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60年に及ぶ米国への迎合、忖度、思考停止と「自発的隷従」 (世界6月号 編集後記)
http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/930.html
投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 5 月 09 日 17:01:30: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.iwanami.co.jp/sekai/

「青空を黒い雲が覆い出した。でも、その黒雲の光り輝くあたりを見るようにしよう」。先日、惜しくも亡くなった井上ひさしさんが、本誌で語った言葉である (99年7月号「この国の未来をどう描く?」湯川れい子氏との対談)。
「黒雲ばかりですが、でもこの世紀 (20世紀) で奴隷制度はなくなりましたし、拷問制度も公式にはない。それから植民地がなくなった。また、第2次世界大戦後、核兵器は使われなかった。日本もとにかく直接的には誰も殺していない」
 人間はひどいことを沢山してきた。戦争で多くの人々を残虐に殺し、原爆も落とした。一方で、人間はその現実をおかしいと思い、人権や平和の夢を語り、理想を掲げ、一歩一歩、そこに向けて進んでもきた。井上さんは、そういう人間を「けなげ」と呼んだ。
 奴隷制の廃止も植民地支配の廃止も男女同権も、はじめは夢に過ぎなかった。誰も、圧倒的な「現実」を変えることが出来るとは思わなかった。それでも一握りの人たちが、現実を批判し、異議を唱え、夢を語り続け、少しずつ支持を広げていった。その結果として、「現実」は変わっていった。「黒雲そのものよりも黒雲のへりの光り輝くあたりを」見ようとし続け、言葉を紡ぎ続けたのが井上さんだった。
 いま、戦争や核兵器や軍事力をなくすことは夢かもしれない。しかし、その戦争も、1928年の「不戦条約」以来、非合法化し、廃止していこうとする人間の歩みは続いている。その歩みの一つの結晶が、日本国憲法であり、9条である。
 周辺は山のような「黒雲」ばかり。紛争や戦争が絶えたことはない。その「現実」を見れば、戦力を持たないという9条は「理想的」過ぎるという声も、制定時から今日まで、絶えたことがない。しかし、その黒雲の「へり」に光り輝いているのが9条であり、晩年の井上さんは、その光を必死で守ろうとし、次の世代に引き継ごうとしていた。9条の会の活動がそれである (本号小森陽一氏)。
 普天間飛行場の問題で、改めて日米安保条約が焦点になっている。9条は理想であり立派だが、現実に日本を守ってきたのは安保であり米軍の軍事力であった――と考えるのが外務・防衛官僚、保守政治家、そして大方のメディアである。
 彼ら「現実主義者」はいう。日本周辺を見よ、まさに「黒雲」だらけではないか、普天間の代替施設建設は絶対必要だ、と。そして沖縄県民の県内移設反対の意思表明を前に、はっきりとはいわないが、言外に「現行案 (辺野古沿岸移設)」でやむなしというのが彼らの考えだろう。
 しかし、普天間をめぐる「現実主義者」が見ていないのは、沖縄県民の意思の強さ、固さである。地元首長が受け入れを表明しても14年間、辺野古の海に一本の杭も打てなかった。この「現実」を見なければならない。政権が幾つ変わろうと、県内移設は決して受け入れられない。
 むしろ「現実主義者」たちが前提としている日米安保の枠組みそのものを疑ってみるべき時である (本号特集)。日米共通の脅威とは、いま何なのか? どれほどのコストをかけるべきなのか? 海兵隊の駐留は本当に必要なのか?
 60年に及ぶ米国への迎合、忖度、思考停止 (本号水島朝穂氏) の中で、この国の官僚も政治家もメディアもすっかり「自発的隷従」(2月号西谷修氏) を身に付けてしまった。そこから脱却しなければ、本当の「現実」は見えてこない。
 

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コメント
 
01. 2010年5月09日 17:27:14: B7imjkSuEo
日米安保で日本に駐留しているアメリカ軍がいなくなると、すぐに中国軍がやってくるという人が意外に多い。 1945年以降だから65年間も続いているのだから、簡単には頭が切り替えられないということなのだろうか。 一種の中毒状態になっているのかもしれないが、その一方では憲法九条を変えるなという別種の中毒もあるということだろう。 憲法九条だってアメリカの日本占領政策の結果だから、アメリカ中毒から醒めるのであれば、憲法中毒も醒めなければならない。 といっても憲法を改正して、強力な自前の軍隊を建設するべきだとも思わない。 今の自衛隊のようなアメリカ軍の下請け的な軍隊ではよろしくないだろうが、規模としてなら今の自衛隊より小さなもので間に合うだろうと思う。 勿論核兵器を保有するなどは全く必要のない、むしろ有害な議論だろう。 まずないよりも先にアメリカ中毒から抜け出すこと、それが必要だと思う。 N.T

02. 2010年5月09日 17:45:27: NSReVogFWA
あめりかの日本支配が巧妙だったのか、日本人がパッシブだったのか?

