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理論のみで食っていける学者や評論家とは違って、政治家は現物を提示して初めて評価される。どんな立派な構想を持っていたとしても、政策によって具現化できない政治家は「無能」の烙印を免れない。さて「普天間飛行場代替施設」問題ではどうだったろう。
自民党とアメリカは「辺野古沖」が唯一可能な案だと強弁している。長い交渉を経てまとまった、とも言っている。そうならば２０１０年３月３１日の鳩山・谷垣党首討論の首相の次の発言は、どう判断すればよいのか。
鳩山『自民は１３年間何もやってこなかったではないか』
鳩山『合意を取り付けたといっているが、現実に杭一本打ってないではないか』
谷垣総裁は「もう少しで着工するところだった」のような返答をしているが、自民党が引き続き政権を担っていたなら・・と言いたかったのか。１４年目には工事に入ったのに話を滅茶苦茶にしやがって、と恨み言を言いたいのか。もしそのとおりいったなら、間違いなく辺野古は「第二の成田」だ。
人口密度の高い日本に、新たに「招かざる施設」を造ろうとすれば、どこであれ「反対運動」は避けられない。今度はバックにアメリカが控えているのは強みだが、紛争は日本人同士がやらなければならない。アメリカはおそらく「早くしろ」と言うだけだ。自民党は政権が変わって案外ホッとしているのではないか。
ヘリの発着施設だけなら地方空港にも移転可能だと考えるのは、素人の乱暴な考えか。発着便数が減って維持困難なローカル空港はかなりあると思われる。テレビで見ただけだが普天間飛行場ぐらいの平地は、耕作放棄水田をまとめて整地すればできそうなのだが。「ここは一発国に借り上げてもらって、ショバ代で・・」と知事が考えたとしても、県民が承知しないか。いろいろ基地周辺に問題が起きているのは皆知ってるからな。
問題の大本は「対等な同盟関係」ではないということだ。「守っていただいている」という意識を全国民が抱いているうちは、永久に対等になんてならない。「武力による国際紛争の解決」を放棄していながら、武力により防備しなくてはならないという矛盾が根本にある限り基地はなくならない。たとえ実質「他国への前線基地」だったとしても。
いっそ事業仕分けで「米軍の本土防衛能力の検証」をやったらどうだ。必要と判断されれば居てもいいし、無駄なら金も土地も出さない。米国債の購入だけでも、かなり貢献はしていると思うのだが。全世界の米軍の展開費用の幾らかはその中から出ているのだろう。武器というのは使用してもしなくても、いつか更新しなければならないから、その金もまた・・。
アメリカとロシアの核軍縮交渉が調印されたとか。それはそうだ、テロリストには「核の抑止力」なんて役に立たない。「やられたら、やり返すぞ」ってどこにミサイルを撃ち込めばいいんだ。大国同士が経済的に抜き差しならない関係になった現在、相手を完全に消滅させることなど非現実的なことに気がついたのだろう。お客がいなくなれば、商店は廃業せざるを得ないから「お得意様」を決して放さない。
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