政策にも発想の転換が求められると言います。

社会学者アンソニー・ギデンスさん
「積極的雇用政策をうまく行えば、これまでの失業手当に比べて少ない予算で大きな効果を生み出すことができます。急速な技術革新によって、これまでの仕事が次々と失われていく今、守るべきは仕事ではなく人です。人に投資して新たな仕事に就けるようにすることが何より大切なのです」

希望のシナリオは 20年後の日本


日本でも積極的雇用政策により力を入れることにしたらどれだけの効果が得られるのか。私たちは再びシミュレーションを行うことにしました。

最悪シナリオ
・20年間、GDPはほぼゼロ成長
・失業率 13%
・年金受給額 28%削減
・消費税 18%

積極的雇用政策を増やすとどうなるか(シミュレーション)
・政府の支出を1兆円からOECD諸国の平均レベルの3兆円へ、新たに2兆円追加
・その2兆円をイギリスを参考に再就職支援のプログラムを設定した
・すると、合わせて25万人が正社員になるという結果が出た
・働く人の収入が上がることで消費が拡大、企業業績も上がり、設備投資も活発に
・GDPは標準的なシナリオに比べ、毎年0.3%、20年間で5.7%押し上げられる
・消費税は11%(標準シナリオ→12%、最悪シナリオ→18%)
・年金受給額の削減率も11%に留まった(標準シナリオ→−15%、最悪シナリオ→−28%)

“正社員を生み出せ”日本の模索


立石誠さん(今年35歳)
・船の修理や整備を行う中小企業で訓練を受けている
・自動車の整備や販売など4つの会社を転々としてきた
・公共の職業訓練学校に通ったこともあったが、就職には結びつかなかった
・立石さんが参加した新しい制度では、一般の企業で訓練を受けることができる
・現場でより実践的な能力を身につけてもらうのが狙い
・国は訓練にかかる費用を一定の割合まで助成する
・企業は本人の適性や能力を見ることができるので、そのまま採用に繋がることもある
・立石さんは取引先から修理に出された部品で現場で使える技能も学んだ
・「実践的に装置を使って調整とかやってるんで、その辺の実感は全然違います」
・3ヶ月に渡る訓練の後、この企業への就職が決まった

しかし、不況の中、立石さんの企業のように訓練に人手を割けるところは多くありません。制度の導入から1年で訓練を受けた人の数は全国で439人に留まっています。企業での実践的な職業訓練、積極的雇用政策を広げていくためには、国が人材を必要とする企業のニーズを汲み取り、企業が参加しやすい仕組みを作っていくことが必要だと感じました。

西川記者
「イギリスは今、失業率が日本より高く、決して雇用情勢がいいわけではないんです。だからこそ、限られた予算で効果を上げるよう徹底的な工夫がなされているんです」

「モノ」への投資から「人」への投資へ

「日本ではこれまで道路や橋の建設といった公共工事で雇用を作る、いわばモノへの投資に重点が置かれがちだったと思いますが、VTRでご覧いただいたように人への投資に重点を移す動きがようやく始まりましたが、まだ国を挙げて取り組むまでには至っていません。予算をこれだけ投じれば、将来はこうなるんだというシミュレーションを国民に示したりして、合意を得た上で進めていくことが大変重要だと思います」

蔵端美幸記者
「安心して子供を産み育てられる社会、この目標を実現するキーワードは生活支援だと思います。35歳世代の多くは収入の伸び悩みに不安を感じています。たとえ収入が伸びなくても子育てにかかる費用ですとか、住宅費ですとか、家計の大きな負担を国や自治体が支援することで暮らしを下支えする、つまりは生活コストを抑えることが重要だと思うんです。35歳世代は働くこと、暮らしていくことに大きな不安を抱えています。生活支援を行うことでそうした不安を取り除く、それが安心して暮らしていけることに繋がるんです」

「子供なくして未来なし」

「これはこれまでの日本にはあまりなかった発想なんですね。これをいち早く実践して効果を上げているのがフランスです。フランスは理念を掲げていまして、“子供なくして未来なし”“子供なくして持続的発展なし”という理念を掲げて手厚い子育て支援を行っています。所得に関係なく2人目の子供からは月に少なくとも2万円を支給される手当てがありまして、さらには子供の人数や年齢に応じて手当てが加算される仕組みになっています。こうした取り組みが効果を上げまして、一時1.65まで落ち込んでいた出生率が去年は2.02まで回復して大きな注目を集めました」

