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公認会計士の目から見た陸山会政治資金事件―細野祐二氏(公認会計士)THE JOURNAL
http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/580.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2010 年 2 月 16 日 08:31:52: twUjz/PjYItws
 

<関連投稿>

「陸山会土地取得をめぐる政治資金問題」に関する論考―「公認会計士VS特捜検察」の著者の細野祐二氏(郷原信郎)
http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/547.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2010 年 2 月 15 日


http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/02/post_499.html

公認会計士の目から見た陸山会政治資金事件

『公認会計士vs特捜検察』
日経BP社、細野祐二(著)

──────────────────────
細野祐二氏(公認会計士)

※新月島経済レポート2010年3月号 「政治資金収支報告書」より転載(無断転載自由)

【目次】
1.部分的単式簿記
2.仮受金の決済
3.政治資金収支報告書
4.邪推に基づく妄想
5.鳩山総理の偽装献金

──────────────────────
【1】部分的単式簿記

年明け以降一月間余りのメディアを席巻した小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反疑惑に、検察側からの回答が2月4日に出された。嫌疑不十分による不起訴処分である。事件の容疑で既に逮捕されていた小沢氏の元秘書で衆議院議員の石川知裕容疑者(36)、公設第一秘書の大久保隆規容疑者(48)、元私設秘書の池田光智容疑者(32)の三名は、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴されたが、翌5日には全員が保釈保証金を積んで保釈された。

この大騒動は小沢一郎対地検特捜部の因縁対決と位置づけられ、
・ 小沢氏の出した4億円にゼネコンからの裏金が入っていたのではないか、

とか、

・ 特捜検察が捜査情報をマスコミにリークして世論誘導を行っているのではないか、

などといった風評が新聞紙上に乱れ飛ぶ事態となった。

新聞だけを見ていると、たちの悪いゼネコンからの贈収賄事件かと見紛うばかりであるが、ここでよくよく冷静に起訴事実を見てみれば、容疑は政治資金規正法違反(虚偽記入)となっている。事件では、単に政治資金収支報告書に対する虚偽記載が問題とされているに過ぎないのである。

ところで、政治資金収支報告書とは政治団体の収支に関する会計報告なのであるから、本来であれば、政治団体の収支の事実に基づく会計処理こそがここで問題とされなくてはならない。ところが、これだけ膨大なマスコミ論評の中で、会計処理の是非を論じたものなどただの一つも見たことがない。会計を論じることなく、よってたかってその会計報告書の是非だけを騒ぎ立てているのである。見るに見かねて已む無く、小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反疑惑の会計的分析を行なう。

新聞報道によると、石川議員は、大久保秘書らと共謀し、小沢一郎氏の政治団体である陸山会の2004年の政治資金収支報告書に、小沢氏からの借入金4億円、土地購入代金の支出約3億5200万円などを記載せず、収支総額に虚偽の記入をしたとされ、これが起訴事実となっている。そこで、起訴事実をめぐる資金移動を時系列に即して要約すると次の通りとなる。念のために言っておくと、現時点において証拠上明らかに認定できる事実は、これ以上でも以下でもない。

(1)石川議員は、2004年10月上旬、土地購入のため小沢氏から現金4億円を受領した。この中から、土地の手付金1千万円を支払い、残りは同月中旬以降、陸山会の複数の銀行口座に入金した後、一つの口座に集約した。

(2)陸山会は2004年10月29日午前、東京都世田谷区の宅地を3億5千万円で購入した。

(3)2004年10月29日の土地代金支払の数時間後、石川議員は、他の小沢氏関連の政治団体から陸山会に合計1億8千万円を移し、残っていた資金と合わせて陸山会名義で4億円の定期預金を組んだ。

(4)小沢氏は、この定期預金を担保に個人名義で銀行から4億円の融資を受け、同額を陸山会に貸し付けた。

(5)2007年に、陸山会は定期預金を解約し、4億円は小沢氏に返済された。

政治資金収支報告書の虚偽記載というのであるから、本来であれば、この資金移動の事実をどのように政治資金収支報告書に記載しなければならないかという会計上の正解がなくてはならないが、実はこれがない。信じがたいかもしれないが、検察官も正解を持っていない。なぜなら、現行の政治資金収支報告書では、単式簿記を前提とした部分的な会計報告書の作成が義務付けられているに過ぎないからである。

部分単式簿記においては、その記載範囲は自立的に決定できない。完全複式簿記であればここでの資金移動に対する会計処理は単一となるが、部分単式簿記では複数の会計処理が可能なのである。現行の政治資金規正法は部分単式簿記による複数会計処理の並存を認め、報告書における作成者の裁量余地を大きく残している。基準上裁量権の認められた会計処理に対して虚偽記載を主張するのは、一方の見解を強要することにより裁量権を否定するに等しく、これを無理して立件するのを国策捜査という。

そこで政治資金収支報告書の作成基準たる政治資金規正法を見てみると、その第12条において求められる政治資金収支報告書の記載事項は、政治団体の「収支とその他の事項」とされている。ここで「その他の事項」としては、不動産、取得価額100万円超の動産、預貯金、金銭信託、有価証券、出資金、貸付金、支払金額100万円超の敷金、取得価額100万円超の施設利用権、並びに、100万円超の借入金が限定列挙されている。すなわち、政治資金収支報告書で作成が義務付けられているのは、複式簿記を前提とした損益計算書や貸借対照表ではなく、単式簿記を前提とした収支と「特定の資産並びに借入金の明細書」だけなのである。

