3月21日18時29分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100321-00000524-san-pol

【松本浩史の政界走り書き】

　政府・民主党では、夏の参院選前に内閣改造・党役員人事を行い、政権浮揚に結びつけるシナリオがささやかれている。鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長の「政治とカネ」問題などが響き、報道各社の世論調査では内閣支持率が軒並み下落。その挽回策として人事を一新し、反転攻勢に出ようというわけだ。

　もっとも、首相は記者会見などで「考えていない」と改造論を一蹴している。それでもくすぶっているのは、表向き強気の姿勢をみせている首相自身が実は、政権支持率の低下に気をもんでいるという事情がある。

　ある政府関係者にその辺の事実関係を尋ねたら、こんな答えが返ってきた。「首相が内閣支持率の低下を気にしているのは間違いない。どうにかして反転攻勢をしかけないと」。つまり、政権の置かれた環境次第で「改造カード」を切り出す可能性はあるというわけだ。

　人事を断行するには大義名分が必要となる。政権浮揚策の思惑だけがにじめば世論に見透かされ、狙い通りの展望は開けない。改造論者には、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設問題に伴う混乱収拾に求める声が強い。

　今月上旬、移設問題をめぐり、首相周辺が社民党幹部を訪ね、説得を試みている。首相周辺は、キャンプ・シュワブ（同県名護市）沿岸部や陸上部へ移設することの重要性を説いたのに対し、社民党側は、アメリカ領グアムなど国外・県外への移設を主張し、折り合えなかったとみられる。そのことは首相周辺がその後、「（社民党説得は）疲れちゃったよ」と、親しい関係者に弱音を漏らしたことからもうかがえる。

　社民党の福島瑞穂党首は、移設問題が同県内で決着した場合、連立を離脱する可能性について「今の段階で結論を出すことはできない」と述べ、離脱ムードが広がることに神経をとがらせている。だが、党内には、参院選を視野に独自色を発揮した方が得策として、「離脱やむなし」との空気は消えない。

　社民党を「震源地」とする内閣改造は、果たしてどこまでの実現可能性があるのか。別の首相周辺からはこんな見立てを聞いた。「民主党から社民党を切ることは絶対にない。小沢氏も参院選後の政局に備え、連立離脱を切り出す考えはない。向こう（社民党）が出ていくなら止めはしないけれど」

　昨年９月に与党３党が交わした連立政権の合意書では、移設問題に関し「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と明記しており、首相は先の衆院選で、「最低でも県外」と訴えていた。政府は３月末に移設案を取りまとめる方針とはいえ、県内とする案になれば、「公約違反」の批判が沸き上がることは必至だ。

　政府は昨年１０月、自民党政権下で設置された「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」（普天間協）を廃止する方針を決定。その後、平野博文官房長官をトップとする「沖縄基地問題検討委員会」を立ち上げ協議を重ねてきたものの、同委での実質協議は見送り、平野氏が取りまとめ役として水面下での調整に奔走している。平野氏は周辺に、移設問題の解決について、「自分の首（進退）をかけてやる」との覚悟を示している。移設問題は、対米関係への配慮から県内に決着する公算が大きい。となれば、「公約違反」の責任を誰かが負わなければ、野党はもちろん、世論を納得させることも到底できないだろう。

　移設問題に対する政府の取り組み方をみていると、平野氏の辞任に伴う改造論という筋書きもみえてくる。改造論者に共通しているのは、「規模は小幅」という認識だ。さらに党役員人事と連動させるべきと唱える向きも強い。そこで、自身の「政治とカネ」問題について十分な説明責任をせず、批判の矢面に立っている小沢氏をどう処遇するのかが最大の焦点となる。

　民主党幹部は内閣改造の行方をこう見通す。「４、５人動かすだけでいい。その際は、政府と党で『タスキがけ人事』をすることが大切だ。『ポスト小沢』の幹事長人事で、『小沢院政』との批判を招くまねをしては元も子もない。首相に近い政治家を政府から持ってくるのがベスト」

　小沢氏は、昨年の西松事件で代表から選挙担当の代表代行に退いた。代表辞任後は、代表選が行われ、「政治とカネ」問題に絡む世論の批判をかわすことで、政権交代を実現させた。だが、先の長崎知事選で支援候補が敗北したように、無党派層からの支持を急速に落としている主因は、小沢氏が幹事長にとどまり、自浄能力を発揮できない民主党の体たらくにある。