出生率 1.65→2.02

「住宅は社会生活の基盤」

「さらに住宅についても支援がありまして、“住宅は社会生活の基盤”という理念があります。民間の賃貸住宅に住んでいても持ち家でも受け取れる手当てがあります。家賃の支払いや住宅ローンの返済の軽減に繋がっているんです。これに対してこれまで日本は公共事業などによって地域の活力を生み出そうとしてきたわけですけども、今ご紹介したフランスの例のように生活支援という新しい発想を取り入れて、若い世代への投資を始めている自治体があります。そこからはこれまでの日本の社会に欠けていた安心して子供を産み育てられる社会を取り戻すための理念がありました」

住宅・子育て支援“35歳”に希望を


岡山・西粟倉村(にしあわくらそん)
・中国山地の山あいにある人口およそ1600人の村
・若い世代が次々と移り住んできている
・村に移住してきたのはこの2年間で15世帯30人、ほとんどが20代と30代

中野さん一家
・妻33歳、1歳2ヶ月の長女の3人家族
・この春、大阪から移住してきた
・移住を考えたのは、子供が生まれ生活費の負担が大きくなってきたから
・大阪で住んでいた賃貸マンションの家賃は10万円あまり
・娘を保育園に預けようとしたら月に7万円かかることが分かった
・共働きで何とかやっていた家計に不安が広がった
・中野さん一家が心を動かされたのが村の生活支援
・山あいの一軒の民家、7年前から空き家
・広さ150平米、部屋は6つ。これで家賃は2万円。
・村が70軒ある空き家の持ち主と交渉して賃貸契約を結んでいる
・昔ながらの釜戸はキッチンに改修する
・改修費用は350万円まで村が負担してくれる
・村の託児所は月8000円、2人目は4000円、3人目はなんと800円で利用できる
・子供を預け働きに出る母親は3倍に増えた
・住宅と子育て負担は大阪時代の6分の1、14万円も軽くなった

“生活支援”
約2500万円、予算の1.4%
(削減→老人クラブ補助金・村職員の給与など)

村が生活支援を始めたのは2年前。苦い経験から生まれたものでした。かつては工場の誘致などで雇用を生み出そうとしましたが、すべて撤退、高齢化と人口減少が進みました。地域の衰退に歯止めをかけたい、村がたどり着いたのが子育て世代を支え、活力を取り戻そうという発想でした。

道上正寿・村長
「従来のいろんな道作りとか箱物作りとかですね、身の丈に合わない投資を随分とやってきたと思うんですね。人との関わりに行政投資を振り向けていくことがポイントだろうと。赤ちゃんができやすい環境を作っていくこと、育てやすい環境を作っていくこと、中長期に渡って、親の、35歳の世代が安心して生活ができる環境を作っていく」

・村の面積の9割を占める人工林
・林業の衰退で放置されていたこの資源を見直し、新しい事業を始めている
・中核となるのが村に移り住んできた子育て世代
・大阪から来た中野さんもその1人
・木材をさまざまな製品に加工し販売、インターネットでのPRも行っている
・事業はUターンで戻ってきた若者が家具や遊具を製作し都会で人気を呼んだことから始まった
・村はこの事業を住宅の販売にまで広げようとしている
・若い人の発想を大工など地元の職人の仕事に繋げ、村全体に経済効果を生み出そうとしている

道上正寿・村長
「若い、都会のみなさんのいろんな知恵をいただいて。そういう知恵の中からまた小さな経済が生まれて。小さな経済でいいと思うんですね。何百億、何千億という話じゃないんですね。年に数億の現実的に地域で回るお金が、内部で回る仕組みを作れれば、それで元気が出る」

働き方を見直せ 企業の挑戦


35歳世代が安心して子供を産み育てられる環境作り、企業にも取り組みが求められています。子育ての妨げになってきたのは社員の長時間労働です。子育ての時間を確保しながら収益も伸ばしている企業はないのか、私は探しました。大手衣料品チェーンのユニクロは女性の働き方を大きく見直しています。キャリアを積んだ女性が結婚や出産を機に退職するケースが多いことが問題になっていたからです。

