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「特捜検察」幻想の終焉(坂上 遼 ) 【Infoseek 内憂外患】
http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/163.html
投稿者 純一 日時 2010 年 2 月 10 日 03:42:10: MazZZFZM0AbbM
 

http://opinion.infoseek.co.jp/article/752


 不思議な思いで眺めた2月5日の朝刊各紙だった。すでに「小沢氏不起訴」を報じた毎日新聞は「朝青龍が引退」、産経も同様の記事がトップニュースになっている。こうしてマスメディアから次第に「小沢疑惑」は雲散霧消していくのだろうか。


 その5日の午後、著名な政治ジャーナリストが、会うなりこう尋ねた。

 「小沢一郎不起訴を朝日、毎日、共同に流したのは、樋渡だって、ホント?」

 いまや事件通でなくても知っている検察のトップの名だ。そんな具体的な名前がメディアの側から挙がっていること自体に驚かされた。実際は、ぶら下がりと呼ばれる、各社の取材に見通しを答えたというのが真相のようだ。だが、昨年の西松建設事件以降、「小沢一郎VS検察」の図式が、どれほど喧伝されたであろうか。年が明けると「最終戦争」の物々しい4文字がメディアを賑わす。

 「心は熱く、頭は冷静」であるはずのジャーナリストたちが、こぞって「小沢贔屓」いや「民主党贔屓」と「特捜贔屓」というより「アンチ小沢」に分かれて場外乱闘を繰り返す。「それリークだ」「疑惑解明だ」そして、双方が、「政治的」を口にする。

小沢贔屓側が、「民主党政権を潰すための恣意的、意図的、政政治的謀略捜査だ」と批判すれば、片や特捜贔屓側は、「小沢は疑惑のデパート。疑惑があれば、その解明に乗り出すのは当然の職務だ」とエールを送る。これでは、客観報道は望むべくもない。「いやいや報道に元々客観性など存在しないんだ」との声が聞こえて来そうだ。

 マスメディアの機能のひとつに、いまや形骸化した権力監視があるが、政治権力と検察権力双方に対して本来の権力監視を発揮できたのか。それらを検証すべく、旧知の検察担当記者、デスク、元特捜関係者、さらに現役の検察幹部にも話を聞いてみた。


 まず、「リーク報道」の有無である。私は、「検察リーク」説に懐疑的な一人だった。と言うのも17年間司法記者クラブに籍を置いて、「リーク批判」が出るたびに、「リークとは何か」、何度も首を傾げた経験を持つからだ。

 大辞林によれば、「Leak」の意味は、秘密や情報を意図的に漏らすこととある。つまり特捜部が小沢捜査を思い通りに運ぶため、「情報操作」を行っているのではないかが問われているところだ。正直に言って自分の体験から、「検察に都合の良いように、意図的に情報が漏らされた」と気づいた事件は、17年間で1件だけである。

 それは1986年7月から8月にかけて捜査が行われた平和相互銀行事件の時のことである。この事件の背後には、竹下登の金屏風事件があり、竹下まで事件を展開させたい特捜部の現場グループと、早く終結させて住友銀行との合併に尽力したい法務・検察幹部との水面下での対立があった。

 事件は関係者の起訴をもって8月に終了と思っていたが、特捜検事から耳打ちされた。「実は、まだ捜査はやっていて、秋からの第二弾を準備している」そこで、起訴当日のニュース原稿に、「起訴後も特捜部は、さらに捜査を続ける模様」という観測記事を書いてしまった、いや書かされてしまった。住友関係者や別の検察サイドからも抗議や注意が来た苦い思い出がある。

しかし、このことは「リーク」だったのか、それとも夜討ち朝駆けに疲れた記者の顔を見て、「現場派」(たしか特捜・梁山泊と言われていた記憶がある)の検事が同情して、思わず漏らしてくれたのかも知れない。それでも、どこかに「書かせよう」とする意図が働いていたことは否定できないだろう。

 当時の検察担当記者は、平均睡眠時間4時間から6時間、ほぼ年中無休。午前1時半の朝刊締め切り時刻が取材終了の目安という生活を3年も4年も続けていたが、我が身を振り返って「リーク?」してもらった記憶は皆無だ。

 確かに取材源からネタも情報も取った。それは、政治記者、経済記者同様、正当な取材活動の中から培った人間関係がベースになっていて、相手にとっては何のメリットもない、いやいろいろな意味でデメリットの方が大きかったと思う。たしかにこちらから持ち込んでいく情報もあったが、むしろ人間同士の信頼関係からネタをとることが出来たのであって、意図的に、あるいは情報操作のために漏らすという意識を彼らは持っていなかったと断言できる。というのも情報は、いつも端(は)布(ぎれ)のような小さなもので、それだけではとても生地(記事)として成り立たず、さらに別の端切(情報)をいくつもいくつも継ぎ足さねば、まともな生地(記事)に仕上がらない。

