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元大阪高検・三井環氏が語る《検察の裏金》(後)【JANJAN:いよいよ検察による組織的謀略の内幕暴露の佳境に】
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/715.html
投稿者 一市民 日時 2010 年 3 月 05 日 11:25:24: ya1mGpcrMdyAE
 

(回答先: 元大阪高検・三井環氏が語る《検察の裏金》(前)【JANJAN:三上英次記者による講演記録】 投稿者 一市民 日時 2010 年 3 月 04 日 15:26:35)

http://www.janjannews.jp/archives/2808250.html
元大阪高検・三井環氏が語る《検察の裏金》(後)

* 2010年03月05日
* 省庁・官僚
* 講演・講座

三上英次
 前回記事:元大阪高検・三井環氏が語る《検察の裏金》(前)
 http://www.janjannews.jp/archives/2800602.html
 
 (4)「日歯連事件」
 
 三井氏は講演の席上、自らが「けもの道」と呼ぶ、検察首脳らによる内閣への借り、つまり裏金に端を発したごり押し人事を時の政権に目をつむってもらうことの弊害が、歴代の内閣下で如実に見られると指摘した。
 
 「政権担当者への捜査を進めようとしても、向こうから『検察の裏金を公表しましょうか』とでもちらつかされたら、捜査を中断せざるを得ない」ことの具体例として、三井氏は、2001(平成13)年7月の日本歯科医師連盟(略称「日歯連」)による自民党へのヤミ献金事件を挙げた。
 
 これは、自民党三役と同党国会議員への献金に絡んだ贈収賄事件として「大疑獄」になるはずのものであったという。
 
 2002(平成14)年3月末、野中広務氏から連絡があり、京都駅前の都ホテルに三井氏は出向く。約1時間、ふたりはホテルで話し込んだという。三井氏は加納氏への告発資料(週刊誌記事なども含む)を野中氏に渡し、法務・検察に関するつっこんだ話もしたらしい。
 
 「野中さんは、検察の裏金や検察の弱みについて知っているんです」
 
 「当初、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反で、野中氏と村岡兼造氏の2人を起訴する予定だったという。ところが、松尾検事総長から『2人の必要は無い、ひとりでいい』ということになり、他にヤミ献金でも〈大疑獄〉となるような事件の捜査が実質的にストップしてしまったのです」
 
 「捜査の中断に対して、特捜部の検事がひとり辞めたと聞いています」
 
 「この日歯連の事件(注・村岡氏の起訴は04年7月)も、2001年の〈けもの道〉、つまり裏金問題で揺れる検察人事の解決に、政府高官を頼ったことから、本来捜査すべき事案を、足元を見られて追及できずに捜査を中断してしまった例なのです」
 
 他にも、検察が政権の意のままになった例として、北朝鮮に強い態度をとる安倍内閣時の、緒方重威(おがた・しげたけ)元公安調査庁長官(元広島高検検事長)への逮捕(詐欺容疑)が挙げられる。この事件では被害者の総連側が「だまされた認識はない」との意見表明までしているもので、朝鮮総連に支援の手を差し伸べる緒方氏を不快に思う安倍内閣の顔色をうかがった検察の暴走と三井氏は見る。さらに小沢幹事長の秘書逮捕についても三井氏からコメントがあった。


講演会で、参加者からの質問に耳を傾ける。(撮影・三上英次 以下同じ)

 (5) 小沢氏の秘書逮捕問題
 
 2009年3月3日、民主党の小沢一郎代表(当時)の公設第一秘書が逮捕される。容疑は、西松建設関連の政治団体から受けた政治献金について、不実記載をしていたという形式犯(微罪)での逮捕容疑であった。
 
 逮捕時期が、国会開催中、しかも自民党が支持率の低迷に悩む時期だっただけに、国策捜査ではないかとの指摘は随所で聞こえた。そして、秘書逮捕以後、大手メディアは検察からのリーク情報でこれみよがしに紙面を飾った。これを、検察や裏で糸を操る者らによる、小沢氏を悪者に仕立てるための世論操作と見る意見は多い。
 
