http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/bf4329e3cf984a7558d86889c0c8dc3e

以下の三つの記事を連続的に読んでみると、日米は同盟どころか冷戦前夜の趣さえ感じさせる。

この点を突いたマスメディアの煽り報道がテレビを中心になされる可能性は高いだろう。これにゲーツ国防長官の怒りを追加すれば、もう開戦前夜のドラの音が聞こえてきそうだ。(笑)

日本バッシングの元締めで、悪名高き年次要望書を自民党政権に送り続け、その実現を果たしてきた「米通商代表部」が「両国の良好な共同作業に影を落としている事案があることを心配し始めている」とジャブを繰り出し、何と郵政改革、牛肉輸入制限、米車へのエコカー減税促進と３点セットで恫喝準備に入ったようだ。

次に鳩山の「トラスト・ミー」に二度と騙されないと言わんばかりに、オバマとの首脳会談をセットする気配さえ見せない。非公式の会談セッティングにも、現時点では米国政府は消極的なようで、完全に「シカト」する姿勢を崩していない。実態は「オバマ政権内の意思統一が整っていない」のが事実だと解するべきなのだが。

鳩山由紀夫はそれに対して、怒りも見せず核安全保障サミットの際にオバマ大統領に「会議の中で当然、何らかの形で今の経緯を申し上げたい」といたって紳士的に低姿勢である。案外、腹の中は慇懃無礼なのかもしれない。(笑)

米国政府の「シカト」は小沢幹事長にキャンベル国務次官補が要請した、民主党大訪米団計画も表向き普天間移設問題の決着も未決のままの訪米は「二元外交」と云う非難を浴びかねず回避したとなっているが、誘いを掛けておいて、米国が準備らしい準備をしていないのが現実のようで、やはり「シカト」の一種である。

この流れは、我が国のマスメディアに「米国が怒っている。それも同盟国とは思えない激しいものだ。本当に大変なことになる、普天間を辺野古現行案で着地させた方が良い。さもないと、日米経済摩擦が発端で日米同盟の崩壊の始まりに」と云った類の大袈裟論評（テレビの場合は喚く笑）が展開されるのかもしれない。

筆者はこれらの事実で、日米関係がぎくしゃくするのなら、それはその程度の同盟だったと割り切るしかないのだと思う。その程度の子供の喧嘩みたいな事でギクシャクとか、嫌がらせ、挙句に恫喝など連続するようなら、そんな国に国土、国民を守って貰うなど笑止の沙汰だと思えば良いだけ。絶対に怒らず喧嘩せず、米国の真の姿を浮き出させるのも「友愛」的外交である。

おそらくこのような流れはアングロサクソンの喧嘩手法であり、相手に失礼なことをして、切れさせる常套手段の軽度のものだと思われる。怒らせて、どのくらい「ケツを捲るか」観察しているのである。逆に言うなら、小沢・鳩山の二人の度量とか本気度をたしかめようとしていると分析するのが大人な分析なのだろう。その点で、鳩山は慇懃に、小沢は不躾にと、なかなか上手な応対をしている。(笑)

このような米国の揺さぶりは参議院選の直近まで続くのかもしれない。この米国流の揺さぶりと、米国の意を嬉々として受け入れる読売ナベツネが噛んだ「たちあがれ日本」の新党結成も絵に描いた餅戦略の一環なのかもしれない。

当分、日米間の静かな「根競べ」「睨みあい」は続く。要観察事項と記憶しておこう。

≪　小沢幹事長、訪米見送りへ　「二元外交」の批判回避

　民主党の小沢一郎幹事長が検討していた４月末からの訪米を見送る見通しとなった。鳩山由紀夫首相が掲げた米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設問題の決着期限と重なるため、「二元外交」との批判を浴びかねないと判断したと見られる。
　党幹部が明らかにした。小沢氏の訪米は、普天間問題の進展につながるとの期待感も政権内にあった。だが、首相は普天間問題の決着期限を５月末と設定。小沢氏は普天間問題は「政府が決めること」との立場で、「この時期の小沢氏の訪米は憶測を呼ぶ」（側近議員）として、最終的に見送った。
　小沢氏の訪米は、２月初旬に国会内で会談したキャンベル米国務次官補が「ゴールデンウイークにでも大規模な訪米団を送ってほしい」と要請。オバマ米大統 領との会談も話題となり、小沢氏はその場で「それなりの時間を取っていただかないと困る」と伝えていた。
　米側には小沢氏が大統領と会談することへの懸念もあった。小沢氏が政府首脳でないことや「検察捜査の渦中にあった人物」（元米政府高官）という理由からだ。小沢氏は最近、周囲に「自分が行きたいわけではないが、米国が来てほしいというから準備している」と、後ろ向きと取れる発言もしていた。（朝日新聞：電子版） ≫