このような部分的な単式簿記では、例えば、預り金や仮受金などの「100万円超の借入金」以外の負債は記載する必要がない。また、資産についても、立替金や仮払金は記載しなくて良いと言うのであるから、これらの収支もまた記載義務がない。この事件では小沢氏の出した4億円の不記載が問題とされているが、仮にそれが借入ではないということであれば、現行の政治資金規正法上それを記載しないのはむしろ当たり前で、そもそもこれを政治資金規正法違反に問う事はできないという事になってしまう。

【2】仮受金の決済

政治資金収支報告書の作成基準を理解した上で、敢えて、本件の資金移動に対して完全複式簿記による会計仕訳を行うと次の通りとなる。

一連の資金移動で最大の鍵を握るのは、2004年10月上旬に行われたとされる小沢氏から石川議員に対する4億円の現金の受渡しの会計処理にある。小沢氏の説明によれば、この金は、陸山会が東京都世田谷区の土地を購入するに際して当座の資金がなかったので、自分が一時用立てたものとのことである。事実としてこの現金授受には金銭消費貸借契約書も作成されていなければ、返済期間や金利の定めも一切なされていない。会計上、資金移動の最終形態が定まらないまま行われた資金移動は仮払金・仮受金として会計処理される。ならばこの4億円についての陸山会側の会計処理は仮受金でなくてはならない。ここで、政治資金規正法上、仮受金は政治資金収支報告書上の記載項目ではないので、陸山会の会計責任者としての石川議員は、この現金受領の会計処理を行なう必要がない。

さて、陸山会は2004年10月29日午前、東京都世田谷区の宅地を3億5千万円で購入し、その土地代金支払の数時間後、石川議員は、他の小沢氏関連の政治団体から陸山会に合計1億8千万円を移し、残っていた資金と合わせて陸山会名義で4億円の定期預金を組んだ。そして、小沢氏は、この定期預金を担保に個人名義で銀行から4億円の融資を受け、同額を陸山会に貸し付けたという。

小沢氏は4億円を陸山会に貸付けたと言うのであるから、そのときの4億円は小沢氏の金だったはずで、だから定期預金を担保にしてその4億円を銀行から借りたのも小沢氏である。そうすると、小沢氏が担保にした定期預金は一体誰ものかということになるが、ここで小沢氏は政治団体名義の定期預金をさも自分のもののようにして銀行担保に差し出し、借りた金はしっかりと自分の金にして政治団体に貸付けている。このことから、小沢氏がこの定期預金が実質的には自分のものだと思っていたことが分かる。そして石川議員もまた、この小沢氏の言動に何の疑問も抱いていないのであるから、政治団体側も、定期預金は実質的には小沢氏のものだと認識していたことになる。ならば、陸山会は、あの10月初旬に小沢氏から用立ててもらった4億円の仮受金を、この定期預金で決済(返済)したことになるではないか。

もとより仮受金は最終形態が未確定な資金移動を暫定的に処理する管理会計上の会計科目なのであるから、当然に短期間に決済されることが期待されている。この取引は、小沢氏の定期預金担保による銀行借入れに際して、陸山会の定期預金による仮受金の決済取引が行われたと解釈するのが相当であり、そのとおりに会計処理がなされなくてはならない。
ところで、石川議員は、4億円の定期預金による仮受金の決済取引を会計処理していない。仮受金そのものに政治資金収支報告書上の記載義務がないのであるから、その決済取引もまた記載する必要がないからである。そこで石川議員は、小沢氏が、定期預金担保融資後に改めて貸付けた4億円を、ここで初めて借入金として政治資金収支報告書に計上することになる。100万円超の借入金には政治資金報告書上の記載義務があるからである。石川議員の会計処理は現行の政治資金規正法の定めにまことに忠実で、部分単式簿記上、これを非難する事はできない。一連の資金移動について石川議員の行った会計処理を、これまた敢えて複式簿記で整理すると次の通りとなる。

(百万円)


【3】政治資金収支報告書

平成16年から平成19年にかけての4年間の陸山会の政治資金収支報告書は次の通りであり、起訴事実はこのうち平成16年の報告書を問題としている。

資金収支
(千円)


【4】邪推に基づく妄想

この報告書を見ると、小沢氏からの借入金4億円は平成16年の資金収支報告書の収入の部に見事に計上され、また、同年の特定資産・借入明細書には「借入金−小沢一郎」として記載されている。一方、世田谷区の宅地は、平成17年の特定資産・借入明細書に342百万円として記載されるとともに、同年の資金収支報告書中の事務所費415百万円の一部を構成している。

ここで不思議なことがある。例の小沢氏からの4億円の仮受金は陸山会の組んだ同額の定期預金で決済されたことになるにもかかわらず、そのあるはずのない定期預金が陸山会の特定資産・借入金明細書に計上されてしまっているのである。陸山会の平成16年の特定資産・借入金明細には、この年度の定期預金残高として4億7150万円が計上されている。

