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発言を一言一句慎重に発しなければならないとき、発言者の取る方法には二種類ある。ひとつは発言量を極端に減らすタイプ。尻尾を掴ませないためにはまっとうな戦術だ。聴く者は少ない言葉にあれやこれや想像を巡らすしかない。小沢氏がこれに該当しそうだ。
もうひとつはやたらと喋り捲るタイプ。言葉は豊富だが、結局何が言いたいのかを分からなくさせる戦術。後でようく考えると、何も確定していないのが分かるだろう。尻尾がいっぱいでどれが本物だかを隠す九尾の狐、鳩山氏のようだ。しかし言えない事は決して言ってはいない。普天間飛行場の移設先を一言でも言っただろうか？ 取り巻きはああだこうだと騒がしいが、「私は移設先に○○がいいと思います」と首相がメディアの前で発言した事があっただろうか？ このタイプには「言わない事」に注意すべきだ。
「決められないから言えないのだろう」そうかもしれない。しかしそれもまた想像だ。想像で抗議されても、痛くも痒くもない。「私がいつそんなことを言いました？」「・・・」結末が目に見えてる。マスコミの本質は「瓦版屋」だ。売れる話題がなければ、自分で作り出す。九本も尻尾のある狐は、格好の題材だろう。また新聞やニュースショーを見てもらえる。尻尾に胴体が繋がっていなかったとしても、かまうことはない。その時は別のニュースを追いかけるだけだ。今記事が売れることが重要で、花見が終わればゴミの始末など知ったことか。
つかみ所のない首相ではあるが、郵政改革法案の閣議決定は早かった。反対やら賛成やらの大臣がいたのに、アッというまに決まった感じだ。「亀井大臣に押し切られたのだろう」と言う声もあるが、最終決断をしたのは総理大臣だ。「俺が決めた」と強く言わないから存在感が薄いだけで、決定を下したのは間違いない。理系だけあって時間にはうるさいのかもしれない。基地移設問題でも「５月中には結論を・・」と一人頑張っている。相棒が逃げを打ち始めたのに。
政権をとって半年たった。「後退だ」「骨抜きだ」と言われながらも、マニフェストを実行に移している。選挙公約が空手形と同義語だったことを考えれば、少しは進歩している。機関車の進路を変えるために、今はポイントをひとつひとつ手で切り替えている最中なのだ。機関車はいきなり隣の線路に飛び移れない。それが可能なのは頭の中と動画の世界だけだ。
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