≪　日米首脳、公式会談見送りへ　政府筋「話す機会ある」

今月１２、１３両日に米首都ワシントンで開催される核安全保障サミットに出席するため訪米予定の鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領との首脳会談設定が難航、公式会談は見送られ、非公式会談となる予定 であることが６日分かった。日本政府筋などが明らかにした。　米側が鳩山氏との公式会談を避けた背景には、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）移設問題をめぐる日米間のぎくしゃくぶりを首脳レベルで表面化させたくない意向があるとみられる。
　日本政府筋は「関係閣僚を従えた正式な首脳会談の形ではないが、２人がある程度落ち着いた形で話す機会はある」 と述べた。
　鳩山由紀夫首相は７日午前、同サミットに関連して公邸前で記者団に「（非核国への核不使用方針の）議論を十分やりたい」と述べ、オバマ氏との会談に意欲を示した。　日米関係筋によると、米側は「約４０カ国の首脳が参加するサミットを主宰するオバマ氏の日程が厳しい」としている。（共同通信：電信版）≫

≪　郵政改革や牛肉問題を懸念＝日米関係に「影」

−ＵＳＴＲ次席代表米通商代表部（ＵＳＴＲ）のマランティス次席代表は７日、ワシントン市内で講演し、日米の通商関係について「両国の良好な共同作業に影を落としている事案があることを心配し始めている」との認識を示した。その上で、郵政改革や米国産牛肉の輸入制限、エコカー補助制度の３点について「重大な懸念が高まっている」とし、米中関係だけでなく、日本との通商関係でも摩擦が生じる可能性を示唆した。
　マランティス次席代表は、郵便貯金の預入限度額引き上げなどを盛り込んだ鳩山政権の郵政改革案について「日本側が何を望もうが、われわれの要求は民間との対等な競争条件の確保だ」と強調した。
　 一方、日本の牛肉輸入制限については「科学的根拠に基づいていない」と改めて批判、ビルサック米農務長官の訪日による制限撤廃に向けた進展に期待感を示し た。また、エコカー補助制度については一段の適用基準の緩和が必要とした。（時事通信：電子版）≫