これが複式簿記を知らない(中途半端に)まじめな人の悲しいところで、石川議員は例の小沢氏からの仮受金をせっかく定期預金で返済して簿外化したにもかかわらず、年が代わって平成16年の政治資金収支報告書を作成する段になり、定期預金が陸山会のままで名義変更されていないことにハタと気がつき、これはマズイとばかりに、政治資金収支報告書に定期預金を計上してしまったのである。

小沢氏の個人資産を政治団体の資産として計上するというのであるから、当然のことながら政治団体の資産は4億円分だけ過大計上されて貸借が合わない。そこで、たまたま問題の世田谷の宅地の登記が12月末に間に合わなかったことを思い出し、ならばこちらも4億円近いので、定期預金をこの年度に計上する代わりに不動産を翌年回しにしておけばちょうど辻褄が合うと考えたのではないか?見よ。石川議員の経理処理は翌平成17年以降に見事に辻褄が合い、平成17年に4億円の事務所費が計上されるや、平成17年と平成18年にかけて4億円の定期預金は消滅している。

ここで石川議員に会計上の正解をお教えしておくと、小沢氏からの仮受金4億円が陸山会の定期預金により決済されているのであれば、定期預金の名義にかかわらず、この定期預金は実質的に小沢氏のものなのであり、実質的他人所有の資産は政治資金収支報告書に記載する必要はない。4億円の仮受金が簿外となった以上、この定期預金も簿外にしておけばよかったのである。そうしておけば、定期預金が満期になる都度、銀行が自動的に借入金と相殺してくれるので、石川議員もややこしい事務所費との遣り繰りなどしなくて済んだ。何よりも、こんなどうでもいいことを問い詰められ、その答えに窮するあまりまさか逮捕されることもなかった。

さて、石川議員の政治資金収支報告書作成をめぐる舞台裏が理解できたが、このことから我々は、二つの決定的な事実を知ることができる。石川議員は会計の基礎理解が決定的に欠けており、従って、石川議員に政治資金収支報告書虚偽記載の犯意を認定する事はできない。刑法上、罪を犯す意思がない行為はこれを罰することができない。(刑法第38条第1項)

ところでこの政治資金収支報告書における不動産は342百万円の取得価額として計上されており、これは実際の購入対価352百万円と10百万円合わない。10月初旬に10百万円の手付金を4億円の現金の中から支払ったためで、ここで4億円の仮受金が政治資金収支報告書上簿外となる以上、そこから支払われた手付金もまた簿外とならざるを得ないからである。簿外の仮受金から支払われた前渡金は、政治資金規正法による単式簿記では、固定資産の取得原価を構成しないことになってしまう。また、借入が平成16年で、宅地取得年度の平成17年とずれているのは、購入した不動産の登記が遅れたためとのことであり、こんな事は実務上よくあることで、だからと言ってこれが部分単式簿記上の問題となることはない。

さて、ここで起訴事実は、
「陸山会の2004年の政治資金収支報告書に、小沢氏からの借入金4億円、土地購入代金の支出約3億5200万円などを記載せず」
となっているのであるから、検察官の主張は次の2点に集約される。

・ 平成16年の資金収支報告書においては、小沢氏からの仮受金4億円を借入金として計上すべきであった

・ 平成17年の資金収支報告書に計上された世田谷の宅地の取得は、平成16年の資金収支報告書に計上されるべきであった

平成16年の資金収支報告書には、小沢氏からの4億円が借入金としてしっかり計上されているのだから、検察官は、この4億円とは別の、例の4億円の仮受金を問題としている。仮受金ではなく借入金だと言うのである。そんなことをすれば、この年の小沢氏からの借入金は8億円になってしまう。あの時は、同じ4億円が陸山会の周りをグルグル回っていたに過ぎないのであり、金が回転したからといって4億円の借入金が8億円に化けることなどあり得ない。既に論証したごとく、10月上旬の小沢氏からの4億円の現金受領は会計上の仮受金であり、仮受金は、現行の政治資金収支報告書上簿外とせざるをえない。これが法律上認められた部分単式簿記の限界なのであり、なく子も黙る東京地検特捜部といえども、ここに完全複式簿記の正義を押し付ける事はできない。

そこで検察官は、"4億円の現金があって不動産の購入資金が賄えるのに、なぜ利息を払ってまでわざわざ4億円の銀行借入をするのか"と疑問を呈する。

「それは、この現金が人には言えないいかがわしいものだからに違いなく、きっとそこにはゼネコンからの裏献金が含まれているに違いない。宅地の登記を遅らせたのも、4億円の裏金が表に出せないからで、平成16年の4億円の入金が表に出せない以上、同じ年の3億5千万円の出金も表に出せるはずがない。」

これを邪推に基づく妄想という。検察庁特捜部の妄想は、5千万円の裏献金という供述を水谷建設から引き出したが、裏づけとなる客観証拠がついてこず、これでは公判維持可能な証拠にはならない。仮釈放に足摺りする服役中の水谷建設幹部をシバキ上げてとった苦心の供述なのであろうが、特捜検察も、莫大な国費を使って無意味なことはやめたほうがいい。