 実際に、漆間巌(うるま・いわお)内閣官房副長官(前警察庁長官)は、軽率にも「西松建設の違法献金事件に関する東京地検特捜部の捜査が自民党の議員にまで拡大することはない」とオフレコ発言してしまい、逮捕が国策捜査であることの疑いはさらに強まった。
 
 「政治に影響を及ぼす時期に逮捕はしない――これは、検察の不文律であり、よき伝統だったのです」
 
 「あの時期の逮捕が、法務・検察の考えではないことは明らかです。自民党の支持率アップをねらいたい人たちによる、検察を用いた捜査と言うのが妥当なところです」
 
 今年の1月15日、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で、「陸山会」の会計事務担当だった元私設秘書、衆院議員石川知裕衆議院議員ら3人が、東京地検特捜部に逮捕されたことについても、三井氏は次のように分析する。
 
 「石川議員自身が、虚偽記載は認めています。ですから、起訴しようと思えば、いつでも起訴できるのです。それを3人逮捕したというねらいは、やはり小沢氏にあったのでしょう」
 
 「但し、4億円の土地購入代金の中に、水谷建設からの5千万円が含まれていて、しかも小沢氏との共謀も証拠がそろっているというのなら、石川議員らの逮捕もわかります。5千万円は当然、公共工事の謝礼と考えられるからです。そういうことが立証できないのなら、ふつう逮捕はしません」
 
 「ところが、その後2月に3人は東京地裁に起訴されますが、肝心の4億円の中に、水谷建設からの5千万円が含まれていたのかも、曖昧、小沢氏との共謀もはっきりしない。つまり、客観的な裏付も無く逮捕がされていると言ってもいいわけで、『検察の暴走』と言われても仕方ない」
 
 「つまるところ――裏金を隠蔽しているという弱みです。その弱みがあるからこそ、検察は政治に利用される。政権の不正を追及するという、検察本来の役割が果たせていないのです。その元凶は、さきに私が言った〈けもの道〉にあるのは明白です」
 
 犯罪は、ふつう個人のものであれば、「ばれないようにするのが情というもの」と三井氏は言う。「しかし、組織の犯罪をここまでひた隠しにして、その弊害ははかりしれない」
 
 「警察にも裏金問題はあります。まだ解明されていない部分もありますが、少なくとも一部のおもてに出ている部分は、責任者は謝罪しているのです。検察は、原田検事総長らが記者会見で『裏金は事実無根である』と大嘘をついてしまったために、あとは、その嘘を繰り返すしかないのです」
 
 「裏金という犯罪を検察組織がひた隠しにしようとするから、結果として、時の政権に検察そのものが利用されるのです。身ぎれいにしておれば、利用されることはないのです」
 
 
 (6)裏金問題解決のためのふたつの方法
 
 「法務・検察にはもはや自浄力は無い」と三井氏は断言するが、それでは、この検察の裏金問題について、どのような解決策が考えられるのだろうか。三井氏によれば、平成15年頃、三井氏は衆議院議員会館に現在の原口一博総務大臣、河村たかし名古屋市長、上田清司埼玉県知事らを訪ね、検察の裏金について話をしたという。
 
 「だから、原口大臣も、検察の裏金についてよく知っているのです」
 
 「民主党政権は、事業仕分けなどやっているが、検察の裏金はどうなんだ、と私からは言いたいです」
 
 「マスコミも、政治家も、みんな検察が怖いのです。特に政治家は、みんな叩かれたら後ろめたいところを持っていますから『やる、やる…』と言いながら、調査も何もしないのが現状です」
 
