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どんなことをしでかしても擁護してくれる人はいるのだなぁ、の思いを込めて転載しておこう。
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政府内にはびこる「独善的中立」──平野官房長官に半ば同情する（フリーライター宮島理のプチ論壇 since1997）
平野博文官房長官がバッシングされている。名護市長選の結果を受けて、「斟酌してやらなければいけないという理由はない」「法律的にやれる場合もあるだろう」と発言したために、他の閣僚からも「民意」を尊重しろと批判された。
鳩山首相は、「強引なやり方ではなく、理解を求めるように当然、行いたい」と述べているが、そもそもの原因は鳩山首相の優柔不断だということがわかっていないのだろうか。
本来であれば、「鳩山首相が日米合意の履行を決断する→名護市長選で基地反対派の候補を支援しない→選挙結果がどうであろうとアメ（補助金）とムチ（法的措置）で地元を説得する」、という手順がスジである。
ところが、鳩山首相が決断しないために、「鳩山首相が決断先送り→名護市長選で基地反対派の候補を支援→このままでは基地反対以外の選択肢が閉ざされるので平野官房長官が強引な予防線→政府内から批判が起き鳩山首相も女房役を背後から撃つ」、という最悪の展開になってしまった。
もちろん、平野官房長官の調整能力にも問題はあるだろう。沖縄県知事と会談した際に、「知事に決断をお願いするかもしれない」などというのは、中央政府としての責任放棄ともとられかねない。しかし、リーダーが決断しないのだから、平野官房長官としては、選択肢を最大限確保し続けるという消極的な戦術しかできない。半ば同情するとともに、今の政府では、防衛畑の議員以外は危機感がなさすぎるのではないかと不安になる。
このような状況になっているのは、政府内に「独善的中立」がはびこっているからではないか。「独善的中立」は究極の自己保身だ。
「近年のキーワードは『独善的中立』だと思う。『自分だけは正しい。自分だけは正義である』という『独善』と、『自分だけは中立だ。自分だけはバランスがとれている』という『中立』とが、他人の『判断』や『価値観』を目にした時に冷笑と皮肉を引き起こす。その結果、『自分以外全部バカ学博士』（by『銀河鉄道999』）となり、他人に何も期待しない、期待したとしてもすぐに手の平を返して『やっぱりバカだ』と失望、冷笑する。
しかし、『独善的中立』という優位性は虚構である。何も判断しない、何の価値観も持たないからこそ、優位性を持つように見えるだけだ。あるいは、後出しジャンケンで判断をしたフリをしたり、首尾一貫しない価値観を都合良く使い分けることで、次から次へと優位性の山を飛び移っているだけなのだ」（「『独善的中立』という『自分以外全部バカ学博士』」より）
鳩山首相などはその典型だ。価値判断を避けている、あるいは価値判断ができないから、「自分は多数派だ」「自分は偏ってない」「民意がこう言っている」というように、中身が空っぽな「優位性」だけをふりかざす。その結果、良くて八方美人、悪ければ冷笑的になって、物事は何も進まない。政治家として汚れ役や憎まれ役を引き受けるなんてことは、到底できないことになる。
場合によってはいつでも自分が「少数派」になりうるが、それでも自分自身の背負う「偏見」に基づいて価値判断をしていくのが、政治的主体としての当然の態度だろう。政治家なら、そこに「支持層」と「民意（選挙結果）」を考慮に入れながら、時には民意の過度の期待や暴走を抑えて、プロとしての判断をしていくべきだ。その点で、みずからの価値判断と政策遂行のために自覚的に「民意」を利用する（悪用する？）小沢幹事長は、政策の中身や手続きの是非はともかく、やっぱり民主党内では希有な政治家である。
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