もとより、不動産の購入資金があったからといって、それを使ってしまえば運転資金が枯渇するのであれば、どんな人でも借入れをしたいと思う。ここで支払われる利息など運転資金枯渇の恐怖に比べればものの数には入らない。運転資金確保のために利息を払っても借入をするというのは、きわめてまともな事業の常識なのであり、小沢氏は事業家としての常識をもって政治活動を行なっていたに過ぎない。そんな常識的借入に対して、「利息を損してまで借入をするのはおかしい」などと言いがかりをつけているのは、手厚い身分保障に生きる検察官には運転資金枯渇の恐怖が理解できないからで、ただそれだけのことであろう。

この事件の資金移動を会計的に分析する限り、石川議員以下の3名の被告人は証拠構造上圧倒的に有利であり、それどころか、政治資金規正法が部分単式簿記を前提としている以上、ここには犯罪事実そのものが存在しない。検察庁特捜部は、
「この手の事件では捜査はどうしても供述中心にならざるを得ない。」
などと意味不明の訳の分からないことを言っては、現職国会議員を国会会期直前に逮捕した。外部との接触を一切遮断した密室に21日間も監禁して朝から晩まで攻め立てれば、事実にかかわらず人は自白調書に署名する。足利事件で明らかとなったように、日本の捜査機関による取調べ技術をもってすれば、人を殺してなくとも、
「殺したのは実は私です」
などと、立派な自白調書が出来上がるのである。

当然のことのように石川議員以下3名は政治資金収支報告書の虚偽記載を認め、本件は自白事件として処理されることになった。石川議員たちが犯罪事実の存在しない自白調書に署名したのは、そうしなければ何時までたっても保釈が認められないからで、従って、公判が始まれば自白を翻すに決まっている。

ただし、残念ながら、今後の石川議員の裁判において無罪判決が出る可能性は悲しいほど少ないと考えなくてはならない。部分単式簿記による会計数値という客観証拠と矛盾していても、現行司法では検察官面前調書による自白には、なぜかほぼ絶対的な信用力を認められることになっているからである。石川議員はあの密室で取られた自白調書の嘘を自ら公判で立証するという、まさに前人未到とも言うべき難行に挑まなくてはならない。

【5】鳩山総理の偽装献金

事のついでに、ここで小沢幹事長の政治資金疑惑に先行して起きた鳩山総理の偽装献金問題についても言及すると、単に証拠構造だけを取り上げるのであれば、鳩山総理の偽装献金問題のほうがよほどたちが悪い。新聞報道によれば、鳩山総理の元公設秘書は、平成16年から平成20年にかけての5年間にわたり鳩山氏の実母から9億円の資金提供を受け、このうちの約1億円余りと、鳩山氏本人から得た2億5千万円の合計約3億6千万円を、偽装献金の原資に充当し、これを個人献金やパーティー券収入として政治団体(友愛政経懇話会)の政治資金収支報告書に記載していた。

この資金提供について、実母は、
「詳しい経緯は覚えていないが、元秘書に毎月1500万円を渡していたのは事実。息子を応援するためだった。」
「利息もないし、返済もないので、贈与と言われてもしようがない。」
などと記述した上申書を検察庁特捜部に提出したという。

一方、張本人の鳩山総理は、偽装献金問題に関して、
「全ての政治団体の活動にかかるものに加え、個人としての政治活動、プライベートの経費についても勝場が処理を一手に引き受けていた。長年にわたる信頼から、全て安心して任せていた。」
などと述べは、全ては秘書任せで知らなかったと言い張り、また、実母からの巨額の資金提供についても、
「知っていただろうと疑問に思うのは当然だが、私は全く知らなかった。」
と釈明した。

結局こちらの偽装献金問題では、政治資金規正法違反の罪で元公設第一秘書が在宅起訴、元政策秘書が略式起訴、鳩山総理自身は嫌疑不十分による不起訴処分となった。嫌疑不十分による不起訴処分ということでは、鳩山総理は小沢幹事長と全く同じなのである。東京地検特捜部によるこの処分を受けて、鳩山総理は実母から提供された12億6千万円を贈与と認め、修正申告を行った上で、約6億円の贈与税を支払っている。

鳩山総理の政治資金規正法違反は、実母から贈与された3億6千万円を個人献金やパーティー券収入による寄付金として政治資金収支報告書に記載したのであるから、これが政治資金収支報告書における重要な虚偽記載である事は紛れもない。これに対して小沢幹事長の場合は、貸付けられた4億円は政治資金収支報告書に借入金として計上されているのであり、問題は、貸付となる以前にやり取りされた4億円の仮受け現金の記載の是非に過ぎない。鳩山総理の政治資金規正法違反が真っ黒なのに対して、小沢幹事長は限りなく真っ白に近い。

このような事件の犯罪構造の比較検討の結果にかかわらず、鳩山総理の事件では結局ただの一人の逮捕者も出なかった。小沢氏の場合は、現職の国会議員を含めて3名の逮捕者が出ている。推定無罪の原則が有効に機能しない日本社会では、被疑者は逮捕されただけで社会的制裁を受けてしまう。日本では逮捕がすべてなのであり、検察庁特捜部はそのことを誰よりも知っている。検察庁特捜部は、一切の政治的配慮を行うことなく淡々と証拠に基づき立件するだけと常々主張しているが、この不均衡は結果として実に重大な政治的影響力を及ぼしたのであり、どこをどうとっても、これを淡々とした結果と言い張る事はできない。