　それでも、選挙の実務を仕切る小沢氏は、参院選に向け、候補者選定に汗を流しており、空白区での候補擁立に血眼になっている。候補予定者の説得工作となれば、「『明日にでも』などとのんきなことはせず、『今すぐだ』と言って、全国を飛び回る」（党関係者）フットワークのよさと、選挙区事情に通じている戦略眼は「ほかにできる政治家は党内にいない」（同）。

　今月下旬には、首相の政治資金収支報告書の虚偽記載にかかわる元公設秘書の初公判があり、４月下旬には判決を迎える。ゴールデンウイーク（ＧＷ）前後には、再び「政治とカネ」問題が浮上するだろう。党内にはすでに、「ポスト小沢」や平野氏の後任などの名前が取りざたされており、首相が内閣改造・党役員人事に踏み切る“環境”は、これからさらに整っていくように感じる。 　

コメント
01. 2010年3月21日 21:58:36 一番変えるべき人間は鳩山ではないか。 小沢を切って鳩山だけが安泰と言う馬鹿なことを考えているとは 一番悪質なのが鳩山の秘書では これが政界の常識 この松本って鮫の脳みそ以下 このような奴に騙される鳩山ではないと思うが
02. 2010年3月21日 22:03:15 小沢氏の幹事長解任は、無党派層を取り込めるかもしれないが、 逆に、これまでの民主支持層の支持離れを招くことはまちがいない。
03. 2010年3月21日 22:09:44 真偽は不明だが、少なくとも平野を代えるのは賛成。 ついでに千葉、前原、北沢もお忘れなく。
04. 2010年3月21日 22:18:51 内閣改造は賛成だが、読みながら変だとも思ったら３Ｋのおためごかし記事じゃねーか。 平野更迭は大賛成だが、小沢幹事長辞任なんてとんでもない。要するに民主党をバラバラにしたいだけ。小沢首相なら賛成しよう。
05. 2010年3月21日 22:20:04 なぜ？鳩は、前原　北澤　岡田　平野　仙石　枝野　等を内閣に入れたのか理解に苦しむ。　こいつらのせいで内閣支持率が下がったのではないか。　ブレブレで好き放題に発言し責任を取らないガキ供だ。 いったい誰のおかげで政権与党になり大臣になれたと思っているのだ、全ては、小沢のおかげだろう。　お前らの力なんかでは、万年野党で終わってただろう。　もっと自分の限界を知り自覚して反省し謙虚になれ糞ガキ供が！
06. 2010年3月21日 22:25:29 内閣改造の話が出てきたことは、鳩山首相自身が追い詰められていると言うことじゃないか。　リークしているのは鳩山側近ということかもしれないが、小沢幹事長を切ることは不可能だろう。　党内での反小沢派は少数でしかないから、党内議論では鳩山に勝ち味は無い。　本来であれば平野官房長官を更迭するところだが、そうであれば防衛相も外すことになる。　海兵隊基地については県内は駄目と言う結論を出すのが一番だが、その決心が出来るかどうか。　ニュースとして流されているように、県内移設で止むなしと判断したと言うのなら、官房長官を更迭するから幹事長も辞めてくれと言う可能性もある。　それを言い出せば党内が治まらなくなるから、自分が辞めると言い出す事だってありそうな雰囲気である。　むしろ鳩山首相が辞任して、民主党内の反小沢派という獅子身中の虫を根こそぎ退治するという方法もあり得る。　首相の後任なら菅さんでよいが、小沢幹事長に代われる人材などいないことは確かである。　勝負どころに来ているのかもしれない。　N.T
07. 2010年3月21日 22:36:01 普天間移設が沖縄県内なら、鳩山内閣総辞職でないと収まらないと思う。 自信満々の首相をみていると、ウルトラＣがあるとしか考えられない。 そうなれば支持率もあがり、内閣改造も小規模でよい。
08. 2010年3月21日 22:41:18 >>06 逆だろ逆。反政権メディア筆頭である「あの産経」がこんな記事を出してきたということは、むしろ反小沢民主党執行部陣営側が手札を切り尽くして手詰まりになったということだろう（大体、執行部に属しながら、言うべき時と立場に言うべきことを言わずに、姑息に録音した内容を外部メディアに流すという、一般社会常識はずれの元副幹事長をもてはやす時点で、大多数の旧体制メディアは終わっている＜自営業にしろサラリーマンにしろ、いくらでも内部で発言出来る立場も機会もあった人間が身内の内部事情を相手の許可無く録音して外部に漏らすようなことを許せると思うか？）。 最近になって「新聞・テレビの危機」が声高に叫ばれ、それらメディアの内部の末端からも「政権批判報道に対する苦情の嵐」「購読打ち切りの連続による経営危機」「スポンサー企業への一般視聴者からの苦情多数によるスポンサー側からのクレーム」といった内情があちこちで書かれている現状では、大手メディアの「大本営発表」を一方敵に盲信するいわゆる『Ｂ層』と呼ばれる人々は相当減ってきているのではないか、と推測する。
09. 2010年3月21日 22:53:34 産経の記事は読むに値しないし読んだらアホになる！これ間違いなし。　今やるべき事は反党分子を除名し、毅然とした対応をする事、国民の側にたった政策をどんどん推し進めて行く事、小沢幹事長、管副総理と綿密に連携し党をまとめて行く事を頑張ってやってほしい！　それとアホな内閣府の副大臣が消費税を１０％とか勝手な事を言ったようだが明確に否定し、このアホを処分する事。頑張れ民主党！
10. 2010年3月21日 22:59:57 「鳩山首相は内閣改造・党役員人事で反転攻勢へ」ってタイトルだったので いよいよ平野や千葉など変えるのかなと期待して、開いたら、 「産経新聞」引用だったから、見るのやめた。 よんでないので、０９さんのコメント見て、私なりに納得した。