 「リーク」批判について司法記者の多くが反論しないのは、言っても解って貰えないだろうという諦めと、そんなことを今更説明しても仕方がないといった醒めた感覚からだと思う。外部の人、取材したことのない人に、いくら検察取材の過酷さ、それは肉体的だけでなく、取材の難しさ、問答の難解さ、時間の取り方(夜討ち朝駆けのタイミング)、さらに取材対象の気むずかしさなど諸々あるのだが、説明のしようがない。

 「そんなに簡単にリークしてくれるというのなら、一緒に毎晩夜回りに付いてくるといい」と言ってみたところだろうが、やはり無駄だなと妙に納得してしまう。


 今回もそんな思いで外から、「リーク批判」を聞いていた。それが先月、旧知の編集委員とお茶を飲んでいて、その話に及んだとき、今回は些か、いや大いに事情が違うと言うのだ。すぐに親しい司法記者に直に話を聞いてみると即座に反応した。


「そうなんですよ、地検の誰々、最高検の誰々が完全に情報を操作していますよ」

 なぜそんなことが断定できるのかと問うと、「アイツ酷いんですよ。そこにも、あそこにも同じ話をしていて、書くように煽るんですよ」という。

 また新聞社の司法キャップは、あっさりこう話してくれた。

 「いままで記者に対応していなかった幹部が、『もっと書け』とけしかけるんですよ(笑い)。こりゃ相当焦っているなと思いました」

 我が耳を疑った。それだけ捜査が順調に行っていない証拠だと思った。そんなときほど、脆弱な部隊長は、進軍ラッパを吹き鳴らして気分だけでも高揚させたくなる。しかもマスメディアが飛びつきたくなるようなネタをぶら下げてくる。これは書かざるを得ない。という図式が定型化する。


 しかし東京地検特捜部である。最後の最後で「ワリシンお持ちですね」と、かつての金丸信捜査と同じ隠し球があると確信に近いものがあった。それがとうの昔になくなってしまった「特捜神話」であり「特捜部幻想」だった。こうした「幻想」を引きずりながら、「小沢批判キャンペーン」は、ドンドン過熱し、拡散していく。が、年が明けて、1月も後半になると、「どうもトーンが落ちてきたなと感じることが少なくなかったんです」(前出・司法記者)。

 「行き詰まりのようだ」といった報告が上がるまで、法務・検察首脳たちは、捜査の実態に気づかなかったということになる。その結果が、先の総長のぶらさがりとなる。

 果たして特捜検察に何が起きたのか。どうしてこのような結末を迎えたのか。1980年代、90年代、そして現役の幹部である元特捜部長、副部長、特捜検事経験者に今回の事態をどう見るのか聞いてみた。


現役検察幹部(元特捜部副部長)
「基本的な捜査、つまり犯意などの立証が足らず、特捜部の基本的な能力不足の結果がこれでしょう」と歯牙にも掛けない様子だった。

現役検察幹部(元特捜検事)
「小沢のような大きい存在を倒すのに、紙(形式犯)ではダメだ。もっと国民が、なるほどと納得するような実質犯をめざさないと」と語った後、「巨木は紙では倒れないよ」とため息をついた。

現役の検察幹部(元特捜部長)
「これまで、特捜部は国会議員を捜査するときは、やる時期や捜査手法も慎重に、慎重を重ねて検討したものです。小沢を狙い撃ちにしたと批判されないように、時間を掛けて、隠密裡に捜査してこなかったんでしょうかね」と疑問を呈した上で、「捜査指揮の問題ですね」と嘆いた。

弁護士(政治家を起訴した経験を持つ元特捜部長)
「まず捜査手法が違うね。捜査指揮の問題だ」と断定したうえで、「ゼネコン各社から裏献金と金の流れを明らかにして行ってから小沢を狙うのが筋だ。そこを解明しないまま石川を逮捕し、小沢の関係先にガサを入れ、石川の供述だけに賭けたやり方だった。順番が違う」こう指摘した上で、「事件の組み立て、展開が酷い」厳しく批判した。

弁護士(政治家を逮捕した経験を持つ元特捜部長)
「検察の中に、事件に対峙する緊張感が無くなっている。それに特捜部を指揮する地検幹部、最高検が捜査をその都度厳しくチェックせずに、行くところまで行かせた責任は重い」と指揮、監督する側を批判した。