結局、小沢一郎対特捜検察の宿命の対決は、両者痛み分けとなった。小沢氏は起訴を免れたものの、子飼いの秘書3名が逮捕され自白調書を取られたのだから、そんな中では誰も推定無罪の原則を言い出せず、推定無罪ならば問題になることもなかった政治的責任とか道義的責任だけが鬱勃として問題にされてしまう。しかも、小沢氏の莫大な政治資金の出し入れは何としても不可解この上なく、そのことがマスコミのリーク報道を通じて国民にしっかりばれてしまった。

現行の政治資金規正法は部分単式簿記であり、部分単式簿記など何らの会計理論に裏付けられないザル法で、そんなものはそもそも会計の名にも値しない。小沢氏も部分単式簿記だからこそ不起訴となったのであり、完全複式簿記であれば4億円の仮受金もまた当然に会計処理されなくてはならない。政治資金規正法が複式簿記であれば、鳩山総理も「知らなかった」などと言い張ることさえできなかった。民主党は、可視化法案の提出も良いが、それと同時に、ここで政治資金規正法の複式簿記化法案を国会に提出しておくべきであろう。

一方の検察庁特捜部の傷も深い。これだけ大騒ぎをして時の最高権力者に捜査の手を伸ばしながら、大山鳴動して秘書3人ではお話にもならない。しかも小沢氏を1年近く追い回した挙句の不起訴の過程で、検察庁特捜部の「ストーリーを書いてはその筋書きに沿って関係者の自白を強要する」という本当の姿が、マスコミのリーク報道を通じて国民にしっかりとばれてしまった。検察庁特捜部は、その存在意義とあり方の基本構造が、歴史の審判を受けつつあると考えるべきである。小沢一郎対特捜検察の宿命の対決は、政治不信と検察不信だけをもたらして、まことに後味の悪いその第一幕を閉じたことになる。

2010年2月14日 
──────────────────────
■細野祐二氏ホームページ
http://www.kjps.net/user/khy/index.html

■プロフィール
http://www.kjps.net/user/khy/sub2.html

投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 日時: 2010年2月15日
 

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コメント
 
01. smac 2010年2月16日 09:04:11: dVqzW59EefGnc
 以下は、

http://www.asyura2.com/10/senkyo80/msg/547.html
のコメント欄に書いた文章の再掲です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この細野氏による分析は緻密ですが、根本的な部分で誤認識が含まれています。

 細野氏の説明は、
@小沢氏からの現金4億円を「仮受金」と看做し、それは陸山会の定期預金4億円によって決済されているから「借入金」ではない。
A定期担保の融資で小沢氏の手に入った4億円を陸山会が「借入」し、土地代金に充てた。
BAの借入金は04年の収支報告書に記載されており、会計処理として問題はない。

 …というものです。
 しかし、この解説では陸山会が不動産取得に際して「常に」購入相当額の定期預金を組んできたことを説明できません。
 現金4億円を仮受けたことにより、決済が必要となって定期預金を組んだのであれば、03年以前の「仮受け」がない不動産購入で、定期預金を組んだ理由が分らなくなってしまうのです。

 この矛盾の原因は、細野氏が「04年、不動産業者と土地売買の契約をし、代金を支払ったのは『陸山会』である」と勘違いしている部分にあります。

 事実は「04年、不動産業者と土地売買の契約をし、代金を支払ったのは『小澤一郎』である」なのです。

 仮受金が決済されていたとしても、もし陸山会が04年に土地代金を支払っているのであれば、これを04年の収支報告書で支出計上しなかったことが「違反」に問われます。
 登記が05年だから、支出もそれに合わせた…という言い訳は、会計責任者の裁量範囲内で許容されるとしても「違反は違反。形式犯だが罪になる」という主張には勝てません。

 確かに、小沢氏からの現金4億円は、石川氏が受領した時点で、課目未定の「仮受金」だったと思います。
 定期預金を担保とした融資が土地代金支払いに間に合えば、この現金は「借入金」に分類される予定だったのでしょう。
 事実、石川氏はこの金を陸山会の複数の口座に分散して入金しています。
 定期を組むために財務が悪化し、資金ショートするリスクに備えたわけですね。

 しかし融資が間に合わず、石川氏はこの金を複数の口座から出金し、ひとつにまとめて土地代金支払いに充てました。
 その時点で「仮受金」4億円は、再び小沢氏に帰属し「決済」されたことになります。
 なぜなら、土地代金の支払い者は「小澤一郎」だからです。

 逆に、融資が間に合った場合、小沢氏に融資された4億円は陸山会に転貸されず、小沢氏による土地購入の代金として使われていたはずです。
 この場合、現金4億円が「借入金」であり、融資の4億円は小沢氏の金のままです。

 事実は、融資が間に合わなくなり「仮受金」だった現金4億円は、再び小沢氏に帰属…すなわち決済されて、融資の4億円が陸山会に転貸されたわけですが、いずれの場合でも陸山会が小沢氏から借入した金は4億円のみです。
 つまり、04年の収支報告書に記載された「借入金:小澤一郎:4億円」は金額も期日も借入先も正確であり、なんら問題がないということです。

 現金4億円を陸山会の複数口座に分散入金した時点で「仮受金」が「借入金」として処理された…という見方もできますが、その場合、石川氏がそれらを出金して土地購入代金を支払った時点で、小沢氏に「返済」されたことになります。
 この場合、陸山会の借入金は総額で8億円になりますが、返済4億円と相殺され、残高は4億円で帳尻が合います。
 政治資金規正法では、同一年に於ける同一借入先での借入金と返済金の相殺が認められていますので、この解釈の場合でも問題は無いということです。

 借入金については上記の通りですが、支出についてはどうでしょう?

