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検察の陰謀、マスコミの堕落を批判していても、衆愚自身は我々の中にある現実。
http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/429.html
投稿者 天橋立の愚痴人間 日時 2010 年 4 月 29 日 21:04:47: l4kCIkFZHQm9g
 

検察審査会が小沢の起訴を要求した。
検察審査会というのは民間人から抽選で選ばれた人間で構成するという。

そうであるなら、世論調査などで小沢を批判する意見が80%を超えていることを見れば妥当な結論であると思う。

民主党があのていたらくでは、最早、小沢を弁護する論陣など張る気も失せたが、我が国の凋落はまだまだ進むだろうという予測に言葉なくうなだれる。

「民主主義は最悪の政治であるが、今まで存在したいかなる政治制度よりマシである」 ...
というチャーチルの演説のなかに「衆愚」という言葉は使われていないが、まさに民主主義を潰すのは「衆愚」であるのだ。

衆愚という概念は、今に始まったことではなく、古代の昔から民衆というものは衆愚を含んで存在している。

ギリシャの民主政治と言っても、あくまでも限られた人々の中での民主政治であって衆愚の弊害は確率的に少ないのである。

「衆愚」とは自覚のない多くの人々という意味でさらに、

「自覚」とは

自分自身のの置かれている状態や自分の、価値をすること。本来は仏教用語である。

自覚は単に意識の有る無しを意味するほかに、文字通り自ら覚ることを指す。「覚る」とは気付くとこであり、気がつかないことを反対語として不覚という。


自分の置かれている状況や、価値を認識する能力持つということは、個人個人の我欲のままに生きている人々に、本当に自分が置かれている状況や価値の把握が出来るであろうかということにつながる。

勿論、これらの概念は、人間が社会的な動物であるという大前提の上のことである。

他方、政治とは社会に対して全体的な影響を及ぼす複雑な領域であり、これは社会にとって何が問題であり、誰が人々の意志を決定し、どのような選択を採るべきかなど、あらゆる社会の問題を決定するものである。

政治における「衆愚」とは、まさに大衆に前述のような自覚を求めなければならないと言う命題に反する状況の現出をさす。

そうして、大衆の自覚という状況は、革命など一時期に発揮されることはあっても、常には想定できない状態である。
本来、人間とはそういう動物であるのである。

結果、民主主義の政治形態は、もともと衆愚の中にある制度であるのである。

実際に衆愚の影響は何時でも社会に現れることでもなく、また自然発生的に現れるともかぎらないのである。
何かの勢力に利用されて発生した衆愚の歴史的事実として、西欧の魔女狩、ナチスの台等などが考えられる。
自然発生的に衆愚が蔓延し、国を滅ぼす例は、古代ギリシャに始まって枚挙に暇がないであろう。


では近代以来、民主主義国家というものは、どのように衆愚の問題と対峙してきたのであろう。

それは各国、各時代にそれなりの政治家がいたのである。
政治において先見者である政治家たちが、大衆に方向性を示し、大衆の中に一定の自覚を促してきたのである。

歴史家のアーノルド・トインビーが文明論で述べているように、文明は常に先見者によってリードされてきたのであり、自然発生的に大衆の中から沸いて出るようなものではないのである。

さらに歴史を検証すると、昔の大衆は国家に期待する気持ちも浅く、国家単位のことには比較的従順で素直に政治を受け入れる素地があった。
こうした環境で選ばれた政治家は比較的容易に政治家(先見者)でありえた。

ところが現代のように情報が発達し、かつ物質的に豊かになった人々の自我は個人の自由、権利を追い求め、価値観の多様性という認識を存在の根拠としている。
そのような社会では先見者に従う気持ちなどとっくに薄れて、全てが大衆の流れの中に進むことになる。
社会の先見者を必要とする素地がなくなってきているのである。
政治家に求めるものは、先見性ではなく大衆が求める当面の利益の保証なのである。

それで全てが旨く行くのであれば、それもよいであろう。
ところが人間社会の実情は、そんなに単純に、理想的には行かないのである。
本当は今でも先見者は必要なのである。

現代社会の「衆愚」は、自己の主張を自覚と錯覚した大衆が生み出している衆愚であり、従順な大衆の中に眠っていた大人しい衆愚ではないのである。

衆愚が一人歩きを始めたといってよい。

明治維新を起こした英雄でも、現代社会ではとても英雄にはなれないと常に言っているように、現代社会において政治家たらんとすることは至難の業であると思う。
熱狂して迎えられたオバマにしても、最近の色あせ方は見るに忍びない。
ケネディが生まれ変わっても、とても大政治家になることは出来ないであろう。

こういう社会の中で、何処の国でも政治家は大衆をリードする力を失ってきているが、
これを社会の進歩というには早計であろう。
数百万年の人類の歴史のなか、高々100年くらいで人間のDNAに変化が起きているとは思わない。
人間社会の強欲、戦闘性、サディズムは原則的に変わるものではなく、それをコントロールしてきた人間の知恵としての政治は、まだまだ必要なのである。
政治家は必要なのである。

話しを戻して、我が国は何処へ向かうのであろう。
民主党のマニュフェストは、不十分ではあったにせよ、政治の方向性を示していた。
それを実現できない民主党員の力量不足は別として、小沢は、其の方向性を示し続けている。

