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自我原理支配され、隠蔽・言い訳・誤魔化しの巣窟だった旧軍部 (日本を守るのに右も左もない)
http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/228.html
投稿者 明るい憂国の士 日時 2010 年 3 月 11 日 07:50:33: qr553ZDJ.dzsc
 

植草一秀の『知られざる真実』「最近のトラックバック」より
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-323a.html

http://blog.trend-review.net/blog/2010/03/001573.html
日本を守るのに右も左もない
2010年03月09日


【転載開始】


自我原理に支配され、隠蔽・言い訳・誤魔化しの巣窟だった旧軍部
「2/28なんでや劇場レポート(2) 隠ぺい・言い訳・ごまかしの横行によって崩壊する試験体制」では、
隠蔽・言い訳・誤魔化しが顕著になったのは'90年バブル崩壊以降であるとされたが、
それより50年以上前の戦前・戦中から、軍部においては不都合な情報の隠蔽が横行していた。
「大本営発表」とは隠蔽や誤魔化しの最たるものである。

『官僚亡国〜軍部と霞が関エリート、失敗の本質』(保阪正康著 朝日新聞出版)「第一部 官僚と戦争」から引用する。


大本営は、まず作戦(戦略や戦術)があり、それにもとづいて情報収集・分析があるという欠陥を抱え込んでいた。加えて、主観的願望を客観的事実にすりかえるという傾向(精神主義)が、まさに大本営の二大特徴として指摘できるのだ。

太平洋戦争下でのこの二つの特徴を象徴するエピソードを紹介しておきたい。

昭和19年2月、海軍大臣の嶋田繁太郎は陸軍の東條英機に倣って軍令部総長も兼任することになった。軍政と軍令を自らの手中におさめたのだ。大本営海軍部第三部(情報部)の第五課長だった実松は、アメリカ軍の動きを分析して嶋田の机に持っていった。日本軍の戦力が著しく落ちているので、大きな海戦には慎重を要するという内容の報告書であった。

嶋田は、それを一読するなり、「こんな不愉快なものは持ってくるな」と実松にむかって投げ返したという。劣勢であると分析した報告書など読みたくないというわけだ。これなど主観的願望を客観的事実で崩されたくないとの典型的な態度である。
私はこうしたエピソードを数多く聞いているうちに、嶋田に代表されるような軍事指導者があのころいかに多かったかを知ることができた。


「台湾沖航空戦をめぐる電報握り潰し」を見ていくことにする。
(台湾沖航空戦は)太平洋戦争末期で戦況が悪化しているなか、日本軍が挙げた久々の大戦果ということで、国内では真珠湾以来の興奮状態が演出された、同時に、戦争のゆくえに期待が高まった。その結果、捷(しょう)一号作戦として準備されていたルソン決戦は急遽、レイテ決戦に変更された。台湾沖航空戦の戦果に基づく判断だった。しかし、この作戦は失敗する。このレイテ決戦によって、日本兵は十万人近くが戦死した。

原因は戦況認識の誤りだった。そもそも台湾沖航空戦の戦果はまったくの虚報だったのである。この戦果が誤報だという報告を陸軍内部にあげていた人物がいたことが、後に明らかになる。その報告を伝えたのは、大本営情報参謀の掘栄三だった。
帰還したばかりのパイロットから話を聞いてまわった末に、華々しい戦果の根拠が薄弱なことを悟り、「この戦果はおかしい。よく調査して作戦行動に移すように」との旨、大本営の情報部長に暗号電報を打った。だが、堀の情報は大本営に届かず、打った電報の行方は不明のままだった。

その堀が(大本営参謀の)瀬島龍三から意外な告白をされたのは昭和33年のことだった。堀は言葉を失った。「(瀬島が堀の電報を)握り潰した」という言葉を直接耳にしたからだ。

なぜ、軍部は戦前・戦中から隠蔽・言い訳・誤魔化しの巣窟と化したのか?


隠蔽・言い訳・誤魔化しの原点は自我原理であるが、私権時代にそれを制御してきたのは私権圧力である。
「2/28なんでや劇場レポート(1) 私権時代に求められた能力と、共認時代に求められる能力」で明らかにされたように、
私権時代に必要な能力も集団統合力・共認形成力であった(その目的は己の私権獲得のためであり、手段は利益誘導=アメとムチだったとはいえ)。この私権の共認圧力によって自我原理を制御してきたわけだが、ここから逆照射して考えると、戦前・戦中の軍部は私権圧力さえも働かなかった集団だと考えられる。だから、自我原理が蔓延り、隠蔽・言い訳・誤魔化しが横行したのではないか。


そして、軍部がそうなったのも、陸大・海大出の試験エリートが中枢を牛耳ったからであろう。


試験と受験勉強は、予め答えの定まった問題を【一人】で解くことである。これでは、共認形成力や集団統合力は身につくはずがない。しかも、現在の官僚もそうだが、入省時の学歴と試験の席次によってその後の私権(出世)が保証される世界である。実際、旧軍部の参謀たちは、作戦の失敗や敗北を繰り返しても出世していった。


一般の企業では私権獲得(出世)のためには(利益誘導を駆使した)共認形成力は必要だが、軍部をはじめとする官僚組織では共認形成力は全く必要とされない(入省前の試験の点数で出世が決まるのだから)。むしろ、幼少期から勉強漬けで仲間との共認を捨象してきた者(自我原理の強い者)が試験上位となって出世する。そして、彼らが中枢を牛耳る構造にある。


つまり、軍部や官僚組織では、私権圧力さえ働いておらず自我原理に支配される。これが軍部や官僚組織では戦前から隠蔽・言い訳・誤魔化しが横行する理由であり、戦前の日本がガタガタになって敗戦に至った原因であり、官僚をはじめとする試験エリートが無能化する根本原因ではないだろうか。


【転載終了】
 

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コメント
 
01. 2010年3月11日 10:30:17
政権交代によって、次々に隠された事実が、公になって、本当に良かった。旧政権や纏わる既得権益者の抵抗は、凄まじいものがありますが、滅びゆく時は、こういうものだとも思います。
敗因の原因もさることながら、責任放棄し、ちゃっかり居場所は、確保。それが、70弱年続いてきたのです。ネットの普及によった大改革がなされようとしていると思います。こんへんで、しっかり、けじめをつけましょう。検証を一つ一つ丁寧にやっていきましょう。
国民が知性をもてば、成し遂げられることでしょう。

02. 2010年3月11日 13:56:40
>>01.さん

同感です。
国民が一致団結して、焦らずらに・着実に・慌てずに…ですね。


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