前政権が１３年もの間苦心惨憺して辺野古沖に基地移転の合意を取り付けても、工事に取り掛かれなかった。それをご破算にして、しかも昨年９月に政権をとって今年の５月までに結論を出すなどと言うことは、素人が考えても無理なことは一目瞭然だ。どこに「どうぞいらっしゃい」などと言ってくれる県があるというのだ。名前が出るか出ないかのうちに「反対決議」が採択されるのは目に見えている。

　しかしこの期に及んでも首相は「５月中に・・」と公言している。気は確かか、とマスコミは書いている。「破れかぶれで辞任しかない」とも無責任に言っている。そして国民は結末を固唾を呑んで見守っている。しかし、始めから首相の頭の中には県内も県外もなかったとしたら、どうだろう？　

　普天間飛行場はアメリカに帰ってもらう、の一点しか考えていないとしたら。反対決議の嵐も気にはなるまい。政策は一貫してブレてはいないことになる。官房長官や防衛大臣や外務大臣が何と言おうと、彼らは所詮「煙幕」であちこちに火をつけて回っただけだ。そんなもの始めから期待してはいない、としたら。

　もし、これが５月末に現実のものとなったら、７月の参議院選挙は恐ろしい結果になる。特捜部がいくらチャチャを入れても焼け石に水となるだけだ。「内政でパッとしなかったら、外交で点を稼げ」と言われるが、それを承知で普天間問題をご破算にしたのか？　最初からブースターロケットに使うつもりだったのか？　そのことに感づいた自民党の長老たちが脱出を図ったのか？

　しかしもし、反民主の思惑どうり最後まで右往左往していたなら、別の意味で参議院選挙は恐ろしい。「ねじれ国会」の悪夢が再現するだろう。再議決を多用することになるのであろうか。それで３年半はあまりにも長い。

　「基地をわが県に移設するのに反対」の声は一種のエゴだと思っていた。「ほかの県ならかまわない」の裏返しだからだ。しかし上述の戦略を鳩山首相が取っているのなら話は別だ。「わが県には来るな」の声は一転して応援歌となる。「いやなものはいや」とはっきり言えばいい。「何とかしてみます」などとは口が裂けても言わぬことだ。かりに本当にどこかの県に移設を考えていたのなら、たんまりと「地域振興資金」が提示されているはずだが、そんなこともないようだし。単にケチなのか。

　国外移設なら交渉する相手はアメリカだけだ。引き払われる沖縄は何も言うまい。連立方程式は簡単になる。「具体的地名はまだ話していない」国内に移設する気がなければ当たり前のことだ。「お引き取りください」でいいんだから。
　

