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沖縄の肝苦(ちむぐ)りさ  「本土」のガゼル  (池田香代子ブログ)
http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/759.html
投稿者 純一 日時 2010 年 5 月 06 日 12:41:37: MazZZFZM0AbbM
 

【鳩山首相の沖縄での発言。月刊文春の岡本行夫氏(外交評論家)の寄稿の内容にピッタリ」、官僚に支持された対米追随外交派の岡本氏に振り回されては問題ではないか。
また、沖縄の人びとは、基地の苦しみをどこにも味わわせたくない、その気持を「肝苦りさ」と言うが、「本土」の人はいつまでそのことに気付かないのだろうか。】


(以下、転載貼り付け)


http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51402616.html


2010年05月06日00:00

神浦元彰さんのツイッターによると、
http://twitter.com/kamiura_jp

「今日の鳩山首相の沖縄での発言。今月号(5月号)の月刊文春の岡本行夫氏(外交評論家)の寄稿の内容にピッタリ」なのだそうです。「今日」とは5月4日。「鳩山首相の家庭教師が外務省出身の岡本氏になれば、首相の案が現行案帰りになるのは必至。また軍事オンチの岡本氏の対米追随外交に振り回される。イラクのサマワに陸自を派遣したように。」

私も、鳩山さんに抑止論を吹きこんだのは岡本サンだと常々思っていて、昨日もそう書きましたが、やっぱりね。「文春」、買っておこう。

寺島実郎さんの悪口をまきちらして(「寺島さんというのは、あんまり仕事はやらないんだよな」http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/2010-02.html#20100219)、
鳩山さんに寺島さんを遠ざけるよう仕向け、代わりに岡本サンを総理の近くに送り込んだ陰湿な勢力、ずばり外務省主流は、今ごろ私たちの税金で祝杯をあげていることでしょう。

ついでに言っておくと、陰口で人を貶めるのは女の特技と、男の人たちは言いたがってきましたけど、それは権謀術数の汚れた空気が渦巻く、風通しの悪い組織における人間の通例の行動パターンであって、これまでそういう組織をおもに取り仕切ってきた男性のほうが、この「お公家さん技」に長けています。でしょ? 組織内男性のみなさん。


その日も、東京のJRは人身事故のためにダイヤが乱れていました。ホームの両側にドアを開けたままの電車が停まり、上りも下りもいつ動くとも知れません。駅のアナウンスが同じことを時々思い出したように繰り返します。乗客は、足早に行き来する駅員にくってかかるでもなく、状況を知らせる携帯電話をかけるでも、メールを打つでもなく、静かに時をやり過ごしていました。

またか、といううんざり感でしょうか、焦らず、何も考えないでいるのがいちばん耐えやすいのだという悟りでしょうか、晴れた連休の昼下がり、風はときおり車内を吹き抜け、穏やかに時は流れていました。

自ら死を選ぶ。それは、私たちの誰に起こってもおかしくないほど、ありふれた出来事になって久しい昨今です。薫風薫る5月の真昼、銀色に光る車輪とレールにからだを寸断されるか、その電車のシートに座っているかは、まさに電車の床板一枚の運命の差と言えるかもしれません。その出来事に見舞われたのが、きょうのところは私ではなかった。私はまだだいじょうぶ、安全地帯にいる。恵まれている。だったら、心静かに文庫の行を追うのが賢明なのだ……。

文庫や携帯ゲームに目を落とす人びとを眺めているうちに、心の底から異和と不穏とともにゆらゆらと浮かび上がったのは、ガゼルの群れ、という言葉でした。岩陰づたいに忍び寄ったライオンが、群れに躍り込む。ガゼルたちは恐慌をきたして逃げ惑う。そのうち、弱った一頭が猛獣の爪を逃げ切れず、あっというまに取り押さえられ、やわらかい腹に牙が食い込み、近くに潜んでいたさらに数頭のライオンに襲いかかられる。

それを合図とするかのように、ガゼルの群れは落ち着きを取り戻し、いつしか仲間が餌食になっているすぐそばまで戻ってきて、まるでなにごともなかったように、再び草を食(は)み始める。はらわたを喰われる仲間の後肢が、空(くう)を蹴るように揺れている、そのすぐそばで。

これと同じことが、沖縄と沖縄以外、あるいは徳之島を含めた琉球圏とその圏外に起きてはいないでしょうか。

ライオンの餌食にならずにすんだなら、慌てず騒がず草を食むのだと、そこまでしか考えず、あるいは考えもせずになりゆきに忍従する、そんなガゼルの群れの中に、「本土の私たち」はいないでしょうか。

鳩山さんが沖縄に行って、深い落胆と怒りを引き起こした、その不手際の責任を、中央メディアはここぞとばかりに責め立てます。けれどメディアの批判という壁に守られて、自分の地元に米海兵隊基地が来たらなどとは一瞬たりとも想像しないでいいのだとする私たちがいるとしたら、私たちはガゼルなのではないでしょうか。

ガゼルなら、許すも許されるもありません。けれど、私たちは人間です。仲間の流した血だまりにいてもたってもいられないことが、人間とガゼルを截然と区別するのではないでしょうか。

沖縄には「肝苦(ちむぐ)りさ」という言葉があります。他者の苦しみに自分の内蔵がかき回されるような痛みを覚える、というほどの激しい意味で、同情などという、ある意味いい気な、微温的なものではありません。英語の「シンパシー」が、「共感」どころか「共苦」とでも訳すべきであったのと通じます。

沖縄の人びとは、基地の苦しみをどこにも味わわせたくない、そんなことは「肝苦りさ」と言いながら、現に自分たちこそが基地に苦しみ、その苦しみが去ることを心の底から願っています。どうして「肝苦りさ」が沖縄の言葉にはあって、「本土」の言葉にはないのでしょう。

「肝苦りさ」という言葉をもつ沖縄の人びとが、それをもたない「本土」の私たちに、「基地を沖縄以外のどこかに押しつけるなんて肝苦りさ」と言っているのを、「本土」の私たちはいつまで聞こえなかったふりをし続けるのでしょう。私たちが、わが身の安泰に草を食むガゼルであっていいはずはありません。

 

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