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コメント
01. 2010年4月08日 06:51:49: JoPnYkgQH6 従属するばかりの前政権数十年間と違い、ちゃんと「外交」している。民主党の日本外交は、なかなか見事である。
02. 2010年4月08日 07:42:24: Po45Vm490c この投稿の中の鳩山は慇懃（無礼）に、小沢はぶしつけに対応していると言う見方は面白い。　なんだか戦前の近衛首相（当時）の対米外交を見ているような気がして興味が増す。　小沢幹事長が訪米要請を断わったようにあるが、実際はアメリカがちゃんとしたセットをしていないから見送ると言うことなのだろう。　行かないよと通告したと言うのではないだろう。　もともと嫌がらせの一種なのだから、この対応は当然の結果である。　お使い役のキャンベル氏だって、たかが国務省の次官補だから、ちょっと役不足だろう。　しかしこの状態になると、五月に普天間基地問題の解決を約束していた鳩山首相はちょっと苦しくなる。　米通称代表部・USTRの言っていることは放って置けば良い。　ワシントンでの核安全保障の話に首相が出席しても、相手が公式な会談はしないのなら、それで良いのじゃないか。　その内に向こうがやってくるだろうと言っていればよかろう。　何度も言ったように、普天間は今のままではお互いに困るから、早急に基地を閉鎖したい。　基地の移転先は住民の反対がある以上、沖縄県内は駄目だし、他に代替地もできないから、日本国内から出て行ってもらうしかないと通告すれば良い。　デモクラシーだから、住民の意思は尊重しなければならないと言うべきである。　言わなくともこっちの気持ちが伝わるだろうというのは、かえって相手に乗ぜられる隙を与えるのじゃないかと思う。　N.T
03. 2010年4月08日 09:11:38: Po45Vm490c 追加します。　小沢幹事長の訪米取りやめについてだが、京都での小鳩会談で首相から二元外交になるから止めて欲しいと言われた可能性がある。　多分幹事長はそれを受けて取りやめにしたのだろう。　だとすると、鳩山首相は自ら退路を断ったということになる。　確かにこの時点での小沢幹事長の訪米は、二元外交のそしりを受けることになるだろう。　また政府としては、政策には口を出さないと言う約束に反すると言うことになるのだろう。　小沢幹事長としては政府が是非にと頼むと言うことでなければ、行く気は無かったろう。　ただしこの結果については、全て鳩山首相が責任を持って解決すると言う立場に自らを追い込んだことになる。　普天間問題だけでなく、日米間の外交は袋小路に入ってしまった。　中国との首脳外交も進まなくなる可能性がある。　マスコミはこの結果に対して再びネガ・キャンを再開するだろう。　N.T
04. 2010年4月08日 11:15:17: 0itefVYJUM 我が国・日本は、独立国家。 国益を考えて、主張すべき事は、理路整然と毅然とした態度、筋道で、主張すれば良い。 但し、諂う事無く、慇懃に。 戦後６４年も経過し、敗戦・被占領意識から卒業し、真の独立国家として、その在るべき姿の国家を、実現する為、新しい政権は、頑張って戴きたい。 国民は、其れによって、明るい将来が期待される。 頑張れ、鳩山内閣・民主党！
05. 2010年4月08日 11:30:31: fsAE0PMWAc 鳩山政権には、普天間問題は政権期間ギリギリまでよく粘ってじっくり決めてもらえばイイ。 政権与党が変われば前政権の決め事は総てご破算になるのは当たり前。 米国自身がそうなのだから、別に論拠が通ってれば納得するだろう。 また納得してもらわなくては困る。 イチャモンつけてくるのは、現政権への牽制と度胸試しの意味合いが強い。 情けないのはナベツネＣＩＡ傀儡総司令官以下の国内のマスゴミ。 宗主国の顔色ばかり伺い、国民の選んだ政権打倒に日夜奔走する。 この国は一体誰のものなのだろうかと思う今日この頃。 新党「たちあがれ日本」。 ネーミングセンスは置いといても、党利党略の筆頭が「民主政権を倒す」ことだとか。 これも気味が悪いくらいＣＩＡマスゴミと一致しており、見据える先に国民は不在だ。 それらに比べると、鳩山・小沢両氏が押し進める対米外交は マスゴミの遠吠えとは裏腹にこれまでの自民政権にない対等な外交関係をちゃんと模索しているようでなかなかどうして立派なものである。 二元外交については、単なる宗主国のリクエスト（命令）に渋々応じただけで、 民主側から、ましてや小沢幹事長から申し入れたものではない。 先方にその気がないのならわざわざ大挙して行く必要もなかろうというもの。 ただ、日本政治の誰が実質キーマンかちゃんと把握してる点は、さすが宗主国であると付け加えておく。 いずれにせよ、日本という属国財布を維持したい宗主国とそれに飼い慣らされた 日本のマスゴミ・政財官の既得権益陣営どもは、 決して真正面から民主党及び小沢氏の動きを評価しようとしないどころか、 あらゆる切り口からマイナス・イメージを植えつけようとするだろう。
06. 2010年4月08日 11:50:00: RumzxWsQt2 鳩山首相に自分で退路を断つ度胸があるかどうかは少し疑問ですが、おしゃる通り今の小沢幹事長の立ち居地は間違いないと思います。兎に角、参議院選挙で過半数を取ることです。政権が安定しなければアメリカも舐めて揺さぶりを止めないでしょう。今は耐える時でマスコミ世論に惑わされる人を説得している時間もありません。小沢さんが言ってる政権交代が絶対に必要という意味は対アメリカ戦略にあるのですね。国民は冷静にアメリカを敵と見て戦う時が来たようです。覚悟をしましょう。
07. 2010年4月08日 18:54:40: VZGFHtUPbE 　キャンベル米国務次官補、初めてのお使い・・ちゃんとできませんでしたね。 今度は、クリントンが来るかな。 　「約４０カ国の首脳が参加するサミットを主宰するオバマ氏の日程が厳しい」 　　　　アメリカにとって、日本は、重要度４１番目の国か？ そんな国をアメリカが守るだろうか。
08. 2010年4月09日 20:07:01: JG9rkh81Sc 日本がいなきゃ困るのはアメリカ。世界でアメリカがいなくても別に困らない。 中国がじわじわ迫って来ている中で焦っているのもアメリカ。そろそろアメリカが一番を止める時期にきている。最後の切り札を握っているのは日本。 鳩山・小沢は今までにない日本の政治家のタイプでアメリカがそれに戸惑い、翻弄されているのが滑稽で面白い。これからが楽しみです。国民と共にNOと言える日本。
09. 2010年4月10日 15:19:38: 6ucRi5Xv6w 答えはリチャードコシミズにあり ４月１０日１：３０〜４：３０ 実況中 [削除理由]：２重投稿
10. 2010年4月12日 12:03:16: pMJPPkn2Xo 02さんの考え方に同意です。戦前、日本が包囲された時の状況を危惧し、反省する見方も有りますが、少しくらいは骨のある外交をし、従属外交から少しでも脱することが出来るかどうか、日本は米国の５１番目の州ではないというところを、どう見せることができるか。沖縄問題の政府の対応を好意的に見れば、戦略的に進めていると思うのだが。

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