 普段は、特捜部に影ながらエールを送る先輩たちに、厳しい言葉しかない。

 東京地検特捜部に幻想を持つ司法記者やOBは少なくない。それは、この4半世紀を振り返っただけで、捻糸工連、リクルート、共和汚職、東京佐川急便、ゼネコン汚職、大蔵省汚職、4大証券事件、KSD事件と枚挙にいとま無いほどの進撃を続けてきた特捜検察の姿が目に焼き付いているからだ。

 しかし特捜部が組織疲労に陥っているのではと思うようになったのは、2001年半ば以降、つまり21世紀に入ってしばらくしてからではなかっただろうか。

そのことについて、私は『世界』(岩波書店の月刊誌)に「暴走する検察」「鈴木宗男捜査を追う」「不要逮捕」と題する3本の検察批判レポートを書いた。それは、我々が取材したときと余りにも違う特捜検察が存在したからだ。

 さて今回小沢氏が不起訴になったことで、疑惑は晴れたのかと問われれば、即座に「ますます不可解」と応えるしかない。それは、余りに金の出入りが複雑で、しかも作為的に操作されているように見え、何か胃の腑にものがつかえてスッキリしない状態が解消しないからだ。そのあたりの解明は、今後の公判で明らかになるのだろうと期待はしているが・・・。

 政権交代は、国民の目を見開かせてくれた。マニフェストの実現にも期待している。外国人の参政権といい、取り調べの全面可視化といい、子ども手当も高校の授業料無償化も大賛成である。公共事業の仕分けで、自分たちの税金がこのように杜撰に使われていたのかを知らされ、政治が身近に感じるようになった。学級会のようにみんなが言いたいことを言うのも好ましく見ている。それだけにこと「小沢タブー」に不気味なものを感じる。小沢問題をめぐる民主党政治家たちの対応、鳩山・小沢マネー問題の決着は、夏の参議院選挙に委ねるしかない。

 不起訴が決まった直後から、いつまでも金の問題でゴタゴタしても生産的でないという意見を聞く。そんなとき思い出すのが、リクルート事件の時、自民党金丸信の発言である。「事件が大切か、予算が大切か」

 特捜部にブラフをかけた金丸は、のちに脱税で摘発された。かつての地検特捜部だったら・・・と思わず特捜幻想が頭をもたげてくる。

そう、もうそういう特捜検察の時代ではなくなっているのだ。特捜検察は21世紀初頭に、すでに終焉を迎えたのだった。

関連書籍   消えた警官 ドキュメント菅生事件 (講談社)坂上遼

 

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コメント
 
01. 2010年2月10日 05:25:20
deja vu 感が強いですが、今回はリークも何でもありの、この通りなんでしょう。

02. 2010年2月10日 05:40:31
東京地検特捜部=ダメ検 ヤメ検=電波芸者 検察は2種のみなのか。

03. 2010年2月10日 07:43:59
既出、重複投稿だよ


転載: 「特捜検察」幻想の終焉 (内憂外患) choir2010年2月6日
www.asyura2.com/10/senkyo79/msg/728.html


04. 2010年2月10日 08:45:15
2010年2月10日水曜日
東京新聞朝刊 本音のコラムより 精神科医 斉藤学
小沢一郎という稀有な政治家は仕事もさせてもれえぬまま、葬られようとしている。(官.報)癒着世論は彼の失脚をもくろみ、半ば成功した。
何億の金を持っている事が理由らしいが、その程度の現金(ひも付きでない金)
を持てなくさせ、世を動かす力を奪ったのは私たち自身だ。
金持ちだろうが貧乏人だろうが、的を射られる人に政権を託したいのは間違いなのか。結局、火のないところに煙が立つと強弁した検察官僚たちの意図は達成された。これほどの陰謀を企てながら、彼らは免責特権を持ち、顔も見せない。
明治初期の太政官布告以来続く「おかみ」(官と官報)信仰に対抗軸を立てる
という発想字体が、この国の常識に反していたのだとあらためて思い知らされた。
この「常識」はいずれ破棄されるだろうが、そのころの日本は財政破たん国家だろう。
思えば、自民党離脱以来の彼に一筋の希望をたくしたものは一定いたが、一定数をこえなかった。その一人として私は思うのだが、この政治家は二つの注目すべき持論を隠し持っている。
一つは、米国との距離を測りなおす事。
他のひとつは、象徴天皇制を隠れみのにした官僚支配への問題意識だ。
もちろん、彼自身はこれを語らない。彼は私より1歳年下。
次の復権はない。ここを何とか凌いでほしい。


爺は、なれない手つきで思わずキ-を 誤字があったらごめんなさい。
斉藤学氏のことは、精神科医という琴意外ぞんじませんが。
なんだか、気分がよくなりました。


05. 2010年2月10日 08:53:39
彼らは調子に乗り過ぎちゃったんだね。ご愁傷様です。

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