 三井氏は、検察相手の裏金問題を避けて通る面々に多少いらだつ様子も見せたが、同時に「今が、検察の裏金を解決するいちばんいい時機」とも言った。
 
 「ひとつは、千葉景子法務大臣が、行政上の指揮権を発揮して、裏金について謝罪し国に返金せよと命令すればいいのです。そうしたら国民は拍手喝采しますよ」
 
 「もう一つは、法務委員会で、まず私を参考人として招致して、次いで樋渡利秋(ひわたり・としあき)検事総長を証人喚問すればよいでしょう、これだけ裏金が大きな問題になっている今、わざわざ偽証までしてウソをつくメリットは考えられません」
 
 最後に、三井氏は「私や限られた議員だけでは、上のふたつを実現させることは難しいでしょう、鈴木宗男議員も協力すると言ってくれていますが、何よりも多くの人のあと押し、世論の形成がどうしても必要です。そういう風(世論)が吹けば、千葉法相らも、毅然たる態度で検察に臨むしかなくなるはずです」、「今を逃せば、今後、裏金追及はしにくくなるでしょう」と述べ、次のようにも言葉を足した。
 
 「私は、呼ばれれば、たとえ聴衆が10人でも検察の実態について話しに行きます」


霞ヶ関の検察庁庁舎。千葉景子法相や樋渡利秋検事総長らは、三井氏の言葉をどう聞くのだろうか。

 (7)〜 後 記 〜
 
 平成13年6月5日、三井氏は大阪キタ新地の料亭に、「関西検察のドン」と言われた検察OB(元大阪高検検事長・逢坂貞夫氏)から呼び出しを受ける。(3)で出て来る、加納氏のかつての上司でもあった人物だ。
 
 その人物は、世間話の合間に、次のような言葉をかけたという。
 
 「なぁ三井君、組織を裏切ったやつはモリカズみたいになるんや。そのことはよう覚えときい」
 
 まるで、ヤクザ映画を見ているようなフレーズではないか。「モリカズ」とは、大阪地検特捜部や東京地検特捜部に属しながら、のちに詐欺容疑で逮捕・起訴され(懲役3年)、2008(平成20)年3月から収監されている田中森一氏のことだ。
 
 逢坂氏の“警告”通り、三井氏も「モリカズ」同様、刑務所に入った。しかし、世の中、邪魔者を刑務所に入れればすべて思い通りになるものではない。その証拠に、講演中の三井氏は誠に意気軒昂(いきけんこう)であった。


事務所での三井環氏。「高校生はまだ無理だろうが、大学の法学部の学生相手には、一度、ぜひ話(講演)をしてみたいね…」

 講演から数日経って、都内で事務所を構える三井氏を訪ねた。講演会でのこと、そして「これから法曹界に入ろうとしている若い人たちや現職の検事、さらには広く国民に語りかけたいことはありますか」と質問すると、やや間を置いて、三井氏は次のように口を開いた。
 
 「検察の組織的裏金は、動かしようのない事実です。自ら犯罪に手を染めながら、それをひた隠しにする――そのおかしさは、子どもでもわかるはずです。また、これからも社会がそのようなおかしい世の中であってよいわけがない。今からでも遅くはありません、検察の首脳は、国民に謝罪するべきです」
 
 「娑婆(シャバ)」に出て約1ケ月半、「体調はどうですか?」と尋ねてみると、三井氏は「いいですよ、…でも最近、少し飲み過ぎかな」と言ってニヤリと笑った。
 
 
 (了)
 
 
〈三井環氏への講演依頼〉
 
 ◎三井環事務所 (担当・中村さん)
 e-mail info@syowakikaku.com
 FAX 03(5827)3132
 
 
〈関連記事 〜特集『裏金』〜〉
 
 ◎最高裁の裏金疑惑(小倉文三記者)
 http://www.news.janjan.jp/living/0907/0907227533/1.php
 
 ◎捜査費横領システムの闇(成川順記者)
 http://www.news.janjan.jp/living/0710/0710304804/1.php
 
 ◎日本警察の浄化をめざして(仙波敏郎氏講演録)
 http://www.news.janjan.jp/living/0908/0908138680/1.php  

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