松田江利子さん(31歳)
・店長だった2年前に出産、半年前に仕事に復帰した
・「8時間勤務土日休み」店長という制度を利用
・午後6時15分、仕事を終え、保育園に1歳4ヶ月になる長男を迎えに行く
・埼玉県内の賃貸マンションに暮らす松田さんは夫と共働き
・仕事と子育ての両立が実現できている
・「第二子も考えたいですし、どうなるかちょっと分からないですけど、やれるだけやってみたいなというのはあります」

この会社では平日の夕方や土日が忙しく、店長の長時間労働が当たり前でした。8時間店長の制度が導入されるまで、結婚しても仕事を続ける女性店長は1人もいませんでした。それが今では24人。優秀な人材が会社に残るようになったのです。

結婚後、仕事を続ける女性店長
・0人→24人

制度の実現のため会社は店長の一日の仕事を見直し、部下に任せられる仕事はどんどん任せていきました。すると、店長が早く帰れるだけでなく、仕事を代行する部下にも変化が生まれました。責任ある仕事を任されたことで部下の意欲が高まったというのです。

店長代行
「任せていただいている以上、自分がやらないといけないという責任という部分があるので、そこはやりきりたい」
女性店長
「相乗効果ですね。任せている分、自分の時間が店長としては使えるので、管理職として求められる仕事に着眼点を置いて仕事ができるようになってきたかなとは思いますね」

家庭と両立できる働き方は、企業にとってコストがかからず、メリットにもなる。企業が発想を転換すれば、すぐにでも実現できると感じました。

蔵端美幸記者
「私は西粟倉村を取材したのですが、1人1人が仕事や子育てに希望を持って暮らしていました。まだ始まったばかりの取り組みですので、出生率が上がるですとか、人口が増えるといった目に見える効果が出ているわけではないんですが、若い世代だけではなくお年寄りや子供たちなど他の世代の人たちも元気を取り戻しつつあるように感じました。それを可能にしているのが若い世代への生活支援という形での投資でした。村長がインタビューの中でも答えていましたが、それは必ずしも大きな金額が必要なものではなく、知恵と工夫で実現していました。西粟倉村は人口1600人です。小さな村の小さな取り組みではあるんですけれども、日本の35歳が希望を持って暮らしていく社会を作るための大きなヒントがそこにはあると感じました」

安心して暮らせる日本を作るために若い世代が「安定して仕事を得られる社会」「安心して子供を育てられる社会」を作るための道筋を探ってきました。今までの提言をもう一度まとめてみますと、そこには3つのキーワードが見えてきました。

@積極的雇用政策
A生活支援
B家庭と両立する働き方

この3つのキーワードに共通するのは、モノへの投資ではなく、その代わりに若い世代への人への投資へと発想を大きく転換するということではないでしょうか。こうした私たちの提案を専門家はどう受け止めるのかインタビューしました。

慶応大学教授の深尾光洋さんです。番組のVTRを見ていただきました。深尾さんは岡山県の村の生活支援策を評価する一方で、全国に広げていくためには財源が問題になると指摘しました。

慶応大学商学部・深尾光洋教授
「たしかに家賃補助、託児所の確保、すごく大事なことなんですけれども、ああいう上手くいっている村ではできるという感じます。大部分の人は大都市に住んでいますので、そういう人たちに対して家賃補助とか安い託児所の確保とかやりますと、膨大な予算が必要になります。その予算をどうやって確保していくのか、あるいはコストをどうやって確保するのかというところまで見ていく必要があるんだと思います」

そして、深尾さんは生活に困っている高齢者へのセーフティネットをを確保した上で所得の高い高齢者への支援を見直し、若い世代により多くの支援をするべきだとしています。

「現在の社会保障、特に所得移転は、現役世代から退職者世代への所得移転が大部分なわけです。それが年金、医療、介護保険というかたちで行われている。もちろん困ってらっしゃる方もたくさんいるわけですが、同時に困ってらっしゃらない方もあって、そういう人にも移転が行われている。これが社会保険をすごく重くしている。つまり、現在の退職者向けの支援を子育て支援に大幅に振り向けることによって、出生率を上げていくことが非常に重要なことだと思います」