今回大衆は、自己の主張から小沢を排斥する道を選んだ。
しかしながら、其の民意の中に、社会の先見性への思惑が入っているのであろうか。

小沢の政治資金問題、土地取得の問題が、どれほど政治家小沢の信念(先見性)を損なうことになるのであろうか。

民意は、小沢がもつ政治的先見性よりも、小沢個人の倫理的潔白性の方を重要視したのである。

要するに、民意は政治的先見性を必要とはしてないのである。

一方で、現代の大衆がもっている特質性を検証しなければならない。
子供の学力の面でも、国民一人当たりの生産性の面でも、すでに我が国は世界のトップレベルから脱落して久しい。

それもそうであろう、小学校での学級崩壊、モンスターペアレントの横行など、とても次代の日本の背負う人材の育成が出来る環境ではないことは自明である。
日本の大学生の高等教育を受けた自覚のないことは、アジア諸国のそれとは比べ物にならない。

こうして育った若者に向上心などは期待できず、何かあれば職場を放棄する若者が増えている。
今までの富の蓄積があるものだから、それでも食うには困らない現状が、いい年をして引きこもる人間が増大している。

テレビは馬鹿を競う番組が流行し、国民の多くが浮かれている。
多くのクイズ番組でも、応答者のリアクションの仕方の方が大事で、真摯なものが馬鹿にされている。

最近の政治では、民主党の木っ端どもの事業仕分けに喝采を送っている。
どの政治家もコメンテーターも枝葉末節に飛びつき、根本の問題に対応する勇気がない。

クソ官僚のために、日本中が重箱の隅を突くような細かい規制で雁字搦めになっている。
そういうことに意義を差し挟む気概のない、羊のような大衆も、自己の欲望の追及には目の色を変えて騒ぎまくる。

ヘレニズム社会(紀元1〜3世紀)の批評家が嘆いた下記の状況が我が国の現実のものである。
<< 現代に生まれた人間の精神生活の癌の一つは、精神的緊張の低下であって、ごく少数の選ばれた人びとを除き、我々はみな、弛緩した日々を送っている。仕事においても、気晴らしにおいても、我々がもっぱら目標にしているのは、人気取りと享楽である。全心を自分のしている事に打ち込み、本当に手に入れる価値のある承認を勝ち取ることのうちに見いだされる、真の精神的財宝を得ることに、少しも関心をもたない >>

このような我が国の現状に対して、中国、韓国、インドなどの旺盛なエネルギーをどのように感じているのか。

民意という大義名分の下、実際には真に社会的な自覚のない大衆の要望に沿って、全ての分野で必要な改革が出来ない我が国は、大衆とは関係ない一部の国際企業のみが繁栄を続ける三流国家まで行き着くことになるであろう。

それが我が国の民主主義の姿であり、衆愚と言っても差しつかえない。

確かに文明の転換などは、そんなに容易なことではなく、言葉だけで、議論だけで成し遂げられるはずはないのであろう。
大きな、具体的な困難に直面することが必要なのであろう。

終わり。  

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コメント
 
01. 2010年4月29日 22:58:09: E7ZxRhwXWU
お前のことだろ

02. 2010年4月30日 01:30:01: Zuo9mHMINl
01>

投稿記事の言ってることは、そういう喚き言葉しか吐けないお前のことだよ。
いい加減自覚したほうがいいぞ。


03. 2010年4月30日 07:19:56: L6YwapgP0w
01<・・・まったくどうしようもない今の日本を象徴しているような馬鹿だね〜!

アホなマスゴミによって「知・情・意」すべてにおいて01のような中学生レベルの

日本人が大量生産されている。



04. 2010年4月30日 19:14:45: 3ElCzR7knQ
昔を思い出すなあ。70年安保の時代。言葉は言い尽くされ、実力行使あるのみだった。何か変えられた? 何か変わったのか? この文章の意味する先に果たして何があるのだろう? しかし現政権(民主党)相手に、応援したい気はあるものの、反対行動をおこす気もしないし、そういう理由もない。

05. 2010年5月03日 23:41:40: DoscMwsZqW
事実認識は概ね正しいと思うが、
>「最近の政治では、民主党の木っ端どもの事業仕分けに喝采を送っている」
これは、いただけない。
私は会社員であったころ(30年ぐらい前)から、天下り団体の
「濡れ手に粟」の状態を知っていた。
なぜなら、仕事でこちら(製造側)が赤字なのに、間に入った特殊法人が
30%の中抜きをされて、おさめていたことに悩まされていたからだ。
「赤字だから、注文を辞退しよう」と何度言ったことやら、しかし
中抜き特殊法人を介する慣行で、辞退できず、こちらは涙をのんで
人員削減などの血を流して対処してきたことを経験した。
そのこともあって、いったいどのような、外郭団体があるのか調べたら
あるわあるわ、まるで産業全体を生き血を吸うベールで覆っているかの
ように数千・たぶん数万の中抜き・ピンはね・補助金吸血の虫だらけだ。
だから、30年の思い(これらの吸血団体にメスを!)をいくらかでも
やってくれる民主党は私にとっては「正義の味方」だ。

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