 世田谷区の土地取得に関する陸山会としての支出は、04年に発生しておらず、小澤氏が土地を購入、登記した後の05年1月になって、初めて「陸山会としての支出」が発生した…という事実認識が、この問題を理解する上での、一番の「肝」です。

 04年の支出は「小沢氏が土地代金を支払った」だけのことで、陸山会とは無関係なのです。
 したがって、陸山会の04年収支報告書に土地代金の支払い課目として支出の記載が無いのは当然のことであり、それこそが、私の「形式犯ですらない」とする主張の根拠になっています。

 細野氏は
「(小沢氏の説明によれば、)この金は、陸山会が東京都世田谷区の土地を購入するに際して当座の資金がなかったので、自分が一時用立てたものとのことである」
 …と書いておられますが、実際の小沢氏の説明はこれと異なります。
 陸山会は4億円の定期預金を組むにあたり、各政治団体の資金をかき集めればなんとかなるが、それだと金庫が空っぽになり活動資金が不足するので、小沢氏に資金調達できないかという相談があった、そこで現金4億円を用立てた…というのが小沢氏の説明でした。

 つまり、小沢氏が現金を用立てたのは「陸山会の資金繰り」に供するためであり、陸山会が土地購入代金を支払うためではありません。
 これが予定どおり、資金繰りに使われたのなら、この金は「借入金」になります。
 しかし実際は、再び小沢氏に帰属し、小沢氏による土地代金の支払いに使われたのですから、最終的には「借入金」に当たりません。
 たとえ一時「借入金」扱いとなっても、土地代金支払いと同時に「返済」されていますので、04年の収支報告書に、この4億円を加算する必要は全くないのです。

 04年の土地代金支払い者は「小澤一郎」である…という一点を理解すれば、陸山会の資金移動に関する会計処理は、すこぶる単純なものになります。
 専門家の分析にケチをつけるわけじゃありませんが、細野氏は、この「一点」を理解されていなかったために、複雑な課目分類を駆使しなければ、石川氏の会計処理を正当化できない…という迷路に迷い込まれているのでは思います。(それでいて「形式犯」は否定できない)

 「04年の土地代金支払い者は『小澤一郎』である」

 これは私の勝手な解釈じゃありません。
 この事実は、03年以前の陸山会による不動産取得経緯からも証明できるのです。

 「石川氏に会計知識が不足していたため、細かな部分で不備はあったが、違法とまで言えるものではない」っていう主張では裁判に勝利できません。
 なにせ「ゼロ円の賄賂」を認定してしまうのが、今の日本の裁判所なのです。

 「陸山会の収支報告書には一点の不備もなく、規正法違反に問える事実など何処にもない」
 「その事は、本件以外の陸山会の不動産取得経緯によって、100%証明可能である」

 石川氏の弁護団は、まさにこの姿勢で公判に臨まれるべきであると、私は思います。


02. 2010年2月16日 14:10:40
細野様、smac様、両氏の解析じっくり読みそれぞれ理解しました。
smac様の解析は、最初に掲示板に投稿された時から今回のコメントに至るまで全て
読んでおり、人に詳しく説明できるほど理解しています。
全てを解く鍵は、「04年10月に世田谷の土地を購入したのは誰だったのか?」と
いう事なのですね。
この点と、不動産購入時には常に銀行に定期をくみ融資を受けて決済する。この基本を踏まえていれば、細野氏の言う「小沢氏の莫大な資金の出し入れはなんとしても不可解この上なく、そのことがマスコミのリーク報道を通じて国民にしっかりばれてしまった。」は、全くの見当違いとなります。
また、小沢氏の下でしっかりとした会計処理を学んでいたであろう石川議員が
「会計の基礎理解が決定的に欠けており〜」などということもあり得ない事となります。  つまり起訴事実そのものが間違っている(無い)という事なのですね?
弁護団、本当に頑張って下さい!  検察に鉄槌を!!

03. 2010年2月17日 02:18:23
>01
細野氏あての質問であれば、直接細野氏にコンタクトを取っていただき、
疑問点を解消した上で投稿してもらえませんか?