エコノミストの中島厚志さんです。中島さんは、企業が働く人を支えられなくなっている今、国がその役割を担う必要があると言います。

みずほ総合研究所・中島厚志チーフエコノミスト
「今までの日本社会というのは、企業が雇用を支え、個人の能力開発をしてきたという面があったのが、過去10年とか15年の経済の厳しい状況を経て、だんだんそういうことをしていく余力がなくなってきた。企業が支えきれなくなった部分を国が支援をしていく、すなわち、今まで企業が雇用をし、能力開発をし、あるいは住宅等の社会福祉的なところまで厚生面での支援ということでやってきた部分を国が肩代わりしないといけない」

中島さんは、そのためには私たち国民も目指す日本の将来像を見定めた上で、財源の負担を受け入れる覚悟が必要になると言います。
「先進的な取り組みが海外、あるいは日本のの自治体、企業にあるということは、どうしてそれを普遍化できないのか、もっと日本全体に適用することはできないのか、というのが課題だと思うんですね。国民の合意形成ということになりますけども、どういう社会を目指したいんだ、そのためには当然財源が必要ですから、その財源措置というものを受け入れてでも、この社会を作らなければいけない、それが必要だと思うんですね」

柳澤秀夫
「専門家の方々が指摘したように、私たちが今夜の番組で示した提言は、決して十分なものではないかもしれません。しかし、日本を再び活力のある社会にしていくための道筋としては十分検討に値するものではないでしょうか。島津さん、ここまで見てきて35歳の世代としてどう受け止めますか」

島津有理子
「私たちの世代が誇りを持って、前を向いて生きていける社会にするには、新しい政策や支援が必要なのはもちろんなんですけれども、それを待つだけではなく、自分たちがこの状況を変えられないかなと考えてみることも必要だと思うんです。私たちが未来を切り開くという意識を持って、新しい仕組み作りに積極的に関わっていくことも必要なんじゃないかと私自身この世代の1人として感じました」

柳澤秀夫
「この35歳の世代の問題は、すべての世代に深く関わる大変重要な問題です。しかも、この問題は明日の日本の行方を大きく左右する問題でもあります。今回取材させていただいた35歳の世代の人たちはみんな頑張っています。真面目に一生懸命働き暮らしていますが、現実はそれに応えていないように私には思えました。今、有効な手立てを打たなければ、手遅れになるかもしれません。私たちが目指す安心して暮らせる日本を作るために、たとえ小さな一歩でも、今、最初の一歩を踏み出すことが何よりも必要なことではないでしょうか」


(以上)


実は、人口の多い団塊ジュニア世代に着目した番組を待っていました。最近はそこに着目したエントリーも書いていました。1番損をしてきたと言われるこの世代を何とかしないと日本の将来は暗いと思っていたからです。30代前半で年収500万円以上を稼いでいる人は実際に私の知る限りでも少ないですね。話を聞いたりしていると、20代の人も30代にそこまで年収が上がる人は少ないように思います。この10年でも大きく変わってしまったんですね。ここまで来てしまったら、個人の努力ではどうにもならないです。若い世代の収入が全体的に下がり、また、上がらなくなったので、自己責任でどうにかなるレベルはとっくに超えています。そういう社会になったからです。

若い世代の失業率の高さに悩んでいたイギリス政府のシミュレーションは参考になります。段階的な報酬制度、就職した人が半年間働き続けないと報酬の全額を受け取れないというのはいいですね。たった2兆円を積極的雇用政策に使っただけで日本でもあれだけの成果が上がるのなら安いものです。将来は2兆円以上のリターンがありますし。2兆円といえば定額給付金と同じ予算です。定額給付金を全否定はしませんが、実施するには規模もタイミングも悪かったです。どちらがより大きな税収増をもたらすかは明白でしょう。私は2兆円と言わずに2倍くらいはやってもいいと思います。団塊ジュニアの女性が出産できる残り時間は限られているので、子育て支援もすぐにやらないと手遅れになります。

「安定して仕事を得られる社会」と「安心して子供を育てられる社会」、これを実現できないと今の若い世代が高齢者になった時に、急速に少子化が進んだ社会になってしまいます。この怖さに気付いている人はどれほどいるでしょうか。