いくらなんでも65年間のあめりか忖度は異常。

ヨーロッパやオーストラリアにも行くし、オーストラリア人の友人もいるが

あめりかがいなかったら、日本はもっと豊かになっていたのではないか?

という疑問を感じざるをえない。

勿論、自分(日本)の責任なのだが。

日本文化をもっと発展させることができたのではないか?(フランスを見よ!)。

あ、そういえばあめりかじんの友人はいなかったな。



03. 2010年5月09日 18:37:57: MJCuURRj3o
日本人がアメリカ人を嫌いになる前にアメリカも気づいたほうが良いでしょう。だんだん嫌いになりつつあります。沖縄の人は優しいですが、韓国人はアメリカ兵に優しくはしないと聞きます。本土でアメリカ兵が沖縄と同じ事件を起こしたなら米兵を見る目は全く違うと思います。やはり日本人が目覚めて戦わないといけない時が来ました。敵は身近に居るナチスに協力したフランス人と同じ、アメリカに国民を売り続けてきた連中です。  

04. 2010年5月09日 21:46:40: aacsfIYUAk
以前、読んだ本だっけな、
明治維新以降、江戸時代に育った親たちは、お上といえば、
その領地のお殿様か、将軍様のこと、「国」という意識は、せいぜい領地。
天皇は、京都だかどこから来たお公家さんのいちばん上の人くらいの認識。
明治の教育で「国」「天皇」植えつけられた子供たちは、親たちよりも
ずーっと凝り固まった「天皇主義者」で、お国のために「死ねる」臣民。

普通の人間にとって、「国」ってなんでしょう。産まれて、普通に親に
育てられて、言葉を覚え、幼稚園、小学校、中学と教育を受け、成長し、
最初の権力が、親、近所の年上など腕力の強い子供、大人たち。
幼稚園の先生、小学校の先生、昔なら悪いことすると
「おまわりさんにいいますよ」と脅かされ、地域によっては、
祭りなどで、鬼さんなど怖い存在(権力)を、従うものとして植えつけられる。
中学ですこし悪いことをすると警察や補導員が怖い存在(力を行使される)として
たちはだかる。
すこしづつ、「国」の力を教えられる。遊びなどを通し協調がいいことと
教えられる。「いじめ」などから、目立つことなどを控え、自分を押し付ける
ことを、身につけないとひどいことになることを教えられる。
国語、社会、学校の教育を通し、先生の言うとおり答えを書かないと、
間違いを教えられる。

このようにして、社会、国に都合のいい、従順な働き手として、教育される。

なにかのきっかけで、他の人からの影響で、自分からでも、いろんな書物と
自分の頭で考えるようになって、何%の人は、「国」がなんで、
権力がなんで、この社会のシステムに気がつく。
おおまかに、この社会を動かしている「力」を知るようになる。

これに、利害関係、価値観、しがらみ、などを乗り越えて、
この「現実主義者」に立ち向かわなければならない。

「他の国」との戦争に、「お国のために命を捧げる」には、
強烈な「排外主義」に巻き込まれないことが、
「自己責任」「非国民」の非難に立ち向かうことが必要である。
それが、隷属の鎖を断ち切る1歩である。


05. 天秤 2011年4月01日 13:29:23: OSc6AIl1nBc1M : EASrLheUAs
MJCuURRj3oさんが「日本人がアメリカ人を嫌いになる前にアメリカも気づいたほうが良いでしょう。だんだん嫌いになりつつあります」といわれていますが、それは誰のことですか? あなた自身のことですか? それとも日本人全体の傾向ですか? そのへんのことをきちんと明示した上で主張されないと、多くの人から同意されないですよ。また、もし日本人全体の傾向であるなら、何を根拠に言われているのでしょう? 
ちなみに、アメリカのある調査「アメリカ人が好きな国」ではカナダ・イギリス・ドイツについで4位でした。どういうわけか韓国は統計の中に出ていません。もしかしたら「韓国人はアメリカ兵には優しくしない」からなのかな? 
今回の東日本大震災でも、高濃度の放射能が舞う現地で、アメリカ兵のみなさんが懸命に日本人のために働いておられるではないですか。そんな彼らに冷たくしたら、他の国々の人達から軽蔑されますよ。
ちなみに、当方はどちらかといったらアメリカという国は好きではない方です。嫌いじゃないけどね。(^O^)

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