阿修羅の読者に読ませる目的であれば、できれば細野氏と同じフォーマット・構成、ボリュームで投稿してもらえると、もう少し分かりやすくなるかと思います。

会計、特に複式簿記というのは簡潔明瞭で、画期的な発明品です。
それを元にした細野氏の解説は非常に分かりやすく感じます。
参考にしてもらえると助かります。

あと、現在の世論の状況を鑑みれば、まずは基礎的な事実を多くの人が理解し共有することが必須です。
おそらく、smacさんの投稿への反応を見ても、阿修羅の読者ですら、ほとんどが理解できていなと思われます。
一番大事なことを見失わないよう、分かりやすさを追及してもらえれば幸いです。


04. smac 2010年2月17日 08:56:41: dVqzW59EefGnc
>>03

 分りにくくてすみません。
 どうも私は論旨を簡潔に記述するのが苦手なので、ついつい長饒舌になってしまうのですが、なんとかご理解頂けるように、もう一度挑戦してみますね。

 細野氏の会計的分析は素晴らしいと思いますが、私が言っているのは、それ以前の問題として「事実認識」が間違っていると言うことなのです。
 具体的に述べます。

 細野氏が「これ以上でも以下でもない」と豪語する「現時点において証拠上明らかに認定できる事実」について…。

>(1)石川議員は、2004年10月上旬、土地購入のため小沢氏から現金4億円を受領した。(以下略)

 これはコメント01で触れたように、「土地代金支払いのための受領」ではありません。
 第一回検察聴取直後に行われた小沢氏の記者会見を正しく聞けば、「陸山会の資金繰りに供する」目的で現金が受け渡された事実に行き着きます。

>(2)陸山会は2004年10月29日午前、東京都世田谷区の宅地を3億5千万円で購入した。

 10月29日午前の石川氏による「支払い」行為は、10月4日に署名締結された土地売買契約書に基づきます。
 そして、その売買契約書に示される当事者は不動産業者と小澤一郎氏であり、陸山会は非当事者です。
 したがって、この日に陸山会が宅地を購入したとする事実認識は明らかな間違いとなります。

 上記の事実誤認に加え、細野氏の論考には、いくつかの矛盾、不備が散見されます。
 たとえば「【4】邪推に基づく妄想」の中に、こんな一文があります。

>検察官は、この4億円とは別の、例の4億円の仮受金を問題としている。仮受金ではなく借入金
>だと言うのである。
>そんなことをすれば、この年の小沢氏からの借入金は8億円になってしまう。
>あの時は、同じ4億円が陸山会の周りをグルグル回っていたに過ぎないのであり、
>金が回転したからといって4億円の借入金が8億円に化けることなどあり得ない。

 前段では「別の4億円」を問題にしていると言っておきながら、後段では「同じ4億円」が回っていただけとされています。
 融資金の4億円と現金の4億円は、明らかに「別の4億円」であり、後者を「仮受金」とするか「借入金」とするか…という問題であるはずなのに、「同じ4億円」が回っていただけと言うのは明らかな間違いであるし、これは「仮受金とするのが妥当である」という主張の根拠にもなりません。
 「最終形態が定まらないまま行われた資金移動は仮払金・仮受金として会計処理される」で説明できているものを、なぜ関係ない事柄を持ち出してまで、混ぜ返しているのか不思議です。

 また、「検察官の主張」として取り上げられている
>・平成17年の資金収支報告書に計上された世田谷区の宅地の取得は、
> 平成16年の資金収支報告書に計上されるべきであった

 について、細野氏は反論を放棄されています。
 ここでも話が唐突に飛んで、「購入資金があるのに何故、銀行融資を受けたのか?」という話題に変わるのです。

 さらに、私がどうにも理解できないのは、
>小沢氏の定期預金担保による銀行借入れに際して、陸山会の定期預金による仮受金の
>決済取引が行われたと解釈するのが相当であり、

 という部分です。
 細野氏の解釈によると、陸山会は現金4億円を受領した対価として、陸山会の定期預金4億円を小沢氏名義に書き換えた(書き変えるべきだった)…という事なのでしょうが、決済するなら定期預金など組まず、口座の預金を全部出金し、現金化して小沢氏に返せば済むことです。

 それに、定期預金の所有権移転があったと推測した根拠は、「小沢氏が定期預金を自分のものであると認識して担保に入れ、自分名義で融資を申し込んだ」ことにあるとされますが、
 03年以前の陸山会による不動産取得に際しても、小沢氏は陸山会の定期預金を担保とした融資を受けています。
 当然のことながら03年以前の件では「仮受金」などありません。
 それなら、この預担融資はいったい何の「決済」だったのか?…という疑問が生じるのです。

 以上のことから、定期預金の担保提供、もしくは名義書換えが仮受金の決済取引であったと解釈するのは、「相当」ではなく、「相当に無理がある」と言わざるを得ません。
 「石川氏が定期預金の名義書換えを忘れていた」のではなく、元々定期預金提供による仮受金の決済などなかったのであり、石川氏は定期預金の名義書換えなど必要ないと認識していたから、それをしなかっただけの事でしょう。

 ではどうして、こういう無理な解釈が生じるのか?…といえば、
 細野氏から見て、それ以外に「決済」らしき取引が思い浮かばなかったからだろうと思います。

 しかし私は、10月29日の「土地代金支払い」が、仮受金の「決済」であったと見ています。
 10月4日の売買契約当事者は不動産業者と小澤一郎氏であり、その契約に基づいた支払いは、誰が実務を担当しようと「小澤一郎氏による支払い」となります。
 石川氏が土地代金を支払った行為は、とりもなおさず小澤氏の代行なのであり、その時点で4億円の仮受金は「決済」されているわけです。