コメント
01. ＳＷＡＮ 2010年4月16日 19:41:47: 5ZIUIYNeIYP/c: BMKcAVWoQQ ＜普天間飛行場はアメリカに帰ってもらう、の一点しか考えていないとしたら。反対決議の嵐も気にはなるまい。政策は一貫してブレてはいないことになる。 　私もそのように考えています。 　米国の威を借りた外務官僚の集団を向こうにまわし、普天間基地の国外移転を実施させるためには、これぐらいの策は当然のことです。 　１．米軍の今後の戦略にとって沖縄基地はさほど重要ではない。グアム移転は既に米軍　　の既定方針であること 　２．沖縄の米軍基地存続は、むしろ国内勢力がそれを望んでいること。 　３．国内移転の候補地に本気で取り組んだ姿勢が全く見られないこと。 　４．それにもかかわらず鳩山首相は５月決着を一貫して主張していること。 　などを考慮すれば結論は明らかなのではないでしょうか。
02. 2010年4月16日 19:48:42: B7imjkSuEo この投稿の最後の「お引取りください」が出るのであれば、日本人は覚悟を決めなくて応援しなければならない。　ここまで来て腰砕けになるのは、あまりに惨めである。　是非とも皆で応援して、そのように言って貰わねばならない。　「気は確かか」どうかは五月末には判るから、それまで待っている。　それにしてもアメリカは日本人に対する配慮がないのだろうか。　日本国民がアメリカに対して不快感を持ってしまえば、いくら中国の機嫌をとってみても絶対に損なデイールでしかないだろうに。　たかが海兵隊のちっぽけな基地ひとつの問題から、日米同盟そのもを破綻させるような損な取引をするのだろうか。　既に日米同盟は破綻したと言っても良い段階に来てしまった。　オバマ大統領とその背後にいる連中は、内心は渋い気持ちでいるだろうと思う。　アジア政策全体が破綻してしまう恐れがあるが、それに気がつかないのだろうか。　ちょっと不思議な気がするのだが、絶対に譲歩しないつもりなのだろうか。　N.T
03. 2010年4月16日 20:27:16: gavZae5KL6 前政権が１３年もの間苦心惨憺して辺野古沖に基地移転の合意を取り付けても、工事に取り掛かれなかった。この件、俺とは違うな！ 辺野古建設は米国アーミテージ一派や売国奴小泉・額賀初め自滅党の利権収奪目的で日米合意に漕ぎ着けたとの歴史共通認識が前提である。 13年間杭一つ打てない背景には、環境破壊の恐れで日本の市民団体が米国の裁判所環境保全訴訟で辺野古建設NOとの判決がおり、現地の人々が危険を顧みず身体を張って阻止行動も大きな要因である。 民主党政権になって公約実現に取組むのは至極当然のことなのだ。 それを、利権収奪反対勢力やマスゴミが鳩山内閣の足を引っ張る愚行を繰り返しているのだ。こいつ等は反社会的人間（勢力）で、日本の環境保全や基地存続による沖縄県民の被害より手前らの利益追求以外念頭にないのだ！ 今そこにある危機を隠蔽工作し、鳩山政権の苦悩や苦渋な選択に追い打ちを掛ける最低なマスゴミの改革が急務だ！国民の資質が問われている。
04. 2010年4月16日 20:31:20: JiuafC5wMQ 三つのキーポイント 来日中のキーティング前米太平洋軍司令官（退役米海軍大将）は米海兵隊駐留「沖縄でなくても良い」と発言。但し「計１万８千人の海兵隊を、日本のどこかに移すのに必要な費用は、日米いずれも負担できないと思う」と述べ、現実問題として、沖縄県外に移転することは不可能との見方を示した。やはりカネではないか。 なぜ在沖縄海兵隊は沖縄に駐留する必要があるのか　と書く大マスコミは一件も無い。すっかり尻尾が曲がっているのは、自民党ばかりか、大マスコミもその言論を失っているのである。 2000年から始まった20年間は，小泉ｹｹ中のように，日米の軍事同盟的固執の復古調カリスマを誕生させると同時に，その反対のカリスマも登場させた。つまり2010年までの前半はルールを破壊させる，復古的軍国カリスマが前半に大活躍した。2010年からの後半は，その反対の革新的平和的カリスマが登場し活躍する。さて誰かのう。こうご期待。
05. 2010年4月16日 20:43:19: FqDvXxU8vI 自称：真の保守派連中が、如何見ても常軌を逸した現実でない事に血道を上げている、あれは恐らく親族会社のニコ動人気に騙された麻生太郎一個人が、沢山に増殖した状態なのでは？ あんな捏造臭い世論調査とか、騙されてるのは騙そうとして捏造した側の連中だけじゃないですか。 でないと、５月末鳩山退陣説は、理解出来ないです。 控え目に言って、到底無理。
06. 2010年4月16日 21:29:08: g7VHLtxq1E アメリカは、日本はただ乗りで経済を発展させてこれたと思っている。だから、思いやり予算は当然だということだろう。グアム移転でアメリカに問題はないはずだ、ただ条件としてその費用は日本もちになっても驚きはない。当惑、落胆は、自民と沖縄利権に今まで潤ってきた日米前政権下の連中。世論調査はいずれにせよ、必ず上がる。大手マスコミは今度はどこを叩きはじめるのだろう。鳩山氏は最初からぶれずに彼流の表現で５月まで同じテンポでゆきそうだ。　であれば、お見事。
07. 2010年4月17日 10:40:26: g4Ox6C2Wlg 鳩山首相が５月末と言っているのは、予定であって、決定ではない。 当該問題には、紆余曲折あって当たり前、自公が使った１３年の時間を与えよう。 ５月延期なら退陣とは、自民とマスコミが造ったはかりごと。 アメリカは、沖縄基地で自国を守り、日本は基地提供で、守備される。 徴兵制もなく、国民は安穏生活しているのが現状。 私は、迷惑沖縄住民が、家屋防音、移転、移住が安く上がり、ベターと思っている。 県外、国外は、１からのやり直しで、同意にまたうん十年かかろう。 マスコミが民主党の悪公雑言を言うなら、代替案を提示して言って頂きたい。 民主党の健闘を祈る。
08. 2010年4月17日 14:55:36: NCi3q61PRo カッサンドラさんが投稿したこの大胆予測は、私の気持ちを大いに引き寄せるものがありました！ 何か似たような思いを漠然と考えていたので惹かれたのかもしれません 同様の事を考えられている方は、拍手数が少ない事からもそれほど多くないように思われます こう言う大胆予測をこの時期にされるのは、物凄く勇気がいるような気もします？ 更に驚いたのは、 １でコメントしてくれたＳＷＡＮさんが、私を確信に近いものへと導いてくれる情報を提供してくれた事です ＳＷＡＮさんの１〜４のコメントを読んで思わず唸ってしまいました！ これは、普天間に関する情報にかなり精通していて整理されていないと出てこないような気がします？ お二人（カッサンドラさんSWANさん）の投稿とコメントを読んでみて鳩山首相は、普天間基地の移転問題は 私の中では国外を模索しているのではないかと確信に近いものに醸成されてきました 私に確信に近い啓示を与えてくれたカッサンドラさんとSWANさんのお二人に感謝します 鳩山首相が国外を模索していると予測して５月末にどのように決着をみるのかは想像もできませんが、仮に国外移設が決まった場合に大手マスコミは「気は確か」と報道とした同じその口でどのような報道してくれるのかそれが楽しみではあります 最後に、私の妄想を披露するとこの件で小沢幹事長と鳩山首相は、同じ考えであろう推測しています 私は、小沢幹事長の「あの美しいジュゴン（辺野古）の海を埋立て良いものか」と言う発言を信頼しているんです http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col18588.htm Ｄｅｋ

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