右肩上がりの時代が終わったから若い世代は将来が不安だ、ということではないですよね。バブル崩壊以降ずっと経済が停滞していたという話はよく聞きますし、私もそうだったと思いますが、では、戦後最長のいざなぎ越えと言われた好景気は何だったのでしょうか?それは、いざなぎ越えの好景気は庶民には訪れなかったということです。偽りの、上辺だけの好景気だったということです。一部のお金持ち以外はほとんど恩恵を受けることはなかったので一般庶民には実感がなかったんですね。バブル崩壊以降に社会に出た40歳以下、団塊ジュニア以下の世代はなおさらです。これもそういう社会になったからです。そういう社会構造になったからです。

バブルが崩壊してから20年経ったのにどうして35歳の世代も含め若い世代が安心して暮らすことができないのでしょうか?それは政府、与党が政治に失敗してきた、つまり、失政だったということです。私に言わせれば、失われた10年を2回も繰り返してこの有り様かって感じですね。自民党、この10年は自公政権のやってきたことの結果が今なんですよ。無能と言われても仕方ないと思います。GDPの伸びを見ても庶民の実感を見ても「最悪シナリオ」だったのではないでしょうか。この10年、20年の日本の「理念」が何かと聞かれたら何と答えますか?「弱者は死ね」でしょうか。言い過ぎだと思いますか?実際に毎日100人以上が自殺しています。一言で言うとこうなるような気がします。

最後にアナウンサーが「自分たちがこの状況を変えられないかなと考えてみることも必要だと思う」「今、最初の一歩を踏み出すことが何よりも必要」と話していました。20歳以上なら誰にでもできることが選挙に行くことです。若い世代が政治や社会に関心を持たず選挙にも行かないということは、自分たちの未来を放棄していることと同じように思います。人口の多い中高年ばかりが投票に行くということは、若い世代の意見は政治には反映されにくいということです。仮に今のまま行けば、人生の先の長い若い人ほど負担が重い未来が待っているんですから。まずはこの一歩です。

当たり前のことですが、国会議員も当選しないと政治家にはなれないんですよ。逆に考えれば、無能な政治家でも当選させてきてしまった有権者にも責任はあるんです。無能なあの政治家も、口先だけのあの政治家も、裏で悪いことをしているあの政治家も、世襲のあの政治家も、情けない辞め方をしたのにまだ議員にしがみついているあの政治家も、みんな有権者が投票して当選しているんですから不思議なものです。それが嫌なら、あらゆる組織票が通じないほどみんなが選挙に行けばいいんです。投票率が高くなれば組織票が通じにくくなります。そうすればガラッと政治が変わります。政治を変えることは、本当は簡単なことなんですよね。政治が変われば社会も変わります。

「私には親もいないし、家族もいないし、結婚もしないし、子供も要らないし、年金を受け取れる年齢までに死ぬ予定だから、未来がどうなろうと関係ないです」なんて人なら話は別ですが。違いますよね?私は違います。選挙に行かないでおいて、20年後に文句を言う大人にはなりたくないものです。私は今の社会には不満が多いので。

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コメント
 
01. 2010年1月25日 00:56:54
>(あるいは左翼的)な品の無い主義主張に対しては、

私は血塗れだと思います。尊敬されようとも思いません。


02. 2010年1月25日 02:51:33
公益法人だけでなく財団法人の仕分けもしなくちゃね。どれだけの天下りが甘い汁を吸って寄生してるかだよね。
シロアリ駆除をせずに軒を固めようとしても益々傾いて崩れ落ちるのが関の山。
バブリーな時代に増殖した無駄事業と溜め込んだ裏金を取り返そう。

03. 2010年1月25日 12:28:30
10年前から格差が出たり、社会保障が崩れたり、医療の崩壊が始まったり
あれこれ国民の生活が破壊されたのは、しごく当然で十分予想できたことだ。

なぜか?理由は簡単。これらをめざす小泉自民党内閣を国民が選んだからだ。
B層(政策より、キャラクターイメージで政治家を判断する国民のこと)と
いう言葉は、実は小泉陣営が自分の支持を拡大したときの分析に使ったもの
で、B層が極めて多い判断は小泉こそが一番よく知っていた。
演説の時のキャッチフレーズや手振身振りこそがB層のとりこみ策だった。

今は、残念だが旧政権の影響でいろいろな生活破壊の被害がでているが、
これからはB層といわれる人が減っていくことが国民のための政治に
つながることを、国民全体が自覚することが大切と思う。


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