11. 2010年3月21日 23:07:43 もはや予測や予想を通り越して願望だな。 ＞改造論者には、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設問題に伴う混乱収拾に求める声が強い。 改造論者・・・産経新聞を含むネオリベの人間。 混乱収拾・・・社民を切り捨てて従来の右翼路線に引き戻せ。 ＞改造論者に共通しているのは、「規模は小幅」という認識だ。さらに党役員人事と連動させるべきと唱える向きも強い。そこで、自身の「政治とカネ」問題について十分な説明責任をせず、批判の矢面に立っている小沢氏をどう処遇するのかが最大の焦点となる。 おやおや、普天間の問題なのに小沢もですか。と思いきや最大の焦点とは(笑) とにかく小沢はいなくなって欲しい。物のついでに社民党も切り捨てて欲しい。 最後にネオリベ路線に戻せだろうな。
12. 2010年3月21日 23:37:24 ＞無党派層からの支持を急速に落としている主因は、小沢氏が幹事長にとどまり、 ＞自浄能力を発揮できない民主党の体たらくにある。 違います。 主因はマスゴミによるマスゴミのための意図的な世論誘導です。
13. 2010年3月22日 00:19:54 普天間基地は、結論をX年後までに出したいという形で決着すと考えている。鳩山、小沢、管、諸氏の意図が読めぬ官房長官と事務方が一緒になって、フリをすればよいものを、本気でやってしまったところに原因がある。官房長官は前期結論で場合によっては辞任しなきゃならないんで、側近ならば、わかりつつ行動しなきゃどうするかと言いたい。一身に引き受けての辞任をやり遂げれば、ほとぼりがさめての再入閣になる。
14. 2010年3月22日 02:05:03 松本浩史の政界走り書き・・・こいつもだいぶ上手に騙すな（サンケイ）
15. 2010年3月22日 06:53:40 産経が馬鹿なのが小沢氏が幹事長辞めたら次は何故首相は辞めないの？ってなるのがわかって無い所(笑)
16. 2010年3月22日 14:25:59 そろそろ惨軽の「安楽死」を考える時がきましたな。どうしましょうか？
17. 2010年3月23日 03:52:40 小沢が幹事長やめるのは代表に復帰するとき。いずれにせよ、主権者が決める。どんどん信用を失っている愚劣なマスコミ連中じゃない。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます（表示まで20秒程度時間がかかります。）
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映　通常 ｜動画・ツイッター等 ｜htmltag可（熟練者向）
（タグCheck ｜タグに'だけを使っている場合のcheck ｜checkしない）（各説明）

（←ペンネーム新規登録ならチェック）
↓ペンネーム（2023/11/26から必須）

↓パスワード（ペンネームに必須）

（ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。）
↓画像認証
（ 上画像文字を入力）
ルール確認＆失敗対策
画像の URL (任意):
フォローアップ:

　次へ 　前へ

▲このページのＴＯＰへ　　　　　 ★阿修羅♪ > 政治・選挙・ＮＨＫ82掲示板

★阿修羅♪　http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。