 私は最初に「根本的な事実誤認」として、
 【細野氏は「04年10月に不動産業者と土地売買契約を結び、代金を支払って土地を購入したのは『陸山会』である」と勘違いしている】…を挙げました。
 10月29日の支払いが「陸山会による支払い」であったなら、確かに4億円の仮受金は未決済のままです。
 しかし「小澤一郎氏による支払い」であるなら、仮受金は小澤氏の帰属に戻されてから支出されたことになり、決済済みだと言うわけです。

 04年10月に不動産業者と土地売買契約を結び、代金を支払って土地を購入したのが「小澤一郎」であると言う事実は、マスコミやネットに流れた売買契約書(小澤一郎の署名がある)および登記簿謄本(05年1月7日に小澤一郎名義で登記されている)などにより証明済みです。
 これこそ、まさに「それ以上でも以下でもない事実」なのです。

 この事実に基づけば、陸山会としての支払いが04年に発生しておらず、当然のことながら支出計上する必要もないことが明白になります。
 細野氏が反論を放棄した前述「検察官の主張」も、この事実によって一刀両断というわけです。

 であれば、結論として「収支報告書が単式部分簿記であるから違反に問えない」とする細野氏の主張も間違いであり、そもそも「違反など何処にもなかった」が正解となるのです。

 ご理解、頂けたでしょうか?
 


05. 2010年2月17日 15:10:24
smac氏の解説が分かりにくい原因は、「個人としての小沢氏が04年に土地を購入し、05年に陸山会に権利を移転した」という論理に無理があるためで、その論理に固執するあまり、取引の全体像を見る目も曇ってしまっていると思われる。

04年の不動産取引は陸山会が行ったものではないという主張は、以下の理由から認められない。

・不動産取引の実務を陸山会の人間が行っている。売買代金も陸山会の口座から支払われている(いったん小沢氏の個人口座に戻ったという事実はない)。
・小沢氏が不動産購入のために4億円を支出したのは、不動産の決済期限に融資が間に合わなかったためであり、不動産購入資金を立て替える意図が認定される。資金繰りに限定した支出とは認められない。
・陸山会名義で定期預金を設定しており、過去の事例から、04年の不動産購入の意思が認定される。
・小沢氏も記者会見で記載ミスがあったことを認めている。

なお、不動産業者から「陸山会から政治利用するための土地を購入したいという話があった」という証言でも出れば、それだけでアウトとなる。

ちなみに、売買契約書に「小澤一郎」と書いてあるが、それ以外の書き方はできない。陸山会には法人格がないからだ。この売買契約書をもって、単なる個人の取引とは認定されない。

なお、05年に陸山会が購入したとなると、05年の支出時点で小沢氏からの借入金として計上しなければならない。実際の報告書では借受金として簿外となっているため、これが明らかな不記載と認定されてしまう。


06. smac 2010年2月17日 17:42:42: dVqzW59EefGnc
>>05

>売買代金も陸山会の口座から支払われている。

 ソースをお願いします。
 また、その陸山会の口座名義は「陸山会」だったのでしょうか? それとも「小沢一郎」だったのでしょうか?
 「小沢氏としての支払い」を陸山会名義の口座から振り込むと、取引に混乱を生じると思うのですが…。
 また、契約相手の不動産業者が契約非当事者である陸山会からの入金を認めるでしょうか?

>小沢氏が不動産購入のために4億円を支出したのは、不動産の決済期限に融資が間に合わなかったため、

 というより、そもそも4億円の定期預金を組めるかどうかも微妙だったようですね。
 で、組めたとしても活動資金が不足する。組めなければ小沢氏が銀行融資を受けれないので「小沢氏による購入」が出来なくなります。
 そこで、定期が組めた場合は資金繰りに使用し、定期が組めなかった場合は「小沢氏による土地購入」の支払いに使う…という両睨みだったのだと思います。(前者の場合は「借入金」処理、後者の場合は「借入と返済で相殺」処理)

>過去の事例から不動産購入の意思が認定される。

 陸山会が最終的に所有する意思は、もちろん当初からあったと考えています。
 「小沢氏による購入」→「陸山会への転売(権利移転)」は単に手続きの問題です。
 ただ、そうした手続きをとっている以上、会計処理もそれに準ずるのが本来であり、陸山会としては04年の土地購入がなかった…と処理すべきものなのです。

>それ以外の書き方はできない、陸山会には法人格がないからだ。

 契約の権利を持たない社団が、なぜ代金の支払いを出来るんでしょう?
 契約者を小沢氏に肩代わりしてもらうのであれば、支払い者も小沢氏の名義でなければ変ですよね。
 小沢氏の名義による支出は、実務が陸山会の人間によるものであっても、陸山会の支出にはなりません。
 「個人の取引とは認定されない」とおっしゃいますが、権利能力なき社団の取引だと認定するのは法的に無理じゃないでしょうか?

>05年に陸山会が購入したとなると、05年の支出時点で小沢氏からの借入金として計上しなければならない。

 借入は04年に計上しており、陸山会の04年翌年繰り越し金は6億円以上ありました。
 新たな借入をしなくても支出は可能です。


07. 2010年9月02日 21:19:46: 43PT2w1y8E
私はこちらの投稿を支持したい。

http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/610.html


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